愛ことば･心の散歩路

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2022/02/23

^-^◆　【改訂】ＪＲで遭遇した心動く景色＜13＞

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テーマ：自分らしい生き方・お仕事(37606)

カテゴリ：ＪＲにまつわるほのぼの話

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^-^◆　【改訂】ＪＲで遭遇した心動く景色＜13＞
　　　　　　　　ー半世紀超の列車通勤の思い出ー

……小さな親切（誤解？）　＝　大きなお世話……

　変な形に見えた……。
二十代半ばの女性だ。
　ヨガだろうか……？
太極拳だろうか？

両手を前にＸ印に足は肩幅よりやや広め、
腰をゆっくりと落している。

朝、通勤電車を待っている、駅のホームでのことだ。

見るとも無しに見ていると、
今度は、左手を背中に回して、
右手は、片手拝みの様な形にして、
ゆっくり、ゆっくりと、体を捻っている。

本当にゆったりとした動きなので、
そんなに目立ちはしないが、
近くに居ると、やや違和感はあった。

　傘を逆さにした、ゴルフのアドレスの練習の方が、
ホームでは、まだ、受け入れやすい光景だ……。

　階段の方から歩いて来た８０歳前後とおぼしき男性が、
じーーと、彼女を見ながら、これまたゆっくり通り過ぎて……、

…………ん？
　ふと、立ち止まると、五、六歩彼女の方に、戻って来た。

彼女も気付いて「……何か……？」という顔をしている。

遠慮深そうに、モゴモゴしている男性…………次の瞬間、

「あんた……痔が悪いんか……？」……口をついて出た言葉。

瞬間、険しい顔になった若い女性は、問いには答えず、
その男性を睨む様にすると……そっぽを向いてしまった。

……互いに、真剣な表情！

……でも、可笑しい。

周りにいた三人は反対方向を向いて笑いを堪えている。
私も、下を向いてやっと笑いを堪えた。

彼女の反応に、悲しそうな顔をした男性は、

「スマン…………良い薬を知ってるから……思って……」

そっぽを向いている彼女を気遣うように呟いて、
立ち去って行った。

彼女は、周りを気にする様子だったが、
すぐスマホを取り出し操作に集中し始めた。

冷やかしでは、決してない……。
悪気もない……。

お互いに、普通の人だし……。

男性は、悪気どころか……むしろ親切心だったようだ。

でも、空気が読めていなかった…………そして、白けた。

誤解……？　小さな親切＝大きなお世話……。

笑ったら悪いような気がしながら、
やっぱり、笑いがこみ上げて来る。

こんな、すれ違いって……けっこう、身近にありますね。

　　　　　　　　　＜完＞

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