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今朝方、テレビのニュース番組で、
画面の下に流れるテロップで、
パヴァロッティ氏が亡くなったことを知った。
71歳であった。
ルチアーノ・パヴァロッティ氏、プラシド・ドミンゴ氏、
ホセ・カレーラス氏の3人でオペラ界の「3大テノール」と称し、
世界各国をめぐっていたのは、もう10年ほども前になるだろうか。
僕は音楽を趣味としているが、
こと音楽に関しては、姉からの影響をはばからず公言している。
小学生の頃に数年ピアノを習っていたが、
それも姉の影響があってのことであった。
姉は音楽大学の声楽科に籍をおき、
大学卒業後もオペラ団体の二期会準会員として、
数年間、セミ・プロ活動をしていた。
(もうとっくに辞めているが。)
オペラについても、やはり姉の影響で趣味のひとつに加わることになった。
長くバンド活動もしていたが、実は僕は、他の人のライブにほとんど行かない。
別に「ポリシー」というわけではなく、飽きてしまうからなのだが、
唯一、その人が来日すれば
時間が合えばコンサートに行くというミュージシャンはいるものの
(バンドの人ではなく、ソロ・ピアニストであるけれど)
それ以外は、行かない。
その僕が、大学の頃に、
好きな演目があって、やはり時間と、この場合金銭的な余裕も含めて都合がつけば、
一人でオペラを観に行っていた。
ドイツものとイタリアものが代表的であるが、
劇場で生で観に行く場合では、
話に小難しさがあって、時間も長いドイツものではなく、
軽い気分で「娯楽」として楽しめる、イタリアものをよく観た。
卒業論文は、おきまりのパターンでもあるが、
ワーグナーを中心として、音楽・芸術論を書いた。
哲学科なので、ワーグナー単体ではなく、
よく言われるニーチェ、ナチスドイツとの関係、
ショーペンハウアーの音楽論ほか、最終的にはキングクリムゾンまでを引用した。
卒業論文を書くにあたり、今は懐かし、
レーザー・ディスク(LD)を買い漁った。
ワーグナーについては、どうしてもはずすことができない
「ニーベルングの指輪」の全巻セットを購入し、
これだけで5~6万円かかったか、
とにかく、やけにお金のかかった卒論となってしまった。
ただ、趣味に合うのはやはりイタリアものであって、
(ちなみに、最も好きな演目が「トゥーランドット」である)
ミーハーではあるが、プッチーニ、ヴェルディを中心に色々手にいれていった結果、
僕の所持しているLDの多くが、3大テノールが姿を見せることになった。
個人的には、白血病を克服して復活したカレーラス氏が好きだ。
僕が初めて観たオペラである「カルメン」は、
カレーラス氏、アグネス・バルツァ氏の演ずるものであった。
世界的な人気で言えば、ルックスも凛々しいドミンゴ氏であろうか。
パヴァロッティ氏は、プライベートでは酒もタバコもたしなみ、
容貌からして「陽気なオジサン」という印象が強い。
もっとも、氏の「ハイC(五線を突き抜けた、高いドの音。なかなか出せない)」は、
やはり迫力があって、最も高く評価されることもある。
僕は三大テノールを生で観たことはない。
ひたすらLDやCD。
が、オペラについては、やはり生で観たいところである。
それは、世界的に著名な歌手でなくとも、
やはりオペラ歌手の歌唱は、レベルが違って、
何というか、耳で聴くのでなく、体全体がビリビリ共鳴するあの感覚がよい。
姉の歌唱の練習で、僕がピアノ伴奏をすることもあったが、
身内ながら、オペラ歌手の「凄さ」を感じたものだ。
ただ「声がでかい」というわけでないところがフシギだ。
むしろ、音量の大小でないところに「声量」というものがある。
よくいう言い方では、声がとにかく「飛ぶ」。
僕もはじめは、オペラに相当の抵抗があった。
誰が言い出したか知らないが、太っちょのオバサンが金切り声を上げて、
死の直前の女性を演じて、歌い終わったあとに息絶える。
そんな話をきいて、滑稽にも思ったし、全編「歌」ということにも違和感があった。
ところが、一度観てしまうと、オペラは「ハマる」。
ハマると、ほかの人に勧めたくなる。
多くの人が、オペラ伝道師になる。
日本でのオペラの認知度は、極めて低い。
日本で「オペラ歌手」として生計を立てていくのは、甚だ困難で、
結局「千の風にのって」とか童謡とか、そういうのを歌わないと暮らしていけない。
大衆の理解もかなり偏見がある。
僕は、秋などは、ジーパンにトレーナーの格好で観にいくのであるが、
必ず会場には、ドレスや和服をきたおばさんがたむろしている。
今回のパヴァロッティ氏死去は、僕にとっては相当な大事件であった。
ニュース速報を流しても良いのではないかというくらい。
日本では、あまりに扱いが小さい気がする。
国立劇場などをつくった割には、大衆に広がっていかない。
とても面白い「大衆娯楽」なのに。
氏のご冥福をお祈りしよう。
そして、なかなかスケジュールが合わないのであるが、
また「音楽の友」なんかを読んで、面白そうな公演は観に行きたいものだ。
(TVで宣伝している、海外のどこそこ劇場は、
びっくりするぐらい高価なのでキビシイが、
藤原歌劇団、二期会ほか、日本国内の団体であれば、
手ごろな価格で本格的なものを観られるので、おススメ)
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