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2016年06月14日
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「宣告」を読んでからキリスト教に関心をもっている。

そして何時間後に処刑される彼が何度も何度も読み返したのは聖書のゲッセマネの章。
古来、宗教家や武将、英雄には死を前にして端然としていたという話がいくらでもでてくる。けれども意外なことに聖書に出てくるイエスキリストの最期にはそうした話があまりない。むしろ来るべき死に怯え苦悩する様子が描かれ、それがゲッセマネの章である。
聖書に描かれるイエスキリストは奇跡を除けばあまりにも人間的だ。だから、奇跡がなければキリスト教という宗教そのものがなりたたない。そして奇跡の中で最大の奇跡といえばもちろん復活だろう。病気を治したのは実際にあったが、死者を生き返らせたり、自身が復活したりしたことはなかったというのでは、単なる薬草の知識や心理的治癒効果のせいだったのかもしれないということになってしまう。
合理的、理性的に考えれば、復活は虚偽だろう。そんなことはあるわけがない。でも、そうだとしたら、なぜ弟子達は命がけで虚偽の話を伝えたのだろうか。キリスト教徒がその後も増えていったのはなぜなのだろうか。弟子達は権力や財力とも無縁な若者で、復活さわぎも政治の中心からはるかはなれた辺境でのことだったにもかかわらず…。
「キリストコミッション」は推理小説家がイエスの死後6年目のエルサレムにタイムスリップして、遺体を動かした容疑者に話を聞くという物語である。なぜ岩が動いていたのか、墓の中にいた若い男は誰かというなぞ解きは新機軸なのだが、似たような小説では「イエスの復活」(エリック・エマニュエル・シュミット)の方が面白いように思う。
作者は自堕落な生活の後、信仰に入り、社会的にも成功したという。この作者については信仰が人生にプラスに働いている。理性を超えたものの存在などどうせ人はわからない。ならば、自律的な生活の維持、苦悩を前にした精神の平安など現実の必要のために、宗教が役立つというのであれば、それはそれでよいのかもしれない。邪道かもしれないが、功利主義からの信仰というものもある。





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最終更新日  2016年06月14日 18時27分51秒
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