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「大地」の第三部を読みおえた。
大地は第一部、第二部、第三部とあるが、実質別の小説と見た方がよい。
そして第三部が最も近代的な意味では小説らしい。
ずっとむかしこれを読んだ時には面白いとは思わなかった。
主人公に感情移入できなかったからである。でも、今読み返して十分に面白いと思うのは、「感情移入型」の読書を卒業したからなのかもしれない。
それにしても第三部の主人公は…中国人男性なのだが、性的なものへの怖れや知的で優柔不断なところなどは、女性である作者の分身だとしか思えない。淵とメアリーの関係は、そのまま男女を変えて作者の体験なのではないか。まあ、そのあたり文学研究者はどういっているか知らないし、一読者の勝手な想像なのかもしれないが。
この作品が発表されたのは1931年。人種差別、人種による違和感はいまよりもずっと強かった時代だ。こんな時代にあって「同じ人間」としての中国人を描いた小説が米国でベストセラーになったことは、大衆レベルで中国に対する同情心を引き起こしたのではないか。実際、日本が中国をその後侵略していく中で、米国は「日本帝国主義と戦う」蒋介石政権を支援していくのだから。もちろん小説「大地」がその理由ではないにしても、中国を支援していく政策を支持していく上での土壌作りの一因くらいにはなったのかもしれない。
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