カテゴリ未分類 0
全331件 (331件中 1-50件目)
お久しぶりです。ブログ更新を怠っていることをお許し下さい。おかげさまで元気に多忙な日々を送っております。受付医療事務を募集しています。認知症治療を学びたい方、医療介護連携について学びたい方、認知症専門外来および往診について学びたい方、オーソモレキュラー(分子栄養学)栄養指導を学びたい方、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを学びたい方、グルタチオン点滴について学びたい方、赤ミミズサプリメント治療(院長は赤ミミズ治療研究会会長)について学びたい方、米ぬか・ガーデンアンゼリカサプリメント治療について学びたい方是非、ご応募下さい。長久手南クリニック 岩田明
Nov 2, 2024
医原性認知症を排除しよう!医者にかかれば必ず良い薬を出してくれるとは限りません。下記のような治療を受けることで医原性認知症(医者の間違った投薬によって引き起こされる認知症)が引き起こされるのです。実際に当クリニック外来にはこのような患者が多数訪れます。食事指導をすることで内服薬を最小限にして、治癒力を導き出すのが医師の腕の見せどころなのです。心配な方はすぐに当クリニック認知症外来を御予約ください。抗認知症薬ドネペジル5mgによる興奮作用や降圧剤(ディオバン80mg/アムロジピン2.5mg)過剰投与による脳血流低下が物とられ妄想を誘発した医原性認知症1年前から物忘れが見られたため、近医で認知機能低下に対してドネペジル3-5mgを開始されました。その際の改訂長谷川式:13/30でした。1年3か月後に当クリニックを受診されたときに改訂長谷川式:14.5/30と軽度改善しているのですから、一見治療は上手く行っていそうです。でも、結果的に家族が困ってしまってしまって、当クリニックを受診されたのです。時々、物とられ妄想があり、主介護者である長女さんが困ってしまったのです。デイサービス利用拒否のため同居する夫(要介護4)との生活が困難にもなって来ました。医師は興奮性のある抗認知症薬を介護し難くする薬として認識すべきなのです。抗認知症薬ドネペジル5mgは抗認知症薬の中でも一番興奮性が強いため物とられ妄想を酷くしてしまうのです。抗認知症薬の興奮性はドネペジル5mg>レミニール16mg>リバスタッチパッチ9mgの順ですが、家族が物とられ妄想で困っている間は、興奮性薬剤である抗認知症薬は禁忌なのです。医師は物とられ妄想は脳血流低下が原因であるということを知らなければなりません。物とられ妄想があるなら必ず頭部CTで脳血流低下の有無を確認する必要があります。頭部CTで境界領域梗塞、Binswanger型(深部白質)梗塞を認めた場合は収縮期血圧(sBP)を通常よりも10-20mmHg程度高く維持すべきであると考えなければなりません。しかも、年齢と共にsBPを高めに維持する必要があります。70歳以上、sBP130-150mmHgを目標血圧、80歳以上、sBP140-160mmHgを目標血圧とすべきなのです。70歳以上で脳血流低下があればsBP140-160mmHgを目標血圧、80歳以上で脳血流低下があればsBP150-170mmHgを目標血圧にすべきなのです。こんなに高いと脳出血が起こると心配する方もおられると思います。ここでシトルリン含有赤ミミズの登場です。シトルリン含有赤ミミズは血圧降下作用および脳血流改善作用を併せ持つため、物とられ妄想には持ってこいの存在なのです。しかし、大事なことはシトルリン含有赤ミミズ開始後、7日間が一番血圧が下がると言うことです。従って、シトルリン含有赤ミミズ開始と同時に降圧剤減量を行う必要があります。シトルリン含有赤ミミズが血管内腔を広げ、降圧剤減量で相対的に脳血流上昇が見込めるのです。併せて腎機能改善までしてくれるのですから始めない理由はありません。知り合いからの紹介である。既往歴:うさみ内科クリニック①ディオバン80mg②アムロジピン2.5mg③ルネスタ2mg。1年前、改訂長谷川式:13/30。なかねクリニック①ドネペジル3-5mg。物忘れ、物盗られ妄想、介護拒否、夜間不眠、小刻み歩行、歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:14.5/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。BP154/81。物とられ妄想にドネペジル5mg中止、ディオバン80mg中止/アムロジン2.5mg継承、シトルリン含有赤ミミズ1Cap開始した。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mg/サアミオン10mgを開始した。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:15.5/30(+1)、近時記憶3/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP146/80。甲状腺正常。一般採血:Zn68以外異状なし。VitB1=26,VitB12=292,葉酸=7.3。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。ドクターイワタの認知症治療~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト
Jun 23, 2024
医原性認知症を排除しよう!医者にかかれば必ず良い薬を出してくれるとは限りません。下記のような治療を受けることで医原性認知症(医者の間違った投薬によって引き起こされる認知症)が引き起こされるのです。実際に当クリニック外来にはこのような患者が多数訪れます。食事指導をすることで内服薬を最小限にして、治癒力を導き出すのが医師の腕の見せどころなのです。心配な方はすぐに当クリニック認知症外来を御予約ください。コレステロール合成阻害剤であるスタチン(クレストール5mg)が物忘れを誘発した医原性認知症5年前からの物忘れと手足のしびれを訴えて来院されました。痛風発作に対してユリス1mg、高脂血症に対してクレストール5mgが処方されていました。痛風発作は自己免疫疾患であるという論文報告があり、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを指導して完治したという治験があり、同指導を行いました。アレルギー性鼻炎にビラノア20mgが投与されており、同指導を行いました。コレステロール合成阻害剤であるスタチン(クレストール5mgなどの高脂血症治療薬)は細胞内ミトコンドリア毒であり、神経細胞を含むあらゆる細胞の機能を落とすのですから即中止です(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。軽度腎不全および多発性脳梗塞に対してシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めました。筆者はシトルリン含有赤ミミズを投与した103症例において、治療前と治療8か月後を比較して拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧降下(P<0.001)、eGFR(腎血流量)増加(p<0.00001)と報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。シトルリン含有赤ミミズの腎不全の改善は著明であり、6ヶ月間でeGFR30mL/minから60mL/minに改善して治癒状態になった方もおられます。赤ミミズによる動脈硬化改善作用により血管内腔が拡大して血圧が降下することより降圧剤を減量出来、脳、腎臓、肝臓などの臓器血流量を上げることが出来ると考えています。腎不全、動脈硬化、高血圧を改善させたいならスタチンではなくシトルリン含有赤ミミズであることは明白です。医者が軽度腎不全患者に降圧剤やスタチンを投与して透析患者を作っているのが現実です。医者はこれに早く気付くべきです。シトルリン含有赤ミミズを軽度腎不全患者に投与すれば透析患者は激減するのですから早く知ってほしい。インターネット検索で来院された。既往歴:H7胆石症、東海病院。あさひ内科①ユリス1mg②クレストール5mg③ビラノアOD20mg。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 右淡蒼球石灰化、脳底動脈弯曲および石灰化。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:1、前頭葉萎縮軽度/多発性脳梗塞を呈する特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール5mgを中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c5.9,UA8.3,s-Cr1.18,eGFR49.1,γGTP63,GOT59,GPT88,TCL200,TG153以外異状なし。VitB1=31,VitB12=384,葉酸=3.8。軽度腎不全および多発性脳梗塞、脳底動脈弯曲および石灰化に対してシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。脂肪肝に対して中性脂肪食事指導を行った。ドクターイワタの認知症治療~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト
Jun 22, 2024
医原性認知症を排除しよう!医者にかかれば必ず良い薬を出してくれるとは限りません。下記のような治療を受けることで医原性認知症(医者の間違った投薬によって引き起こされる認知症)が引き起こされるのです。実際に当クリニック外来にはこのような患者が多数訪れます。食事指導をすることで内服薬を最小限にして、治癒力を導き出すのが医師の腕の見せどころなのです。心配な方はすぐに当クリニック認知症外来を御予約ください。抗認知症薬レミニール16mgがてんかんを誘発した医原性認知症いつも患者を連れてきてくれるケアマネージャーが関連施設の新規入居者を見ておかしいと思い、連れてこられました。10年以上前、トヨタ記念病院で上矢状洞髄膜腫摘出術を受けた既往のある方でした。患者に対して斉藤病院から①レミニール16mg②ベオーバ50mg③クレストール2.5mgが投与されていました。5年前から「頭の中でいつも音楽が鳴っていてうるさくて仕方ない」という訴えや「あそこに子供が居る」とか症状があったということでした。施設入所後は夜間不眠、夜間せん妄、感情失禁で困っているという事でした。頭部CTは何とか撮ることが出来ましたが、診察室に入っても座ることが出来ず、顔面をしかめ怖がって怯えておられました。話しかけても会話にならず、時計描写テスト:不可、改訂長谷川式:不可という結果でした。身体が固まっている感じでした。患者を診た瞬間に「側頭葉てんかん」が目に浮かびました。レミニール16mgがてんかん発作を誘発していると感じたため即中止しました。側頭葉てんかん(TLE)のため言葉も出なくなっていると判断して焦点性てんかんに適応があるビムパット50mg錠2錠1日2回朝夕食後を開始しました。ビムパットは眠気が出にくく、高齢者に多い側頭葉てんかんに適しています。私の中では一番選択です。50-100mgから開始すれば副作用は殆どありません。腎排泄型なので注意が必要です。イーケプラも高齢者てんかんの治療に用いますが、興奮する患者がおり注意が必要です。これも腎排泄型です。以前は慣例的に全般てんかんに適応があるデパケンを投与していましたが、眠気が出現すること、肝代謝型なので高アンモニア血症を起こして意識障害を起こすことがあり最近は使用しません。コレステロール合成阻害剤であるスタチン(クレストール2.5mg)は細胞内ミトコンドリア阻害剤であり、神経細胞を含むあらゆる細胞の機能を落とすのですから即中止です。低アルブミン血症3.7g/dLに対しては4.3g/dLを目標に卵を増やすように指導しました。施設患者の指導の経験から毎日卵1個摂取を増やすとアルブミン値0.2g/dL上昇することがわかりました。従って、この方の場合、1日3個ふやすように施設ケアマネージャーに指示しました。施設ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:10年以上前、上矢状洞髄膜腫摘出術、トヨタ記念病院。10年以上前、大腸癌、豊田厚生病院。斉藤病院①レミニール16mg②ベオーバ50mg③クレストール2.5mg。物忘れ、幻視「あそこに子供が居る」、幻聴「頭の中でいつも音楽が鳴っていてうるさくて仕方ない」が聞こえる、夜間不眠、夜間せん妄、感情失禁、鬱状態、不安感を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6.5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/側頭葉てんかん(TLE)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:不可、改訂長谷川式:不可と高度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、側頭葉てんかん(TLE)にレミニール16mg中止/ビムパット100mgを開始、幻視に抑肝散陳皮半夏2.5g、夜間せん妄にロゼレム4mg/リボトリール0.25mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日月後、中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:13/30、3/6と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL183,Hb11.8,Zn74以外異状なし。VitB1=26,VitB12=882,葉酸=7.7。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を開始した。42日月後、中核症状は16/30(+3)、近時記憶4/6(+1)と更に軽度改善した。側頭葉てんかん(TLE)にビムパット100mgから150mgへ増量した。ドクターイワタの認知症治療~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト
Jun 21, 2024
医者にかかれば必ず良い薬を出してくれるとは限りません。下記のような治療を受けることで医原性認知症(医者の間違った投薬によって引き起こされる認知症)が引き起こされるのです。実際に当クリニック外来にはこのような患者が多数訪れます。食事指導をすることで内服薬を最小限にして、治癒力を導き出すのが医師の腕の見せどころなのです。心配な方はすぐに当クリニック認知症外来を御予約ください。高血圧治療薬の最適化ホワイトコートシンドローム(白衣高血圧)の患者に降圧剤を出せば、自宅では低血圧になり、寒くて、だるくて、眠い状態が続き、医原性認知症となります。年齢相応の高血圧治療薬の最適化があります。70歳以上では収縮期血圧130-150mmHg、80歳以上では収縮期血圧140-160mmHgを目標血圧とすべきです。頭部CTによる画像診断で脳血流低下が認められる場合には更に収縮期血圧10mmHg高値を目標にします。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。スタチンは65歳以上に投与するな閉経後女性の生理的高コレステロール血症に対してスタチン(コレステロール合成阻害剤)が長期間処方されれば、低コレステロール血症となります。コレステロールは大切な細胞膜・ミエリン鞘・ホルモン・胆汁酸の材料であり、スタチンを65歳以上に出すべきではありません。スタチンは認知症には有効でないだけでなく悪化させることもある(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9)と報告されています。しかも、スタチンを投与しても血管プラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあり(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)、医原性認知症を引き起こすこともうなづけます。糖尿病治療は糖質制限で直せ小麦粉、精製糖質(砂糖、異性化糖、果糖液糖) を減らせば糖尿病を治療出来ます。徹底的な低糖質・高タンパク食を指導して、低血糖をもたらす糖尿病治療薬を減量することが大切です。糖質制限により、ブドウ糖スパイクに続くインシュリンスパイクによる低血糖に伴う眠気や鬱状態、 アドレナリンスパイクによる興奮状態を回避できます。糖尿病治療中の高齢者では、低血糖と認知症の間に双方向の関連がある(JAMA Intern Med. 2013 Jul 22;173(14):1300-6)と報告されています。糖尿病は糖質制限を最優先して、糖尿病治療薬を最小限にすべきなのです。糖尿病治療薬は、医原性認知症を引き起こすのです。神経障害性・がん性疼痛治療薬は中止すべき神経痛に対して整形外科や皮膚科で出される神経障害性疼痛治療薬 「リリカ(プレガバリン)」、「タリージェ(ミロガバリンベシル)」は眠気が強く認知機能を低下させ、医原性認知症を引き起こします。神経痛に対して整形外科で出されるがん性疼痛治療薬でもあるオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)の「トラマール(トラマドール)」、「トラムセット(トラマドール・アセトアミノフェン配合剤)」、「ノルスパン」は眠気が強く認知機能を低下させ、医原性認知症を引き起こします。プロトンポンプ阻害薬(PPI)は中止すべき逆流性食道炎に対してプロトンポンプ阻害剤(PPI)(オメプラゾン、ネキシウム、タケプロン、タケキャブ、パリエット)が長期間処方されれば、胃酸分泌を高度に抑制するため、食物タンパクからのVB12の分離を抑制しVB12の吸収が阻害されます。PPIが、認知症のリスクを1.44倍に高める( JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)ことも知られています。PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)ということまで分かっているのです。PPIは医原性認知症を引き起こすのです。ドクターイワタの認知症治療~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト
Jun 17, 2024
認知症外来予約が予約サイトで24時間いつでも可能です。必要事項を入力して下さい。抗認知症薬(興奮などの副作用/1年で無効)を出来るだけ使用せず、高蛋白・高脂質・低糖質・GFCF指導、分子栄養療法(ビタミンB/Zn/Fe)、降圧剤減量(BP130-150以上維持)、認知症誘発薬(スタチン/PPI/疼痛治療薬)中止、サプリメント(赤ミミズ/フェルラ酸・ガーデンアンゼリカ)により、完治を目指します。 長久手南クリニック 院長 岩田明2007/11長久手南クリニック(在宅支援診療所)を開設。脳神経外科専門医 No.4034 (東海高校1982/名古屋市立大学1989卒/米国ペンシルベニア大学1999-2006)。開設17年で認知症初診患者数9000名。抗加齢赤・ミミズ研究会会長。現在、認知症専門外来1500名、認知症専門往診130名。中部経済新聞、NHKクローズアップ現代、NHKウィークエンド中部、中日新聞医人伝、東洋経済、NHKクローズアップ現代+で報道。「認知症になったら真っ先に読む本」「認知症を絶対治したい人が読む本」出版。ドクターイワタの認知症ブログ(1500名以上の治療症例提示): http://plaza.rakuten.co.jp/aiwata 長久手南クリニックホームページ:http://www.nagakute-minami-cl.jp
Apr 16, 2024
認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。春の気配父の様子をみるために実家に毎日電話をかけ、週に2-3回訪ねています。母が介護をしていますが、その様子を見ながら投薬調節と介護サービス調節をしています。ケアマネージャーとデイサービスのスタッフには心から感謝しています。いつもありがとうございます。その実家の庭には春の花が咲き誇っています。ボケ@実家ツバキ@実家ヒマラヤユキノシタ@実家クロッカス@実家クリスマスローズ@実家症例報告家族からの紹介である。物忘れ、幻聴、妄想、暴言、暴力、鍵を決めた場所に置かない、ホットケーキを焦がす、車をぶつける、溝にタイヤが落ちるを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:2、注意スコア3/5、多動スコア1.5/4、ASスコア 2/4、注意欠陥多動障害(ADHD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:30/30、近時記憶6/6と。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。20日後、甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL190,Hb6.9,Zn63,Ferritin2.6以外異状なし。VitB1=29,VitB12=440,葉酸=7.5。鉄欠乏性貧血にフェジン80mg/生理食塩水100mLおよびフェルム100mgを開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。インターネット検索で来院された。既往歴:はやの耳鼻咽喉科①タリオン20mg②フスコデ4錠③ロキソニン屯。頭痛、アレルギー性鼻炎を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、注意スコア0.5/5、多動スコア1.5/4、ASスコア 1/4、筋緊張性頭痛症として治療を開始した。筋緊張性頭痛症に対してメチコバール1mg/ミオナール150mg/デパス0.5mg開始、ロキソニン60mg/ムコスタ100mg屯とした。アレルギー性鼻炎に対してグルテンフリー・カゼインフリー指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。9日後、中核症状は甲状腺正常。一般採血:Fe15,Alb3.8,Hb8.8,Zn73,Ferritin5.6以外異状なし。VitB1=24,VitB12=265,葉酸=7.4。鉄欠乏性貧血ににフェジン80mg/生理食塩水100mLおよびフェロミア100mgを開始した。ビタミンB12低下症にメチコバール1mgを開始した。治療のポイント1.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。開業医からの紹介である。既往歴:みかわクリニック①オメプラゾン20mg②フェロミア50mg③酸化マグネシウム錠990mg④アレロック5mg⑤トラネキサム酸⑥マイスリー10mg⑦SPトローチ。物忘れ、幻聴、暴言、暴力、夜間不眠、徘徊、嚥下困難を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:13/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下に対してオメプラゾン20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。夜間不眠にマイスリー10mgからレンドルミン0.25mgへ変更した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+8)、近時記憶4/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe49,Alb3.6,TIBC222,TCL180,Zn66以外異状なし。VitB1=25,VitB12=138,葉酸=9.3。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。知り合いからの紹介である。既往歴:H7腰椎圧迫骨折、東海記念病院。R5/10/27ドネペジル3-5mg、東海記念病院①ネシーナ25mg②ヒドロクロロチアジド12.5mg③リピトール5mg④フェブリク25mg⑤アムロジピン2.5mg⑥ミカルディス40mg⑦スピラゾン⑧ドネパジル5mg。物忘れ、夜間不眠、易転倒、右歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:2、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下に対してリピトール5mg/ドネペジル5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、シトルリン含有赤ミミズPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+4)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN31.1,s-Cr1.22,eGFR32.2,Alb3.5,TCL150,Hb9.4,Zn48以外異状なし。VitB1=30,VitB12=295,葉酸=6.8。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズムが出現したら一旦中止ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズム(振戦、易転倒、歩行不安定)にも注意が必要であり、症状が出現した場合はドネペジル中止します。2週間以上経過してから必要に応じてリバスタッチ4.5mgを開始します。レビー小体型認知症(DLB)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は薬物過敏を伴うためリバスタッチは9mgで維持します。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。6.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。7.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:H5/4うつ病、リーゼ5mg、長久手メンタルクリニック。人の言っていることが理解できない、早口で言われると言葉が入らない、夜間不眠、鬱状態、音に敏感を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、注意スコア2/5、多動スコア1/4、ASスコア1/4、注意欠陥多動障害(ADHD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6と正常範囲内であった。夜間不眠および五感過敏に対してインチュニブ1mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。12日後、上記周辺症状は不変だったためインチュニブ1mgは中止した。甲状腺正常。一般採血:γGTP89,Zn75以外異状なし。VitB1=33,VitB12=164,葉酸=5.4。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始、葉酸低下症に栄養食事指導を開始した。治療のポイント1.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)/レビー小体病(LBD)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。2.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。ちらし寿司@自宅
Mar 4, 2024
ひな祭りひな人形を出して飾りました。妻が巻き寿司を作ってくれました。末娘が15歳になり、ひな祭りを祝うのも後何回あるのだろう。ひな人形@自宅花粉症に一番効くことは?2006年アメリカから帰国後、急に花粉症を発症筆者はアメリカから帰国後、花粉症を発症しました。アレルギー性鼻炎には抗ヒスタミン薬と抗アレルギー剤であを併用していました。アレルギー性結膜炎には抗アレルギー剤点眼およびステロイド点眼を併用していました。グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットで花粉症が完治驚くことにグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを開始してから、数週間で徐々に改善して、翌年には花粉症は完全治癒、抗アレルギー薬および抗ヒスタミン薬を中止することが出来ました。頭の上の曇りがとれた感覚があり仕事効率もアップ、運動後の倦怠感もなくなりました。グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットで改善または治癒する病気過敏性腸症候群(IBS)、アレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、薬物アレルギー、食物アレルギー、じんましんなど)、発達障害(注意欠陥多動性障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)など)、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)など)、神経難病(アルツハイマー型認知症(AD)、レビー小体型認知症(DLB)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)など)は、腸漏れ(リーキーガット)症候群が原因で引き起こされることがわかってきています。小麦に含まれるグルテンや乳製品に含まれるカゼインが腸漏れ(リーキーガット)症候群の原因と考えられており、小麦を取り除いたグルテンフリー(GF)ダイエットおよび乳製品を取り除いたカゼインフリー(CF)ダイエットを積極的に指導しています。生理食塩水による眼球および鼻腔洗浄により花粉除去は継続生理食塩水をスプレーに入れて持ち歩いています。生理食塩水による眼球洗浄により眼球から花粉を除去し、生理食塩水が鼻涙管を経由して鼻腔内洗浄も出来、数分後に鼻をかむことで花粉を鼻腔から取り除くことが出来ます。筆者によるケトジェニック・グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエット実践の成果筆者もケトジェニック(低糖質)ダイエット(1年以内)により10kgの体重減少、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実施することで、花粉症は完全治癒したのです。筆者はGF・CFグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを5年間継続して益々健康になっています。是非、皆さん、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実践して健康になりましょう。ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:R4/10ドネペジル3-5mg、ひできゆかりクリニック。緑ヶ丘ファミリークリニック①ジャヌビア50mg②フォシ-ガ5㎎③酸化マグネシウム④センノシド12㎎⑤ドネペジル5㎎⑥ブロプレス2㎎⑦エゼチミブ10㎎。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁、病識欠如、歩行不安定を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞軽度。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶3/6と高度低下していた。認知機能低下にドネペジル5㎎/ブロプレス2㎎/エゼチミブ10㎎中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+4)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.6,BUN28.0,Alb3.8,GOT34,GPT45,TCL178,TG185,Zn66以外異状なし。VitB1=43,VitB12=444,葉酸=9.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.ドネペジル5mgの効果がない場合は一旦中止前医からドネペジル3-5mgが出ている状態で外来受診された場合は、ドネペジルに治療効果があったかを家族に確かめる必要があります。治療効果がなかった場合は、一旦中止してみることも大切な選択肢です。アセチルコリンを介する抗認知症薬はレミニール、リバスチグミンテープという選択肢もあるからです。抗認知症薬を変更する場合は、最低1週間程度の休薬期間を設けるとよいことが報告されています。2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。5.中性脂肪高値/成人型糖尿病糖尿病にも成人型自己免疫糖尿病が報告されていますhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32498935/。成人型2型糖尿病はリーキガット症候群により膵臓インシュリン産生細胞に対する抗体が生じて糖尿病を発症すると考えれます。当クリニックでは糖尿病患者にグルテンフリー実践を指導しています。リーキガット症候群を考えて同時にカゼインフリーも指導しています。グルテンはモルヒネに似た構造をしており、中毒性があるため食欲を抑えず楽なります。グルテンはアミロペクチンAという血糖値を上昇させる成分も入っています。グルテンフリーの食事ならアミロペクチンAの摂取量も抑えられます。血糖値への影響が少ないグルテンフリーは、糖尿病患者さんには非常に適した食事法なのです。グルテン(小麦粉)食、たとえば、朝がパン食、昼夕が麺食という方が中性脂肪が上昇、脂肪肝、皮下脂肪貯留、後にHbの糖化が起こり、HbA1c上昇=糖尿病となるのです。糖尿病の方に認知症の方が多いというのは、グルテン過多の方がリーキガット症候群となり、自己免疫疾患である糖尿病と認知症を合併するのは必定なのです。当クリニックではグルテンフリー食を勧めていますが、糖質制限食は勧めていません。糖質制限を1年以上続けると寿命を短くするという論文報告があるからです。日本の旅館のような食事、朝食であれば、白米、味噌汁、納豆、卵、鮭、海苔というような食事、朝昼夕食すべて白米と高タンパク食(肉、魚、卵、大豆)を中心に摂取するように勧めています。6.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。7.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:H25心筋梗塞、ステント留置術、愛知医科大。くりた内科クリニック①タケルダ②クレストール2.5mg③メインテート2.5mg④ワーファリン1.75mg⑤カナリア⑥シュアポスト1.5mg⑦ベシケア5mg⑧ロトリガ2g⑨レミニール8mg。物忘れ、食慾低下、膝組みを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にタケルダ/クレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+2)、近時記憶3/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c8.4,s-Cr0.9,eGFR44.8,Alb3.9,TCL192,Zn66以外異状なし。VitB1=31,VitB12=548,葉酸=10.1。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。認知機能低下に対してメマンチン5mgを開始した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。6.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。7.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。友人からの紹介である。既往歴:H27肺炎、公立陶生病院。山手クリニック①ブロブレス2mg②アムロジピン2.5mg③リピトール10mg④セファドール75mg⑤セロクラール20mg。物忘れ、易興奮、帰宅願望、被害妄想、鬱状態、甘い物好きを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。BP131/72。認知機能低下にブロプレス2mg/リピトール10mg/セファドール20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:12/30(-7)、近時記憶3/6(+-)と著明悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL213,TIBC248,Hb11.9,Zn69以外異状なし。VitB1=29,VitB12=282,葉酸=11.8。BP136/66。認知機能低下にアビタミンB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。認知機能低下にアムロジピン2.5mg/セロクラール20mg中止、脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+10.5)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。パーキンソン症候群にパーロデル0.625mgを開始した。7か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+1.5)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。6.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。7.パーロデルによる認知症治療の可能性アルツハイマー病患者さん由来iPS細胞を用いた化合物スクリーニング系を構築し、アルツハイマー病の病因物質のひとつである、アミロイドベータ(Aβ)を減らす事ができる既存薬の組み合わせ(カクテル)を見出しました。Aβを標的とするアルツハイマー病の薬物治療においては、発症前から長期間の投薬が必要と考えられています。そこで、すでに市場で長期間の安全性に関する情報が整備されている既存薬のスクリーニングを行いました。スクリーニングの後、効果のあった化合物群をケモインフォマティクスにより分子構造式の類似性にもとづいて分類し、相乗的な組み合わせ(カクテル)を見出しました。同定した既存薬カクテルは、家族性アルツハイマー病及び孤発性アルツハイマー病の10余名の患者さんのiPS細胞から分化誘導した大脳皮質神経細胞においてAβの減少効果を示しました。ブロモクリプチン(パーロデル)、クロモリン(インタール)、トピラマート(トピナ)の3種類の組合せ(BCroT)において最もAβの低減効果が高まることがわかりました。さらにこのBCroTの組み合わせにおいても、用量依存性の効果が明確に見られました(Cell Rep. 2017 Nov 21;21(8):2304-2312)。既存薬であるパーロデルはパーキンソン症候群に対して保険適応があります。従って、パーキンソン症候群を呈する患者に対してのみ投与可能です。グループホームからの紹介である。既往歴:中根クリニック①ドネペジル3-5mg→症状悪化のため仁大病院精神科①ドネペジル5mg②加味帰脾湯③デエビゴ5mg④リーゼ5mg。たいや内科クリニック①アマリール0.5mg②ユリーフ8mg③トラゼンタ5mg。 物忘れ、多動、徘徊、介護抵抗、被害妄想、夜間せん妄、夜間不眠、R5/1背部痛、生真面目、薬物過敏、語義失語を呈していた。多動のため診察室で椅子に座らず歩き回っていた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:6、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/注意欠陥多動障害(ADHD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:不可、改訂長谷川式:不可と高度低下していた。多動、徘徊、介護抵抗に対してドネペジル5mg中止、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)/被害妄想にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。不定愁訴にサインバルタ20mg、夜間せん妄に加味帰脾湯/デエビゴ5mg/リーゼ5mg中止、ロゼレム4mg/リボトリール0.125mg/レンドルミン0.125mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、甲状腺正常。一般採血:HbA1c9.1,Alb3.3,TCL140,TIBC230,Hb10.3,Zn53以外異状なし。VitB1=21,VitB12=294,葉酸=13.1。ビタミンB12低下症にメコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、改訂長谷川式:11/30、近時記憶2/6、上記周辺症状はすべて消失して、非常に穏やかに過ごしている。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止ドネペジル5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4.せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。6.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。知り合いからの紹介である。既往歴:瀬戸みどりのまち病院内科①ソラナックス0.4mg②抑肝散2.5g③メチコバール1μg④ベルソムラ15mg⑤ソラナックス0.4mg。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁、意識消失発作、鬱状態、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:1、側頭葉てんかん(TLE)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。側頭葉てんかんにデパケンR200mgを開始した。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(-1.5)、近時記憶1/6(-1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL153,Zn69以外異状なし。VitB1=36,VitB12=521,葉酸=3.0。側頭葉てんかんにデパケンR200mgから400mgへ増量した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2.5)、近時記憶2/6(+1)。デパケンR400mgから800mgへ増量した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(-3)、近時記憶2/6(+-)。デパケンR800mgからイーケプラ1000mgへ変更した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(-2)、近時記憶1/6(-1)。ふらつきのためイーケプラ1000mgからデパケンR400mgへ戻した。認知機能低下にメマンチン5mgを開始した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+-)、近時記憶3/6(+2)。ビムパット錠100mgを開始した。5か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+6)、近時記憶4/6(+1)。ビムパット100mgから200mgへ増量した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.側頭葉てんかん(TLE)に対する治療65歳以上の6%に見られる高齢者てんかんです。高齢者ドライバーの事故原因の一つと考えられています。けいれん発作はなく意識を失っても倒れない発作なので見逃しがちです。数十秒か数分経つと何事もなかったかのように動き始めますが、意識がなかった間のことは何も覚えていません。意識が戻ってからも数分から数時間、ぼうっとして目の焦点が合っていません。急に怒りっぽくなり、意味もなく声を荒げることもあります。そして状態の良いときと悪いときがはっきりしています。てんかん発作中は認知症に似た症状になりますが、認知症との大きな違いは抗てんかん薬(デパケンR100-200mg/イーケプラ250-500mgなど)投与により治癒することです。側頭葉てんかん(TLE)は治すことが出来る認知障害を伴う疾患と言い換えることが出来ます(参考文献:高齢者てんかんのすべて、久保田有一著)。ビムパットは単剤で効かないてんかんに対して50-100mgから追加投与します。3.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。
Feb 25, 2024
春の気配筆者は毎週日曜日に1時間半テニスをしている。斎藤コーチの日曜コースで男性6名(60歳台3名、40歳台1名、30歳台2名)で楽しんでいる。先週と今週は調子が良かった。特に今週は3ゲーム先取で3-0、3-0、3-1で3連勝で勝ち進んだ。課題のボレーも斎藤コーチのアドバイスで改善傾向が見られる。実家の階段の手すりがとれたと連絡が入り、テニス後に修理に行った。ウメが満開でミツバチが美味しそうに蜜を吸っていた。春はもうそこまで来ている。ウメ&ミツバチ@実家ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:立松整形外科・内科①クレストール2.5mg②シムビコート③エディロール0.75μg。物忘れ、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、シトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+1)、近時記憶2/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN22.1,eGFR58.2,K5.0,Alb3.9,TG208,Zn72以外異状なし。VitB1=26,VitB12=185,葉酸=4.3。ビタミンB12欠乏症にはシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:H23バイパス手術、八事日赤。R4/8左不全片麻痺、右脳梗塞、八事日赤。R5/3右小脳梗塞、右椎骨動脈解離性動脈瘤、八事日赤。おおくまクリニック①タケプロン15mg②リバロ1mg③リクシアナ30mg④デノタスチュアブル1錠⑤メインテート2.5mg⑥エンレスト100mg⑦フランドルテープ40mg。物忘れ、妄想、暴言、帰宅願望、尿便失禁、甘い物好き、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、右放線冠ラクナ梗塞、右小脳梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)//特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケプロン15mg/リバロ1mg/エンレスト100mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。 7日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+1)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.6,TCL178,Hb11.6以外異状なし。VitB1=32,VitB12=340,葉酸=10.7。ビタミンB12低下症にはメコバラミン1mgを開始した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.エンレスト中止エンレストは慢性心不全(50-200mg)および高血圧症(100-200mg)に適応があり、サクビトリル及びバルサルタンに解離して,各々ネプリライシン及びAT1受容体を阻害します。サクビトリルはエステラーゼによりネプリライシン阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換、ネプリライシン阻害は血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用及びアルドステロン分泌抑制作用を有するNa利尿ペプチドの作用亢進に寄与します。一方でネプリライシンは疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素であり、脳内でアミロイドβを分解する主要酵素であり(J Neurosci. 2004 Jan 28;24(4):991-8.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14749444/。ネプリライシン活性を上げることで脳内アミロイドβを減らしアルツハイマー型認知症治療に結びつける可能性も報告されています(Mol Psychiatry. 2022 Mar;27(3):1816-1828.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34737456/。従って、エンレストは脳内アミロイドβを増やし、アルツハイマー型認知症を悪化させてしまう認知症誘発薬と言えるのです。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。知り合いからの紹介である。既往歴:三浦内科クリニック①ルネスタ②酸化マグネシウム③ガスモチン→すべて自己中止。物忘れ、暴言、妄想を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+1)、近時記憶5/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状は続いていた。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.76,eGFR53.6,Alb4.0,Zn78以外異状なし。VitB1=30,VitB12=354,葉酸=4.7。脳血管性認知症(VD)/妄想にシトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。親戚からの紹介である。既往歴:R3両側乳癌摘出術、抗癌剤、愛知医科大学①ベタニス50mg②アリミデックス1mg③ビオフェルミン6錠④パントシン300mg/マグミット1500mg。物忘れ、夜間不眠、易転倒、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体病(LBD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。パーキンソニズムにドパコール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(-1)、近時記憶6/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn62以外異状なし。VitB1=33,VitB12=205,葉酸=9.6。パーキンソニズムにドパコール50mgから75mgへ増量した。ビタミンB12欠乏症にはシアノコバラミン筋注、メコバラミン1.5mgを開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.レビー小体病(パーキンソン病/レビー小体型認知症)/パーキンソン症候群パーキンソニズムには優先順位としてドパコール(ネオドパストン)50-150mg>ペルマックス50-150μg/ニュープロ2.25-4.5mg>マドパー配合錠(イーシー・ドパール)1.5-3錠の順に処方します。レボドパ含有製剤(ドパコール/マドパー)を使用してもパーキンソニズムが残存する場合はトレリーフ25mgを追加します。ピクツキにはビ・シフロール0.125mgを追加します。起立性低血圧にはドプス1.5-3錠を追加します。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:H20/2大腸癌、西山団地内科。H26アブレーション、心房細動再発、八事日赤。R4~R5右>左膝痛、はちや整形外科。星のまちクリニック①ミカルディス20mg②アムロジピン5mg③エリキュース10mg。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠、生真面目、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ2Capを勧めた。後頭神経痛にメコバラミン1mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:改訂長谷川式:27/30(+6)、近時記憶5/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.1,BUN22.7,UA7.8,Alb3.9,TCL268,TG147以外異状なし。VitB1=32,VitB12=532,葉酸=7.7。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズ2Capから1Capへ減量した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。ランチ@にぎり長次郎
Feb 18, 2024
抗認知症薬は出来るだけ処方しない抗認知症薬にはアリセプト(ドネペジル/アリドネパッチ)、レミニール(ガランタミン)、リバスタッチパッチ(イセクロンパッチ)、メマリー(メマンチン)があります。これらの抗認知症薬は興奮系薬剤(メマリーは6割興奮系3割抑制系)であることは有名です。しかも、化学物質であるこれらの薬品は1年程度しか利き目がありません。本日の症例報告5例も抗認知症薬は利用しておらず、1例ではメマンチンが興奮系薬剤として作用しており中止しています。筆者は抗認知症薬以外の治療をすべて行い、他に治療方法がないと確信したら、抗認知症薬を少量から試します。投与前後の改訂長谷川式簡易知能評価スケールを比較して、認知機能低下したら中止、認知機能改善したらその用量/用法を継続します。フォローアップの改訂長谷川式簡易知能評価スケールで悪化した際に増量します。完治を目指しつつ、出来るだけ長い間良い状態が続くような治療を心がけることが大切です。ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:R3腰椎圧迫骨折。本山ホームクリニック①アジルバ20mg②アムロジピン2.5mg③メマンチン10mg④テグレトール100mg⑤メイラックス1mg⑥デパス0.5mg。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、帰宅願望、介護抵抗、昼間傾眠、夜間不眠、感情失禁、病識欠如、歩行不安定、被害妄想、鬱状態、生真面目、甘い物好き、小刻み歩行、右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。 以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/ 脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。暴言、暴力、易興奮にメマンチン10mg中止、認知機能低下にアジルバ20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶5/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN23.6,s-Cr0.89,eGFR45.1,Na131,Alb3.9,Hb11.1,Zn62以外異状なし。VitB1=24,VitB12=429,葉酸=5.2。認知機能低下にアムロジピン2.5mgから1.25mgへ減量、 慢性腎不全にシトルリン含有赤ミミズ1Capを開始した。20日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と更に著明に改善した。治療のポイント1.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。インターネット検索で来院された。既往歴:平戸橋病院①ディオバン80mg②アムロジピン5mg③ベルソムラ15mg④グーフィス10mg⑤メイラックス1mg⑥センノシド12mg。トヨタ記念病院①イクセロンパッチ18mg→9mg②イーシー・ドパール4.5錠③デエビゴ5mg④グーフィス⑤リンゼス。物忘れ、夜間不眠、小刻み歩行、歯車様固縮、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にディオバン80mg/ベルソムラ15mg/デエビゴ5mg/メイラックス1mg中止、リバスタッチパッチ9mg継承、レンドルミン0.125mg開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、シトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+3)、近時記憶3/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL153,Zn77以外異状なし。VitB1=23,VitB12=285,葉酸=7.5。認知機能低下にアムロジピン5mgから2.5mgへ減量、夜間不眠にレンドルミン0.125mgから0.25mgへ増量した。ビタミンB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。 両下肢浮腫にプレタール100mgからプラビックス75mgへ変更した。24日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+1)、近時記憶3/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:右肩関節周囲炎、浅野整形外科。物忘れ、味覚低下、夜間不眠、食欲低下、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。味覚低下/食欲低下にプロマック150mgを開始、右上腕神経痛にメコバラミン1mgを開始、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。6日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と著明改善して、治癒状態になった。。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.5,Alb2.6,γGTP59,ALP145,LDH243,TCL161,TIBC132,WBC104000,Hb8.9,MCV79.3,Zn64以外異状なし。VitB1=16,VitB12=503,葉酸=8.4。治療のポイント1.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。2.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。施設からの紹介である。既往歴:H28/5右尺骨骨折、守山整形クリニック。R5/9改訂長谷川式:23/30点、名古屋ニューロサージェリークリニック。まつい内科クリニック①トラゼンタ5mg。物忘れ、被害妄想、入浴拒否、介護サービス拒否、室温管理、内服管理、金銭管理、帰宅願望、鬱状態、振戦、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:20.5/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、シトルリン含有赤ミミズ1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.8,Alb3.7,TCL190,Zn56以外異状なし。VitB1=32,VitB12=188,葉酸=3.0。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。ビタミンB12低下症に対してシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン1mgを開始した。葉酸欠乏症に栄養食事指導を行った。デイサービス週2回利用を勧めた。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。6.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:H20前立腺がん、八事日赤。高針クリニック①パンテチン300mg②酸化マグネシウム1500mg③リスミー2㎎④メインテート2.5mg⑤エゼチミブ10mg⑥ユリス0.5mg⑦エンレスト200mg。物忘れ、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 左淡蒼球石灰化軽度。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にエゼチミブ10mg/エンレスト200mgを中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+5)、近時記憶6/6(+3)と著明改善した。甲状腺正常。一般採血:TCL231,TG186以外異状なし。VitB1=24,VitB12=203,葉酸=9.7。ビタミンB12低下症に対してシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン1mgを開始した。35日後、中核症状は時計描写テスト:8.5/9(+0.5)、改訂長谷川式:28/30(+-)、近時記憶5/6(-1)。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.エンレスト中止エンレストは慢性心不全(50-200mg)および高血圧症(100-200mg)に適応があり、サクビトリル及びバルサルタンに解離して,各々ネプリライシン及びAT1受容体を阻害します。サクビトリルはエステラーゼによりネプリライシン阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換、ネプリライシン阻害は血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用及びアルドステロン分泌抑制作用を有するNa利尿ペプチドの作用亢進に寄与します。一方でネプリライシンは疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素であり、脳内でアミロイドβを分解する主要酵素であり(J Neurosci. 2004 Jan 28;24(4):991-8.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14749444/。ネプリライシン活性を上げることで脳内アミロイドβを減らしアルツハイマー型認知症治療に結びつける可能性も報告されています(Mol Psychiatry. 2022 Mar;27(3):1816-1828.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34737456/。従って、エンレストは脳内アミロイドβを増やし、アルツハイマー型認知症を悪化させてしまう認知症誘発薬と言えるのです。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
Feb 11, 2024
ハムスター大脱走昨日、自宅内でハムスターが脱走して壁の隙間から壁の中に入り込んでしまいました。壁の中からカリカリと壁をかじる音がしますが、壁への入り口が見つかりませんでした。カッターナイフでクロス18x18cmを切り取り、石膏ボードを露出しました。カッターナイフとマイナスドライバーで石膏ボードに同じ大きさの穴を開けました。ハムスターがゴソゴソと動く音がしていますが、奥の穴に入って中々出てきませんでした。大好きなホウレンソウを穴の中に入れるとハムスターがかじり付いてきました。ホウレンソウを引っ張ると漸くハムスターを救出することが出来ました。今日はその穴を閉じました。石膏ボードを両面テープで固定して、100円ショップで買った修復用壁紙を張り付けて終了。ハムスターは家族だから壁に穴を開けることに抵抗はありませんでした。無事に救出できてほっとしました。こんな事件が起きましたが、今週も無事にブログをアップできて良かったです。ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1375名&認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:前原外科病院内科①アムロジピン10mg②クレストール2.5mg。物忘れ、昼間傾眠、食欲低下、甘い物好き、うつ状態、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核および深部白質脳梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)/として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、BP130-150を目標にアムロジピン10mg→5mg→2.5mg、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。19日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+3.5)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe39,Alb3.7,TCL194,Hb9.9,MCV75,Zn57,Ferritin14.3以外異状なし。VitB1=20,VitB12=874,葉酸=5.6。亜鉛欠乏症に対してプロマック75mg、鉄欠乏性貧血にヘム鉄2Cap、低アルブミン血症に対してイノラス187.5mL/栄養食事指導を開始した。1年後、改訂長谷川式:28/30(+2.5)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。6.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。7.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。開業医からの紹介である。既往歴:尾張旭クリニック①コニール4mg。物忘れ、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:2、軽度認知障害(MCI)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善した。甲状腺正常。一般採血:eGFR54.8,Alb3.9,AMY252,TIBC245,Zn72以外異状なし。VitB1=26,VitB12=533,葉酸=4.8。BP128/80と過降圧のためコニール4mg→2mg→中止を指導した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。5.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。インターネット検索で来院された。既往歴:西遠クリニック①ミカルディス40mg②リピトール10mg。物忘れ、易興奮、頭がすっきりしない、パニック、こだわりを呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、主観的認知障害(SCI)/多発性脳梗塞/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にリピトール10mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+-)、近時記憶5/6(-1)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.85,eGFR49.6,Alb4.0,TCL166,TG156,Hb11.7,Zn71以外異状なし。VitB1=49,VitB12=476,葉酸=6.9。1年後、改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶5/6(+-)。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。知り合いからの紹介である。既往歴:H18一過性脳虚血性発作。H24急性胆嚢炎。H30緑内障。春日井市民病院脳神経内科①バイアスピリン100mg②アジルバ20mg③ガスター20mg④アムロジピン5mg⑤ドネペジル5㎎⑥クレストール5mg⑦抑肝散7.5g⑧リボトリール0.5mg⑨チアプリド75㎎。やないクリニック①ウリトス75mg②ベタニス50mg。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、暴言、暴力、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、意識欠如、鬱状態、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮、④海馬萎縮、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、左頭頂葉梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にアリセプト5mg/グラマリール75mg/ファモチジン20mg/クレストール5mg中止、アジルバ20mg継承、アムロジピン10mg→2.5mgへ減量、幻視に抑肝散7.5g→5gへ減量、脳梗塞にバイアスピリン100mg継承/ルベストPRoDR1Cap開始、夜間せん妄にロゼレム8mg/リボトリール0.5mg継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶4/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL137,Hb12.0,Zn71以外異状なし。VitB1=25,VitB12=227,葉酸=2.4。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン1mgを開始した。妄想に対してセレネース0.2mg/アムロジピン2.5mg→1.25mg→中止した。1年後、意識消失発作および急に怒るに対して側頭葉てんかん(TLE)としてデパケンR100mg→200mgを開始した。1年1か月後、改訂長谷川式:28/30(+4)、近時記憶6/6(+2)と中等度改善した。。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止ドネペジル5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。4.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。6.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。7.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。8.側頭葉てんかん(TLE)に対する治療65歳以上の6%に見られる高齢者てんかんです。高齢者ドライバーの事故原因の一つと考えられています。けいれん発作はなく意識を失っても倒れない発作なので見逃しがちです。数十秒か数分経つと何事もなかったかのように動き始めますが、意識がなかった間のことは何も覚えていません。意識が戻ってからも数分から数時間、ぼうっとして目の焦点が合っていません。急に怒りっぽくなり、意味もなく声を荒げることもあります。そして状態の良いときと悪いときがはっきりしています。てんかん発作中は認知症に似た症状になりますが、認知症との大きな違いは抗てんかん薬(デパケンR100-200mg/イーケプラ250-500mgなど)投与により治癒することです。側頭葉てんかん(TLE)は治すことが出来る認知障害を伴う疾患と言い換えることが出来ます(参考文献:高齢者てんかんのすべて、久保田有一著)。インターネット検索からの紹介である。既往歴:H28肝膿瘍、公立陶生病院。野田内科小児科医院①アマリール3mg/ジャヌビア50mg③クレストール2.5mg④デトルシトール4mg⑤メトホルミン塩酸塩1500mg⑥ネキシウム20mg⑦ベタニス50mg⑧ランタスXR注ソロスター450単位。物忘れ、暴言、浮気妄想、夜間不眠、甘い物好き、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:2、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg/ネキシウム20mgを中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、シトルリン含有赤ミミズエキス1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+4)、近時記憶5/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL155,TG172,Hb12.4,Zn69以外異状なし。VitB1=58,VitB12=438,葉酸=5.2。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+1)と更に中等度改善して、治癒状態となった。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。
Feb 4, 2024
食事と健康を考える~「時間栄養学」について学ぶ~1/26(金) 午後8:00-午後8:45 Eテレで「あしたも晴れ!人生レシピ 選 時間栄養学で代謝アップ!体ポカポカ」NHKプラス見逃し配信を視聴した。早稲田大学 先端生命医科学センター 時間栄養学研究所所長 柴田重信先生が優しく「時間栄養学」を教えておられました。糖質制限を目的に朝食を抜くことで前日夕食から昼食まで食事を省くプチ断食が推奨されることがありますが、1年以上継続すると寿命が短くなるという論文報告があることは以前にお話ししました。筆者は朝食摂る派でしたので疑問を持っていました。その答えになるようなお話を伺うことが出来ました。柴田重信先生は「時間栄養学」を提唱されておられます。臓器や細胞にもある「体内時計」の働きから、いつ・何を食べると栄養の効果があるかなどの研究です。その中で、朝、体内時計のリセットをして目を覚ますには太陽光(白色灯)に当たること、朝食で炭水化物とタンパク質をしっかり食べて体温上昇を図ることが大切であると言うことでした。それ以外には昼食、夕食に食べるべきものを具体的に説明しておられ、大変勉強になりました。下記に関連サイトを添付します。NHKプラス見逃し配信は1週間以内です。体内時計と健康の関係 朝食・昼食・夕食を食べるベストな時間とは?朝食・昼食・夕食でとりたい栄養素とは【あしたも晴れ!人生レシピ】「時間栄養学」で代謝アップ (和のログ)ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1375名&認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:H28脳梗塞、歩行不安定。H29腰椎ヘルニア、ブロック。髙阪内科①リリカ25㎎②エクメット2錠③トフラニール20mg④オパルモン15μg⑤ユリーフ4mg⑥ベタニス50㎎⑦タダラフィル5mg⑧ルネスタ2㎎。瀬戸にしな整形外科クリニック①ノイロトロピン②ユベラ③メコバラミン。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠、尿便失禁、易転倒、歩行不安定、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。易転倒にドパコール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+-)、近時記憶5/6(-1)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.7,Alb3.6,TCL151,Hb11.4,Zn60以外異状なし。VitB1=24,VitB12=1237,葉酸=14.3。歯車様固縮改善/易転倒にドパコール50mgから100mgへ増量した。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。28日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+3)、近時記憶6/6(+1)と治癒状態となった。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。知り合いからの紹介である。既往歴:S35急性腎炎。H15糖尿病、アガペクリニック。H19糖尿病、渡辺内科。H24低血糖発作、愛知医科大学。H30/11リウマチ性多発筋痛症、愛知国際病院①メトグルコ250mg②グーフィス5mg③センノシド12mg④モビコール⑤トルリシティ皮下注0.75mg。⑥アクテムラ皮下注射⑦クレストール2.5mg。物忘れ、幻視、幻聴、易興奮、?をつく、物やお金かくす、るい痩、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。糖尿病/リウマチ性多発筋痛症に対してグルテンフリー・カゼインフリー指導、認知機能知機能低下にアクテムラ皮下注射/クレストール2.5mg/トルリシティ皮下注0.75mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。21日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+-)、近時記憶6/6(+-)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c5.7,Alb4.0,TBil1.9,GOT42,GPT47,TCL129,TG29以外異状なし。VitB1=30,VitB12=567,葉酸=10.6。42日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+2)、近時記憶6/6(+-)。治療のポイント1.自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。知り合いからの紹介である。既往歴:いしやま内科クリニック①リバロ2mg②ディオバン40mg③アクトス15mg。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にリバロ2mg中止/ディオバン40mg→20mg減量、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.8,BUN22.4以外異状なし。VitB1=50,VitB12=425,葉酸=7.8。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズエキス1Capを開始した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+1)、近時記憶3/6(1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。あきしまクリニックからの紹介である。既往歴:H15サルコイドーシス、愛知医科大学。H2/11乳癌、愛知医科大学。あきしまクリニック①ハルシオン0.125mg②プレミネントLD③フェブリク10mg④ニトロールR20mg⑤クラリス100mg⑥エビスタ60mg⑦プロテカジンンOD20mg⑧マグミット990mg。物忘れ、幻視、幻聴、生真面目を呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。幻視/幻聴に抑肝散加陳皮半夏2.5gを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+1)、近時記憶5/6(+4)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:S-Cr1.05,eGFR37.6,Alb3.8,TG212,Hb10.7,Zn51以外異状なし。VitB1=28,VitB12=423,葉酸=16.4。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。幻視/幻聴に抑肝散加陳皮半夏2.5gからインチュニブ1mgへ変更した。38日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)/レビー小体病(LBD)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。施設からの紹介である。既往歴:H26大腸ポリープ。H27大動脈瘤。H30脳動脈瘤、カテーテル治療。R4心臓弁膜症、八事日赤。名古屋天白クリニック①バファリン81mg②アムロジピン5mg③リピトール10mg④トラゼンタ5mg⑤タケプロン15mg⑥メトホルミン⑦デエビゴ。石山クリニック①トラディアンス配合錠②インスリン注300③メトホルミン250㎎。物忘れ、幻視既往、帰宅願望、食欲低下、易転倒、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22.5/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にリピトール10mg/タケプロン15mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。20日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.8,Alb4.1,TCL143,TG118,Zn71以外異状なし。VitB1=31,VitB12=172,葉酸=3.7。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
Jan 28, 2024
米粉と豆乳ホイップのケーキでティータイム筆者は5年前からグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実践しています。ティータイムで豆乳ホイップ入り米粉のケーキを食べました。豆乳ホイップは乳製品ホイップよりもあっさりしていて美味しいですし、米粉のスポンジケーキは小麦のものよりもなめらかで美味しいです。妻に感謝です。米粉と豆乳ホイップのケーキ(グルテンフリーカゼインフリーケーキ)@自宅乳製品を使っていない 豆乳入 ホイップ@自宅https://www.sujahta.co.jp/item/whip-non/乳製品を使っていない 豆乳入 ホイップ(原材料名)植物油脂のトランス脂肪はすくないとのことhttps://www.sujahta.co.jp/customer/transfat.html米粉@自宅健康で長生きするにはグルテンフリーカゼインフリーが必須です小麦粉がグルテン、牛乳製品がカゼイン、これらを摂取すると腸粘膜上皮の機能不全、すなわちリーキーガット症候群を起こし、体内に入るはずのない物質が体内に入り、それらのタンパク質に対する抗体が出来て、自己免疫疾患の原因になります。(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。こんなに多くの病気の原因になることがわかっているのにまだ小麦製品や乳製品を食べますか?牛乳はこれらの自己免疫疾患に加えて、乳癌、前立腺癌、精巣・卵巣癌、白血病などの癌疾患の原因になることが分かっています。詳しくは「牛乳のワナ」(船瀬俊介著、ビジネス社)をお読み下さい。恐ろしくて乳製品を食べられなくなると思います。小麦粉も上記自己免疫疾患の原因になるだけではありません。小麦粉は白米に比べて血糖値上昇率(グリセミックインデックス;GI値)が高く、高血糖の原因になります。高血糖症が原因で出来た「終末糖化産物(AGEs)」の形成、炎症、微小血管疾患というメカニズムを通して認知機能障害の原因になることが分かってきています。糖化したタンパク質がアルツハイマー型認知症(アミロイドβ沈着)や狂牛病(プリオン沈着)などの神経難病の原因になると考えれています。毒性の強い血糖を低下させるためにインシュリンが出て中性脂肪が合成され、中性脂肪は内臓脂肪(脂肪肝や動脈硬化)や皮下脂肪(肥満)となるのです。詳しくは「いつものパンがあなたを殺す」(デイビッド・パールマター著、三笠書房)をお読み下さい。恐ろしくて小麦製品を食べられなくなると思います。ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1375名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:R5/5徘徊、警察保護。おがわ内科①アムロジピン2.5mg②ニトロールR20mg③アレグラ④リピトール5mg⑤ラシックス10mg⑥テノーミン2mg⑦メマンチン15mg⑧マイスリー5mg。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、夜間せん妄、鬱状態、暴言、帰宅願望、昼間傾眠、夜間不眠、徘徊、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:7、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:9.5/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にアムロジピン2.5mg/リピトール5mg/メマンチン15mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。夜間せん妄にロゼレム8mg/リボトリール0.25mg/レンドルミン0.5錠を開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+6.5)、近時記憶3/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて改善した。夜間不眠にレンドルミン0.5錠から1錠へ増量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.6,Zn74以外異状なし。VitB1=27,VitB12=232,葉酸=3.5。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注/メコバラミン1mgを開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:20.5/30(+4.5)、近時記憶3/6(+-)と更に中等度改善した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。4.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。5.せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:生協守山診療所①ベザトール②ディオバン③セレナール④マグミット⑤加味逍遥散⑥抑肝散⑦六君子湯⑧エンシュア。樋口整形外科①ボナロン②メコバラミン③ワンアルファ。物忘れ、易興奮、夜間不眠、夜間せん妄、感情失禁、尿便失禁、左歯車様固縮、右>左下肢むずむず症候群、鬱状態、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+6)、近時記憶0/6(-1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。むずむず症候群にビ・シフロール0.125mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.95,eGFR41.3,Alb2.9,TCL139,TIBC295,Hb7.7,Zn67,Ferritin195.1以外異状なし。VitB1=19,VitB12=1330,葉酸=5.8。36日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶2/6(+2)。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。3.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。4.レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)(RLS)レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)(RLS)は下肢を中心とした耐え難い不快な感覚が生じる疾患です。症状が夕方から夜にかけて強まることが多く,重度の不眠を生じるため,抑うつ気分や不安焦燥感,QOL低下などを伴います。D3ノックアウトマウスを用いた研究によって,脊髄に投射する背後側視床下部ドパミンA11神経系の機能障害が症状発現に関与することが判明しました。この神経系には下肢に生じる感覚過敏や不随意運動を抑制する働きがあること、ドパミン合成の律速酵素であるチロシン水酸化酵素は夜間活性が低下する概日性をもつことが要因として取り上げられます。治療としては 1.ビ・シフロール0.125mg就寝前、2.ニュープロパッチ2.25mg就寝前、3.リボトリール0.5mg就寝前などがあります。これらの治療は急激な眠気を伴うことがあるため就寝前投与が必須です。知り合いからの紹介である。既往歴:H25高血圧症、アガペクリニック。R3左硝子体出血、三宅眼科。アガぺクリニック①ウリアデック40mg②パルモディア0.1mg③アムロジピン5mg④ナトリックス1mg⑤カムシア配合錠LD(ブロプレス8mg/アムロジピン2.5mg)。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にウリアデック40mg/パルモディア0.1mg/ナトリックス1mg中止、ブロプレス8mg維持、アムロジン7.5mgから5mgへ減量、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(-1)、近時記憶2/6(-1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL167以外異状なし。VitB1=33,VitB12=181,葉酸=4.2。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注/メコバラミン0.5mgを開始した。25日後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+4)、近時記憶2/6(+-)と軽度改善した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。6.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。知り合いからの紹介である。既往歴:ひらい内科クリニック、HbA1c7.4、TG416①グラクティブ100mg。物忘れ、語義失語、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤境界領域梗塞。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:4、軽度認知障害(MCI)/前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)/脳血管性認知症(VD)して治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシトルリン含有赤ミミズエキス粉末2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。35日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2)、近時記憶5/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.1,s-Cr0.79,eGFR56.2,TG358,Zn72以外異状なし。VitB1=42,VitB12=169,葉酸=13.9。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注/メコバラミン1mgを開始した。63日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶5/6(+-)。6か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+1)。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。3.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。親戚からの紹介である。既往歴:S55C型肝炎。 R5/1転倒して腰椎圧迫骨折、コルセット着用。R5/6右鼠径ヘルニア。てらしま医院①アーチスト②バイアスピリン③リバロ2mg④エンレスト100mg。ないとう腎・泌尿器科クリニック①タムスロシン②ウブレチド。物忘れ、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。BP146/75、P53。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL131,Zn59以外異状なし。VitB1=25,VitB12=362,葉酸=8.9。低コレステロール血症(TCL131)にリバロ2mg中止を勧めた。BP115/70、P 53。56日後、BP101/49、P 53と過降圧であり、エンレスト100mg→50mgを勧めた。4か月後、BP119/56、P57。エンレスト50mg→中止を勧めた。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。3.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。4.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。5.エンレスト中止エンレストは慢性心不全(50-200mg)および高血圧症(100-200mg)に適応があり、サクビトリル及びバルサルタンに解離して,各々ネプリライシン及びAT1受容体を阻害します。サクビトリルはエステラーゼによりネプリライシン阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換、ネプリライシン阻害は血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用及びアルドステロン分泌抑制作用を有するNa利尿ペプチドの作用亢進に寄与します。一方でネプリライシンは疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素であり、脳内でアミロイドβを分解する主要酵素です(J Neurosci. 2004 Jan 28;24(4):991-8.)。ネプリライシン活性を上げることで脳内アミロイドβを減らしアルツハイマー型認知症治療に結びつける可能性も報告されています(Mol Psychiatry. 2022 Mar;27(3):1816-1828.)。従って、エンレストは脳内アミロイドβを増やし、アルツハイマー型認知症を悪化させてしまう認知症誘発薬と言えるのです。
Jan 21, 2024
冬の庭園父の様子を見るために実家に寄ってみました。大相撲をテレビで観戦中でしたが、補聴器を外していたので装着させました。装着後、「聞こえる?」と大声で叫ぶも反応無く、母に電池のある場所を訊いて電池交換しました。再装着後は、「聞こえると」返事をしました。暫くすると突然立ち上がって歩き出したのでどうしたかと思ったら、煎餅の大袋が床に落ちており、それを拾って残りの一枚をゲット。その後も母が作った餅入りぜんざいを食べて居ました。食欲良好ということでしょう。夕暮れ前に絵になる写真を冬の庭の中で探してみました。マンリョウ@実家ヒマラヤユキノシタ@実家シロミノセンリョウ@実家キンカン@実家今週もブログをがんばって書きました。今年はドクターコウノのようにYouTubeも始めようかと思っています。ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1375名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:H23/9大腸癌。H23/10器質化肺炎。H24脳梗塞、呂律不全。H26後腹膜線維症。R4/8アルツハイマー型認知症、ドネペジル3mgで吐気中止。さなげクリニック①タケプロン15mg②バイアスピリン100mg③プレドニン5mg④オルメテック10mg⑤アムロジピン5mg⑥エディロール0.75μg⑦ロゼレム8mg。物忘れ、暴言、昼間傾眠(一時間ほど寝入る事がある)を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:8、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。過降圧BP112/59にアムロジピン5mg中止およびOS-1 500mL/day、低Na血症Na122(他院データ)に梅干し3個/dayを指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。20日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+9.5)、近時記憶6/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr1.17,eGFR46.3,Na120,Cl87,Alb3.1,TCL135,TIBC181,Hb9.7,Zn42以外異状なし。VitB1=14,VitB12=261,葉酸=3.9。VitB12低下症にメコバラミン1mgおよびシアノコバラミン1Ap筋注、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。過降圧BP106/60にオルメテック20mg中止した。48日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2.5)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。BP125/72。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。3.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。親戚からの紹介である。既往歴:本町クリニック①ハルナール0.2mg②クレストール2.5mg。物忘れ、寝言、妄想、昼間傾眠、帰宅願望、補聴器、生真面目、甘い物好き、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、リバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:14.5/30(-0.5)、近時記憶2/6(+-)と認知機能不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:eGFR54.8,Alb3.5,TCL129,LDL60,Hb10.3,Zn54,Ferritin13.2以外異状なし。VitB1=18,VitB12=180,葉酸=4.0。VitB12低下症にメコバラミン1mgおよびシアノコバラミン1Ap筋注、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、Ferritin13.2にフェジン2Ap/生理食塩水100mL、ヘム鉄1Capを開始した。35日後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+0.5)、近時記憶3/6(+1)。80日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+12)、近時記憶3/6(+-)。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgから9mgへ増量、小刻み歩行にドパコール100mgを開始した。R6/1/12家族から完治したとのコメントを頂いた。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。6.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよいことも大切です。知り合いからの紹介である。既往歴:川島病院内科①オルメサルタン20㎎②タケキャブ10㎎。川島病院整形外科①リリカ25mg②ロキソニン60mg③ムコスタ100mg④ソラナックス0.4mg⑤ボナロン35mg。物忘れ、夜間大声、昼間傾眠、易転倒を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶6/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。易転倒にドパコール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+6)、近時記憶6/6(+-)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL189,TIBC244,Hb10.9,Zn60以外異状なし。VitB1=26,VitB12=249,葉酸=6.3。軟便のためビオフェルミン1錠開始、フェルガード100M粒2錠から1錠、サアミオン10mgから5mgへ減量した。VitB12低下症にシアノコバラミン1Ap筋注を開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善して治癒状態となった。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。筆者が書いた「認知症を絶対治したい人が読む本」を読んで来院された。既往歴:H22狭心症、ステント留置術、八事日赤病院。H25両緑内障、両白内障、毎日ドクター眼科。毎日ドクター内科①バイアスピリン100mg②ネキシウム20㎎③クレストール5mg④アーチスト10㎎。物忘れ、幻視(入院中)、介護抵抗、昼間傾眠、鬱状態、生真面目、膝組み、小刻み歩行、左>右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑤右>左半球萎縮。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:3、大脳皮質基底核変性症(CBD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にネキシウム20㎎/クレストール5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg/アーチスト10㎎継続を指示した。緑内障および大脳皮質基底核変性症(CBD)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)を指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+4)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG223,Hb12.7,Zn74以外異状なし。VitB1=41,VitB12=389,葉酸=13.0。46日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と更に中等度改善して治癒状態となった。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4. 自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:H25左変形性膝関節症。R4/11右大腿骨頸部骨折。木村病院内科①レミニール8mg②メマンチン10㎎③ノベルジン50㎎④デエビゴ5mg。木村病院整形外科①エディロール②オパルモン③イベニティ注射。物忘れ、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、生真面目、小刻み歩行、左歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞軽度、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/特発性基底核石灰化症(IBGC)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。6日後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(-5)、近時記憶5/6(-1)と中等度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TG199,Zn73以外異状なし。VitB1=26,VitB12=381,葉酸=6.2。VitB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。35日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善した。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。63日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+6)、近時記憶6/6(+1)と著明改善して、治癒状態となった。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。デコポン@自宅親戚からのプレゼントが届きました。嬉しい。今年の中日ドラゴンズを占う今年も我慢の1年です。中日ドラゴンズは戦力外通告を受けた巨人の中島宏之(一塁手・41歳)、ソフトバンクの上林誠知(外野手・28歳)、阪神の山本泰寛(内野手・30歳)と板山祐太郎(外野手・29歳)の獲得を2023年11月24日に発表しました。更に読売ジャイアンツからオプトアウト権を行使して契約を破棄し自由契約選手となることを選択した中田翔(一塁手/外野手・35歳)を2023年12月6日に獲得しました。残念ながら去年までの貧打をこのメンバーだけで解消できるとは思えません。しかも一塁手候補がダヤン・ビシエド、中島宏之、中田翔の3名もおり、DHがないセリーグにおいて同時に出場できるとは思えません。フロントもこのことを考慮せずに過去の実績がある選手を集めたとしか言えません。ピッチャーはセリーグナンバーワンだと思います。1-0または2-1で勝てる試合を増やすしかありません。そのためには守備力を徹底的に鍛え、最小失点に抑える落合博満前監督が晩年に行っていたような試合運びをするしかありません。それを立浪和義監督に求めるには役者不足だということです。筆者は2年前から立浪和義監督を代えるのが一番の優勝への近道と主張しています。2020年株式会社中日ドラゴンズ代表取締役オーナーに就任した大島宇一郎社長が選んだ監督であることが2年連続最下位でもクビにならずにすんだ理由と考えられます。普通ならクビになるでしょう。幸い、落合博満前監督と森繁和中日ドラゴンズ前一軍バッテリーチーフコーチが二人とも野球解説者で居てくれています。このコンビ復活が中日ドラゴンズ復活に直結するのです。あと1年の我慢です。
Jan 14, 2024
開けましておめでとうございます家族4名で初詣に行ってきました。小学生6年生からペンシルベニア大学(Philadelphia,PA, USA)で過ごした6年間を除いて毎年景行天皇社に初詣に行っています。辰年の矢を購入して、卯年の矢を返納してきました。お正月3日間デイサービスが無かったため父親がベッドから起き上がれない状態になっていました。何とかベッドから椅子に座らせ、両肘を持ち合うように介助歩行をして、2階から階段経由で1階に下ろすことが出来ました。軽い肺炎と脱水症がみられたため、生理食塩水250mLおよびロセフィン1g・生理食塩水100mLキットx2を点滴しました。結局、正月から6時間滞在して介護および緊急往診をすることになったのでした。その後は復活してデイサービスにお世話になっております。やっぱり、デイサービスって本当に大切だなって実感しました。初詣@景行天皇社ドクターイワタの認知症治療 二刀流~認知症専門外来:1375名 & 認知症専門往診:130名~認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト認知症専門往診 施設リスト定期往診施設:定期往診契約。24時間対応。認知症専門外来 隔週定期往診しております。まずは認知症/発達障害専門外来 新患予約サイトで予約して下さい。コメント欄に入所中または入所予定の往診施設を記載して下さい。初診時は認知症専門外来で正診して、その後は認知症専門往診で診させて頂きます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:三嶋内科①ロスバスタチン2.5mg→内服せず。サプリメント①フェルラ酸100mg/ガーデンアンゼリカ20mg2包(R4/11-)②人参養栄湯3包。物忘れ、夜間せん妄、小刻み歩行(パーキンソン症候群)、生真面目を呈していた頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸100mg/ガーデンアンゼリカ20mg2包継続を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。21日後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+-)、近時記憶5/6(+-)と不変だったためパーロデル2.5mg0.25錠を中止した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.4,Alb3.9,TCL,TG209,TIBC226,Zn68以外異状なし。VitB1=32,VitB12=424,葉酸=5.8。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mg、VitB12低下症にメコラミン0.5mgを開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善した。認知機能低下にパーロデル2.5mg0.25錠を開始した。5か月後、中核症状は時計描写テスト:8.5/9(+0.5)、改訂長谷川式:29/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.パーロデルによる認知症治療の可能性アルツハイマー病患者さん由来iPS細胞を用いた化合物スクリーニング系を構築し、アルツハイマー病の病因物質のひとつである、アミロイドベータ(Aβ)を減らす事ができる既存薬の組み合わせ(カクテル)を見出しました。Aβを標的とするアルツハイマー病の薬物治療においては、発症前から長期間の投薬が必要と考えられています。そこで、すでに市場で長期間の安全性に関する情報が整備されている既存薬のスクリーニングを行いました。スクリーニングの後、効果のあった化合物群をケモインフォマティクスにより分子構造式の類似性にもとづいて分類し、相乗的な組み合わせ(カクテル)を見出しました。同定した既存薬カクテルは、家族性アルツハイマー病及び孤発性アルツハイマー病の10余名の患者さんのiPS細胞から分化誘導した大脳皮質神経細胞においてAβの減少効果を示しました。ブロモクリプチン(パーロデル)、クロモリン(インタール)、トピラマート(トピナ)の3種類の組合せ(BCroT)において最もAβの低減効果が高まることがわかりました。さらにこのBCroTの組み合わせにおいても、用量依存性の効果が明確に見られました(Cell Rep. 2017 Nov 21;21(8):2304-2312)。既存薬であるパーロデルはパーキンソン症候群に対して保険適応があります。従って、パーキンソン症候群を呈する患者に対してのみ投与可能です。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。知り合いからの紹介である。既往歴:R23/6/27改訂長谷川式:25/30。物忘れ、語義失語、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。12日後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+6)、近時記憶5/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG202,Hb12.6,Zn72以外異状なし。VitB1=26,VitB12=318,葉酸=4.3。VitB12低下症に対してメコバラミン0.5mgを開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+-)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:R4鎖骨骨折。物忘れ、妄想、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+4.5)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN22.4,Alb3.9,TCL195,Zn65以外異状なし。VitB1=31,VitB12=672,葉酸=38.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。70日後、中核症状は改訂長谷川式:26.5/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4.シトルリンによる腎不全に対する治療シトルリン粉末は一酸化窒素(NO)産生を促進することで血管拡張、毛細血管血流促進作用を引き起こします。筆者は2023年11月26日に開催した第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会において、シトルリン含有赤ミミズエキス粉末(投与量1.89Cap/日)は103名(男性25名、女性78名)の投与患者において投与前と6か月後を比較して有意な拡張期血圧降下(P<0.01)、収縮期血圧(P<0.001)、腎血流改善作用(eGFR増加)(P<0.00001)があったと報告しました(認知症治療研究会誌4(2)83-94)。腎血流改善作用は著しく腎機能改善のための第1選択サプリメントと言えます。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:アレルギー性鼻炎。物忘れ、妄想、帰宅願望、夜間不眠、車迷子、車徘徊、アパシー、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤左境界領域梗塞軽度。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:21.5/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。アレルギー性鼻炎にグルテンフリー・カゼインフリーを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(-3.5)、近時記憶5/6(+1)と中等度悪化した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.5,Alb4.2,TCL166,Zn65以外異状なし。VitB1=25,VitB12=280,葉酸=1.6。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、VitB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+6)、近時記憶6/6(+1)と著明改善した。70日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+2)、近時記憶5/6(-1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:旭ろうさい病院①フリバス50mg②大建中湯2.5g愛知クリニック①クレストール2.5mg。物忘れ、夜間大声、易興奮、耳鳴、言語理解力低下、発語低下、ドラマを見ない、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、軽度認知障害(MCI)/レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルガード100M粒4錠朝2錠昼1錠夕1錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。FT4=0.797。一般採血:HbA1c6.7,Hb12.3,Plt13.9,Zn以外異状なし。VitB1=21,VitB12=529,葉酸=10.4。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。今年の悪いことはすべて終了令和6年1月1日から令和6年能登半島地震が起きて、1月2日には羽田空港でJAL旅客機と海上保安庁航空機が衝突炎上して今年が始まりました。地震と事故で多数の方が亡くなりました。皆様の御冥福を祈るばかりです。また、被災された方々が早くいつもの生活に戻れることを祈っています。今年の悪いことはすべて終了したと信じたい。皆さんが家族と共に通常の日常生活を送ることが出来るよう心にから祈っています。私は家族との生活を大切にして、日々出来ることを粛々とこなしていくつもりです。これが私の日常生活だからです。こうしてブログも書きながら。
Jan 7, 2024
ドクターイワタの認知症治療 2刀流 ~認知症専門外来:1375名 & 認知症専門往診:130名~2007年11月に長久手南クリニックを開業しておかげさまで16年間が経ちました。開業前に定期往診する機会を得て、認知症患者が満足な治療も受けずに在宅療養を続けていることに衝撃を受けました。認知症専門外来で正診して、必要があれば続けて認知症専門往診が出来るクリニックがあれば未治療のまま在宅療養している認知症患者を救うことが出来ると確信して、午前中は認知症専門外来、午後は認知症専門往診を行うクリニックを開設することを決意しました。どのようにクリニックを立ち上げれば良いか迷っていましたが、開業1年前に恩師であるドクターコウノ河野和彦先生に出逢い、認知症治療を学び、認知症専門クリニックとしての道を歩み続けることになりました。脳神経外科専門医であること、認知症専門外来で正診するという動機を持っていましたので開業支援の方の意見に反して頭部CTを外来に設置することを選択しました。恩師である歯学博士吉田幸弘先生のアドバイスにより、認知症、癌患者、脳卒中患者などを含む一般往診患者50名をかかえてクリニックを立ち上げました。外来も同時に立ち上げましたが、当初は2-10名/日程度でした。午前中は主治医意見書や診断書作成をしていたと記憶しています。現在は30-35名/日ですから大きな変化です。世の中の開業医は外来専門または往診専門クリニックがほとんどですが、長久手南クリニックは胸を張って認知症専門外来と認知症専門往診の2刀流をしていると言えます。今年5月14日に還暦を迎えましたが、認知症専門外来月火木金土:現在1375名通院中(1-3か月間隔)、認知症専門往診火水金(水は全日):現在130名定期往診中(月2回)を実践しています。外来患者や家族の笑顔、定期往診した際に高度認知症患者が「先生久しぶりだね」(実際は2週間ぶりなんですけど、、、)と覚えていてくれることがエネルギーになっています。外来も往診も患者や御家族に出来るだけ一笑いして頂けるように工夫しているつもりです。年齢と共にきついなと思うこともありますが、楽しいからやれてるんだと思います。久しぶりにブログを書くことが出来ました。ブログを書くことで今までの治療経過を知ることが出来、これからの治療に役立てることも出来ます。早期リタイア「FIRE」を目指さず、社会的責任を持ち続けることが出来る人生を目指して恩師である今年長久手市市長を退任された吉田一平先生77歳を目指してがんばるつもりです。皆さんの応援を宜しく御願い致します。認知症外来予約 1週間以内に可能長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイト夕日@自宅症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:川島病院①アダラート20㎎②ディオバン160㎎③アテノロール50㎎④アロプリノール100mg⑤クレストール2.5㎎。物忘れ、幻視、昼夜逆転、帰宅願望、夜間せん妄、易転倒、易興奮、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化少々。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にアダラート20㎎→40mg/ディオバン160㎎→80mg、クレストール/アテノロール/アロプリノール中止、リバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+2)、近時記憶2/6(+1) と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。認知機能低下に対してメマンチン5mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Fe33,Alb4.0,TCL150,Zn65以外異状なし。VitB1=38,VitB12=354,葉酸=6.2。2か月後、中核症状は改訂長谷川式: 18/30(+4)、近時記憶5/6(+3) と中等度改善した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。インターネット検索で来院された。既往歴:H15脳動脈瘤、東市民病院。桜ヶ丘メンタルクリニック①マイスリー②デジレル。いだか台クリニック①ベシケア。よもぎクリニック①ネキシウム②パルモディア③シングレア④ミカルディス⑤スーグラ⑥エビスタ⑦ポリフル⑧シムビコートタービュヘイラ-⑨ネキシウム。物忘れ、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤左血管攣縮後梗塞(前頭葉~頭頂葉)。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:3、脳血管性認知症(VD)/くも膜下出血(SAH)後遺症として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にパルモディア/ネキシウム中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。過敏性腸症候群/気管支喘息にグルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)指導を開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+5)、近時記憶5/6(+3) と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.91,TG173,Zn66以外異状なし。VitB1=23,VitB12=218,葉酸=69.1。VitB12低下症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式: 28/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と更に著明改善した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴: H10狭心症、腹部動脈瘤、開胸手術、名古屋ハートセンター。H10両側頸動脈ステント留置術、藤田衛生大学。ひでき・ゆかりクリニック①メインテート②ジャヌビア③クレストール④アジルバ⑤タケルダ。物忘れ、易興奮、昼間傾眠、易転倒を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:、ピックスコア:、注意スコア0/5、多動スコア0/4、ASスコア 3/4、として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にクレストール/アジルバ/タケルダ中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+5)、近時記憶3/6(+2) と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。TSH21.78。一般採血:HbA1c6.8,Na133,γGTP133,TCL158,TG194,Zn64以外異状なし。VitB1=36,VitB12=483,葉酸=7.8。甲状腺機能低下症に対してチラーヂンS25μg、VitB12低下症にメコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。9か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+5)、近時記憶6/6(+3)を開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。5.甲状腺機能低下症に対する治療甲状腺機能障害と心血管疾患の関連性は十分に確立されています。甲状腺機能低下症は、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、心不全のリスク増加と有意に関連しています。甲状腺機能低下症の診断は,血中FT4 とTSHの測定で行います。FT4 が低値でTSHが高値であれば原発性が最も疑われ、FT4 が基準値内でTSHのみが高値のときは潜在性甲状腺機能低下症とよばれます。FT4 が低値でTSHが正常あるいは低値であれば,中枢性甲状腺機能低下症もしくは低T3 症候群(nonthyroidal illness)(重症例)が疑われます。間脳下垂体部の占拠性病変によるものの多くは,血清TSH値は基準値内です。65歳以上の高齢者のうち、甲状腺機能低下症の既往歴のある人は認知症のリスクが81%増加し、そのうち甲状腺ホルモン補充治療を必要とする甲状腺疾患では認知症リスクが3倍以上増加すると報告されています(Neurology. 2022 Aug 16;99(7):e679-e687)。一方で甲状腺機能障害と認知症に関連を評価するマルチコンホート研究では関連性していなかったと報告もあります(JAMA Intern Med. 2021 Nov 1;181(11):1440-1450)。甲状腺機能亢進症と認知症の関連が見られるという報告もあります(Neurology. 2016 Oct 18;87(16):1688-1695)。6.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。7.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。いきいき支援センターからの紹介である。既往歴: H29/4子宮体癌、愛知医科大学。R5/2イレウス、公立陶生病院。藤ヶ丘さくらなみきクリニック①リボトリール②ルネスタ③リーゼ→自己中止。物忘れ、易興奮、介護抵抗、昼間傾眠、夜間不眠、食欲低下、歩行ゆっくり、鬱状態、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠、介護申請してパワーリハビリ利用指導を勧めた。五感敏感に対してインチュニブ1mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7, Zn73,Ferritin33.6以外異状なし。VitB1=20,VitB12=303,葉酸=33.2。低アルブミン血症に高タンパク食指導、デイサービス週1回利用指導した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)/レビー小体病(LBD)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。3.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。インターネット検索で来院された。既往歴H10胃癌2/3切除、八事日赤。H30心臓弁膜症、愛知医科大学。R3悪性リンパ腫、愛知医科大学。R5/3-4膀胱癌、ストーマ、愛知医科大学。メイトウホスピタル①タケキャブ②メインテート③リバロ④エフィエント⑤シグマート。物忘れ、食欲低下、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、④両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケキャブ/リバロ中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe33,Alb3.8, TCL137,,Hb11.9,Zn79,Ferritin57.2以外異状なし。VitB1=28,VitB12=359,葉酸=5.1。VitB12低下症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。42日後、中核症状は改訂長谷川式: 28/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。4.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。ハス@実家家中八策一、降圧剤、高脂血症治療薬、糖尿病治療薬、プロトンポンプ阻害薬、神経性疼痛治療薬を減量中止せしめ、脳波宜しく脳より出ずるよう尽力すべき事。一、抗認知症薬、抗精神薬、抗パーキンソン病薬を最適化せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。一、プレタール(先発品のみ)宜しく投与せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。一、管理栄養部門を設け、管理栄養士を置き、分子栄養療法に基づく補充療法、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを含む管理栄養指導に尽力すべき事。一、自費点滴・注射部門を設け、看護師または訪問看護師を置き、グルタチオン点滴、シチコリン静注を行い、認知機能およびADLを改善すべき事。一、サプリメント部門を設け、フェルラ酸ガーデンアンゼリカにより認知機能および嚥下機能、赤ミミズにより動脈硬化改善による脳血流、シトルリンにより腎血流を改善せしめる事。一、認知症専門往診部門を設け 各病型(石灰化を伴うびまん性神経線維変化病(DNTC)類似疾患、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD))治療に合わせた治療を行うよう尽力すべき事。一、介護医療連携部門を設け、訪問薬剤師または訪問(施設)看護師を置き、抗認知症薬、抗精神薬、抗パーキンソン病薬を最適化のために家庭天秤法および施設天秤法を導入せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。以上、日本における認知症治療の現状を察し、この八策を日本全国で実施することが急務である。この八策を断行すれば、認知機能やADLを改善し、全身状態を回復し、世界一の認知症治療をすることが出来る。願わくは公明正大の道理に基づき、一大英断をもって更始一新すべし。長久手南クリニック 理事長 岩田 明 作第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会ウェブセミナーを開催研究会理念役員紹介令和5年11月26日「第3回抗加齢・赤ミミズエキス研究会ウェブセミナーを開催致しました」「シトルリン含有赤ミミズサプリメントを使用する8名の臨床医によるディスカッション」として、岩田明 長久手南クリニック院長、三好得司 三好産婦人科医院院長、中本かよ 大阪漢方医学振興財団附属診療所理事長所長、鄭栄植 鄭クリニック院長、磯部千明 札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック院長、松野晋太郎 市川フォレストクリニック院長、松嶋大 なないろのとびら診療所所長、井上慶子 医療法人愛成会理事長の参加によるディスカッションが開催されました。赤ミミズエキスの使用契機、期待する機能性、使用対象、活用方法・使用感、活用例などについて、今後の診療に活かすべく活発な意見交換が行われました。また、「分解作用の新たな知見ー機能性成分赤ミミズ」として、酒本陽菜 ワキ製薬プログレス事業部CMOによる講演が行われました。赤ミミズエキスHLPに関する新たな機能性について発表されました。
Dec 31, 2023
長久手南クリニック 受付事務員 募集サイト午前診療のみの受付事務認知症最新医療を学べます月火木金土8:00-12:00 、8:00-12:30、8:30-外来終了 のシフト制土曜日に月2-3回出勤あり(要相談)週3-5回出勤ありマイカー通勤可認知症外来予約 1週間以内に可能長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイトQRコード
Nov 29, 2023
認知症外来予約 1週間以内に可能長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト認知症新患予約は1ヶ月お待たせしておりましたが、 現在、新患初診は1週間以内に予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日から診断に則した治療を開始出来ます。新患予約サイトQRコード
Jun 14, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト実父の訪問診療およびケアマネージメント92歳の実父は今年2月に尿管結石が原因の尿路感染症となり、訪問看護を導入して補液と抗生剤点滴を行いました。頭部CTでは石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患を呈しており、食事量低下に伴い、小刻み歩行を呈してきました。すぐに知り合いの訪問マッサージを週1回導入、介護申請してパワーリハビリ(半日デイサービス)を週2回導入しました。実母には「俺がなんでそんなところへ行かなければならないのか」と文句を言っていたようですが、、、。歩行改善が見られたため、実母の介護負担軽減と、会話やカラオケによる回復を狙ってデイサービスを週2回導入しました。カラオケが大当たりで小声と嚥下困難が改善しました。歩行安定して、デイサービスがすごく気に入ったようだったのでパワーリハビリを週1回に減らして、デイサービスを週3回に増やしました。カラオケが出来るためか「ありがとう」「ありがとう」と言うようになりました。訪問看護師、ケアマネージャー、理学療法士、介護士など多くの方々にお世話になっており、心から感謝申し上げます。症例報告地域包括支援センターからの紹介である。既往歴:尾張旭クリニック①アムロジピン2.5mg②ネシーナ25mg③ラシックス20mg④チラーン125μg⑤ロスーゼットLD。物忘れ、妄想、歩行不安定、振戦、小刻み歩行、右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にロスーゼットLD中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にミミズ粉末1Capを勧めた。アムロジピン5mg→2.5mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。FT3=2.57,FT4=1.96,TSH4.07。一般採血:Alb3.8,TIBC226,Hb10.9,Zn78以外異状なし。VitB1=18,VitB12=774,葉酸=4.8。アムロジピン2.5mg→1.25mgへ減量、ネシーナ25mg中止、チラーヂン125μg→100μgへ減量した。42日後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。4. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。知り合いからの紹介である。既往歴:あらかわ医院①メトグルコ250mg②プレタール200mg③クレストール2.5mg④リスミー2mg⑤メバロチン10mg⑥ビソノテープ2mg。物忘れ、被害妄想、易興奮、介護抵抗、鬱状態、生真面目、右歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、軽度認知障害(MCI)/混合型認知症(MIX)タイプとして治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール/メバロチン中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール200mg継続を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+3)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.5,Alb4.0,TG241,Zn62以外異状なし。VitB1=35,VitB12=483,葉酸=8.6。低アルブミン血症および亜鉛欠乏症に食事栄養指導を行った。脳血管性認知症(VD)にミミズ粉末1Capを勧めた。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。3. 低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。親戚からの紹介である。既往歴:R4/3大腸がん、日進おりど病院。物忘れ、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、アルツハイマー型認知症(ATD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+4)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL187,Zn63以外異状なし。VitB1=29,VitB12=207,葉酸=7.2。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン0.5mgを開始、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。28日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。3.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:R5/2夫を亡くして独居。R5/4白内障、ほんじ眼科クリニック。物忘れ、夜間不眠、感情失禁、食欲低下を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2)、近時記憶5/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:WBC2800,MCV99.9,Zn68以外異状なし。VitB1=29,VitB12=399,葉酸=6.0。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。3. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:生来、右)失明、左)色素網膜変性症/弱視。子宮筋腫。卵巣嚢腫。山手クリニック①ニューロタン25mg②エゼチミブ10mg③ファモチジン20mg。物忘れ、幻視:人が居る、暴言、暴力、易興奮、夜間不眠、うつ状態、夜間せん妄、元々激しい性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:2、注意スコア0/5、多動スコア0/4、ASスコア 3/4、レビー小体病(LBD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:不可、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。自閉症スペクトラム障害(ASD)にインチュニブ1mgを開始、グルテンフリー・カゼインフリー指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。エゼチミブ10mg/ファモチジン20mg中止を指示した。5感が良すぎるためインチュニブ1mgから1.5mgへ増量した。甲状腺正常。一般採血:Fe33,Alb3.4,TCLTCL166,TIBC229,Hb11.7,Zn61以外異状なし。VitB1=24,VitB12=221,葉酸=4.4。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mgを開始、亜鉛欠乏症にプロマック75mg食事栄養指導を開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。2. 自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)/レビー小体病(LBD)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。3. 自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、網膜変性症、子宮筋腫、卵巣嚢腫治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。4. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
May 1, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトテニスを再開して6年経ちました2017年4月東名テニスクラブでテニスを15年ぶりに再開して6年になります。今まで報告してきたように体重を12kg減らしたおかげで身体が軽くなり、その後もルームランナーと四肢筋トレの効果もあり、正確にラリーを続けることが出来るようになってきました。ダブルスの試合にも実力を出せるようになり、勝てるようになってきました。どなたか組んで頂ける勇気のある人がおられれば試合に出てみたいと感じています。シラン白@長久手南クリニックシラン紫@長久手南クリニックサツキ白@長久手南クリニック症例報告薬局からの紹介である。既往歴:H20糖尿病予備軍、食事療法、水野内科。 R4/2間質性肺炎、公立陶生病院。物忘れ、易興奮、幻視、物盗られ妄想、警察通報、運転免許返納、一旦停止違反、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、ミミズ粉末1Capを勧めた。間質性肺炎に対してグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+4)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.6,Alb3.2,γGTP,TCL150,TIBC206,Hb11.7,Zn51以外異状なし。VitB1=48,VitB12=498,葉酸=4.2。低アルブミン血症に卵3-5個/日を食事栄養指導、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。40日後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+-)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3. 赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4. 自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、間質性肺炎などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。5.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。6.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:緑内障、鈴木眼科クリニック①デュオトラバ配合点眼液。あんどうファミリークリニック①アムロジピン②オドリック③ジャヌビア。物忘れ、易興奮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤左基底核梗塞、両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、軽度認知障害(MCI)/混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にロトリガ2gを開始、ミミズ粉末1Capを勧めた。緑内障に対してグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。BP167/90。10日後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN25.4,s-Cr1.26,eGFR43.1,GOT34,GPT44,TG235,Zn71以外異状なし。VitB1=30,VitB12=383,葉酸=14.4。認知機能軽度改善、慢性腎不全およびBP154/90と血圧低下していたが、サプリメント継続希望されず、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠/ミミズ粉末1Capを中止、ガンマオリザノール50mgを開始した。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg開始、高中性脂肪(TG)血症/脂肪肝にグルテンフリー徹底を指導した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3. 赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4. 自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、間質性肺炎などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。5.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。インターネット検索で来院された。物忘れ、生真面目、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23.5/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にロトリガ2gを開始、ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。BP169/90。10日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+4.5)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TG222,Hb,Zn48以外異状なし。VitB1=27,VitB12=263,葉酸=7.2。認知機能中等度改善、BP154/84と血圧低下していたが、サプリメント継続希望されず、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠/ミミズ粉末1Capを中止、ガンマオリザノール50mgを開始した。亜鉛欠乏症にプロマック75mg開始、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg開始、高中性脂肪(TG)血症にグルテンフリー(GF)ダイエットを指導した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。4. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。5.中性脂肪高値/成人型糖尿病糖尿病にも成人型自己免疫糖尿病が報告されていますhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32498935/。成人型2型糖尿病はリーキガット症候群により膵臓インシュリン産生細胞に対する抗体が生じて糖尿病を発症すると考えれます。当クリニックでは糖尿病患者にグルテンフリー実践を指導しています。リーキガット症候群を考えて同時にカゼインフリーも指導しています。グルテンはモルヒネに似た構造をしており、中毒性があるため食欲を抑えず楽なります。グルテンはアミロペクチンAという血糖値を上昇させる成分も入っています。グルテンフリーの食事ならアミロペクチンAの摂取量も抑えられます。血糖値への影響が少ないグルテンフリーは、糖尿病患者さんには非常に適した食事法なのです。グルテン(小麦粉)食、たとえば、朝がパン食、昼夕が麺食という方が中性脂肪が上昇、脂肪肝、皮下脂肪貯留、後にHbの糖化が起こり、HbA1c上昇=糖尿病となるのです。糖尿病の方に認知症の方が多いというのは、グルテン過多の方がリーキガット症候群となり、自己免疫疾患である糖尿病と認知症を合併するのは必定なのです。当クリニックではグルテンフリー食を勧めていますが、糖質制限食は勧めていません。糖質制限を1年以上続けると寿命を短くするという論文報告があるからです。日本の旅館のような食事、朝食であれば、白米、味噌汁、納豆、卵、鮭、海苔というような食事、朝昼夕食すべて白米と高タンパク食(肉、魚、卵、大豆)を中心に摂取するように勧めています。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:H14/7高血圧症、高脂血症、大口医院①ニューロタン50mg②バイアスピリン100mg③ガスター20mg④メバロチン5mg⑤アテレック10mg⑥グーフィス10mg。R3/2腰椎圧迫骨折、のだ整形外科①ワンアフファ0.5μg②オパルモン5μg③セレコックス200mg④セルベックス100mg。物忘れ、昼間傾眠、易転倒、難聴、生真面目、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮中等度、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④左>右海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:4.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。初診時緊張にも関わらず、BP139/86と年齢的過降圧のためニューロタン50mg中止、認知症誘発薬であるガスター20mg/メバロチン5mg中止を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+8)、近時記憶4/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,TCL155,Hb11.8,Zn59以外異状なし。VitB1=22,VitB12=487,葉酸=9.1。低アルブミン血症に卵3個/日、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。BP142/81。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。4. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。5.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。6.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。物忘れ、易転倒、鬱状態、生真面目、視力低下、O脚、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:6.5+α/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。21日後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+4)、近時記憶3/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.5,Fe48,Alb3.8,TCL185,TG192,TIBC244,Zn70以外異状なし。VitB1=60,VitB12=229,葉酸=15.4。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン1mgを開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3. ビタミンB12欠乏症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。コデマリ&アマドコロ@自宅中日ドラゴンズは今年も最下位今年も中日ドラゴンズの先発投手はがんばっている。和田 一浩バッティングコーチが3番細川 成也を育ててくれたのがありがたい。チーム本塁打4(12位/12球団)、盗塁5(9位/12球団)、打率.245(3位/12球団)、防御率2.67(4位/12球団、失策13(12位/12球団)。本塁打、盗塁、守備が他球団と比較して著明に劣っている。本塁打や盗塁が少ないのは筋力不足である。守備が下手であれば練習すれば良い。昨今の中日ドラゴンズは怪我が多い。以前にも書いたが管理栄養士を雇って高タンパク食、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを指導すべきである。加えて、落合中日時代に怪我を予防してくれたコンディショニングコーチ勝崎耕世の復帰を望むところである。
Apr 23, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト食事栄養指導による症状および病変改善小麦と牛乳・乳製品は小腸機能不全であるリーキーガット症候群を行き起こします。腸には免疫細胞の70%があり、腸機能不全が免疫機能不全を引き起こします。免疫機能不全が自己免疫疾患や遺伝子異常を引き起こし、それぞれ、難病や癌を引き起こします。神経伝達物質ドーパミン(快感ホルモン)、ノルアドレナリン(ストレスホルモン)、セロトニン(幸せホルモン)の多くは腸で作られます。セロトニンの90%は腸で作られるため腸機能不全がうつ病の原因になります。牛乳・乳製品を2倍摂取すると癌は9倍に増えるという事実、牛乳・乳製品を摂取すると女性には乳癌・卵巣癌、男性には前立腺癌・精巣癌、両性に大腸癌・白血病が増えるという事実、牛乳・乳製品を世界一消費するオランダに骨粗鬆症が一番多いという事実を知るべきです。小麦粉は糖尿病や動脈硬化を引き起こすことを知るべきです。インシュリン分泌細胞に対する自己免疫疾患によりインシュリン分泌が減ることが直接原因であると考えられます。小麦粉は白米に比較してGI比が高く(血糖が上げる時間が早く)、我々の身体は猛毒である血糖を減らすために糖質から中性脂肪を合成して各臓器に予備エネルギーとして貯めようとします。肝臓に貯まると脂肪肝、皮下に貯まると皮下脂肪、血管壁に貯まると動脈硬化を引き起こします。戦後に小麦粉と牛乳・乳製品が日本に配布されました。それ以降、難病や癌が増えているという事実を知るべきです。グルテンフリー*1およびカゼインフリー*2ダイエットを実践した人はリーキーガット症候群*3を改善することで「下記諸症状・諸病変*3」を治すことが出来ています。*1 グルテンフリー(※グルテン…小麦粉に含まれるタンパク質)【やめるといいもの】パン、菓子パン、ピザ、粉物(お好み焼きやたこ焼きなど)、揚げ物の衣、パスタ、うどん、そうめん、ラーメン、ルー(カレー・シチューなど)、ケーキ、クッキー、まんじゅう、そば(十割は除く)、つなぎのあるもの(ハンバーグなど)。【この原材料表示に注意】「小麦粉」「小麦」「小麦たんぱく」「小麦グルテン」など*2 カゼインフリー(※カゼイン…乳製品に含まれるたんぱく質)【やめるといいもの】牛乳、チーズ、ヨーグルト、生クリーム、アイスクリームなど【この原材料表示に注意】「牛乳」「生乳」「乳製品」「乳たんぱく」など【食べてもいいもの】バター、ホエイ*3 リーキーガット症候群(※グルテンとカゼインによる小腸機能不全…自己免疫疾患や遺伝子異常)・腹痛、下痢、便秘、胃や食道の違和感、焼ける感じ、張っている感じ などの消化器の不調・物忘れ、頭がさえない、ぼーっとする、疲労感、うつ感、眠気、イライラ、頭痛、だるさ、吐き気,・過敏性腸症候群、リウマチ、橋本病、関節炎、全身性エリテマトーデス、クローン病、尿路感染症・手足の震え、アレルギー、アトピー、肥満、じんましん、二の腕のブツブツ、肌荒れ、乾癬、老化の加速・多動や注意力低下(ADHD)、攻撃性、発達障害、自閉症、統合失調症 など他にも症状は様々です。シャクナゲ@長久手南クリニックシャクナゲ@長久手南クリニックジューンベリー@長久手南クリニックジューンベリー@長久手南クリニックフリージア@長久手南クリニック症例報告知り合いからの紹介である。物忘れ、暴言、車の傷が増えているを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。多発性脳梗塞にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+3)、近時記憶6/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Zn73以外異状なし。VitB1=40,VitB12=358,葉酸=4.9。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、多発性脳梗塞にルベスト1Capを開始した。BP154/92。40日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+-)、近時記憶6/6(+-)。BP154/87。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。知り合いからの紹介である。既往歴:H27大腸癌、東海病院。R2左手首骨折、ちくさ病院。東海病院内科①アダラートCR20mg②アジルバ20mg③ロケルマ5g④酸化マグネシウム660mg⑤ダイアート30mg。物忘れ、暴言、昼間傾眠、易転倒、金銭管理、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg、ミミズ粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:21.5/30(+0.5)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP140-160目標としてアジルバ20mg→10mg→中止とした。 甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,Hb11.3,Zn59以外異状なし。VitB1=22,VitB12=274,葉酸=7.2。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン1Ap筋注/メコバラミン500μg、亜鉛欠乏症にプロマック75mg開始した。 40日後、改訂長谷川式:24/30(+2.5)、近時記憶4/6(-1)。BP140-160目標としてアダラートCR10mg→中止とした。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。インターネット検索で来院された。既往歴:前原外科病院内科 ①アムロジピン10mg②ロスバスタチン2.5mg。物忘れ、昼間傾眠、食欲低下、振戦を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核および深部白質脳梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にBP95/58と過降圧であり、BP130-150を目標にアムロジピン10mg→5mg→2.5mg、プレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。20日後、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+3.5)、近時記憶5/6(+3)。と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL194,Hb9.9,Zn57,Ferritin14.3以外異状なし。VitB1=20,VitB12=874,葉酸=5.6。低アルブミン血症にイノラス187.5mL(300kcal)、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、鉄欠乏性貧血にヘム鉄を開始した。アムロジピン2.5mgでBP126/76と過降圧であり、アムロジピン中止した。1年後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2.5)、近時記憶6/6(+1)と更に改善した。一般採血:Alb4.3,TCL264,Hb11.6,Zn71,Ferritin15.3以外異状なし。食事および内服栄養指導により分子栄養状態は著明改善した。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。3. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。4.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。5.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。6. 低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。インターネット検索で来院された。既往歴:H29気管支喘息。大橋医院①クレストール2.5mg②シングレア10mg③吸入ステロイド/吸入気管支拡張薬。物忘れを呈していた。独居。頭部CT:以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。気管支喘息にグルテンフリーおよびカゼインフリー(GFCF)ダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:23.5/30(+4.5)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。脳血管性認知症(VD)にミミズ粉末1Capを勧めた。甲状腺正常。一般採血:Glu230,HbA1c6.0,Alb4.2,Zn74以外異状なし。VitB1=24,VitB12=531,葉酸=6.8。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2. 自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。4.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:S54子宮筋腫、東市民病院。R1/12変形性腰椎症、朝日クリニック。R4/10/3改訂長谷川式:19/30、アリセプト3-5mg、抑肝散7.5g、朝日クリニック。R4/12鬱状態。物忘れ、幻視、妄想、暴言を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤境界領域梗塞、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:26/30(+7)、近時記憶5/6と中等度改善していた。認知機能低下にドネペジル5mgを継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。幻視/妄想に抑肝散7.5gを継承した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Zn55以外異状なし。VitB1=38,VitB12=308,葉酸=7.5。低アルブミン血症に1日卵2個増やすように食事栄養指導、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。70日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+-)、近時記憶6/6(+-)。表情および身だしなみが改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。3. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4. 低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。
Apr 16, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト月が金星、木星に接近2月23日に月が金星、木星に接近しました。西の夜空を見上げると月、木星、金星の順に綺麗に並ぶ様子を見ることが出来ました。クリニックの庭には春の訪れを感じさせるクロッカスやスイセンが咲き誇っています。自然を感じる余裕が必要ですね。月が金星、木星に接近@長久手市月が金星、木星に接近@ネット検索クロッカス@長久手南クリニックスイセン@長久手南クリニック症例報告ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:R1右後頭葉脳梗塞、左同名半盲、八事日赤。R2緑内障、太田眼科クリニック。メイトウホスピタル①アムロジピン5mg②クレストール2.5mg③タケプロン15mg④バイアスピリン100mg⑤アーチスト10mg⑥サアミオン10mg。物忘れ、介護抵抗、左同名半盲を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤右後頭葉脳梗塞、左視床梗塞、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:2.5/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下に認知症誘発剤であるタケプロン15mg/クレストール2.5mg中止 、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にアムロジピン5mg→2.5mg/アーチスト15mg→10mgへ減量、バイアスピリン100mgとサアミオン10mg継承、赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+-)、近時記憶3/6(-1)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL149,Zn67以外異状なし。VitB1=32,VitB12=342,葉酸=4.4。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。3週間後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+4)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。インターネット検索で来院された。既往歴:はせがわクリニック①リバロ2mg②センノシド12mg。高針台整形外科クリニック①ベネット75mg②エディロール0.75μg③芍薬甘草湯2.5g④リリカ50mg。物忘れ、悪夢、夜間覚醒してピンポンが鳴った、ベッドから転落、夜間不眠、易転倒、食欲低下、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にリバロ2mg/リリカ50mg/芍薬甘草湯2.5g中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+3)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL179,Hb11.0,Zn64以外異状なし。VitB1=27,VitB12=577,葉酸=18.5。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.神経障害性疼痛治療薬中止整形外科で出される神経障害性疼痛治療薬に「リリカ(プレガバリン)」、「タリージェ(ミロガバリンベシル)」は眠気が強く認知機能を低下させます。中枢神経系において電位依存性Caチャネルの機能に対し補助的な役割をなすα2σサブユニットとの結合を介して,Caチャネルの細胞表面での発現量及びCa流入を抑制し、グルタミン酸等の神経伝達物質遊離を抑制することが示唆されています。さらに,鎮痛作用には下行性疼痛調節系のノルアドレナリン経路及びセロトニン経路に対する作用も関与しています(今日の診療プレミアム Vol.32)。 3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。インターネット検索で来院された。既往歴:H15網膜剥離、藤田保健衛生大学。加藤クリニック①コニール4mg②マイスリー5mg。物忘れ、悪夢、昼間傾眠、食欲低下、生真面目を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。マイスリー5mgは飲み忘れないと言うことですべて眠前/1包化とした。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。9日後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+5)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.8,Alb4.1,TG188以外異状なし。VitB1=32,VitB12=1929,葉酸=6.9。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。親戚からの紹介である。既往歴:H10/3脳梗塞、意識レベル低下、カテーテル治療により改善、大隈病院。R4/12/26-R5/1/30リハビリ入院、夜間せん妄、大隈病院脳神経外科①プレタール50mg②プラビックス75mg③アジルバ40mg④アムロジピン5mg⑤アーチスト10mg⑥ロトリガ2g⑦ビオスリー配合⑧マイスリー5mg→1週間前にすべて自己中止。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、尿便失禁、夜間せん妄、語義失語、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒3錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプラビックス75mg開始、赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。11日後、中核症状は改訂長谷川式:13/30(+3)、近時記憶2/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,TCL195,TG154,TIBC154,Hb11.4,Zn65以外異状なし。VitB1=34,VitB12=379,葉酸=7.1。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。親戚からの紹介である。既往歴:H30悪性リンパ腫、藤田医科大学。R5/1、両側眼底点状出血、日進眼科。いせき内科クリニック①クレストール2.5mg②オルメサルタン20mg③酸化マグネシウム2g④パントシン2g⑤ソラナックス0.4mg。藤田医科大学①バクタ②ゾビラックス③ユベラ④メコバラミン。物忘れ、易興奮、夜間不眠、うつ状態、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、軽度認知障害(MCI)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に眼底出血のためプレタール100mg回避、赤ミミズエキス粉末1Capを勧めた。後頭神経痛にメコバラミン1mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善して治癒状態、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.4,s-Cr0.75,TCL235,TG269,Zn65以外異状なし。VitB1=30,VitB12=586,葉酸=6.5。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。
Feb 27, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトグルテンフリー・カゼインフリーで健康寿命を全うしよう健康に長生きするためにはグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを実践すべきことを繰り返して指導しています。グルテンとは小麦粉タンパク質、カゼインは牛乳タンパク質、両者が腸粘膜上皮にこびり付いてリーキガット症候群を引き起こします。腸粘膜上皮の分別機能が低下して身体に入るべきでない蛋白質が血中に入ってしまい、その蛋白質に対する抗体が出来るのです。それが自己免疫疾患として難病を引き起こすことが証明されつつあります。私の患者でも難病を発症している方の食生活を聴取するとパン、麺、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどを大量に摂取していたことが分かっています。糖尿病にも成人型自己免疫糖尿病が報告されています。成人型2型糖尿病はリーキガット症候群により膵臓インシュリン産生細胞に対する抗体が生じて糖尿病を発症すると考えれます。当クリニックでは糖尿病患者にグルテンフリー実践を指導しています。リーキガット症候群を考えて同時にカゼインフリーも指導しています。グルテンはモルヒネに似た構造をしており、中毒性があるため食欲を抑えずらくなります。グルテンはアミロペクチンAという血糖値を上昇させる成分も入っています。グルテンフリーの食事ならアミロペクチンAの摂取量も抑えられます。血糖値への影響が少ないグルテンフリーは、糖尿病患者さんには非常に適した食事法なのです。グルテン(小麦粉)食、たとえば、朝がパン食、昼夕が麺食という方が中性脂肪が上昇、脂肪肝、皮下脂肪貯留、後にHbの糖化が起こり、HbA1c上昇=糖尿病となるのです。糖尿病の方に認知症の方が多いというのは、グルテン過多の方がリーキガット症候群となり、自己免疫疾患である糖尿病と認知症を合併するのは必定なのです。当クリニックではグルテンフリー食を勧めていますが、糖質制限食は勧めていません。糖質制限を1年以上続けると寿命を短くするという論文報告があるからです。日本の旅館のような食事、朝食であれば、白米、味噌汁、納豆、卵、鮭、海苔というような食事、朝昼夕食すべて白米と高タンパク食(肉、魚、卵、大豆)を中心に摂取するように勧めています。参考文献:糖尿病患者こそグルテンフリーで血糖値をコントロールしよう!症例報告美容院からの紹介である。既往歴:H17/12急性心筋梗塞、愛知医科大学~堂森グリーンロードクリニック①ニューロタン25mg②コンプラビン(プラビックス75mg/バイアスピリン100mg)③フォシーガ10mg④クレストール2.5mg⑤グルファスト20mg⑥プロテカジン10mg⑦エクア100mg⑧メトグルコ1000mg。H31/9腰椎脊柱管狭窄症、西部医療センター。物忘れ、振戦、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(-2)、近時記憶1/6(+1)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL170,TG290,Hb13.6,Zn60以外異状なし。VitB1=37,VitB12=478,葉酸=6.2。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+1)、近時記憶1/6(+-)と不変、認知機能低下にレミニール4mgを開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+7.5)、近時記憶5/6(+4)と著明改善した。BP150mmHg以下にはクレストール2.5mg中止、ニューロタン25mg中止を勧めた。6か月後、改訂長谷川式:26/30(+3.5)、近時記憶4/6(-1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3. 味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。4. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。5. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。知り合いからの紹介である。既往歴:R4/10アジルバ10mg/ロスーゼットLD、おおくまクリニック。来院2日前に予約のために御家族が来院された際にお薬手帳を見て、認知症誘発剤であるロスーゼットLD中止を指示した。物忘れ、易興奮、薬物過敏、振戦、小刻み歩行、右>左歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD) DLBを呈するDNTC類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。家族からロスーゼットLD中止から少しずつはっきりしてきたと伺った。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。アジルバ10mgは継続するように指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+1)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、小刻み歩行、右>左歯車様固縮軽度以外上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL264,TG221,Zn58以外異状なし。VitB1=30,VitB12=732,葉酸=14.3。亜鉛欠乏症にプロマック37.5mgを開始した。中性脂肪高値に小麦粉製品であるパン麺を減らすように指導した。2か月後、改訂長谷川式:25.5/30(+2.5)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。5.中性脂肪高値/成人型糖尿病糖尿病にも成人型自己免疫糖尿病が報告されています。成人型2型糖尿病はリーキガット症候群により膵臓インシュリン産生細胞に対する抗体が生じて糖尿病を発症すると考えれます。当クリニックでは糖尿病患者にグルテンフリー実践を指導しています。リーキガット症候群を考えて同時にカゼインフリーも指導しています。グルテンはモルヒネに似た構造をしており、中毒性があるため食欲を抑えず楽なります。グルテンはアミロペクチンAという血糖値を上昇させる成分も入っています。グルテンフリーの食事ならアミロペクチンAの摂取量も抑えられます。血糖値への影響が少ないグルテンフリーは、糖尿病患者さんには非常に適した食事法なのです。グルテン(小麦粉)食、たとえば、朝がパン食、昼夕が麺食という方が中性脂肪が上昇、脂肪肝、皮下脂肪貯留、後にHbの糖化が起こり、HbA1c上昇=糖尿病となるのです。糖尿病の方に認知症の方が多いというのは、グルテン過多の方がリーキガット症候群となり、自己免疫疾患である糖尿病と認知症を合併するのは必定なのです。当クリニックではグルテンフリー食を勧めていますが、糖質制限食は勧めていません。糖質制限を1年以上続けると寿命を短くするという論文報告があるからです。日本の旅館のような食事、朝食であれば、白米、味噌汁、納豆、卵、鮭、海苔というような食事、朝昼夕食すべて白米と高タンパク食(肉、魚、卵、大豆)を中心に摂取するように勧めています。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:S63/12乳癌、丸茂病院。H6/8腰椎脊椎管狭窄症、はちや整形外科。R4/9狭心痛、ニトロ屯3回。すみた整形外科リウマチクリニック①ノイロトロピン8単位②メチコバール1.5mg③リリカ150mg④オパルモン15μg⑤サインバルタ20mg。やすかわクリニック①タケプロン15mg②クレストール5mg③エゼチミブ10mg④ルセフィ2.5mg⑤パントシン400mg⑥酸化マグネシウム1000mg⑦ハルシオン0.25mg⑧センノシド12mg⑨ニトロール5mg胸痛時。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、徘徊、語義失語、難聴、夜間せん妄、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知症誘発剤であるリリカ150mg/タケプロン15mg/クレストール5mg/エゼチミブ10mgを中止するように指示した。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+9)、近時記憶2/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。夜間せん妄/夜間不眠にロゼレム4mg/インチュニブ1mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL237,Zn68以外異状なし。VitB1=56,VitB12=2690,葉酸=7.3。治療のポイント1. 神経障害性疼痛治療薬中止整形外科で出される神経障害性疼痛治療薬に「リリカ(プレガバリン)」、「タリージェ(ミロガバリンベシル)」は眠気が強く認知機能を低下させます。中枢神経系において電位依存性Caチャネルの機能に対し補助的な役割をなすα2σサブユニットとの結合を介して,Caチャネルの細胞表面での発現量及びCa流入を抑制し、グルタミン酸等の神経伝達物質遊離を抑制することが示唆されています。さらに,鎮痛作用には下行性疼痛調節系のノルアドレナリン経路及びセロトニン経路に対する作用も関与しています(今日の診療プレミアム Vol.32)。2. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。施設からの紹介である。既往歴:H19脳梗塞、呂律不全、宮崎脳神経外科。博報会いのこし病院①アローゼン②コニール8mg③ガスター40mg④バイアスピリン100mg。物忘れ、妄想、夜間せん妄、歯車様固縮、語義失語、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤左尾状核梗塞、境界領域梗塞、⑤その他 脳梁欠損症。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:6/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。認知症誘発剤であるガスター40mgを中止した。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg継承した。BP137/70とBP140-160mmHg目標値と比較して低血圧であり、コニール8mgから4mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(-3)、近時記憶3/6(+-)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,Hb10.1,Zn64,Ferritin27.5以外異状なし。VitB1=22,VitB12=374,葉酸=2.3。鉄欠乏性貧血にフェロミア50mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。1か月後、改訂長谷川式:23/30(+6)、近時記憶3/6(+-)と著明改善した。胃痛のためガスター20mgを再開した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2. プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。4. 鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。5. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:H24意識消失発作、名古屋記念病院。R4/7意識消失発作、愛知医科大学。物忘れ、暴言、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、意識消失発作、振戦、歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:8、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:11/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。夜間せん妄にロゼレム4mg/抑肝散加陳皮半夏2.5g/リボトリール0.125mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+9)、近時記憶4/6(+4)と著明改善、いらいら以外上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN23.6,s-Cr1.12,Na122,Alb4.0,Hb10.9,Zn52以外異状なし。VitB1=21,VitB12=455,葉酸=3.8。低Na血症に対して梅干し1日3個開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+4)、近時記憶3/6(-1)に更に中等度改善、いらいらも軽減した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3. せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。今年の中日ドラゴンズを占う~今年は優勝を狙える戦力はある~内野手はレギュラークラス2名がトレードされたためレギュラー争いは激化しています。怪我から復帰の石川 昂弥内野手、高橋 周平内野手との三塁手争い、ダヤン・ビシエド内野手とソイロ・アルモンテ選手との1塁手争い、溝脇 隼人内野手、土田龍空内野手、田中 幹也内野手、村松 開人内野手、福永 裕基内野手らが繰り広げる、2塁手と遊撃手争いがあります。外野手は大島 洋平外野手がレフト、岡林 勇希選手がセンター、アリスティデス・アキーノ選手がライトで決まりでしょう。代打の切り札/外野手レギュラー争いには鵜飼 航丞外野手、細川 成也外野手、ブライト 健太外野手、オルランド・カリステ内野手(外国人枠でアリスティデス・アキーノ外野手との争い)です。捕手は木下 拓哉捕手で決まりですが、郡司 裕也捕手、石橋 康太捕手が控えですね。新人の山浅 龍之介捕手を1軍に帯同させて育ててほしいですね。元々、投手を中心とした守りのチームですから、先発ピッチャー(中5日)は小笠原 慎之介、髙橋 宏斗、鈴木 博志、勝野 昌慶、梅津 晃大、先発ピッチャー(中6-7日)は涌井 秀章、大野 雄大、柳 裕也、松葉 貴大、中継ぎはジャリエル・ロドリゲス、祖父江 大輔、藤嶋 健人、根尾 昂、砂田 毅樹、抑えピッチャーはライデル・マルティネスで決まりですね。上手く行けば優勝争いも充分に出来る戦力があると思います。1年間レギュラーで出続けた選手が少ないため、1年間、試合に出続ける体力があるかどうかが一番大切です。練習して身体を鍛える以外方法はありません。選手の皆さん、優勝に向かってがんばって下さい。「俺はすごい選手だ」と自己暗示をかけて、リラックスして全力が出せるようなメンタルトレーニングも併せてやって下さい。今年こそ優勝だぜ!!!
Feb 19, 2023
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトコロナ感染者増えていますが、軽症者が多いのが現実コロナ感染者が増えています。高齢者施設でもコロナ感染者が増えていますが、軽症であり、微熱と数日程度の食欲低下を認める以外は普段通りの生活を送っておられます。ラゲブリオ、ゾコーバなどの処方薬も出てきましたが、私は以前から用いているジスロマックおよびストロメクトール併用療法を続けています。重症化率が下がった理由はコロナワクチンが効いているとは考えにくく、コロナウイルス自身の変化による結果だと考えています。不顕性感染が増えて、集団免疫が出来つつあるのかもしれません。第2類相当から第5類への変更が望まれます。症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:H24心筋梗塞、公立陶生病院。H26一過性脳虚血性発作、公立陶生病院。時期不明、鼻出血のため抗血小板剤中止。青山病院①オングリザ2.5mg②リピトール10mg③フェブリク10mg④ドグマチール150mg⑤ガスター20mg。物忘れ、寝言、易興奮、易転倒、食慾低下、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23.5/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にリピトール10mg/ガスター20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:23.5/30(+-)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.0,Al3.8b,TCL150,TIBC185,Hb11.2,Zn65以外異状なし。VitB1=21,VitB12=366,葉酸=3.4。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。5か月後、改訂長谷川式:23.5/30(+-)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善した。認知機能低下にリバスチグミンテープ4.5mgを開始した。6か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+4.5)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。インターネット検索で来院された。既往歴:尾張旭クリニック①リバロ1mg②エンレスト200mg③カルブロック8mg④カルデナリン1mg⑤エビスタ60mg⑥エディロール0.75mg。愛知医科大学①アルサルミン2包②六君子湯7.5g③タケキャブ10mg。物忘れ、内服および金銭的不安を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバロ1mg/タケキャブ10mgを中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にカルデナリン1mg中止、プレタール50mgとサアミオン5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+6)、近時記憶2/6(-1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TG178,Hb,Zn64以外異状なし。VitB1=27,VitB12=564,葉酸=5.6。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4. 脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。インターネット検索で来院された。長風呂(入浴後0.6kg体重減少)後の立ちくらみおよび欠神発作を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。頭部CT:正常範囲内として治療を開始した。1か月前の健康診断で一般採血:HbA1c8.1,Fe49,Alb4.2,γGTP74,GOT129,GPT209,TCL265,TG628,Hb13.4,MCV78以外異状なし。糖尿病、脂肪肝、貧血が疑われた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、一般採血:HbA1c7.2,Fe45,Alb4.4,TCL268,TG121,TIBC507,Hb12.6,MCV76.6,Ferritin11.2以外異状なし。VitB1=31,VitB12=927,葉酸=9.6。鉄欠乏性貧血にフェロミア100mgを開始した。治療のポイント1.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。東海病院からの紹介である。既往歴:H28左膝および右股関節人工関節。東海病院①プラビックス75mg②トフラニール20mg③アムロジピン20mg④エクメットHD2錠⑤セルシン8mg⑥アマリール1mg⑦デパス0.5mg⑧酸化マグネシウム660mg。大隈病院①アロチノロール20mg。物忘れ、歩行不安定、語義失語、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。 以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。歩行不安定にドパコール100mg、生理食塩水100mL/グルタチオン2000mg/シアノコバラミン1Ap/15minを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN25.3,Alb4.0,Zn75,Ferritin20.3以外異状なし。VitB1=24,VitB12=495,葉酸=3.9。治療のポイント1.グルタチオン点滴グルタチオンは元々脳内にある生理活性物質でこれが不足するとパーキンソン病やアルツハイマー型認知症の発病を促すとされています。日本では9年前に元杏林大学教授の柳澤厚生先生が始められて劇的な効果を報告されています。蕁麻疹に200-400mgが保険診療として認められていますが、変性疾患には600-2400mg必要です。ですから自費点滴になることをご了承下さい。15分の点滴が終わると6-7割の方が改善兆候を現します。効かなければ次回から400mgずつ増やします。柳澤先生は4000mgまで副作用の心配はないと仰っています(「グルタチオン点滴でパーキンソン病を治す」柳澤厚生著)。親戚からの紹介である。既往歴:R2/1経尿道的腎結石破砕術、名古屋大学。上飯田第一病院①ワンアルファ②プラリア注射。名古屋大学病院①アミティーザ24㎎②酸化マグネシウム③ドネペジル3-5mg→R4/8中止。物忘れ、幻視、昼間傾眠、夜間せん妄、食欲低下、歩行不安定、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:9、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:4.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ50mg粒2錠を勧めた。るい痩のためプロマック75mgを開始した。歩行不安定に生理食塩水100mL/グルタチオン2000mg/シアノコバラミン1Ap/15minを開始した。B1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(-1)、近時記憶3/6(+-)と軽度低下した。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Zn70以外異状なし。VitB1=26,VitB12=449,葉酸=2.6。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。2.グルタチオン点滴グルタチオンは元々脳内にある生理活性物質でこれが不足するとパーキンソン病やアルツハイマー型認知症の発病を促すとされています。日本では9年前に元杏林大学教授の柳澤厚生先生が始められて劇的な効果を報告されています。蕁麻疹に200-400mgが保険診療として認められていますが、変性疾患には600-2400mg必要です。ですから自費点滴になることをご了承下さい。15分の点滴が終わると6-7割の方が改善兆候を現します。効かなければ次回から400mgずつ増やします。柳澤先生は4000mgまで副作用の心配はないと仰っています(「グルタチオン点滴でパーキンソン病を治す」柳澤厚生著)。3.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。
Dec 19, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト12月になっても暖かい今日もテニス日和。12月になっても上下半袖の人もいるぐらい暖かい。今日はサーブが入ってストロークもまずまずで2試合勝ちました。やっぱ上手く行くと嬉しいものですね。娘もテニスを再開しました。部活でテナーサックスを担当しており、テナーサックスを習っています。学校以外にも塾にも通っています。私の中学時代(東海中学)は部活もせず出来るだけ早く帰宅して、近所のため池でコイ釣りをしていました。これが私には楽しかった。毎日、餌や仕掛けを工夫して、上手く釣れたときの嬉しかったこと。誰も褒めてはくれないけどね。日が暮れるまで釣り場にいて良く親に怒られた。小学生の頃は1日に2時間は自転車に乗っていた。小学校の頃は親が仕向けた習い事はすべてかばんを外に置いて自転車に乗って逃げ回って行かなかった。だから、ピアノも弾けない。そろばんも出来ない。運動は好きだけど特別上手なものはない。人に指図されるのが嫌いなのだろう。テニス練習を1時間半した後は、症例報告を4例書いていました。そうしてこうやってブログに載せることが出来たのです。ほ~。症例報告~治療のポイント~知り合いからの紹介である。既往歴:H23心臓バイパス手術。R2腰椎脊柱管狭窄症。R4/10改訂長谷川式:13/30、頭部CT:脳萎縮あり、日進おりど病院。車運転中止。アガぺクリニック①ユリノーム25㎎②タケルダ配合錠(タケプロン15mg/バイアスピリン100mg)③ハルシオン0.25㎎④エパデール1800mg。物忘れ、悪夢、夜間大声、夜間せん妄、車運転中止、生真面目、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にタケプロン15mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg/エバデール1800mgを継承した。悪夢、夜間大声、夜間せん妄にハルシオン0.25mgを中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(+1.5)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。患者希望によりエパデール1800mg中止、脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgからプレタール100mgへ変更した。甲状腺正常。一般採血:BUN23.7,s-Cr1.30,K5.6,Alb3.7,TCL167,Zn64以外異状なし。VitB1=24,VitB12=418,葉酸=7.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。2.せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。ハルシオン、マイスリー、アモバンはせん妄を引き起こしやすいため当クリニックでは基本的に処方しません。処方されている場合は中止します。睡眠薬はレンドルミン12.5mgが第一選択ですが、30日投与制限があるため、当クリニックでは90日投与制限のベンザリン2-5mgを第一選択にすることが多いのが実情です。この方の場合はハルシオンを中止することでせん妄は消失しました。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。5.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。インターネット検索で来院された。既往歴:20歳摂食障害。頭痛時、クリアミン(片頭痛治療薬)有効。物忘れ、月経時頭痛を呈しており、発達障害を心配されて来院された。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、片頭痛の可能性として治療を開始した。グルテンフリー・カゼインフリー指導した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:30/30、近時記憶6/6と全く正常だった。注意スコア1.5/5。多動スコア0/4。ASスコア 0.5/4。発達障害は否定的だった。片頭痛は自己免疫疾患と考えられており、グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。8日後、甲状腺正常。一般採血:Zn62,Ferritin7.1以外異状なし。VitB1=37,VitB12=754,葉酸=13.4。低Ferritin血症にフェロミア50mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット(1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、片頭痛治療歴があり、リーキーガット症候群(LGS)にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。3.鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満、特に20ng/mL未満)している場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。この方の場合は、Ferritin7.1と血中Ferritin濃度が極度に低下しており、それが原因で血管拡張を伴う頭痛を引き起こしていると考えられましたが。鉄剤内服経験がなく、吐気や便秘を避けるためフェロミア50mgから開始しました。インターネット検索で来院された。既往歴: H9気管支喘息。H19-29不眠症。R3/10軽度認知障害、ドネペジル3-5mg、愛知医科大学。小林内科クリニック①ドネペジル5mg②テグレトール600mg③メチコバール1.5mg④エビスタ60mg⑤エディロール0.75mg⑥レルベア100mg30回吸入用。物忘れ、アパシー、昼間からビール、甘い物好き、生真面目、薬物過敏、小麦スコア8/9を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。気管支喘息は自己免疫疾患と考えられており、小麦スコア8/9と高値であり、グルテンフリー(GF)・カゼインフリー(CF)ダイエットを指導した。ビールは夕食後のみとするように指導した。認知機能低下にアリセプト5mg/テグレトール600mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。本人は「頭がすっきりした」と話した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL274,TIBC246,Zn73以外異状なし。VitB1=22,VitB12=1910,葉酸=5.0。治療のポイント1.ドネペジル5mgの効果がない場合は一旦中止前医からドネペジル3-5mgが出ている状態で外来受診された場合は、ドネペジルに治療効果があったかを家族に確かめる必要があります。治療効果がなかった場合は、一旦中止してみることも大切な選択肢です。アセチルコリンを介する抗認知症薬はレミニール、リバスチグミンテープという選択肢もあるからです。抗認知症薬を変更する場合は、最低1週間程度の休薬期間を設けるとよいことが報告されています。2.抗てんかん剤は認知症にとって味方にもなるが敵にもなる前医から抗てんかん薬が出ている場合は、理由を確認する必要があります。この方の場合は、三叉神経痛に対してテグレトール600mgが処方されていました。御家族からテグレトールを止めているときも痛みは余りなかったという情報があり、中止することにしました。テグレトールは眠気が強く出る場合があることから認知機能低下の原因になりうると考えたからです。案の定、テグレトール600mg中止後、7日後には本人から「頭がすっきりした」というコメントを聞くことが出来ました。3.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。親戚からの紹介である。既往歴:H19前立腺がん。H27糖尿病、名古屋大学内分泌科①ノボラピッド17単位②テネリア20mg③ボグリボース0.9mg④ランタス10単位⑤アミティーザ48μg。R3/4ドネペジル3-5mg、名古屋大学老年内科①ドネペジル5mg。物忘れ、幻視、寝言、夜間せん妄、易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮軽度、鬱状態、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。 以上から、レビースコア:7、ピックスコア:0、レビー小体病(LBD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮軽度にドネペジル5mgから2.5mgへ減量、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となり、上記周辺症状はすべて消失した。左歯車様固縮軽度残存しており、ドネペジル2.5mgから1.25mgへ更に減量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TIBC246,Hb12.8,Zn56以外異状なし。VitB1=22,VitB12=454,葉酸=7.2。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズムが出現したら一旦中止ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズム(振戦、易転倒、歩行不安定)にも注意が必要であり、症状が出現した場合はドネペジル中止します。2週間以上経過してから必要に応じてリバスタッチ4.5mgを開始します。レビー小体型認知症(DLB)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は薬物過敏を伴うためリバスタッチは9mgで維持します。この方の場合、ドネペジル5mgは過量であるものの、認知機能改善に効果があると判断したためドネペジル5mgから2.5mgへ減量しました。2週間後、パーキンソニズムが軽減したものの継続しており、ドネペジル2.5mgから1.25mgへ更に減量しました。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。3.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。知り合いからの紹介である。既往歴:H24左変形性股関節症、はちや整形外科。種田クリニック①ベタニス50mg②アバプロ100mg③アムロジピン5㎎④エディロール0.75μg⑤ボナロン35mg。物忘れ、易興奮、被害妄想、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にアバプロ100mgから50mgへ減量、プレタール50mgを開始、赤ミミズエキス1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近2時記憶3/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL181,Zn69,Ferritin25.9以外異状なし。VitB1=30,VitB12=660,葉酸=8.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。治療のポイント1.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
Dec 11, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト漸く冬らしくなってきました先週は紅葉ライトアップを見てきましたが、今週になって漸く冬らしくなってきました。今週のテニスは参加者が5名。流石に長袖上下を着込みましたが、暫くすると上着を脱ぎ捨てました。相変わらず上手ではありませんが、少しずつ上手くなっています。微妙な表現ですが、好きこそものの上手なれ。楽しく出来ているのが最高です。斉藤コーチありがとうございます。症例報告 ~治療のポイント~知り合いからの紹介である。既往歴:S45腸閉塞。R3ドネペジル3-5mg、青山病院①ドネペジル5㎎②クレストール2.5mg③テネリア20mg④ルセフィ2.5mg。物忘れ、振戦、易転倒、歩行不安定、尿便失禁(まれに)を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左>右脳室拡大。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。振戦、易転倒、歩行不安定にドネペジル5mg中止とした。認知機能低下にロスバスタチン2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.6,Alb4.0,TCL169,TG153,Zn67以外異状なし。VitB1=44,VitB12=419,葉酸=5.9。治療のポイント1.ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズムが出現したら一旦中止ドネペジル3-5mgによる薬剤性パーキンソニズム(振戦、易転倒、歩行不安定)にも注意が必要であり、症状が出現した場合はドネペジル中止します。2週間以上経過してから必要に応じてリバスタッチ4.5mgを開始します。レビー小体型認知症(DLB)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は薬物過敏を伴うためリバスタッチは9mgで維持します。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。知り合いからの紹介である。既往歴:S51蓄膿症、国立名古屋医療センター。おおくまクリニック①レザルタスHD②リピトール10mg。物忘れ、暴言、易興奮、味覚低下、赤信号渡るを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:2、主観的認知障害(SCI)/多発性脳梗塞/境界領域梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にリピトール10mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にレザルタスHD→LDへ減量、プレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2週間後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL174,TG254,Zn69以外異状なし。VitB1=33,VitB12=494,葉酸=4.3。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。3.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。インターネット検索で来院された。既往歴:H29/2脳梗塞、左不全片麻痺、名古屋市立大学。R1アルツハイマー型認知症、ドネペジル3-5mg、名古屋市立大学。さとう内科循環器科①ドネペジル5mg②アリナミンF50mg③プラビックス75mg④クレストール2.5mg⑤タケプロン15mg⑥アジルバ20mg⑦エゼチミブ10mg。物忘れ、幻視既往、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠、昼間傾眠、生真面目、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:6/9、改訂長谷川式:5.5/30、近時記憶1/6と高度低下していた。認知機能低下にクレストール2.5mg/エゼチミブ10mg/タケプロン15mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。夜間大声/夜間せん妄/夜間不眠にドネペジル5mg/アリナミンF50mg中止した。脳血管性認知症(VD)にアジルバ20mg中止、プラビックス75mgを開始、赤ミミズエキス1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。3週間後、中核症状は改訂長谷川式:9/30(+3.5)、近時記憶2/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.5,Alb4.0,TCL149,TIBC277,Hb12.4,Zn66以外異状なし。VitB1=178,VitB12=307,葉酸=3.1。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止ドネペジル5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25-75mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。この症例はドネペジル5mg/アリナミンF(ビタミンB1)50mg中止後、夜間せん妄/夜間大声/夜間不眠が消失しています。4.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。5.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。知り合いからの紹介である。既往歴:H18脳梗塞、春日井市民病院脳神経内科①バイアスピリン100mg②アジルバ20mg③ファモチジン20mg④アムロジピン10mg⑤ドネペジル5㎎⑥クレストール5mg⑦抑肝散7.5g⑧リボトリール0.5mg⑨チアプリド75㎎。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、暴言、暴力、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、鬱状態、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮、④海馬萎縮、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、左頭頂葉梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にファモチジン20mg/クレストール5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。暴言/暴力/易興奮にアリセプト5mg/グラマリール75mg中止した。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mg継承、妄想にアジルバ20mg継承、アムロジピン10mg→2.5mgへ減量、ルベストPRoDR1Capを勧めた。幻視に抑肝散7.5g→5gへ減量した。夜間せん妄にロゼレム8mg開始/リボトリール0.5mg継承した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶4/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL137,TIBC264,Hb12.0,Zn71以外異状なし。VitB1=25,VitB12=227,葉酸=2.4。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始した。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。3.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止ドネペジル5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。4.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。5.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。6. せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール0.25mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。知り合いからの紹介である。既往歴:R4/1自転車で転倒。前額部外傷。頭部CT:異常なし、東部医療センター。R4/4/17意識消失発作、頭部CT:異常なし、東部医療センター。せんだファミリークリニック①リポバス10mg。物忘れ、鬱状態、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/側頭葉てんかん(TLE)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にリポバス10mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。側頭葉てんかん(TLE)にデパケンR100mgを開始する。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶5/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.2,TCL196,Hb10.2,Zn75以外異状なし。VitB1=30,VitB12=431,葉酸=11.3。治療のポイント1.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.側頭葉てんかん(TLE)に対する治療65歳以上の6%に見られる高齢者てんかんです。高齢者ドライバーの事故原因の一つと考えられています。けいれん発作はなく意識を失っても倒れない発作なので見逃しがちです。数十秒か数分経つと何事もなかったかのように動き始めますが、意識がなかった間のことは何も覚えていません。意識が戻ってからも数分から数時間、ぼうっとして目の焦点が合っていません。急に怒りっぽくなり、意味もなく声を荒げることもあります。そして状態の良いときと悪いときがはっきりしています。てんかん発作中は認知症に似た症状になりますが、認知症との大きな違いは抗てんかん薬(デパケンR100-200mg/イーケプラ250-500mgなど)投与により治癒することです。側頭葉てんかん(TLE)は治すことが出来る認知障害を伴う疾患と言い換えることが出来ます(参考文献:高齢者てんかんのすべて、久保田有一著)。
Dec 5, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト紅葉ライトアップ・もみじ狩り@名古屋市東山動植物園 名古屋市東山動植物園「紅葉ライトアップ・もみじ狩り」を見に行きました。最終日のためか、凄い人手で歩くこともままならないほどでした。写真スポットではスマホを掲げた人が何重にも立っており驚きました。日本は平和ですね。写真は娘と妻に任せて家族を見失わないように必死でした。デパ地下で寿司を買い、帰宅してこのブログを書きながら日本vsコスタリカサッカー観戦。期待すると負けますね。紅葉ライトアップ・もみじ狩り@名古屋市東山動植物園紅葉ライトアップ・もみじ狩り@名古屋市東山動植物園紅葉ライトアップ・もみじ狩り@名古屋市東山動植物園紅葉ライトアップ・もみじ狩り@名古屋市東山動植物園症例報告ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:東名古屋病院①フオイパン600mg②ムコスタ300mg③フェブリク10mg④アリナミンF50mg。物忘れ、昼間傾眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgとサアミオン10mgを開始した。前医投薬はフオイパン400mgのみ継承、ムコスタ300mg/フェブリク10mg/アリナミンF50mgを中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.2,TCL114,TIBC219,Hb9.2,Zn43以外異状なし。ビタミンB12欠乏症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。VitB1=184,VitB12=291,葉酸=5.8。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。治療のポイント1.ビタミンB1欠乏症および過剰症の治療ビタミンB1欠乏症に対しては食事栄養療法(豚肉、かつお節、辛子明太子、鯛の刺身、うなぎ、ごま、大豆、海苔、きな粉、スモークサーモン、鮭、ぶりなど)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。ビタミンB1は糖質を分解する際に消費されるため、中性脂肪高値を伴う糖質過多の場合は、小麦粉(パン、麺類)、砂糖(スイーツ)、果糖(果物)、アルコールなどの糖質制限を指導します。ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。施設からの紹介である。既往歴:R2松果体部腫瘍、川島病院。R4/2右大腿骨頸部骨折、旭労災病院。いのこし病院①リクシアナ30mg②グラクティブ50mg③メトグルコ1000mg④マグミット330mg。物忘れ、幻聴、暴言、帰宅願望、夜間不眠、尿便失禁、歩行不安定、語義失語、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左側海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 松果体部腫瘍、 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+2)、近時記憶5/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.8,Ferritin27.4以外異状なし。VitB1=23,VitB12=428,葉酸=5.3。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。知り合いからの紹介である。既往歴:北医療生活協同組合生協もりやま診療所①アムロジピン5mg。物忘れ、易興奮、草むしり→右頸椎症、難聴、生真面目、昼間傾眠、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:0、レビー小体病(LBD)/多発性脳梗塞/軽度認知障害(MCI)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。BP164/70。アムロジピン5mg自己中止しており、中止のままとした。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。右頸椎症にメコバラミン1mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、甲状腺正常。一般採血:Fe27,Alb3.2,TIBC269,Hb10.6,Zn67以外異状なし。VitB1=27,VitB12=589,葉酸=3.0。低アルブミン血症にエネーボ250mL開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。治療のポイント1.低アルブミン血症に対する治療低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。元々興奮状態を伴う場合は、食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:S55糖尿病、名古屋記念病院。H27認知症中等度、名古屋市立大学。R1心不全、名古屋記念病院①レミニール24mg②メマリー20mg③メトグルコ1000mg④グリミクロン80mg⑤グラクティブ25mg⑥アーチスト5mg⑦タケキャブ10mg⑧クレストール2.5mg⑨プラビックス75mg。物忘れ、尿便失禁、夜間多尿、語義失語、ベッドから起き上がれないを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮中等度、④左海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2.5、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:不能、改訂長谷川式:3/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にタケキャブ10mg/クレストール2.5mg中止、レミニール24mgから12mgへ減量、メマンチン20mgから10mgへ減量、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に他院からプラビックス75mg、サアミオン10mgを開始した。語義失語にデパケンR200mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:3/30(+-)、近時記憶0/6(+-)と不変。昼間傾眠のためデパケンR200mgを中止した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,TCL113,Hb12.9,Zn66,Ferritin322.6以外異状なし。VitB1=28,VitB12=518,葉酸=4.6。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。2.スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3.側頭葉てんかん/語義失語に対する治療側頭葉てんかんが持続した結果として語義失語が出現するという仮説の元、語義失語のある患者にはデパケンR100-200mgを投与しています。症例によっては認知機能が改善して、言語機能が改善することがあります。この方の場合は、残念ながら改善が得られず、中止となりました。筆者の「認知症になったら真っ先に読む本」と「認知症を絶対治したい人が読む本」を読んで来院された。既往歴:R2/6認知症、なかしま脳神経外科クリニック①グラマリール100mg②メマリー20mg。物忘れ、被害妄想、暴言、語義失語、甘い物好き、うつ状態、左歯車様固縮軽度を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:6/30、近時記憶0/6と高度低下していた。暴言のためメマリー20mg中止、グラマリール50mg継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:8/30(+2)、近時記憶0/6(+-)と軽度改善した。甲状腺正常。一般採血:BUN24.7,s-Cr1.34,Alb3.7,TCL176,TIBC204,Hb12.0,Zn65以外異状なし。VitB1=19,VitB12=216,葉酸=2.6。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:9.5/30(+1.5)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。治療のポイント1.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。この方の場合は、メマンチン20mgで興奮状態となっており、中止としました。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。3.ビタミンB12欠乏症および低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。
Nov 27, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト紅葉の季節になって参りました地球温暖化に伴い、季節が1か月程度遅れている感じがします。もうすぐ12月というのにテニスは半袖半ズボンで出来ています。今日はテニス練習、参加者2名のみできつかった。でも良いサーブが入って最後のシングルスも互角の戦いが出来ました。やっぱり身体を動かすのは気持ちが良い。来週も天気であることを祈って明日から1週間頑張ろう。症例報告~治療のポイント~インターネット検索で来院された。既往歴:肝膿瘍。野田内科小児科①アマリール3mg/ジャヌビア50mg③クレストール5mg④デトルシトール4mg⑤メトグルコ1500mg⑥ネキシウム20mg⑦ベタニス50mg⑧ランタス16単位。物忘れ、暴言、浮気妄想、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にロスバスタチン5mg/ネキシウム20mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+4)、近時記憶5/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL155,TG172,Hb12.4,Zn69,Ferritin18.0以外異状なし。VitB1=58,VitB12=438,葉酸=5.2。治療のポイント1.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。3. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。インターネット検索で来院された。既往歴:心房細動。脳幹出血、夜間せん妄、川島病院①アジルバ20mg②タケキャブ10mg③アーチスト2.5mg④イグザレルト10mg⑤イーケプラ1000mg。物忘れ、妄想、夜間せん妄、夜間不眠、薬物過敏、生真面目、両側MLF症候群、左不全片麻痺を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 左淡蒼球石灰化、右脳幹出血瘢痕。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:2.5/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に赤ミミズエキスPRoDR1Capを勧めた。イーケプラ1000mgから500mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:13/30(-3)、近時記憶4/6(+1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Zn70,TIBC212以外異状なし。VitB1=18,VitB12=388,葉酸=3.1。6か月後、右小脳出血、愛知医科大学①アムロジピン5mg②タケキャブ10mg③アーチスト2.5mg④イグザレルト10mg⑤イーケプラ500mg。7か月後、頭部CT上、右小脳出血の増大は見られず、イグザレルト10mg再開した。暴言/暴力にウインタミン朝6mg昼6mg夕12mg、不穏時ウインタミン6mg屯、妄想にアムロジピン5mg→2.5mg→中止/イーケプラ中止/セレネース0.4mg→0.3mg、夜間せん妄にロゼレム8mg/レンドルミン0.25mg/リボトリール0.25mgを開始した。治療のポイント1.妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。3.暴言および暴力に対する治療暴言および暴力に対してはウインタミン朝4mg夕6mg、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒朝1-2錠夕1-2錠を投与します。ウインタミンは切れのある薬ですが、至適用量は人によって様々であり、ウインタミン4-6mgを1日2-3回まで不穏時屯用として追加処方しておくのが大切です。不穏時と言っても、本当に興奮しているときには内服出来ないので不穏になった少し前の時刻に翌日から追加していきます。ウインタミンは5%肝機能障害を合併するので注意が必要です。肝機能障害を起こした場合はすぐに中止して、セルシン1.5-3mg分3またはクエチアピン37.5-75mg(糖尿病禁忌)を開始します。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑行為抑制および認知機能改善に有効です。4.夜間せん妄に対する治療夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。インターネット検索で来院された。既往歴:H27胃癌、胃3/4切除術、愛知医科大学。物忘れ、寝言、夜間せん妄、食欲低下、火の不始末、REM睡眠行動障害、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。味覚低下にプロマック75mg、ビタミンB12補給にメコバラミン0.5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe25,Alb3.7,TIBC425,Hb8.8,MCV27.7,Zn71,Ferritin6.8以外異状なし。VitB1=13,VitB12=137,葉酸=7.1。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン1Ap筋注/月、鉄欠乏性貧血にフェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注/月、ヘム鉄を開始した。3か月後、一般採血:Fe37,Alb3.7,TIBC379,Hb10.4,MCV33.2,Zn73,Ferritin14.8以外異状なし。VitB1=16,VitB12=253。低アルブミン血症にイノラス1袋/日を開始した。7か月後、改訂長谷川式:23/30(-3)、近時記憶5/6(-1)。一般採血:Fe54,Alb4.0,TIBC379,Hb10.4,MCV33.2,Zn73,Ferritin14.8以外異状なし。VitB1=16,VitB12=253。鉄欠乏性貧血にフェロミア50mgを開始、ビタミンB1欠乏症にメコバラミン0.5mgからビタノイリン25mgへ変更した。8か月後、改訂長谷川式:28/30(+5)、近時記憶5/6(+-)と中等度改善した。治療のポイント1.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。2.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。3.ビタミンB1欠乏症および過剰症の治療ビタミンB1欠乏症に対しては食事栄養療法(豚肉、かつお節、辛子明太子、鯛の刺身、うなぎ、ごま、大豆、海苔、きな粉、スモークサーモン、鮭、ぶりなど)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。ビタミンB1は糖質を分解する際に消費されるため、中性脂肪高値を伴う糖質過多の場合は、小麦粉(パン、麺類)、砂糖(スイーツ)、果糖(果物)、アルコールなどの糖質制限を指導します。ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。4. 鉄欠乏性貧血に対する治療TIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)が正常範囲内(250-440μg/dL)で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が低下(50ng/mL未満)している場合は、フェロミア100mgまたはフェルム100mg(吐気、便秘に注意)、ヘム鉄などを投与します。フェリチン20ng/mL未満の場合は、毎月フェジン80mg/生理食塩水100mL点滴静注を併用します。低アルブミン血症に伴うTIBC(トランスフェリン、鉄結合性糖蛋白質=受容体を介して鉄の受け渡しを行う蛋白質)低下で鉄備蓄フェリチン(Ferritin)が正常範囲内(50-100ng/mL程度)の場合は栄養補充のみでよい。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:子宮筋腫。R4/1レミニール8-16mg、愛知医科大学精神科。ひだまりクリニック内科①グラクティブ100mg②グルファスト30mg③アジルバ20mg④レンドルミン0.25mg。物忘れ、被害妄想、暴言を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。興奮症状に前医からのレミニール16mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にアジルバ20mg中止、赤ミミズエキス2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+-)、近時記憶1/6(-1)と認知機能不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.5,TCL173,TG198,Zn69以外異状なし。VitB1=37,VitB12=717,葉酸=3.4。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶3/6(+2)と軽度改善した。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止アリセプト5mg/レミニール16-24mg/リバスタッチパッチ13.5-18mg/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチパッチ4.5mgまたはレミニール4mgから開始するようにします。2.妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。3.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。4.味覚低下または亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。5.石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患に対する治療石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患は一般的には特発性基底核石灰化症(IGC)と呼ばれます。頭部CTで両側淡蒼球に石灰化を伴い、50%にレビー小体型認知症(DLB)症状(頑張り屋、薬物過敏、夜間せん妄、歩行不安定)、75%に前頭側頭葉変性症(FTLD)症状(堪忍袋の緒が切れやすい、物が貯まりやすい、甘い物好き、語義失語)を伴う認知症です。病状進行はゆっくりで、治療反応性はよく、上手く治療すれば長い間良い状態を維持することが出来ます。ただし、自我が強いため介護困難例が多く、定期往診しているDNTC56例中52例は施設入所されています。薬物過敏のため抗認知症薬、向精神薬、眠剤を含むすべての薬剤は通常量の1/4-1/2を投与することが大切です。詳細はIwata A, Journal of Japan Society for Dementia Therapy 2(1):2015.10 p.32-40を参照下さい。インターネット検索で来院された。既往歴: 2013&2014脳ドック、異常なし、名古屋脳神経外科。長久手内科①ローコール30mg②ネキシウム20mg。長久手メンタルクリニック①ジェイゾロフト25㎎。物忘れ、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:1、脳血管性認知症(VD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にネキシウム20mgを中止を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL199,TG118,Zn77以外異状なし。VitB1=36,VitB12=309,葉酸=5.0。認知機能低下にローコール30mg中止を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベスト1Capを勧めた。鬱状態は前頭葉血流低下が原因であり、ジェイゾロフト25㎎中止を勧めた。治療のポイント1. プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。2. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。3. 赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2-0.4mgを開始します。中日ドラゴンズの迷走~中日がトレードに出すべきは監督だろう~2022年から立浪和義新監督になりました。春から京田陽太遊撃手は、バッティングの調子が悪く、守備にも悪影響を与えてエラーをしました。立浪監督は試合中に2軍行きを命じました。故星野仙一前監督に育てられた立浪和義新監督はチームに渇を入れるために一種のパフォーマンスをしたのでしょう。落合博満前監督が「試合中に選手を叱ったら、選手は余計にびびって動けなくなる」という旨のコメントをしていました。案の定、立浪監督が2軍行きを命じてから、他の選手も「ちゃんとやらないと2軍行きになる」と硬くなり、打てていた選手まで打てなくなり、守れなくなり、6位の定位置まで真っ逆さまに落ちて行きました。故星野仙一前監督時代は、鉄拳制裁、罵倒、2軍行きが許された時代でした。それを今の選手に当てはめたら、硬くなって動けなくなる。チーム打撃2位の阿部寿樹2塁手を楽天にトレードに出しました。先日は2軍行きを命じた京田陽太遊撃手をDeNAにトレードに出しました。そして獲得した選手は投手ばかり。中日ドラゴンズは投手は揃っていたけど野手が打てずに負ける試合ばかりでした。全く理解できない。中日ドラゴンズは立浪和義監督をトレードに出すのが一番チームを強くする方法だと早く気付いてほしい。
Nov 21, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト皆既月食を撮ったぞー皆既月食を娘が撮りました。スマホで撮った割には上手くとれています。親馬鹿ですね。皆既月食@長久手市症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:S48子宮筋腫。H4/4腸閉塞イレウス。R3/4/5ドネペジル5mg、大里クリニック。R3/4/28レミニール8-16mg、新門司病院。物忘れ、鬱状態、薬物過敏、うつ状態、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:14.5/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にドネペジル3mg維持、メマンチン5mg開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21.5/30(+7)、近時記憶0/6(-1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG177,Hb11.9,Zn59以外異状なし。VitB1=35,VitB12=344,葉酸=7.3。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:23.5/30(+2)、近時記憶4/6(+4)と更に中等度改善した。治療のポイント1.メマンチン(メマリー)は第2選択の抗認知症薬メマンチンは改善率60%、不変10%、悪化率30%という薬です。悪化率30%(悪化率50%と報告している施設もある)と高値であり、状態が悪化した際の「藁(わら)」として使うべき薬です。これは当クリニックで投与方法:第1~6週目5mg →7週目から10mg維持(545名の検討)で得られたデータです。投与前と6週目の改訂長谷川式は欠かせません。現在では投与前→6週目の改訂長谷川式で悪化したら中止、改善したら5mgで維持、その後、悪化した際に10mgに増量しています。当クリニックでは10mgを最高量としています。副作用が10mgで16%に見られました。2%は副作用のため中止、12%は10mg→5mgに減量して継続出来ました。副作用は昼間傾眠に伴う食欲低下、一方で、興奮・幻視・妄想・夜間不眠など、介護者を困らせる症状が多く見られます。ふらつきに伴う転倒骨折の危険性も高まるので注意が必要です。ケアマネからの紹介である。既往歴:天白橋内科クリニック①オルメサルタン20mg→内服せず。物忘れ、易興奮、物盗られ妄想、病識欠如、生真面目、生活詳細不明を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:19/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを開始した。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+2)、近時記憶3/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,Zn71以外異状なし。VitB1=43,VitB12=548,葉酸=3.5。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+1.5)、近時記憶5/6(+2)と更に改善した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mgを処方します。親戚からの紹介である。既往歴:H27/5乳癌。H29/3腰椎脊柱管狭窄症。R3/8腰椎圧迫骨折。R3/9-10リハビリ入院、日進おりど病院。さとう内科循環器クリニック①サンリズム②メインテート。物忘れ、腰痛、両膝痛、夜間不眠、夜間せん妄、寝言、REM睡眠行動障害、夜間排尿2回、語義失語、甘い物好き、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:4、ピックスコア3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.3,TCL183,TG162,Hb10.3,Zn60以外異状なし。VitB1=62,VitB12=895,葉酸=2.7。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。インターネット検索で来院された。既往歴:S45子宮筋腫。佐藤クリニック①マイスリー10mg②テルミサルタン20mg③センノシド12mg④ロカルトロール0.5μg⑤ベザフィブラード400mg⑥ネキシウム20mg⑦マグミット990mg⑧ウルソ300mg⑨マックターゼ⑩ガスモチン15mg⑪葛根湯加川辛物7.5g。忘れ、キャッシュカード詐欺を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、軽度認知障害(MCI) /アルツハイマー型認知症(ATD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL165,TG96,Hb,Zn55以外異状なし。VitB1=29,VitB12=282,葉酸=5.5。治療のポイント1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療同上。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。筆者の愚書を読んで来院された。既往歴:H14胆嚢摘出術。H1&H24声帯手術。H24心房細動、ペースメーカー。H30両白内障。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、アルツハイマー型認知症(ATD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶4/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG226,Hb12.5,Zn63以外異状なし。VitB1=34,VitB12=419,葉酸=6.9。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+1)、近時記憶4/6(+-)と更に軽度改善した。治療のポイント1. ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。2.亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。母の日本画展に行ってきました11月1日に85歳を迎えましたが、日本画週1回、テニス週2回を習っています。テニスは91歳の父と一緒にやっています。子供として、主治医として、元気に長生きしてくれればと見守っています。本日は日本画展を見に行きがてら片付けを手伝ってきました。日本画展@長久手市
Nov 13, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト15周年に胡蝶蘭の鉢植えを頂きました15周年の胡蝶蘭鉢植え症例報告ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:大鹿内科①リアシアナ②アーチスト③コンスタン④アムロジピン⑤タケキャブ⑥ハルシオン。物忘れ、被害妄想を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケキャブ中止、フェルガード100M粒2錠1日2回朝夕食前を勧めた。デイサービスではBP110-120mmHgと過降圧状態、被害妄想のため問題行動が出ており、アムロジピン5mgから2.5mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近時記憶2/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL162,Zn68以外異状なし。VitB1=27,VitB12=303,葉酸=7.0。被害妄想は軽減したが、BP120-130mmHgが続いておりアムロジピン2.5mgから中止した。ビタミンB12低下症に対してメコバラミン0.5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+2.5)、近時記憶6/6(+4)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。治療のポイント1. 妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。2. プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。親戚からの紹介である。既往歴:子宮癌。乳癌。統合失調症、北林病院~桜ヶ丘メンタルクリニック①コントミン75㎎②レキソタン6mg③アキネトン2㎎④ルーラン8㎎⑤レンドルミン0.25㎎。末永医院①テノーミン25mg②ブロプレス8mg③ネキシウム10mg。物忘れ、昼間傾向、認知機能乱高下、語義失語、振戦、小刻み歩行、左>右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 脳室拡大。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。子宮癌、乳癌、統合失調症に対してグルテンフリー・カゼインフリー指導を行った。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+13)、近時記憶6/6(+5)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL174,TG213,Hb10.6,Zn78以外異状なし。VitB1=29,VitB12=468,葉酸=4.8。治療のポイント1.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。この方は統合失調症と診断されて向精神薬が処方されており、落ち着いたためインチュニブ投与回避しました。インターネット検索で来院された。既往歴:二宮整形外科①レンドルミン。物忘れ、幻視、幻聴、夜間大声、暴言、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、徘徊、尿便失禁、病識欠如、高度難聴、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:6/30、近時記憶0/6と高度低下していた。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ1mgを開始した。夜間不眠にロゼレム4mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:7/30(+1)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mg、夜間排尿3-5回にベオーパ50mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG212,Hb11.8,Zn64以外異状なし。VitB1=19,VitB12=234,葉酸=3.2。治療のポイント1.自閉症スペクトラム障害(ASD)の高齢化に伴うレビー小体型認知症(DLB)ASDの高齢化に伴うDLBの症状がある場合には、興奮性DLBを呈します。幻視、幻聴、夜間大声、夜間せん妄、夜間不眠にインチュニブ0.5-1mgを投与します。インチュニブは眠気、血圧低下を伴い、過敏な五感を低下させる作用があります。内服後、6-12時間後に血中濃度がピークになるため夕食後に内服します。徐放製剤のため半錠投与する場合は血中濃度ピークが早くなることが考えられるため注意が必要です。2.ビタミンB12低下症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:子宮筋腫。上飯田第一クリニック老年精神科①サアミオン10mg②ノイロビタン(ビタミンB1・B2・B6・B12配合剤)1錠③クレストール2.5mg④ドネペジル3㎎⑤ブロプレス2mg⑥フォリアミン5mg。物忘れ、易興奮、甘い物好き、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。易興奮のためドネペジル3mg/ノイロビタン1錠/フォリアミン5mg中止、サアミオン10mgから5mgへ減量、認知機能低下にクレストール2.5mg/ブロプレス2mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠開始、 脳梗塞にプレタール50mg(変更不可)開始、ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+2.5)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.6,TIBC244,Hb11.3,Zn65以外異状なし。VitB1=116,VitB12=776,葉酸=1215。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止アリセプト5m/アリナミンF(ビタミンB1)25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には即刻中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチまたはレミニールを少量から開始するようにします。2. フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。3. ビタミンB1過剰症ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。4.葉酸過剰症葉酸過剰症は興奮性があることに加えて、細胞増殖作用があるため癌既往歴のある方には危険です。興奮、癌既往歴がある場合は葉酸(フォリアミン)が処方されている場合は即刻中止します。5. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:東名古屋病院消化器内科①フオイパン600mg②ムコスタ300mg③フェブリク10mg④アリナミンF50mg。物忘れ、昼間傾眠、るい痩を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgとサアミオン10mgを開始した。るい痩のため過剰投与であるアリナミンF(ビタミンB1)50mg中止を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.2,γGTP343,TCL114,ALP265,AMY180,TIBC219,Hb9.2,Zn43以外異状なし。VitB1=184,VitB12=291,葉酸=5.8。治療のポイント1.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤の先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。プレタールは心不全に伴う両下肢浮腫、頻脈がある場合には25-50mgの少量投与、心不全が悪化したらバイアスピリン100mgなどへの変更が必要です。2. ビタミンB1過剰症ビタミンB1過剰症は興奮性または多動になり転倒のリスクが高まります。代謝亢進のためるい痩が進行します。興奮、多動、るい痩の見られる患者にビタミンB1(アリナミンF/ビタノイリン/ビタメジン/ノイロビタンなど)が処方されている場合は即刻中止します。
Nov 7, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト長久手南クリニック 開院15周年を迎えてお久しぶりです。コロナ禍になって外来通院患者が減り、施設入所される患者が増える傾向にあります。定期往診患者は120名から135名に増え、入所された患者が増えたためか外来通院患者は減っている印象を受けます。それでもおかげさまで外来は混雑しています。2007年11月1日に長久手南クリニックを開院してあっという間に15年という年月が経ちました。開院してから「認知症治療の夜明けぜよ」という思いで日々診療に取り組んで参りました。元々は脳神経外科専門医でしたが、認知症患者さんたちに教えて頂きながら、日々精進して参りました。開院した当時はこのように多くの認知症患者さんを診させて頂けるとは思いもしませんでした。15年間で9000名以上の患者さんを診させて頂きました。年間600名になります。医者は患者から学ぶのであり、医学書から学ぶのではありません。認知症専門外来および往診診療から得られたヒントを志を同じくする仲間たちと共有するために認知症治療研究会の世話人として、抗加齢・赤ミミズ研究会の会長として微力ながら発信して参りました。これからも少しでも多くの認知症患者さん、御家族、多職種スタッフが日々楽しく過ごせるように精進して参ります。認知症患者さんが先生であることを肝に銘じながらスタッフと共に歩んで参ります。生涯現役でがんばるつもりですので、今後とも長久手南クリニックを宜しく御願い致します。日本の夜明けぜよ。本当は夕日です。症例報告 ~今回から「治療のポイント」を追加しました~インターネット検索で来院された。既往歴:H15胆石症、愛知医科大学。R3/11鬱状態、あいち脳神経クリニック①ジェイゾロフト25㎎。庄南内科①クレストール2.5mg②シナール3g③セファドール3錠④柴苓湯9g。物忘れ、甘い物好き、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。 以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、軽度認知障害(MCI)を呈するびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。認知機能低下にクレストール2.5mg中止、鬱状態なくジェイゾロフト25mg飲み切り中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(-2)、近時記憶2/6(-3)と軽度低下した。甲状腺正常。一般採血:Zn66以外異状なし。VitB1=30,VitB12=664,葉酸=12.0。亜鉛欠乏症にノベルジン25mg、脳梗塞にプレタール50mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+3)、近時記憶6/6(+4)と中等度改善した。治療のポイント1. スタチン中止高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。2.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。親戚からの紹介である。既往歴:馬場医院内科①タケキャブ10mg②リバスチグミンテープ18㎎。物忘れ、易興奮、膝組みを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、前頭側頭型認知症(ピック病)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24.5/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケキャブ10mgを中止、リバスタッチパッチ18mg→3日間休薬→9mgへ減量、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2.5)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Zn69以外異状なし。VitB1=26,VitB12=355,葉酸=6.0。易興奮が残存するため、リバスタッチパッチ9mg→4.5mgへ減量した。ビタミン12低下症にメコバラミン1mg開始した。治療のポイント1. スタチン中止同上2. プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。インターネット検索で来院された。既往歴:H12悪性リンパ腫(胃原発)放射線・化学療法入院、名古屋大学。R2腰痛圧迫骨折。 R4/6左上腕骨近位端骨折。十二指腸潰瘍①タケキャブ。物忘れ、昼間傾眠、易転倒、食慾低下、鬱状態、振戦を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮中等度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始した。食欲低下にノベルジン25mg/メコバラミン0.5mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。12日後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+7)、近時記憶3/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.2,TCL170,TIBC181,Hb11.3,Zn以外異状なし。VitB1=25,VitB12=451,葉酸=3.4。治療のポイント1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)中止同上2.るい痩著明な食欲低下食欲低下が著しい場合は、舌所見により亜鉛欠乏症と診断して薬物補充療法を開始します。3. ビタミンB12低下症ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。インターネット検索で来院された。既往歴:R3アルツハイマー型認知症、ドネペジル3-5mg、愛知医科大学神経内科。長久手西クリニック①ドネペジル5㎎②アリナミン25mg③パリエット10mg④ガスモチン10mg。うかい医院⑤アムロジピン5mg⑥クレストール2.5mg。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、人物誤認、暴言、暴力(まれ)、意識欠如、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:7、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:8/30、近時記憶2/6と高度低下していた。BPSD(認知症の行動・心理症状)にアリセプト5m/アリナミンF25mg中止 認知機能低下にクレストール2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:13/30(+5)、近時記憶2/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。妄想に対してアムロジピン5mg→2.5mgへ減量、ルベスト1Capを勧めた。甲状腺正常。一般採血:TCL171,Hb11.3,Zn65以外異状なし。VitB1=103,VitB12=433,葉酸=7.9。治療のポイント1.抗認知症薬による興奮症状(陽性症状)がある場合一旦中止アリセプト5m/アリナミンF25mgは暴言、暴力などの興奮症状(陽性症状)がある場合には一旦中止すべきです。陽性症状が消失して無気力、無言、鬱状態などの(陰性症状)が出た場合には少量から再開するか、興奮性の少ない抗認知症薬であるリバスタッチまたはレミニールを少量から開始するようにします。2.プレタール先発品:認知症改善効果シロスタゾール製剤先発医薬品(プレタール)と後発医薬品(シロスタゾール)におけるアルツハイマー型認知症に対する臨床効果の比較すると先発品プレタールのみ認知症改善効果が見られたと報告されています(PLoS One. 2014 Feb 26;9(2):e89516、認知症治療研究会会誌5(1)15-18)。プレタール(変更不可)で処方して頂ければと存じます。3. 妄想に対する治療高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。知り合いからの紹介である。既往歴:左乳癌。脳梗塞、呂律不全。右乳癌。協立病院・内科①ワンアルファ0.5μg②ビビアント20mg③エリキュース10mg④ロスバスタチン2.5mg。物忘れ、幻視、寝言、妄想(死んだ夫に対する物盗られ妄想、暴言、易興奮、帰宅願望、食欲低下を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、右深部白質。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にロスバスタチン2.5mg中止、フェルラ酸50mg/ガーデン10mg粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(+2)、近時記憶2/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Zn63以外異状なし。VitB1=29,VitB12=270,葉酸=3.1。亜鉛欠乏症にノベルジン25mg、ビタミンB12欠乏症にメコバラミン1mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:21.5/30(+4)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善した。治療のポイント1.スタチン中止同上2.亜鉛欠乏症亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。3. ビタミンB12欠乏症ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。「認知症治療研究会」は2023年3月をもって解散~「日本認知症治療研究会」を立ち上げるぜよ~2015年、ドクターコウノが立ち上げた「認知症治療研究会」が2023年3月をもって解散することになりました。同じ目標に向かって進んでいる仲間がバラバラになり、彼らと情報共有することが出来なくなるのは心の底から残念でなりません。どれだけ日々の診療に役立ち、励みになっていたか。この窮地に、コウノメソッド実践医1号である私が立ち上がらなければならないと考えています。「認知症治療研究会」に「日本」を加えて、「日本認知症治療研究会」と改名してウェブ学会として再度立ち上げたい。先立つものが必要ですからクラウドファンディングを行い、お金を集めてはと考えています。コウノメソッドにお世話になった認知症患者さん、御家族、他職種の方々、みんなが力を合わせてこの研究会を立ち上げる事が出来ればと考えています。私、長久手南クリニック岩田明もどのように研究会を運営すればみなさんの「日本認知症治療研究会」となるかを真剣に考えています。この考えに賛同する方がおられましたら、実際にどのような方法でクラウドファンディングをすればよいのかなどお知恵を拝借できればと思います。
Oct 31, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト体重86kg→72kg→76kg(BMI=26→18→20)筆者は5年間、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエット、毎日ランニングマシーンを駆使して5000-10000歩、毎週日曜日はテニスを続けている。フルーツやおやつを解禁したからか昨年7月から4kg体重増である。ミックスナッツ35g/日を開始してからはコレステロール値が改善している。症例報告ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:R3/12右大腿骨頸部骨折、手術不要、公立陶生病院~青山病院。いながきクリニック①アムロジン②フェロミア5mg③クレストール2.5mg④ロトリガ2g⑤パリエット10mg⑥ドネペジル10mg。物忘れ、易転倒、買い物過多、右歯車様固縮軽度、歩行ゆっくりを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。ドネペジル過剰投与に伴うパーキンソニズムを認めたためドネペジル10mg→5mgへ減量継承、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠1日1回朝食後を勧めた。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;(9))、総コレステロール(TCL)200mg/dL以下の場合、スタチン減量または中止する。貴院の血液検査でTCL170mg/dLと低値であり、スタチン中止を依頼した。プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があり、PPI中止を依頼した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+7)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,Hb10.1以外異状なし。VitB1=27,VitB12=431,葉酸=6.7。インターネット検索で来院された。物忘れ、アパシー、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:異状なし。VitB1=29,VitB12=324,葉酸=5.4。インターネット検索で来院された。既往歴:H29/2人工弁置換術、豊田厚生病院。H29アブレーション、豊田厚生病院。H30左甲状腺腫瘍、豊田厚生病院。物忘れ、腕組みを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:4、軽度認知障害(MCI)/前頭側頭型認知症(ピック病)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と軽度/中等度/著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,Hb12.3,Zn72,Ferritin23.0以外異状なし。VitB1=28,VitB12=425,葉酸=4.6。知り合いからの紹介である。既往歴:R3左下肢静脈瘤、豊田厚生病院。物忘れ、夜間寝言、REM睡眠行動障害を呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体病(LBD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。REM睡眠行動障害からロゼレム8mg/リボトリール0.25mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。リボトリール0.25mgから0.5mgへ増量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL179,Zn71以外異状なし。VitB1=34,VitB12=488,葉酸=8.4。インターネット検索で来院された。既往歴:H28/6透析シャント、愛知医科大学。H30軽度認知障害、名古屋脳神経外科~愛知医科大学。名古屋東クリニック①炭酸ランタン②アダラートCR③ワンアルファ④オルメテック⑤アミティーザ⑥ボグリボーズ⑦レンドルミン⑧デパス⑨ラジレス。物忘れ、帰宅願望(入院時)、鬱状態を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側海馬石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+4)、近時記憶4/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL158,Hb11.5,Zn56以外異状なし。VitB1=26,VitB12=1050,葉酸=2.9。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。出産費用および教育費無償化に食費クーポン券配布今回の参議院選挙ですが、筆者は日本維新の会にがんばってほしいと考えています。日本維新の会は出産費用および教育費を無償化すると言っています。筆者は子供の食費無償化(毎月給食費および食費クーポン5万円配布/子供1人)することで子供は平等に栄養と教育を受けることが出来ると考えています。そうすれば日本の将来を担う若者を生み出すことが出来るでしょう。防衛費にお金を費やすのではなく、人材育成にお金を廻すことが大切です。これに加え、高齢者に対する食費無料化(毎月食費クーポン5万円配布/人)をすることで高齢者の栄養失調を改善することで結果的に高齢者医療費および社会保障費の抑制を図ることが出来るでしょう。現在は物価高騰で無理ですが、将来的には消費税を10%から15%に上げることでこれらの財源を得るようにすべきと考えます。
Jul 3, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト春爛漫3~長久手南クリニック~今年で59歳となり、長久手南クリニックを開業して15年目を迎えています。70歳までは頑張ろうと思っています。シラン@長久手南クリニックシラン@長久手南クリニックジューンベリー@長久手南クリニック症例報告地域包括支援センターからの紹介である。物忘れ、アパシー、歩行不安定、語義失語、感情失禁、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:5.5/9、改訂長谷川式:13/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスチグミンテープ4.5mgを開始、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2粒を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+3)、近時記憶3/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失改善した。甲状腺正常。一般採血:Hb11.5,Zn73,Ferritin10.2以外異状なし。VitB1=21,VitB12=227,葉酸=10.2。VitB12欠乏症にメコバラミン0.5mgを開始、鉄欠乏性貧血にヘム鉄1Capを勧めた。インターネット検索で来院された。既往歴:H31右頭頂後頭葉脳梗塞、左同名半盲、ドネペジル3-5mg、東名病院①バイアスピリン100mg②タケキャブ10mg③ドネペジル塩5mg④アジルバ20㎎。物忘れ、幻視、幻聴、妄想、暴言、介護抵抗、昼間傾眠、感情失禁、食慾低下、徘徊、薬物過敏(クエチアピンで幻視/幻聴出現中止)を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:10、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。易興奮のためドネペジル5mg中止、認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に他院からバイアスピリン100mg/タケキャブ10mg/アジルバ20㎎維持とした。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+4)、近時記憶3/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL164,Hb11.9,Zn64以外異状なし。VitB1=15,VitB12=364,葉酸=5.7。認知機能低下にタケキャブ10mg/アジルバ20mg中止を指示した。インターネット検索で来院された。60歳で定年退職、再雇用。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)/軽度認知障害(MCI)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG172以外異状なし。VitB1=32,VitB12=313,葉酸=4.2。アルブミン/中性脂肪/ビタミンB12/葉酸栄養指導およびグルテンフリー・カゼインフリー指導を行った。知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、介護抵抗、食欲低下、体重減少、鬱状態、生真面目、語義失語を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:5/9、改訂長谷川式:11/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+3)、近時記憶4/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Hb11.0,Zn72以外異状なし。VitB1=27,VitB12=428,葉酸=12.7。愛知医科大学精神科からの紹介である。既往歴:R2/8パーキンソニズム、愛知医科大学精神科①アリセプト5mg②イーシー・ドパール2錠③トレリーフ25mg。 R3/10/31胸椎圧迫骨折、おおた整形外科①エディロール。物忘れ、幻視、被害妄想(電気で悪戯をされた)、易転倒、小刻み歩行、左歯車様固縮を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:7、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg(F50mg/GA10mg)粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。歩行困難にアリセプト5mg中止/イーシー・ドパール2錠から1錠へ減量/トレリーフ25mg中止、グルタチオン点滴(生理食塩水100mL/グルタチオン2000mg/ビタミンC2g/ビタミンB12=1Ap/15min)を開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。歩行および姿勢改善しており、毎週グルタチオン点滴継続とした。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Hb10.7,Zn50以外異状なし。VitB1=24,VitB12=482,葉酸=5.5。亜鉛欠乏症にノベルジン25mgを開始した。患者やその家族を思いベストを尽くす~3つの点を辿って~開業して15年間が経ちました。脳神経外科医として名古屋市立大学脳神経外科および関連病院で10年間。脳神経学者としてUniversity of Pensylvania (UPENN) 、Department of Neurosurgeryで6年間。認知症専門医として長久手南クリニックを開業して15年間。Steve JobsがStanford Universityで行ったスピーチの中で"connecting the dots "、「点と点をつなぐ」という話をしています。私にとって脳神経外科医としての経験は、一つ目の点です。医師として救急対応、全身管理、および頭部画像読影を学びました。1年目、3ヶ月間の麻酔科研修を受けてから関連病院である蒲郡市民病院へ赴任して、夜中に救急外来で呼ばれる毎日でした。最初の2人のボスは、名古屋市立大学および東海高校(偶然にも)の10年および20年先輩であり、20年先輩の故梅村訓先生には医師としての心構えを教えていただきました。10年先輩の大原茂幹先生には脳神経外科医としての基本を教えて頂きました。それからも名古屋市立大学脳神経外科および関連病院を転々としながら、6年目には脳神経外科専門医試験を受験して、3名受けて私のみ一発合格を果たしました。その後、名古屋市立大学でラット脳虚血モデルにおけるbFGF遺伝子発現についての研究論文を書き上げ、医学博士を取得することができました。10年目には脳神経学者としての経験は、二つ目の点です。Douglas H. Smith, MD、Director ,Center for Brain Injury and Repair、Department of Neurosurgery、 University of Pensylvania (UPENN) へ海外留学することになりました。現地では、頭部外傷(Traumatic Brain Injury)とアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)との関連を研究していました。ラット頭部外傷モデル、ミニブタ頭部外傷モデル、ラット培養神経細胞軸索損傷モデルを用いて、頭部外傷を契機に神経細胞(軸索、樹状突起を含む)にアミロイドが沈着しましたが、時間経過と共にアミロイドやタウ蛋白はミクログリアにより取り除かれてくることがわかりました。頭部外傷(Traumatic Brain Injury)とアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)とは似て非なる者であるということです。頭部外傷ラットにMK801(NMDAレセプターアンタゴニスト/メマリー類似物質)を投与しても全く効かなかったものの、その後の研究でアルツハイマー病(Alzheimer's Disease)にメマリーが60%の確率で効き目があったことも大きな違いでした。ラット頭部外傷モデルにおけるApoE遺伝子発現についての研究論文も書き上げました。認知症専門医としての経験は、三つ目の点です。帰国後、大隈病院(脳神経外科専門医である真砂敦夫理事長は東海高校の同級生)から通院困難となった患者に対する定期往診を始めました。在宅には多くの認知症患者が隠れていることを知り、認知症治療について勉学に励みました。介護保険を学び、ケアマネージャーを通してドクターコウノ(老年専門医である名古屋フォレストクリニック河野和彦院長)に出逢いました。定期往診する前に、他院の診断を疑い、自らの手で認知症診断および治療の道を決めることが出来るように長久手南クリニックを開業しました。そのために自院に頭部CT(関連病院などで馴染みの深いGE製16列)および認知症問診(問診/時計描写テスト/改訂長谷川式簡易認知症テスト/語義失語テスト/老人性うつ病スコア/発達障害スコア/アルツスコア/レビースコア/ピックスコアなど)を備え、15年間認知症医療を実践してきました。Steve Jobsが言っているように「3つの点は逆行性に遡る」ことしか出来ません。その後の人生で本当に役に立つかどうか分からないことを自分の本能に従って行動していると、どこかで点が繋がったのです。脳神経外科専門医で得た医師としての心構えで神経学的所見、頭部CTを読影し、脳内に起こっている伝達物質の様子を想像してどんな治療が必要であるか判断して、認知症問診を駆使して確定診断に至ることが出来ているのです。どの点が欠けていても今の自分はないと思います。どの出逢いが欠けていても今の自分はなかったのだと思います。
Jun 27, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト春爛漫2~長久手南クリニック~15年前に国産杉や楓で出来た純木造のクリニックを建てました。待合室は吹き抜け天井、無垢の木を組み上げ、天井板にも無垢の杉板を施工してあります。中央には薪ストーブがあり、壁は珪藻土が塗ってあります。開設当初は喫茶店と間違えて若いカップルが入って来ました。敷地には山里に広がる広葉樹と山野草が植えてあります。長久手南クリニックジューンベリー@長久手南クリニックツツジ@長久手南クリニックフリージア@長久手南クリニックムラサキシキブ@長久手南クリニック症例報告~抗認知症薬なしで認知症は改善できる~まずは過降圧に対する降圧剤減量(収縮期血圧=130-160mmHgを目標に血圧調節)、高脂血症治療薬(スタチン)中止、プロトンポンプ阻害剤(胃潰瘍・逆流性食道炎治療薬)中止から始めましょう。認知機能低下にフェルガード100M1-2錠、脳血流低下にルベストPRoDR1-2Capを勧め、プレタール(先発品)50-100mgを開始しましょう。既往歴:しなのクリニック①レザルタスHD(オルメテック20mg/カルブロック16mg)②レミニール16mg。施設からの紹介である。物忘れ、幻視、物盗られ妄想、暴言を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:5、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/脳血管性認知症(VD) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶0/6と高度低下していた。暴言にレミニール16mg中止した。BP137/68。物とられ妄想のためBP140-160mmHgを目標に降圧剤調節するように診療情報提供した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+5)、近時記憶3/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP139/75。降圧剤調節しておらず、レザルタスHDからLDへ減量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,Zn75以外異状なし。VitB1=21,VitB12=296,葉酸=5.5。インターネット検索で来院された。既往歴:R3/10階段から転倒、尾底骨骨折。R4/3/6-3/14妹(日進市)に避難。物忘れ、感情失禁、食欲低下、意識欠如、現実と過去が混同し悪い方向へ考えてしまう、夫への被害妄想、家事や生活への意欲低下を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+6)、近時記憶5/6(+3)と著明改善、易興奮、眠りが浅い、寝ている間に動く、夜間せん妄が出現したためロゼレム8mgおよびリボトリール0.25mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,TG193,Zn61以外異状なし。VitB1=30,VitB12=780,葉酸=10.9。低アルブミン血症および亜鉛欠乏症に栄養指導を行った。2か月後、夜間良眠、REM睡眠行動障害、夜間せん妄消失した。インターネット検索で来院された。既往歴:H10/10肺アスペルギルス症、東名古屋病院。物忘れ、易興奮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(FTLD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+1.5)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,Zn74以外異状なし。VitB1=20,VitB12=344,葉酸=8.2。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。インターネット検索で来院された。既往歴:H12/10脳梗塞、左不全片麻痺、愛知医科大学。よねづ内科クリニック①プラビックス75mg②ムコスタ300mg③デパス0.5mg④ザイロリック100mg⑤エパデールS900mg⑥リポバス5mg⑦ガスター20mg⑧ベタニス50mg⑨ユリーフ4mg。物忘れ、昼間傾眠、嚥下困難を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に腰痛のためルベスト回避。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+4)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL150,Zn75以外異状なし。VitB1=41,VitB12=518,葉酸=4.6。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症、骨粗鬆症(ビタミンD欠乏症)、糖尿病の原因になるという論文報告があり、総コレステロール(TCL)200以下の場合、スタチン減量または中止としている。今回の血液検査でTCL150と低値であり、リポバス5mg中止を依頼した。インターネット検索で来院された。既往歴:いしはらクリニック①アムロジピン10mg②リピトール10mg③ユベラ600mg④アリナミンF75mg⑤ミコンビBP(ディオバン80mg/ヒドロクロロチアジド12.5mg。物忘れ、易興奮、物盗られ妄想(孫がお金を盗る)、歩行不安定、小刻み歩行、左歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。易興奮のためアリナミンF75mg中止、高齢(65歳以上)のためリピトール10mg中止、BP130-150mmHgとなるように降圧剤調節を依頼した。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn71以外異状なし。VitB1=180,VitB12=484,葉酸=6.4。ヤマザクラ@長久手南クリニック小麦高騰の今こそ小麦を止めて米や米粉を食べよう~米と米粉でグルテンフリーを実践しよう~小麦の高騰のため小麦製品の値上げが進んでいます。戦後、小麦はパン、パスタ、シリアルの材料として日本に入ってきました。小麦の消費量に比例して、様々な病気が増えてきました。小麦粉に含まれるタンパク質をグルテンと言います。牛乳に含まれるタンパク質をカゼインと言います。グルテンやグルテンは分解しきれないまま腸に送られてしまいます。また粘り気が強く、腸に張り付いてとどまり続けます。すると身体は異物と認識し、自分で自分の腸を攻撃します。とどまることによる腐敗も起こり、慢性的な炎症に。そして細かい穴が開き、食事で摂った栄養や、排泄するはずの有害物質が体内に漏れ出し、栄養失調(吸収障害)や全身の炎症を起こします。これをリーキーガット症候群(腸管壁浸漏)といいます。また損傷した腸では、通常は通過できない食品や物質が通過してしまうため、アレルギーを発症しやすくなります。身体の各部位に対するアレルギー反応が起こると、その部位を攻撃することになります。リウマチ、橋本病、関節炎、全身性エリテマトーデス、クローン病などの自己免疫疾患が代表的な疾患です。身近な病気では、糖尿病、花粉症、蕁麻疹、片頭痛、緑内障、過敏性腸症候群、それ以外にもアルツハイマー型認知症、統合失調症、ADHD、自閉症、うつ病、パーキンソン病、てんかん発作、流産、癌など限りがありません。筋萎縮性側索硬化症などの難病と言われる原因不明の病気は、これらの自己免疫機序によるものと考えられています。それでもまだ小麦製品を食べますか?認知症になりたいですか?癌になりたいですか?難病になりたいですか?小麦高騰の今こそ小麦を止めて米や米粉を食べましょう。米が余っているから飼料用米を作らせている政府の方針も愚かとしか言いようがありません。小麦ともう一つ乳製品(バター以外)も同じ事が言えます。小麦製品と乳製品を食べるのを止めれば医療費の削減になるでしょう。
Jun 5, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト59歳の誕生日を迎えて5月14日(土)に59歳の誕生日を迎えることが出来ました。米粉で作ったグルテンフリーケーキを作りました。生クリームは使ったのでカゼインフリーとは行きませんでした。食べてすぐにキウイを食べてカゼイン分解をしておきました。「アクチニジン」というタンパク質分解酵素でグルテンおよびカゼインを分解できます。鶏の唐揚げやエビフライも片栗粉をまぶして米油で揚げています。59歳誕生日ケーキ@自宅春爛漫~長久手南クリニック~ハクサンシャクナゲ@長久手南クリニックヒマラヤユキノシタ@長久手南クリニックシラン@長久手南クリニックウノハナ@長久手南クリニック症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:H1ぶどう膜炎、東名古屋病院。H24脳萎縮、名古屋脳神経外科。慢性関節リウマチ、さいとう整形外科①メトトレキサート②フォリアミン③ケアラム④ロキソニンテープ。右突発性難聴、愛知医科大学耳鼻咽喉科。物忘れ、人の名前が覚えられない、地名がわからないを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:0、主観的認知障害(SCI)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+2)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,Hb11.6,TIBC283,Zn53以外異状なし。VitB1=28,VitB12=385,葉酸=9.9。Alb4.3を目標に鶏卵2個増量/日(毎日鶏卵1個増量でAlb0.2+)、Zn80を目標にミックスナッツ30g/日を指導した。ぶどう膜炎、慢性関節リウマチ、突発性難聴はすべて自己免疫疾患であり、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを指導した。インターネット検索で来院された。既往歴:H24胃癌2/3切除術、愛知県がんセンター。H29発語が減っている。H31投薬なし、愛知医科大学脳神経内科。宮地内科①ノルバスク5mg→自己中止。物忘れ、暴言、物を投げる、尿失禁を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:9/30、近時記憶5/6と高度低下していた。BP177/83。認知機能低下にフェルガード100M粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mg開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+10)、近時記憶6/6(+1)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP163/74。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.8,BUN22.9,s-Cr1.26,TCL179,Hb11.9,Zn71,Ferritin16.7以外異状なし。VitB1=26,VitB12=746,葉酸=11.3。鉄欠乏性貧血にヘム鉄1Capを勧めた。インターネット検索で来院された。物忘れ、車左側をぶつけた、語義失語、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:4、軽度認知障害(MCI)を呈する前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は時計描写テスト:8.5/9(+0.5)、改訂長谷川式:28/30(+3)、近時記憶6/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn68以外異状なし。VitB1=32,VitB12=258,葉酸=8.9。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、VitB12欠乏症にメコバラミン0.5mgを開始した。知り合いからの紹介である。既往歴: H13/8心筋梗塞、カテーテル治療、藤田衛生大学。H16脳梗塞、右下肢しびれ、藤田衛生大学。R3/1右上肢しびれ、藤田衛生大学。R4/4/6前額部外傷。くまのまえファミリークリニック①タケルダ配合②リバロ③イグザレルト④オルメテック。物忘れ、易興奮、夜間不眠、食欲低下、歩行ゆっくりを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。リバロ中止を指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+3)、近時記憶5/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL139,Hb11.4,Zn73,Ferritin19.2以外異状なし。VitB1=21,VitB12=310,葉酸=7.4。インターネット検索で来院された。既往歴:今池南クリニック①リピトール。物忘れ、歩行不安定、内服不規則、小刻み歩行、左歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、改訂長谷川式:14/30(-3)、近時記憶1/6(+-)と軽度低下、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL205,TG287,Zn60以外異状なし。VitB1=36,VitB12=514,葉酸=9.3。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、改訂長谷川式:17/30(+3)、近時記憶1/6(+-)と元に戻った。3か月後、改訂長谷川式:23/30(+6)、近時記憶4/6(+3)と更に中等度改善した。世の中の混乱新型コロナウイルス感染症、ウクライナ侵攻、自死増加など世界および日本における暗黒の時間が続いています。マスクをしてアルコール消毒を繰り返す生活、皆で外出や外食をする機会はめっきり減ってしまい、年4回の6日間の休暇も自宅にこもるような生活ではストレスがたまります。施設での集団感染も経験しましたが、今では落ち着いています。ウイルス変異により、感染率上昇および重症化率低下が起こっています。ウイルスが生き残るために宿主を弱らせずに子孫を残す方法を見いだしたのでしょう。ウイルスと人間が共存する時代が来たのです。ソ連時代の京都と言われている美しい国ウクライナが同胞のロシア人に侵攻されてのですから驚きました。筆者はソ連時代に海路で横浜からウラジオストック、陸路(シベリア鉄道)でウラジオストックからハバロフスク、空路でレニングラード(現サントペテルスブルク)を訪れました。ソ連時代は、入国診査は異常に厳しく、役人や軍人はニコリともせず、売り場の人も愛想はなく、なんていう国だろうと思いました。しかし、冷戦がおわりベルリンの壁が壊され、ソ連崩壊へと続き、東西ヨーロッパという言葉もなくなり、すべての国が民主化していきました。民主化されたロシアの中には生活が悪化した人があふれ、民主政党が没落して共産党一党支配に戻っていった経緯があります。旧東ヨーロッパのほとんどの国々は北大西洋条約機構(NATO)に加盟しました。ウクライナもNATO加盟に手を挙げた際に、ロシアのウクライナ侵攻という悲劇が生まれました。ここに来てフィンランドとスウェーデンもNATO加盟に手を挙げ、時代は大きく動いています。この後、早くウクライナとロシアの戦争が終わり、ウクライナ復興、ロシアの民主化が起きることを願ってやみません。新型コロナウイルス感染症やウクライナ侵攻で世界中で物価上昇が問題になっています。収入の減少に物価上昇が加わり、食生活が悪化して脳内伝達物質が減少して神経衰弱に繋がっていると考えられます。どんな時代でも人が健やかに生きるためには食生活が一番大切だと言えます。民間および公共のフードシェア、子ども食堂、配食サービスなどを運営することが大切だと思います。多くの方々の尽力により、今まで通りに認知症専門外来および専門往診を行うことが出来ており、感謝に堪えません。これからも日々の診療に邁進し向上心を持って精進して参ります。
May 15, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトストラテラ V.S. インチュニブストラテラ投与はノルアドレナリンをシナプス内に増加させます。従って、血圧上昇、脈拍上昇、四肢末端チアノーゼ、弛緩性膀胱、食欲低下などが副作用になります。ストラテラ開始後、尿閉となり膀胱バルン留置が必要になった患者もおられます。シナプス内にノルアドレナリンが増えるとフィードバックによりドーパミン合成が抑制されるためパーキンソニズムが出現することもわかってきました。ストラテラ開始後、転倒して大腿骨頸部骨折を罹患した患者もおられます。以上から高齢者に対するストラテラ投与は10mg(朝5mg夕5mg)が基本で増量するにしても20mg(朝10mg夕10mg)までとすべきという結論に達しました。一方、インチュニブ投与はノルアドレナリンを介さずにレセプター伝達を増量します。シナプス後膜にあるα2受容体は、GTP結合タンパク質と結合た受容体で、ノルアドレナリンと結合すると、それに続いて起こる細胞内情報伝達機構により、カルシウムイオンチャンネル(Ca2+)が開きにくくなるように働きます。その結果、細胞が脱分極しにくくなり細胞活動は抑制されます。従って、傾眠、血圧低下、不整脈などが副作用になります。高齢者に対するインチュニブ投与は夕1mgが基本で増量するにしても夕2mgまでという結論に達しました。夜間せん妄や高血圧症がある場合は、インチュニブで同時に治療出来ます。インチュニブは睡眠薬や降圧剤減量することで減薬にも繋がります。高齢者ADHD/ASDに対するストラテラおよびインチュニブによる治療については詳しい症例検討を行い結果公表しますのでもう暫くお待ち下さい。桜@藤ヶ丘桜@藤ヶ丘桜@藤ヶ丘桜@藤ヶ丘桜@藤ヶ丘桜@藤ヶ丘症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:H29-R1トレドミン25mg、あさひこころのクリニック。物忘れ、易転倒、目線が合わないときがある、振戦、小刻み歩行、右歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。歩行困難にドパコール100mgを開始、グルタチオン点滴を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+6)、近時記憶3/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb2.8,TCL170,Hb11.7,Zn46,Ferritin32.5以外異状なし。VitB1=17,VitB12=610,葉酸=4.0。亜鉛欠乏症にプロマック150mgを開始した。インターネット検索で来院された。物忘れ、易興奮、夜中に隣地の人から盗んだと言われる、夜間せん妄、乳製品で下痢、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。夜間せん妄にストラテラ10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+2)と治癒状態となり、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn73以外異状なし。VitB1=38,VitB12=374,葉酸=6.6。知り合いからの紹介である。既往歴:北川クリニック①リピトール5mg②アジルバ20mg③プレタール200mg④レミニール8mg⑤カルブロック8mg。物忘れ、膝組み、生真面目、甘い物好き、振戦、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:11/30、近時記0/6と中等度低下していた。認知機能低下にレミニール8mg継承、リピトール5mg中止、アジルバ20mg維持、カルブロック8mg中止、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシロスタゾール200mgからプレタール200mgへ変更、ルベストPRoDR2Capを勧めた。BP186/91。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(+4)、近時記2/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP176/86。甲状腺正常。一般採血:Alb3.5,Hb11.5,Zn60以外異状なし。VitB1=23,VitB12=246,葉酸=3.6。ビタミンB12欠乏症にメコバラミン1mgを開始した。親戚からの紹介である。既往歴:時期不明、再生不良性貧血。H4C型肝炎、名城病院。宮永医院①アリセプト5mg②ノルバスク2.5mg③ネキシウム20mg④ムコソルバンL45mg⑤リバロ1mg。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。前医内服すべて中止、認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(-0.5)、近時記憶3/6(+-)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Hb11.5,MCV108,Zn66,Ferritin22.3以外異状なし。VitB1=26,VitB12=132,葉酸=6.2。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12欠乏症に毎月シアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始した。4か月後、脳梗塞にプレタール50mgを開始した。一般採血:Alb3.9,Hb11.6,,MCV106.1,Zn69,Ferritin27.9以外異状なし。VitB12=339。6か月後、改訂長谷川式:26.5/30(+2)、近時記憶5/6(+2)。インターネット検索で来院された。物忘れ、食欲低下、幻視既往、右同名半盲、生真面目、語義失語、歩行不安定、振戦、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、左後頭葉梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5.5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+5)、近時記憶4/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TG165,Zn71以外異状なし。VitB1=32,VitB12=386,葉酸=3.9。ビタミンB12低下症にメコバラミン0.5mgを開始した。立浪中日のスタート~対巨人開幕1勝2敗~立浪和義監督が決まったとき、暗黒時代が続くと書いた。実際の立浪中日は開幕から大して強くもない巨人相手に1勝2敗の開幕だった。石川 昂弥内野手、岡林勇希外野手、鵜飼 航丞外野手などの若手抜擢は大賛成であるが、今年もタイムリー欠乏症は根強い。今週は第1戦大野雄大投手が6回自責点3、第2戦勝野昌慶投手が6回自責点2、第3戦柳裕也投手が7回自責点5だった。先発投手は最低7回までは投げてほしい。第3戦の9回表での同点打を打った大島洋平外野手、10回表に逆転打を放った溝脇隼人内野手は天晴れだった。次のDeNA戦は小笠原慎之介投手、高橋 宏斗投手、松葉 貴大投手が順に先発することが予想される。こうやって先発投手だけ見ているとドンドン勝ち星が増えていくような気がする。それ以外にも福谷 浩司投手、岡田 俊哉投手が先発投手として考えられている。中日ドラゴンズは落合 英二ヘッド兼投手コーチ、西山 秀二バッテリーコーチ、中村 紀洋打撃コーチ、大西 崇之外野守備走塁コーチという素晴らしいスペシャリストたちを集めた。落合博満監督の哲学を学んだ大塚 晶文投手コーチ、森野 将彦打撃コーチ、荒木 雅博内野守備走塁コーチ、小笠原 孝2軍投手コーチ、山井 大介2軍投手コーチ、浅尾 拓也2軍投手コーチ、小田 幸平2軍バッテリーコーチ、波留 敏夫2軍打撃コーチ、渡邉 博幸2軍内野守備走塁コーチ、英智(蔵本英智)育成野手コーチというスペシャリストもいる。主力の高橋周平内野手およびセットアッパー候補の祖父江大輔投手および岩崎翔投手の怪我が余りにも痛い。管理栄養士が入って食事改革をすべきである。グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットは絶対に実施すべきである。定期的に血液検査を実施して栄養指導を行うことが怪我予防に繋がる。平田 良介外野手が異型狭心症を患ったときにもグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットをすべきであると書いた。怪我予防にトレーニングコーチをワールドウィングエンタープライズから導入すべきである。また、スコアラーも12球団に対して2名ずつ程度導入して他球団のデータ分析をすべきである。以上の問題点を改善すれば暗黒時代から脱することが出来るかも知れない。
Mar 27, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトレビー小体型認知症(DLB)の根っこは発達障害(ADHDやASD)にある~だからインチュニブが効くんだ~発達障害には大きく分けて注意欠陥多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)が含まれます。これらの疾病を持っている人が高齢化するとレビー小体型認知症(DLB)となり、幻視、幻聴、夜間せん妄、夜間不眠などのBPSDを伴って来ます。インチュニブは投与後5時間で最高血中濃度となり、18時間効果が続きます。従って、夕食後に投与することでこれらのBPSDがすべて改善します。インチュニブで注意すべきは房室ブロック2-3度、血圧低下、眠気、口渇などです。今週の症例報告はすべてインチュニブが良い味を出している症例を集めました。ヒスイカズラ@東山植物園ハイビスカス@東山植物園ブーゲンビリア@東山植物園茶室@東山植物園スイレン@東山植物園症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:R4/1/31ドネペジル3mgで転倒、オレンジクリニック。R4/2左足親指ひび、高針台整形外科。オレンジクリニック①アリナミンF25mg②レミニール8mg③ルネスタ2mg。物忘れ、暴言、帰宅願望、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、徘徊、尿便失禁(数回)、病識欠如を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。暴言、帰宅願望にアリナミンF25mg/レミニール8mg/ルネスタ2mg中止、夜間不眠、夜間せん妄にインチュニブ1mg開始、認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。ビタミンB12欠乏症にメコバラミン0.5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2日後、とても穏やかになったが、夜間不眠にロゼレム8mg/リボトリール0.25mgを開始した。9日後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+2)、近時記憶2/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1以外異状なし。VitB1=171,VitB12=332,葉酸=5.0。インターネット検索で来院された。既往歴:R4/2/13早朝トイレから出られない、夜中に病院に行こうとする。物忘れ、幻視、幻聴、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、夜間せん妄、徘徊、易転倒、小刻み歩行、歯車様固縮、介護拒否、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:12.5/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。幻視、幻聴、易興奮、夜間不眠、夜間せん妄にインチュニブ1mgを開始した。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。18日後、中核症状は改訂長谷川式:16.5/30(+4)、近時記憶2/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,Hb11.7,Zn78,Ferritin28.3以外異状なし。VitB1=18,VitB12=174,葉酸=5.2。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始した。知り合いからの紹介である。既往歴:H24胆汁うっ滞性肝炎、公立陶生病院~やまうち内科①ボノテオ②ウルソ③ベザトール。R3/1/20治療なし、頭部MRI:正常範囲内、HDS-R21/30、公立陶生病院神経内科。R3/11治療なし、公立陶生病院神経内科。物忘れ、幻視、妄想、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/多発性脳梗塞/自閉症スペクトラム障害(ASD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。幻視、妄想、夜間不眠にインチュニブ1mg夕食後を開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+1.5)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,γGTP75,GOT34,Zn54以外異状なし。VitB1=47,VitB12=662,葉酸=3.9。インターネット検索で来院された。既往歴:高橋内科クリニック①タナトリル②レンドルミン③コランチル。物忘れ、夜間不眠、右上肢振戦、薬剤過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。高血圧(BP150/94)/夜間不眠にインチュニブ1mgを開始した。前医からのタナトリル/レンドルミンを中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+2)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。高血圧(BP165/106)/夜間不眠にインチュニブ1mgから2mgへ増量した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,Zn73以外異状なし。VitB1=75,VitB12=414,葉酸=8.5。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2)、近時記憶6/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失、「頭がすっきりした」とコメント、右上肢振戦も消失した。BP143/87。知り合いからの紹介である。既往歴:R3/7食欲低下。体重減少。伊藤レディースクリニック。R3/12鬱状態、愛知医科大学精神科。長久手内科胃腸科①エンシュア②ビオフェルミン③マイスリー5㎎④アリナミン⑤タケキャブ。物忘れ、夜間せん妄、食欲低下、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。夜間せん妄にインチュニブ1mgを開始した。食欲低下に前医投薬すべて中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+2)、近時記憶5/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,GOT18,GPT16,ALP47,Zn75以外異状なし。VitB1=74,VitB12=1260,葉酸=6.3。ビタミンB6欠乏症にピドキサール10mg、マグネシウム欠乏症に酸化マグネシウム250mg、亜鉛欠乏症にプロマック37.5mgを開始した。第8回認知症治療研究会~令和4年3月13日(日)オンライン開催~令和4年3月13日(日)第8回認知症治療研究会がオンライン開催されました。筆者は特別講演の座長をさせて頂きました。来年はハイブリット開催が決まっています。オンライン開催は発表者の話に集中できること、現地への移動時間が省けること、日常生活パターンが変わらないこと、学会運営費の節約などがメリットです。現地開催は発表者の声が生で聞けること、研究会仲間との交流が出来ること、気分転換が出来ること、宿泊外食が楽しめることなどがメリットです。どちらにしても、日々の認知症診療の中で患者さんから学んだことを情報共有して全国の認知症治療レベルアップを図ることが目標です。来年また認治療治療研究会で発表できるように研鑽して参ります。第8回認知症治療研究会 令和4年3月13日(日)スケジュール9:55-10:00 開会のあいさつ 松崎 一代【講演】 座長:松野 晋太郎10:00-10:45 もの忘れ外来のその先へ 白土 綾佳10:45-11:15 BPSD に対する少量薬物治療~老健での終わりなき戦い~ 大平 政人座長:長尾 和宏11:15-12:00 介護の世界へと越境せよ 三好 春樹 座長:藤本 司 12:15-13:00 アルツハイマー型認知症に対するワクチン戦略 田平 武 座長:岩田 明13:15-14:00 「物忘れ」を主訴とする老人にうつ状態をみつけるコツと対応 五十嵐 良雄14:00-14:45 認知症のパラダイムシフトはどうおきるか 河野 和彦 座長:城間 清剛15:00-15:45 精神科外来における栄養療法の実践 木村 武実15:45-16:30 高齢者タウオパチーの臨床、画像、病理 橋詰 良夫
Mar 20, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト「特発性基底核石灰化症(IBGC)」は発達障害として治療すべし「特発性基底核石灰化症(IBGC)」は頭部CT撮影の1/4に見られると報告されています。筆者は認知症ブログ内の症例報告の中で「特発性基底核石灰化症(IBGC)」を「石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患」と表現しています。筆者の発表論文の中でIBGCに罹患する患者の共通点として「頑張り屋で頑固者」を発見しています。「頑張り屋で頑固者」は「じっとしていられなくて(多動)でこだわりが強い人」と言い換えることが出来ます。これはまさしく「自閉症スペクトラム障害(ASD)」の症状です。最近、多くの「成人発達障害患者」を診察すると、頭部CT上IBGC所見を呈する患者が非常に多いことに気付きました。最近では、認知症専門外来で「頭部CT上IBGC所見を呈する患者」に対して、「ストラテラ5mg2錠1日2回朝夕食後およびフェルガード100M2錠1日2回朝夕後」投与から開始することが増えてきました。ストラテラはシナプス内ノルアドレナリン上昇により過敏になりすぎている5感を制御することが出来ます。ストラテラには末梢血管収縮および頻脈による高血圧症、膀胱弛緩による排尿困難、眼圧上昇に伴う緑内障などの副作用があります。高血圧症、頻脈、弛緩性膀胱、閉塞隅角緑内障既往(開放隅角緑内障は処方可)がある場合は、ストラテラを回避してインチュニブを開始します。インチュニブは後シナプスのα2Aアドレナリン受容体を刺激することで前頭前皮質におけるシグナル伝達が増量され、作業記憶、注意力、多動を改善させると同時に、前シナプスのα2Aアドレナリン受容体を刺激することでカテコールアミンの放出が抑制され、降圧作用や鎮静作用を引き起こします。従って、高血圧症や夜間不眠を伴う場合には、インチュニブ1mg1日1回夕食後を開始します。今までは興奮していたらグラマリール、セロクエル、ウインタミンなどの抑制系薬剤を投与することにより、認知機能低下やパーキンソニズム(パーキンソン症状)悪化を犠牲にしてBPSD改善を優先していました。幻視や妄想には抑肝散、セレネースなどの抑制系薬剤を投与することにより、それぞれ心不全やパーキンソニズム悪化を犠牲にしてBPSD改善を優先していました。これらのBPSDを5感の感度が良すぎるために起こる症状と考えれば「自閉症スペクトラム障害(ASD)」としてストラテラで治療をすればこれらの症状改善が出来ます。<IBGC診断基準>下記1~3を満たすものを特発性基底核石灰化症(IBGC)に分類する。 1.頭部CT上、両側基底核に明らかに病的な石灰化を認める。加齢に伴う生理的石灰化と思われるものを除く(高齢者における淡蒼球の点状の石灰化など)。小脳歯状核などの石灰化の有無は問わない。注1 原因によらず、大脳基底核、特に淡蒼球内節は最も石灰化を来しやすい部位であり、特発性の症例で、1症例を除いて全て両側性に基底核に石灰化を認めている。注2 下記の文献における調査のように、頭部CTで淡蒼球の石灰化は、約20%に点状、2~3%に斑状に認め、頻度も加齢とともに増加する傾向があり、年齢を考慮する必要がある。 2.何らかの進行性の神経症状を呈する。具体的には、頭痛、精神症状(脱抑制症状、アルコール依存症など)、てんかん、精神発達遅延、認知症、パーキンソニズム、不随意運動(PKCなど)、小脳症状などがある。注1 無症状と思われる若年者でも、問診により、しばしば頭痛を認めることがある。またスキップができないなど軽度の運動障害を認めることもある。注2 脱抑制症状があり、ときにアルコール多飲となり、頭部CTで、脳萎縮が目立つ症例がある。 3.下記に示すような脳内石灰化を来す疾患が除外できる。主なものとして、副甲状腺疾患(血清カルシウム、リン、iPTHが異常値)、偽性副甲状腺機能低下症(血清カルシウム低値)、偽性偽性副甲状腺機能低下症(Albright骨異栄養症)、コケイン(Cockayne)症候群、ミトコンドリア脳筋症、エカルディ・グティエール[m1] (Aicardi-Goutieres)症候群、ダウン(Down)症候群、膠原病、血管炎、感染(HIV脳症など、EBウイルス感染症など)、中毒・外傷・放射線治療などを除外する。ロウバイ@東山植物園温室植物@東山植物園温室植物@東山植物園温室植物@東山植物園温室植物@東山植物園症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:小児期から右>左難聴。H10腰椎脊椎管狭窄症、八事日赤。物忘れ、暴言、易興奮、昼間傾眠、介護抵抗、難聴を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、前頭側頭型認知症(ピック病)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9。改訂長谷川式:21/30、近時記憶2/6と軽度下していた。認知機能低下にフェルガード100M4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20.5/30(-0.5)、近時記憶1/6(-1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて続いていた。フェルガード100M4錠から2錠へ減量した。甲状腺正常。一般採血:異状なし。VitB1=67,VitB12=1280,葉酸=8.6。5か月後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(-3)、近時記憶4/6(+3)と更に悪化、上記周辺症状はすべて続いていた。前頭葉症状にウインタミン10mg開始、フェルガード100M粒2錠から4錠へ戻した。6か月後、中核症状は改訂長谷川式:24.5/30(+7)、近時記憶3/6(-1)と著明改善、上記周辺症状はすべて続いていた。ウインタミン10mg中止、自閉症スペクトラム障害(ASD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患としてストラテラ20mg開始、フェルガード100M粒4錠から2錠へ減量した。7か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+4.5)、近時記憶6/6(+3)と治癒状態、上記周辺症状はすべて改善した。知り合いからの紹介である。既往歴:S60乳癌、化学療法で嗅覚および味覚消失、八事日赤。H27悪性リンパ腫、八事日赤。加藤内科胃腸科クリニック①アムロジピン5㎎②アリナミン75mg。物忘れ、暴言、介護抵抗、食慾低下、意識欠如、偏食、うつ状態、生真面目、ウロウロする、こだわりを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:9/30、近時記憶0/6と高度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠開始、アムロジピン5mgから2.5mgへ減量、アリナミンF75mg中止、自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:17.5/30(+8.5)、近時記憶4/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。ストラテラ10mgから20mgへ増量した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,Zn56以外異状なし。VitB1=152,VitB12=211,葉酸=5.5。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。インターネット検索で来院された。既往歴:H24肺塞栓、愛知医科大学。R3/5肺塞栓、愛知医科大学。R3/7アリセプト3-5mg、アリナミン25mg、愛知医科大学神経内科。愛知医科大学循環器内科→やすかわクリニック①ニューロタン②アムロジン③テネリア④イグザレルト⑤パリエット。愛知医科大学①アリセプト5mg②アリナミン25mg。物忘れ、易興奮、妄想、膝組み、夜中に起床、食欲低下、色々なことが気になる、薬物過敏、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21.5/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。前医からのアリセプト5mg/アリナミン25mgを中止した。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠、脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は時計描写テスト:8.5/9(+0.5)、改訂長谷川式:29/30(+7.5)、近時記憶5/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG201,Zn65以外異状なし。VitB1=153,VitB12=624,葉酸=6.5。知り合いからの紹介である。既往歴:犬飼クリニック①ジルムロ②ハルナール③ビソプロロールフマル④ベオーバ⑤ネキシウム⑥ピムロ。物忘れ、寝言、易興奮、いらいらした基質、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mg、脳梗塞にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+2)、近時記憶3/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG435,Zn58以外異状なし。VitB1=36,VitB12=482,葉酸=10.1。自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mg(朝5mg夕5mg)から15mg(朝10mg夕5mg)へ増量した。親戚からの紹介である。既往歴:H14心筋梗塞。H14前立腺がん。R3大腸ポリープ。大口医院①バイアスピリン②レニベース③ラシックス④オメプラゾール⑤メバロチン⑥セロケン⑦ニフェジピン⑧アイトロール⑨セルベックス。物忘れ、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。認知機能低下にストラテラ10mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+1)、近時記憶3/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TG207,Hb12.5,Zn71以外異状なし。VitB1=19,VitB12=231,葉酸=8.6。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mgを開始した。2か月後、改訂長谷川式:21/30(+2)、近時記憶3/6(+-)と更に軽度改善した。マレーグマ@東山動物園新型コロナウイルスはもうすぐ終焉を迎える沖縄県は本土よりも1か月前から米軍基地からのオミクロン株が広がり、本土よりも1か月前からピークアウトしています。海外でも同様な傾向が見られます。日本全体で考えてもオミクロン株の感染者数を数学的に解析すると増加数は減っておりピークを迎えています。筆者は2月中旬から減少し3月末には年末のレベルに戻ると予測しています。インフルエンザウイルス感染症はタミフルなどの内服薬、ラピアクタなどの注射薬ができたため死亡率が激減しました。新型コロナウイルス感染症も同じような内服薬や注射薬が出来ると確信しています。そうなって初めて以前の生活に戻ることが出来ます。インフルエンザワクチンが毎年冬期に接種されます。新型コロナウイルスワクチンも同様に毎年冬期にインフルエンザ&新型コロナ混合接種という形で残っていくと予想されます。当クリニックでは1月8日からスタッフおよび定期往診患者に対する3回目新型コロナウイルスワクチン接種を開始して、1月28日に終了しました。経済活動やエンタテインメント活動などは3月末からは通常通りに戻すべきと考えます。もちろマスマスク着用、手指消毒、うがいなどは継続すべきと思います。
Feb 8, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト新年あけましておめでとうございます景行天皇社@長久手市新年恒例の景行天皇社初詣を家族4人で出かけました。精神病や認知症の根っこにある発達障害を抗ADHD薬ストラテラで治す「精神病の正体」という本を読んで私の感じていることと同じで心からガッテンしました。今までは精神病や認知症と診断していた外胚葉由来生活障害は、脳、末梢神経、および五感が過敏になっている発達障害と考える事が出来ます。五感とは、視覚(見る)、聴覚(聴く)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)、触覚(皮膚で感じる)の5つの感覚のことです。五感は、動物が外界の情報や生命をおびやかす危険をキャッチする重要なセンサーのため、五感で得た情報は瞬時に脳へ送られ、次の指令が瞬時に下されるようになっています。精神病や認知症において、幻視は視覚過敏、幻聴は聴覚過敏、幻味は味覚過敏、幻臭は臭覚過敏、幻触は触覚過敏と考えれば、すべてが説明がつきます。従って、多くの精神病や認知症の随伴症状は、抗ADHD薬で治すことが出来ると考えられます。コンサータはドーパミンおよびノルアドレナリンを増やすため、覚醒作用を伴い、即効性があるものの興奮や不眠などの随伴症状悪化が危惧されます。一方、ストラテラはノルアドレナリンだけを増やすため、遅効性であるもののゆっくりと五感を鎮静させることにより、多くの随伴症状を改善することが出来ます。精神病の正体@幻冬舎以下、「精神病の正体」本文から抜粋。「ストラテラは高級赤ワインをイメージさせます。多動や衝動、過集中が治まり、気分が、ゆったりとして視界が広がり、生活や行動のバランスがとれるようになる。」「コンサータは白ワインです。視界は狭いですが、はっきりするのが特徴です。思考がクリアになったという感想も患者からよく耳にします。」「コンサータとストラテラでは治療効果の差はほとんどないと考えていいと思います。」「仕事をしている成人男性には集中力を高めるコンサータを、女性や年齢が高い人には感覚や集中のバランスが整うストラテラを処方することが多くなっています。」。今週の症例報告5例は、ストラテラを開始してBPSDをコントロールした症例です。抗精神病薬(ウインタミン、リスパダール)投与回避、減量、中止を図ることで認知機能やADL低下を伴わずにBPSDをコントロール出来ています。驚くべき事にストラテラを投与することで認知機能改善出来ている症例もあります。症例報告家族からの紹介である。既往歴: H15心筋梗塞、八事日赤。H30大腸ポリープ、八事日赤。足立内科①バイアスピリン②フェブリク③クレストール④シュアポスト⑤ベルソムラ。物忘れ、易興奮、幻聴(上階で地団駄され怒鳴り込む)、被害妄想、夜間せん妄、夜間不眠、難聴、歩行不安定、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。ASスコア 4/4。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。夜間せん妄にロゼレム8mg/リボトリール0.25mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+1)、近時記憶2/6(-1)と不変、上記周辺症状は不変だった。幻聴に抑肝散加陳皮半夏7.5g、自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mg、夜間覚醒にデエビゴ5mg開始した。上階に怒鳴り込み、警察沙汰になった。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL157,Zn72以外異状なし。VitB1=30,VitB12=367,葉酸=3.6。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+3)、近時記憶5/6(+3)と軽度改善、上記周辺症状はやや軽減した。自閉症スペクトラム障害(ASD)にストラテラ10mgから20mgへ増量した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+2)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善、上記周辺症状はやや軽減した。ストラテラ20mgから40mgへ増量した。抑肝散加陳皮半夏7.5gを開始した。4か月後、幻聴(上階で地団駄され怒鳴り込む)はほぼ消失した。ストラテラ40mgから50mgで増量維持とした。ケアマネからの紹介である。家族歴:次女(発達障害)。既往歴:H14脳梗塞。H20腹部大動脈瘤。H28狭心症。R3/3/2急性大動脈解離。R3/8住宅型有料老人ホーム。川島病院①ロゼレム8㎎②ベルソムラ15mg③ニフェジピンCR20mg④ピソノテープ2㎎、⑤クエチアピン50mg⑥リスパダール1mg⑦マグミット⑧センノシド。物忘れ、妄想、暴言、易興奮、帰宅願望、介護抵抗、尿便失禁、甘い物好き、金銭浪費、歩行不安定、歯車様固縮軽度、目線が合わないを呈していた。頭部CT:頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮中等度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。自閉症スペクトラム障害(ASD) にストラテラ20mgを開始、クエチアピン50mgおよびリスパダール1mg減量可とした。。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+5)、近時記憶5/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.4,TCL155,Zn57以外異状なし。VitB1=16,VitB12=369,葉酸=4.7。リスパダール1mg中止済み。ストラテラ20mgから35mgへ増量した。インターネット検索で来院された。物忘れ、暴言、暴力、意識消失発作、感情失禁、後追い、甘い物好き、右鼓膜損傷(自傷行為)を呈していた。頭部CT:1.頭頂葉萎縮なし、2.左>右前頭葉萎縮軽度、3.左>右側頭葉萎縮軽度、4.左>右海馬萎縮軽度、5.両側基底核ラクナ梗塞数カ所、6.その他 左>右淡蒼球石灰化、左>右ピック切痕。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。前頭葉症状にウインタミン朝4mg夕6mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。1週間後、上記周辺症状がすべて消失した。同居する妻(MCI)が治ったと勘違いして内服中止したため、妻に対するDVが酷くなり介護施設に避難された。内服再開後、上記周辺症状はすべて再消失し、再同居された。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+1)、近時記憶2/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。絶対に内服を中止しないように指導した。VitB1=22,VitB12=396,葉酸=6.8。ビタミンB1欠乏症を呈しており、ビタメジン(複合ビタミンB1,B6,B12)50mgを開始した。2年後、改訂長谷川式:28.5/30(+2.5)、近時記憶5/6(+3)と更に改善した。ビタメジン50mgを中止して、胚芽米による食事指導に移行した。3年後、自閉症スペクトラム障害(ASD)としてウインタミン10mg中止、ストラテラ20mgを開始して、改訂長谷川式:26/30(-2.5)、近時記憶3/6(-2)、穏やかに過ごしている。知り合いからの紹介である。既往歴:子宮癌。左股関節人工関節置換術。物忘れ、幻視、妄想、易興奮、昼間傾眠、甘い物好き、収集癖、生真面目、右への傾き、身だしなみ低下を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:13.5/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒4錠、認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgが貼れず、4日目からレミニール4mg/ナウゼリン10mgへ変更した。ビタミンB1、B12、葉酸血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+2.5)、近時記憶3/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Fe47,Hb11.8,Ferritin60.9以外異常なし。VitB1=28,VitB12=322,葉酸=7.0。ビタミンB1低下症(目標値50)、ビタミンB12低下症(目標値500)、葉酸低下症(目標値10)を呈しており、エネーボ250mL/dayを開始した。鉄欠乏性貧血にフェロミア50mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+4)、近時記憶3/6(+-)と更に軽度改善した。フェロミア50mgは吐気のため中止していた。3年後、中核症状は改訂長谷川式:15/30(-5)、近時記憶2/6(-1)。施設入所後、幻視、妄想、易興奮が酷くなり、自閉症スペクトラム障害(ASD)としてレミニール4mg中止、ストラテラ10mg開始して、すべての症状が消失した。知り合いからの紹介である。既往歴:H10胃潰瘍。H23ビタミンB12欠乏症、メコバラミン筋注。R2/11軽度認知障害。物忘れ、アパシー、体重減少、常同行動、強迫観念(手洗い)を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:3、自閉症スペクトラム障害(ASD)/ビタミンB12欠乏症として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:20.5/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。せん妄にシチコリン1000mg静注、歩行困難にグルタチオン2000mg/ビタミンC2g/ビタミンB12=1Ap開始した。自己免疫性萎縮性胃炎に対してグルテンフリー・カゼインフリーダイエットを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2週間後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1.5)、近時記憶3/6(-2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Zn63,Ferritin8.3以外異常なし。VitB1=25,VitB12=209,葉酸=8.5。ビタミンB12欠乏症に対して毎回シアノコバラ1Ap筋注、メコバラミン1mgを開始した。亜鉛欠乏症にプロマック75mg開始、鉄欠乏性貧血にフェジン点滴、フェロミア50mgを開始した。1.5か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+2)、近時記憶4/6(+1)と更に軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。3か月後、改訂長谷川式:24/30(+-)、近時記憶6/6(+2)と更に軽度改善した。7か月後、自閉症スペクトラム障害(ASD)としてストラテラ10mg開始した。8か月後、改訂長谷川式:28/30(+4)、近時記憶6/6(+-)と更に改善した。コアラ舎@東山動物園令和4年1月3日久しぶりに東山動物園に出向きました。この頃はオミクロン株による影響が出る前で家族連れであふれていました。新型コロナワクチンと全豪テニスオープン男子プロテニス選手ジョコビッチのオーストラリア入国拒否が話題になっています。入国できなければ全豪オープン連続優勝、グランドスラムも途切れます。彼がグルテンフリーダイエットを実践しており、アレルギー反応を恐れ新型コロナワクチン予防接種を受けていないことも理解できますが、その前に彼はプロフェッショナルテニスプレーヤーであり、各国を渡り歩く運命にあります。従って、新型コロナワクチン予防接種を好む好まないに関わらず、新型コロナワクチン予防接種を受ける義務があります。各国のルールに従う義務もあります。本人が感染して他の選手に移してしまったら元もこもありません。筆者は令和4年1月8日(土)新型コロナワクチン予防接種(3回目ブースター接種)をクリニックスタッフと共に受けました。筆者だってグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを3年以上実践しており副反応の可能性があるワクチンを好んで受けている訳ではありません。自分が新型コロナウイルスに感染したらどのような結末になるか分かっているからです。認知症外来通院患者1200名、認知症往診患者120名の治療継続が出来なくなるのです。有り難いことに、筆者のワクチンに対する副反応は局所痛と倦怠感程度で治まっています。反ワクチン派として、新型コロナワクチン予防接種を受けないのは自由ですが、社会的立場によっては選択の余地はないのではないかと思います。100年後、200年後になって、予防接種を受けるべきだったかどうかについて答えが出ることもあるでしょう。英知を結集してより良い方法が見つかるかも知れませんが、現在は今ある方法を最大限に利用してウイルス感染を予防するしか方法はないと思います。
Jan 15, 2022
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトADHD適正流通管理システム登録(コンサータ登録)の闇コンサータはドパミン及びノルアドレナリントランスポーターに結合し再取り込みを抑制することにより,シナプス間隙に存在するドパミン及びノルアドレナリンを増加させて神経系の機能を亢進すると考えらています。しかし、ADHDにおけるコンサータの作用機序は十分解明されていません。コンサータは麻薬に分類されるためADHD適正流通管理システムで登録医にならないと処方できません。精神科系専門医を持っている医師であれば症例報告なしで登録出来ますが、筆者のような脳神経外科出身の医師はADHD専門医(精神科医)に2例の症例報告をして承認を得られなければなりません。筆者は代表例2例を報告しましたが判定医師により不承認とされました。筆者は、問診、改定長谷川式、時計描画テスト、ADHDスコアおよびASスコア、頭部CTによる画像診断、血液検査で確定診断を行い、栄養療法、サプリメント療法、薬物療法の順に治療を行うと報告しました。具体的には、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエット、タンパク質およびミネラル補充療法などの分子栄養療法から開始して、次にフェルガード類などのサプリメント療法、最後に薬物療法を行っていることを症例報告しました。薬物療法として、コンサータが効いていると感じたのは2例のみでした。1例目は、ナルコレプシーを併発した患者に処方してナルコレプシーが改善した症例、2例目は本人はエアコン掃除の組み立てが少し上手になったものの通院不定期の症例だけでしたのでその2症例を報告しました。一方、ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)はノルアドレナリントランスポーターに結合し再取り込みを抑制することにより,シナプス間隙に存在するノルアドレナリンを増加させて神経系の機能を亢進すると考えらています。ストラテラは、NMDA受容体拮抗作用がある神経細胞の過興奮をコントロールする薬剤です。アルツハイマー型認知症の適応薬であるメマリー(メマンチン)と作用機序が似ており、メマリーもADHDに有効であるという報告もあります。ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)は、多動、多弁、いらいらなどの過興奮に対して改善作用があります。サインバルタは、抗うつ薬としてノルアドレナリン・セロトニン再取り込み阻害剤の代表格です。一方、ストラテラは注意欠如多動性障害(ADHD)治療薬で、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤として働きます。ADHDの二次障害としてうつ状態になる方に対して、まずはサインバルタを選択し、寛解状態に達した後に、疾病教育や認知行動療法を行い、ADHDの診断が可能であれば、その後ストラテラを投与するという方法も考えられます。症例報告インターネット検索で来院された。既往歴:かのうクリニック①アムロジピン②シンバスタチン③エルデカルシトール。物忘れ、易転倒、食欲低下、甘い物好き、まじめな性格、アルコール多飲を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側前頭蓋底挫傷。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、軽度認知障害(MCI)/両側前頭蓋底挫傷として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。BP139/87。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症、骨粗鬆症(ビタミンD欠乏症)、糖尿病の原因になるという論文報告があり行うべきではない。シンバスタチン/エルデカルシトール共に中止した。BP139/87。アムロジピン5mg→2.5mgへ減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+1)、近時記憶5/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP135/71。アムロジピン2.5mg→1.25mgへ減量した。甲状腺正常。一般採血:γGTP104,GOT33,GPT36,TCL189,Zn84以外異状なし。VitB1=16,VitB12=584,葉酸=4.8。アルコール性肝障害にビール3缶→1缶とした。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶5/6(+-)と更に軽改善した。インターネット検索で来院された。既往歴:H30心筋梗塞、カテーテル手術、国立循環器病センター。前田クリニック①ビソプロロールフマル②タケキャブ③プラビックス④ロスーゼットHD(ゼチーア/クレストール)⑤エリキュース⑥グルコンK⑦エナラプリル⑧ドクマチール。物忘れ、悪夢、寝言、妄想、鬱状態、感情失禁を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症、骨粗鬆症(ビタミンD欠乏症)、糖尿病の原因になるという論文報告があり行うべきではない。ロスーゼットHD(ゼチーア/クレストール)中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26.5/30(+5.5)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TCL151,Zn75以外異状なし。VitB1=23,VitB12=468,葉酸=5.1。インターネット検索で来院された。既往歴:H16脳梗塞、脳ドック。 H24両下肢静脈瘤。H26バイアスピリン開始。右眼底出血、白内障。金城クリニック①メバロチン5mg②バイアスピリン100mg③アムロジピン5mg。物忘れ、財布を忘れて買い物を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。BP130-150を目標にアムロジピン5mgを減量するように指導した。メバロチン5mgは中止を指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善した。市販ビタミン剤中止を指導した。甲状腺正常。一般採血:異状なし。VitB1=82,VitB12=1930,葉酸=11.7。インターネット検索で来院された。既往歴:S63胃癌2/3切除、愛知県がんセンター。H4肝転移、愛知県がんセンター。東名古屋病院消化器内科①トラゼンタ5mg②セイブル150mg③アリナミンF50㎎④ウルソ300mg⑤人参養栄湯7.5g。物忘れ、介護抵抗、体重減少を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶5/6と中等度低下していた。認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始した。体重減少のためアリナミンF50㎎中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+4)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺機能低下症(FT3=1.53,FT4=0.646,TSH2.78)。一般採血:HbA1c7.0,Alb3.7,TCL186,Hb10.5,Zn59以外異状なし。VitB1=127,VitB12=211,葉酸=7.1。甲状腺機能低下症にチラーヂンS錠25μg、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、VitB12欠乏症に毎週シアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。甲状腺機能低下症(FT3=1.51,FT4=0.695,TSH1.42)に対してチラーヂンS錠25μgから50μgへ増量した。開業医からの紹介である。既往歴:S45腸閉塞。R3/1/31転倒して下顎外傷。R3/3/3自転車迷子、帰宅困難。いずみが丘クリニック①ユリーフOD錠4㎎②アボルブカプセル0.5㎎。物忘れ、夜間不眠、尿便失禁、鬱状態、歩行不安定、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 脳室拡大。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:8/30、近時記憶1/6と高度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。易転倒にドパコール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:10/30(+2)、近時記憶1/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TG172,Zn62,Ferritin28.8以外異状なし。VitB1=28,VitB12=184,葉酸=7.6。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB12欠乏症にメコバラミン1mg、毎週シアノコバラミン筋注、1か月後から毎月シアノコバラミン筋注とした。5か月後、中核症状は改訂長谷川式:13.5/30(+3.5)、近時記憶2/6(+1)と更に軽度改善した。中日ドラゴンズは立浪和義監督を選択与田剛監督の中日ドラゴンズ暗黒の3年間を終えたことは、大変喜ばしいことです。3年間の低迷の責任者として、伊東ヘッドコーチと阿波野ピッチングコーチも辞任しました。勝負の世界では、当然の結果だと思います。しかし、中日ドラゴンズが立浪和義監督を選択したということは、次の暗黒の3年間を選んだということと感じがしています。もう一度、落合博満監督、森繁和ピッチングコーチに来てもらい、落合博満監督に4番バッター石川昂弥3塁手、荒木雅博コーチと井端弘和コーチが協力して第二のアライバ根尾昂2塁手と京田陽太遊撃手を育ててほしかった。立浪和義監督にはアライバを育てることは出来ても4番バッターは育てられない気がします。立浪和義監督に落合博満監督のような不気味な感じを相手チームに持たせることは出来ないでしょう。石川昂(たか)弥3塁手と根尾昂(あきら)2塁手が中日ドラゴンズファンの心を昂(たかぶ)らせてくれることを祈って、3年間、期待せずに待ちます。
Oct 24, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト私にとってのFIRE「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」経済的に自立し、早期リタイアを実現する「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」が若者を中心にムーブメントとなっています。直訳すると「経済的自立と早期退職」。定年を待たず、なるべく早期にサラリーマン生活を終え、資産運用などを中心に生活していくライフプランのことを言います。筆者の友人の開業医も昨年「FIRE」されました。筆者の「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」の理解は、自分の好きなことだけして「経済的自立」を獲得することであり、14年前に開業した時点で、「FIRE」したと言えます。開業以来、筆者は自分のやりたいことしかしていません。筆者のやりたいこととは、「認知症患者を出来るだけ回復させ、その人らしく家族と共に在宅生活で生涯を終えることが出来るようにサポートする」ことです。現在では、「施設生活になっても生涯を終えるまでサポートする」ようにしています。その目的のために、質の高い「認知症専門外来」および「認知症専門往診」が出来るクリニックを開業することにしました。すべて患者を「認知症専門外来」で確定診断して治療方針を決めてから、引き続き、「認知症専門外来」や「認知症専門往診」で診察し続けることにしたのです。最初から「往診専門クリニック」という選択肢はありませんでした。出逢った多くの人たちに導かれて今の自分があります。まず第一に妻を通して「認知症を持つ在宅患者で困っている人がとても多い」ことを知り、認知症専門医として在宅医療を志したのです。次に「ドクターコウノ」の講演および書籍を通して認知症専門医への道筋をつけて頂きました。開業前に「開業支援オフィスマツオカ松岡幹博社長」を通して「愛知たいようの杜吉田一平理事長(現長久手市長)」を知り、「南医療生協病院成瀬幸雄専務理事」を紹介して頂きました。10ヶ月間、「南医療生協病院」で内科、在宅医療、認知症外来などの研修を受けさせて頂きながら、長久手市近隣で認知症往診患者50名を診させて頂きました。開業前に「吉田歯科吉田幸弘先生」のアドバイスで近隣の200カ所以上の居宅介護事業所に「パンフレット」と「名刺」を持参して廻らせて頂きました。これらのすべての事が今の自分を作ってくれたのだと感謝しています。毎月、長久手南クリニックにおいて「認知症カンファレンス」を開催して「介護従事者(ケアマネージャー、ヘルパーなど)」や「医療従事者(医師、看護師、薬剤師、理学療法士など)」に認知症に関する知識を身につけて頂くことにしました。今までに35回開催しています。今では、介護と医療の連携をスムーズに行うことが出来るようになりました。現在は新型コロナウイルス感染症対策のため休止しております。これらの診療の中で「認知症治療を日々進歩させる」事が出来ています。楽しいことだけをして「経済的自立」を得ているのですから、筆者にとっての「FIRE(ファイア:Financial Independence, Retire Early)」と言えるでしょう。これからも楽しいと感じる限り、家族やスタッフと共に「FIRE」し続けるでしょう。症例報告ケアマネからの紹介である。既往歴:脳梗塞、右不全片麻痺。アルコール依存症、草津病院精神科入院①フルスルチアミン100mg②リスペリドン1㎎③ルネスタ錠1㎎④ベルソムラ錠15㎎⑤アムロジピン5mg⑥バイアスピリン100mg⑦タケプロン15mg。有料老人ホーム入所。物忘れ、妄想、易興奮、帰宅願望、介護抵抗、昼間傾眠、甘い物好き、振戦、歯車様固縮を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にバイアスピリン100mgからプレタール100mgへ変更、ルベストPRoDR2Capを勧めた。夜間せん妄にルネスタ1mg中止、ロゼレム8mg/リボトリール0.25mg/抑肝散加陳皮半夏2.5g開始、夜間不眠にベルソムラ錠15mg継承、易興奮にフルスルチアミン100mg中止、リスパダール1mgから0.5mgへ減量した。BP 109/75。過降圧にアムロジピン5mgから2.5mgへ減量した。栄養障害のためタケプロン中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:13/30(-4)、近時記憶2/6(+1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて改善したため、リスパダール0.5mgを中止した。BP101/70。過降圧持続にアムロジピン2.5mgを中止した。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン筋注、メコバラミン1mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL175,Zn72以外異状なし。VitB1=177,VitB12=283,葉酸=4.1。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+7)、近時記憶5/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP113/77。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+4)、近時記憶6/6(+1)と更に中等度改善した。BP94/65。5か月後、改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となった。 BP124/83。一般採血:Alb4.3,TCL213,Zn76以外異状なし。VitB12=742。知り合いからの紹介である。既往歴:うつ病。アルコール依存症、不眠症、西山クリニック①ノックビン0.2g②リスミー1㎎③ミヤBM④リスミー1㎎不眠時⑤レンドルミン0.25㎎不眠時。幻覚のため医療措置入院、ジプレキサ悪性症候群、愛知精神治療センター。仕事復帰。歩行不安定。押されて倒れて後頭部外傷、八事日赤。意識消失発作、脳波異常なし、八事日赤。 物忘れ、幻視、幻聴、妄想、盗癖、易興奮、鬱状態、薬物過敏、昼間傾眠、夜間不眠、意識消失発作、易転倒、食欲低下、小刻み歩行、歯車様固縮、薬剤過敏、まじめな性格を呈していた。松葉杖歩行。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:8.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)を呈する注意欠陥多動障害(ADHD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。注意スコア5/5。多動スコア3.5/4。ASスコア 3/4と注意欠陥多動障害(ADHD)/自閉症スペクトラム障害(ASD)だった。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。せん妄にシチコリン500mg静注、歩行困難に生理食塩水100mL/グルタチオン10Ap/ビタミンC2g/ビタミンB12=1Ap(GCS点滴)を開始した。夜間不眠にリスミー1mg中止、ロゼレム4mgおよびレンドルミン0.25mgとした。アルコール中毒にノックビン0.2gを継承した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1週間後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+3)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。毎週GCS点滴を継続とした。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL170以外異状なし。VitB1=33,VitB12=483,葉酸=6.4。4週間後、中核症状は中核症状は21/30(-6)、近時記憶5/6(-1)と中等度悪化、上記周辺症状はすべて消失、一本杖歩行で歩行安定した。毎週GCS点滴を継続しながら就労継続支援A型事業所の利用を開始した。アルコールは全く摂取しておらず、ノックビン0.2gを中止した。知り合いからの紹介である。既往歴:S57子宮筋腫。H5乳癌。H25慢性関節リウマチ。H28十二指腸憩室。名古屋第一赤十字病院整形外科①プログラフ1㎎②オルメテックOD20㎎③アムロジン錠5㎎④ネキシウム20㎎⑤ハイペン200㎎⑥セルベックス50㎎⑦モーラステープ20㎎⑧バクタ配合錠⑨オルミエント錠2㎎。物忘れ、介護拒否、夜間不眠、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:28/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP127/82。過降圧のためBP130以上となるように降圧剤減量を指導した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,Zn71,Ferritin16.7以外異状なし。VitB1=32,VitB12=467,葉酸=15.1。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。BP137/84。3か月間でオルメテックOD20mg→10mg、アムロジン錠5㎎→2.5mgへ減量されていた。インターネット検索で来院された。既往歴:H30右大腿骨頸部骨折、豊田厚生病院。H32左手首骨折、豊田厚生病院。美里たなかクリニック①クレストール5㎎②アレロック5㎎③マイスリー10㎎④サイレース2㎎⑤アローゼン顆粒⑥重質酸化マグネシウム⑦芍薬甘草湯。吉田整形外科骨粗鬆症注射(自分で週1回)。加藤眼科 右中心性網膜穿孔。物忘れを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、軽度認知障害(MCI)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:27/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症、骨粗鬆症(ビタミンD欠乏症)、糖尿病の原因になるという論文報告がありクレストール5㎎を中止、抗ヒスタミン薬は認知機能低下の原因となるためアレロック5㎎中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+3)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となった。身体の痒みのためプレタールを自己中止しており、脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.6,Alb4.2,TG220,Hb11.2以外異状なし。VitB1=31,VitB12=801,葉酸=11.4。中性脂肪高値、HbA1c高値、アレルギー性皮膚炎、中心性網膜穿孔に対してグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを指導した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H15てんかん、名古屋記念病院。R1/12/3転倒して名古屋記念病院①オルメテック②アクトス→自己中止。物忘れ、物盗られ妄想、妄想、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:2、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。フェルガード100M粒2錠を勧めたが、摂取せず。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:17.5/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+0.5)、近時記憶3/6(-1)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.8,Alb3.5,Zn50,Ferritin14.8以外異状なし。VitB1=106,VitB12=449,葉酸=5.2。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。側頭葉てんかんにデパケンR200mgを開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:12/30(-6)、近時記憶1/6(-2)と高度低下した。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠、脳血管性認知症にルベスト1Capを勧めた。8か月後に、中核症状は改訂長谷川式:17/30(+5)、近時記憶1/6(+-)、13か月後に、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+3)、近時記憶5/6(+4)、19か月後に、中核症状は改訂長谷川式:25.5/30(+5.5)、近時記憶5/6(+-)と徐々に改善した。与田監督さっさと辞めなさい来年に向けた選手起用をして、新たな監督を迎える準備に入るべきである。プロは勝つために戦っているのであって、与田剛監督をすぐに更迭して、二村徹二軍監督を一軍監督にして将来性のある若手選手を積極的に登用すべきである。伊東勤ヘッドコーチ、パウエル打撃コーチ、栗原健太打撃コーチも更迭。中村武志バッテリーコーチ、阿波秀幸投手コーチは2軍降格。武山真吾二軍バッテリーコーチ、波留敏夫二軍打撃コーチ、浅尾拓也二軍投手コーチの1軍昇格。本気でチームを強くしたいなら、来季は落合博満監督、森繁和投手コーチ、高代延博野手総合チーフコーチ、宇野勝打撃コーチの復帰が必須だのだ。スポーツ管理栄養士を導入して、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを徹底して怪我の防止と身体能力向上を図る必要がある。もう一つ、フィジカルトレーナー、メンタルトレーナー、スコアラーの数と質の強化も必須である。中日ドラゴンズ社長を替えることは出来るけど中日ドラゴンズオーナーを変えることが出来ないのが一番悲劇的なのかも知れない。彼は落合博満監督復帰を企てる度胸すらないからである。
Sep 21, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトイベルメクチン(ストロメクトール)は安全なコロナ感染症の治療法イベルメクチン(ストロメクトール)は安全なコロナ感染症の治療法と言えます。コロナ陽性診断直後から投与すべきです。初回空腹時に12mg(ストロメクトール3mg錠x4)、1週間後に12mg(ストロメクトールR3mg錠x4)で治療出来ます。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7129059/?https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34375047/https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/cknews/20210427-OYT8T50019/?https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=17204&fbclid=IwAR2iBD9fwmx2pBWBMk6Te6sITkNy7lLg3DhOWBRENDlTj86VaEoE_7SKiR4長久手市内で新型コロナPCR陽性在宅療養患者にイベルメクチン(ストロメクトール)を投与すべく働きかけています。医療機関または保健所で新型コロナPCR陽性と診断され、長久手市内で在宅療養をされている患者さんが対象です。希望される方はnagakutezaitaku@mac.comまで氏名、住所、自宅およびiPhone携帯電話番号(本人または同居家族)を記載、新型コロナPCR陽性検査結果(日付、医療機関または保健所、担当医、検査結果)および健康保険証の写メを添付してメールして下さい。診察はiPhoneのFaceTimeビデオを用いて行います。診察した結果、医師が必要と診断した場合にイベルメクチン(ストロメクトール)を処方します。ただし、近隣の薬局にイベルメクチン(ストロメクトール)がある場合に限ります。なるべく多くの方に内服して頂くため1回投与のみとすることも考えています。名古屋コーチン&アローカナ@自宅施設看護師長が自宅で名古屋コーチン(褐色)およびアローカナ(青色)を平飼いで飼っており、隔週水曜日に平飼い玉子50個を3000円で購入しています。症例報告ケアマネージャーからの紹介である。既往歴:H30左大腿骨頸部部骨折、八事日赤。高針クリニック①メバロチン②セチロ③パンテチン④酸化マグネシウム⑤ザクラス配合錠LD。高針台整形クリニック①ベネット②エディロール。物忘れ、昼間傾眠、歯車様固縮軽度、一本杖歩行、歩行不安定、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、Binswanger型梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト8/9:、改訂長谷川式:18/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。BP162/77。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、NewフェルガードLA粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。他院からのメバロチン/セチロ中止を依頼した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶6/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。BP132/65。1か月で充分な降圧が得られたためルベストPRoDR2Capから1Capへ減量した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Hb10.6,Zn59以外異状なし。VitB1=22,VitB12=365,葉酸=12.9。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:22.5/30(+1.5)、近時記憶5/6(-1)と更に軽度改善した。親戚からの紹介である。既往歴:H28大動脈解離、名古屋ハートセンター。しば内科①ノルバスク②オルメサルタン③芍薬甘草湯④酸化マグネシウム⑤デパス0.5㎎⑥アルタット⑦ベタニス25㎎⑧フェブリク⑨猪苓湯。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠、振戦、小刻み歩行、歯車様固縮易転倒、尿便失禁、食慾低下、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左>右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:5、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン10mgを開始した。大動脈解離の既往があり、ルベストは回避した。歩行不安定にドパコール50mg開始、食欲低下にプロマック150mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+6)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN26.2,s-Cr1.38,K5.5,Alb3.2,TG196,Hb11.3,Zn58以外異状なし。VitB1=65,VitB12=760,葉酸=6.0。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+-)、近時記憶5/6(-1)と維持されていた。歯車様固縮軽度にドパコール50mgから100mgヘ増量した。インターネット検索で来院された。家族歴:父が注意欠陥多動障害(ADHD)。多弁、声が大きくなる、間違いが多い、運転免許苦労した、散らかしているを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、注意欠陥多動障害(ADHD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:29/30、近時記憶6/6(5品中4品正解)と軽度低下していた。注意スコア4.5/5。多動スコア2.5/4。ASスコア 2.5/4。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、間違いは減ったが、多弁、声が大きくなることは続いており、ストラテラ25mg/ガスモチン5mg朝食後を開始した。分子栄養状態は良好であり、グルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを指導した。甲状腺正常。一般採血:異状なし。VitB1=30,VitB12=651,葉酸=10.3。2か月後、多弁、声が大きくなることはやや改善しており、ストラテラ25mg/ガスモチン5mg朝食後にストラテラ10mg夕を追加した。5か月後、多弁、声が大きくなることは更に改善しており、ストラテラ25mg/ガスモチン5mg朝食後ストラテラ10mg夕からストラテラ25mg/ガスモチン5mg朝食後ストラテラ25mg夕へ増量した。本人からの申し出によりフェルガード100M粒は中止した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H29腸捻転。H29前立腺肥大。H29胃癌。R2/7熱中症。公立陶生病院①アボルブ0.5mg②フリバス50㎎③ザルティア5㎎④タケプロン15㎎⑤ホクナリンテープ2㎎。独居→ロングショート→住宅型有料老人ホーム入居。 物忘れ、夜間不眠、徘徊、易転倒、尿便失禁、暇があれば空腹を訴える、食事の早食い、お茶たくさん飲む、語義失語を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:2、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。タケプロン15mg中止以外投薬継承。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。9日後から定期往診開始、甲状腺機能低下症にチラーヂン25μg、亜鉛欠乏症にプロマック75mg、低栄養にエネーボ250mL、ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注、ビタミンB1・B12欠乏症にビタメジン25mgを開始した。甲状腺機能低下症(FT4=0.707)。一般採血:Alb3.1,TCL101,TIBC258,Hb9.6,Zn45,Ferritin24以外異常なし。VitB1=10,VitB12=226,葉酸=9.4。37日後、ビタメジン25mgからメコバラミン0.5mgへ変更した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H23右慢性硬膜下血腫、愛知医科大学。物忘れ、アパシー、食欲低下、小刻み歩行、左歯車様固縮、易転倒、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮軽度、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞軽度、⑥その他 左淡蒼球石灰化、左>右脳室拡大。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。歩行困難にドパコール50mg、食欲低下にプロマック75mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:11/30(-1)、近時記憶2/6(+1)と不変、上記周辺症状はすべて改善した。ビタミンB1・B12欠乏症にビタメジン25mgを開始した。甲状腺正常。一般採血:Zn68以外異状なし。VitB1=25,VitB12=259,葉酸=6.1。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+5)、近時記憶3/6(+1)と中等度改善した。心房細動にリクシアナ15mgを開始した。「東海高校」は「国公立大学医学部医学科」出身高校順位でトップ「東海高校」は併設混合型中高一貫校、男子校、浄土宗(法然上人)教校の一つ、設立1888年11月7日、校訓: 勤倹誠実、総理大臣海部俊樹を初めとする署名な卒業生を多数輩出する伝統校である。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E4%B8%AD%E5%AD%A6%E6%A0%A1%E3%83%BB%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1毎年、国公立大学医学部医学科の出身高校順位が発表される。我が母校「東海高校」(愛知県名古屋市東区筒井1丁目2-35)は毎年「国公立大学医学部医学科」のトップを維持している。https://www.asahi.com/edua/article/14346979https://style.nikkei.com/article/DGXMZO55783810Y0A210C2000000/?筆者は「名古屋市立大学医学部」出身であるが、同級生88名の中に「東海高校」出身が21名、その中で「東海高校」でのクラスメイトが同学年(1浪)だけで6名、現役合格者6名を合わせると合計12名だったと記憶している。大学生になっても東海中学高校6年間の同級生と更に6年同級生だったので、大学に入学しても余り代わり映えしなかった。普段は余り意識していないのだが、どこかで話していると共通の話題がふと盛り上がるのである。不思議な感覚である。「東海高校」出身者は、それぞれが個性的で我が道を見つけて突っ走る傾向にある。筆者も認知症治療の道、我が道を突っ走っているのかも知れない。
Aug 29, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト家中八策~コロナ禍の中、船の中ではなく家に閉じこもって認知症治療について考えてみた~認知症治療を一新して行くため、コロナ禍の中、船の中ではなく家に閉じこもって考えてみた。坂本龍馬になった気分で「船中八策」ならぬ「家中八策」を下記にまとめた。------------------------------------------------------------------------------------家中八策一、降圧剤、高脂血症治療薬、糖尿病治療薬、プロトンポンプ阻害薬、神経性疼痛治療薬を減量中止せしめ、脳波宜しく脳より出ずるよう尽力すべき事。一、抗認知症薬、抗精神薬、抗パーキンソン病薬を最適化せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。一、プレタール(先発品のみ)宜しく投与せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。一、管理栄養部門を設け、管理栄養士を置き、分子栄養療法に基づく補充療法、グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットを含む管理栄養指導に尽力すべき事。一、自費点滴・注射部門を設け、看護師または訪問看護師を置き、グルタチオン点滴、シチコリン静注を行い、認知機能およびADLを改善すべき事。一、サプリメント部門を設け、フェルラ酸ガーデンアンゼリカにより認知機能および嚥下機能、赤ミミズにより動脈硬化改善による脳血流、シトルリンにより腎血流を改善せしめる事。一、認知症専門往診部門を設け 各病型(石灰化を伴うびまん性神経線維変化病(DNTC)類似疾患、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD))治療に合わせた治療を行うよう尽力すべき事。一、介護医療連携部門を設け、訪問薬剤師または訪問(施設)看護師を置き、抗認知症薬、抗精神薬、抗パーキンソン病薬を最適化のために家庭天秤法および施設天秤法を導入せしめ、BPSDなく認知機能およびADLを改善すべき事。以上、日本における認知症治療の現状を察し、この八策を日本全国で実施することが急務である。この八策を断行すれば、認知機能やADLを改善し、全身状態を回復し、世界一の認知症治療をすることが出来る。願わくは公明正大の道理に基づき、一大英断をもって更始一新すべし。長久手南クリニック 理事長 岩田 明 作------------------------------------------------------------------------------------スイレン@長久手実家オクラ@長久手実家フヨウ@長久手実家症例報告ケアマネからの紹介である。既往歴:H22出血性胃潰瘍。H27プラビックス、ドネペジル3-5mg→頭がふらつくため2.5mg、左不全片麻痺、一過性脳虚血性発作。R2/11/5-1/22呂律不全、左不全片麻痺、アテローム血栓性脳梗塞、名古屋第二赤十字病院~木村病院①プラビックス75mg②ドネペジル5mg③リバロ2mg④アダラートCR20mg。物忘れ、易興奮、嚥下困難、薬物過敏を呈していた。。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、右放線冠ラクナ梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア1、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にドネペジル5mgから2.5mgへ減量、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプラビックス75mg継承、ルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+10)、近時記憶5/6(+3)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,Zn74以外異状なし。VitB1=23,VitB12=480,葉酸=5.2。インターネット検索で来院された。既往歴:H29鼠径ヘルニア、心房細動、愛知医科大学循環器内科①ユリーフ4㎎②ザルティア5㎎③タナトリル5㎎④メインテート5㎎④ガスター20㎎⑤リクシアナ60㎎⑥レンドルミン0.25mg。2日前から急激な物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤右深部白質および角回領域脳梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、右深部白質および角回領域脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。心原性脳塞栓症の可能性が高いため愛知医科大学緊急受診とした。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。愛知医科大学循環器内科でリクシアナ60mgからプラザキサ300mgに変更となった。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL188以外異状なし。VitB1=36,VitB12=324,葉酸=13.5。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB12低下症にメコバラミン1mgを開始した。こいで耳鼻咽喉科からの紹介である。既往歴:S53心筋症、公立陶生病院。H24-25一過性肝障害、公立陶生病院。R2/8発達障害、さくらなみきクリニック。R2/12レミニール8mgおよびリバスタッチパッチ4.5mgで全身掻痒感、もりやま総合心療病院。物忘れ、易興奮、甘い物好き、腕組みを呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(FTLD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。注意スコア1/5。多動スコア1/4。ASスコア1.5/4と正常範囲内だった。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、易興奮にコントミン6.25mg夕を開始した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL185,Zn70以外異状なし。VitB1=30,VitB12=407,葉酸=12.0。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。ケアマネからの紹介である。既往歴:愛知医科大学病院脳神経内科①ケタス②リバロ③プラビックス75㎎④メリスロン⑤アテレック。リウマチ性多発筋痛症、北川医院 ①プレドニゾロン錠1㎎②ヘルベッサー③ニューロタン25㎎④アレグラ。物忘れ、易興奮、妄想、甘い物好きを呈していた。独居 頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:4、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+-)、近時記憶3/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Zn70以外異状なし。VitB1=34,VitB12=695,葉酸=30.7。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+-)、近時記憶4/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。親戚からの紹介である。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠、食慾低下、うつ状態、語義失語、まじめな性格を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:2、アルツハイマー型認知症(ATD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。食欲低下にプロマック150mg、エネーボ250mLを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+5)、近時記憶3/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Zn83以外異状なし。VitB1=24,VitB12=1080,葉酸=15.6。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(-2)、近時記憶3/6(+-)と軽度悪化、脳梗塞にプレタール50mgを開始、プロマック150mgから75mgへ減量した。4か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶3/6(+-)と軽度改善した。横綱白鵬は引退を2021年名古屋場所の千秋楽の優勝決定戦とも言える14勝全勝同士の決戦を見た人は思っただろう。横綱の品格など全くない立会は顔面肘打ちで脳振盪を狙い、横綱がやらない張り手の応酬、捨て身の小手投げで運良く相手を倒し、鬼の形相でガッツポーズ。今までのモンゴル出身横綱は品格に欠けている。2010年横綱朝青龍は泥酔して暴れる騒動を起こして引退。2017年横綱日馬富士はモンゴル出身力士貴の岩に対する暴力のため引退。2021年鶴竜は5場所連続休場で逃げ回った後引退。貴乃花が白鵬や日馬富士に対して横綱の品格が欠けていると言ったそうだがその通りだと思う。横綱照ノ富士は大関になってから膝の怪我で序二段まで陥落。苦労して大関復帰、横綱まで上がった苦労人である。他の4名のモンゴル出身横綱とは違う気がする。照ノ富士は、名古屋の白鵬戦で負けたけれど照ノ富士こそが横綱相撲をとっていたと感じた。言い換えれば、普通にやっていたら勝っていただろうと思う。横綱白鵬はファンとしてもう見たくない。そんなに現役にこだわるならプロレスにでも行けば良い(プロレスで頑張っている方たちに失礼か)。日馬富士の暴力事件の時も白鵬が絡んでいる。オリンピック会場に現れたのも常識がない。日本相撲協会八角理事長も白鵬をクビにすればいい。大相撲に白鵬はもう要らない。横綱の品格がない白鵬の最多勝も剥脱すべきである。親方などとんでもない話である。モンゴルに戻れば朝青龍が雇ってくれるだろう。与田監督はクビ筆者は中日ドラゴンズの大ファンである。与田監督1年目の戦い方を見て、2年前に落合博満監督および森繁和投手コーチに戻せと書いた。落合博満監督が下手は練習するしかないとして猛練習を課して選手の底上げのみで優勝して見せた。与田監督は、猛練習を止めて、練習しない球団に戻した。その結果が今の有様である。前中日ドラゴンズ白井オーナーが指揮して作り上げた常勝軍団の落合博満監督(GM)および森繁和投手コーチ(監督)をクビにして、常敗軍団への道を選んだ中日新聞大島宇一郎社長の判断は間違っていたとしか言いようがない。前中日新聞社長および中日ドラゴンズオーナー大島宏彦社長は星野仙一監督を信奉していた。その息子である大島宇一郎社長がその方針を引き継ぐのは仕方ないことかも知れないが、ファンにとってはどうでも良いことである。チームを優勝、日本一にするのが監督の役割である。フロントに嫌われようが、コーチに嫌われようが、選手に嫌われようが関係ないのである。与田監督は3年間も与えられて一度も優勝していない。今年もこの時期で自力優勝がなくなり、宿敵巨人に3連敗である。もう堪忍袋の緒が切れた。さっさと辞任しなさい。後任は落合博満監督および森繁和投手コーチ(監督)と言いたいところだが、大島宇一郎社長はそんな度胸はないだろう。落合博満監督の時に、打撃コーチをしていた宇野勝監督が良いと思う。解説を聞いていても、とてもバランスの良い野球感を持っていると感じる。宇野勝監督なら落合博満監督当時のコーチを集めることも可能だろう。落合博満は「同志」、中日でともに戦った宇野勝が語る“孤高の男”の実像
Aug 15, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト東山動物園 プレーリードッグ今年3月に東山動物園に行ったときの写真です。なんだかホットするでしょ。新型コロナワクチン接種完了筆者はファイザー社製新型コロナワクチンを2回接種しました。令和3年6月1日(火)1回目接種、6月25日(金)2回目接種。往診患者に対する接種を優先して残ったワクチンを自分に接種しました。1回目は局所疼痛3日間と倦怠感1週間。2回目は局所疼痛3日間。局所疼痛にはロキソニンテープ100mg 10cm×14cmを接種部位下方に貼り付けました。発熱時はOS-1などのスポーツ飲料を摂ることが一番大切です。カロナールなどのアセトアミノフェンを内服すると脱水を助長する可能性があり、お勧めできません。発熱に対してもロキソニンテープ100mgで充分に効果があると考えられます。ahamoに変えたぞー2021年3月26日ドコモの新しいahamoというサービスが出来ました。5分以内の無料通話およびデータ通信20Gで税込2970円/月。留守番電話の設定がなく迷いましたが、留守番電話の代わりにメッセージにテキストすれば対応可能と考えました。今まで家族3人でデータ通信10Gをシェアして毎月合計18000円支払っていました。ahamoに家族全員3名が変えて3回線x2970円/月=8910円/月となり、半額以下になりました。しかも、それぞれがデータ通信20Gを持つことが出来ます。こんなに必要ないという意見もあるでしょうが、今までは遠慮がちに使用していたデータ通信を思う存分利用出来るメリットはあると感じています。楽天モバイル+SIMではもっと安価な設定があるそうですが、今のところはこの設定で行こうと思います。症例報告ケアマネからの紹介である。既往歴:帝王切開。アムロジピン2.5mg、笹本内科クリニック。独居。 物忘れ、妄想、介護抵抗、病識欠如、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+2)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.7,TIBC258,Hb11.9,Zn65以外異状なし。VitB1=34,VitB12=722,葉酸=11.2。亜鉛欠乏症にプロマック37.5mgを開始した。インターネット検索で来院された。既往歴:H22高血圧、ものえ内科クリニック①アムロジピン5mg②ナトリックス1mg③アジルバ20mg④ラベプラゾールNa10mg⑤アトルバスタチン5mg⑥オングリザ5mg。物忘れ、易興奮、昼夜逆転、火の消し忘れ、夜間せん妄を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、アルツハイマー型認知症(ATD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+3)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.9,s-Cr1.33,Alb3.7,TCL164,TG185,Zn56以外異常なし。VitB1=19,VitB12=426,葉酸=4.7。VitB1欠乏症およびVitB12低下症にビタメジン25mg、亜鉛欠乏症にプロマック37.5mgを開始した。親戚からの紹介である。物忘れ、約束忘れ、オーダー忘れを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:0、アルツハイマー型認知症(ATD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26.5/30(+3.5)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.2,Zn58以外異常なし。VitB1=36,VitB12=423,葉酸=11.9。VitB12低下症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック37.5mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:27.5/30(+1)、近時記憶6/6(+1)と更に軽度改善した。インターネット検索で来院された。特定健診:Hb9.4以外異常なし。物忘れ、頭痛を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:2、として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:30/30、近時記憶6/6と正常範囲だった。。注意スコア0.5/5。多動スコア2/4。ASスコア0/4と正常範囲内だった。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、甲状腺正常。一般採血:Fe18,Hb10.1,MCV70,Zn71,Ferritin4.6以外異状なし。VitB1=18,VitB12=479,葉酸=4.6。亜鉛欠乏症に対してミックスナッツなどの食事指導、ビタミンB1欠乏症に対して豚肉、鯛、うなぎなどの食事指導、鉄欠乏症に対してフェロ・グラデュメット錠105mgを2ヶ月間内服して採血とした。3か月後、物忘れおよび頭痛ほぼ消失。一般採血:Fe66,Hb12.9,MCV83,Zn86,Ferritin44.4以外異状なし。VitB1=25。知り合いからの紹介である。物忘れ、易興奮、昼間傾眠、夜間不眠、鬱状態、生真面目、車運転操作が怖いを呈しており、本人が心配で受診された。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:3、レビー小体病(LBD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+4)、近時記憶6/6(+3)と正常域まで改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TG204,Zn66以外異状なし。VitB1=37,VitB12=473,葉酸=8.9。低アルブミン血症に玉子1-2個/日、高TG血症にパン・麺・スイーツ中止、亜鉛欠乏症に対してミックスナッツなどの食事指導した。意味性認知症を治したい筆者は認知症治療と行っても、抗認知症薬だけでなく様々な方法を組み合わせて治療を試みています。最も難治性な認知症は、語義失語を伴い左前頭部先端部が萎縮している意味性認知症というタイプだと感じています。生活力はあり、一旦理解すれば仕事だってこなすことが出来ます。しかし、言葉が理解できない感覚性失語症に似た症状を伴っているため、治療効果を判定する方法が見当たりません。意味性認知症の方々は若年性で、グルテンアレルギーやカゼインアレルギーが元で自己免疫疾患などの全身炎症病変を伴っていることが多く、脳萎縮も炎症反応により引き起こされていると考えています。実際に、アレルギー性鼻炎、花粉症、橋本病、過敏性腸症候群、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患合併が見受けられます。グルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットは必須であり、リーキーガット症候群の治療を第一目標に掲げるべきです。今までは抗認知症薬(レミニール4-8mg)やサプリメント(Newフェルガード)の併用療法を行ってきましたが、余り良い印象はありません。最近では自己抗体の中和が必要と考えています。筆者は毎週グルタチオン点滴(グルタチオン2000mg、シアノコバラミン1Ap筋注、ビタミンC2g、シチコリン抜き)を行うことで自己抗体中和を図っています。毎週グルタチオン点滴を数ヶ月続けることで言語理解が向上した若年性認知症の症例を数例経験しています。今後は抗認知症薬(レミニール4-8mg)やサプリメント(Newフェルガード)投与せず、毎週グルタチオン点滴およびグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットで治療することを続けて行こうと考えています。症例を重ねて報告できればと思います。
Jul 5, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト新型コロナワクチン~科学者カリコ先生を信じて打つべきなのでしょう~ ファイザー製新型コロナワクチン@長久手南クリニック本日から2回目の新型コロナワクチン接種を行っています。mRNAワクチンを作る研究をしたカリコ先生と山中教授の対談の中で、唾液の中に抗体が出来ていたということを言及していました。重症化予防だけでなく感染予防にも役立つことが分かってきたと言えます。抗体は接種後6か月間は作られていることが証明されており、近日中に9か月後の抗体力価が発表されると言うことです。筆者も副反応を考え、接種せずに来ましたが、ひたひたと新型コロナ感染の足音が聞こえてきており、接種すべきかと考え直しています。追伸:筆者はペンシルベニア大学脳神経外科で6年間研究生活を行った際にカリコ先生の隣の研究室にいました。その研究室のボスとは硬式野球仲間でした。何とも奇遇です。ジューンベリー@長久手南クリニック14年前に開院した長久手南クリニックには3本のジューンベリーが植わっています。毎年5-6月にかけて大量のジューンベリーが実をつけます。鳥たちと私の争奪戦が行われます。誕生日ケーキ@自宅5月14日(金)は58回目の誕生日でした。この日だけはグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットはお休み。グルテンやカゼイン除去のためキウイは欠かせません。症例報告ケアマネからの紹介である。既往歴:R1/5認知症、ドネペジル3-5mg、名古屋脳神経外科。ひでき・ゆかりクリニック①ドネペジル5㎎②メマンチン20㎎。物忘れ、昼間傾眠、尿便失禁、語義失語を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:4、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にドネペジル5㎎中止、8日目からレミニール4mg開始、メマンチン20㎎→10mgへ減量、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(+4)、近時記憶3/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL178,TIBC269以外異状なし。VitB1=48,VitB12=502,葉酸=6.9。ケアマネからの紹介である。既往歴:志水クリニック①アムロジン5㎎②エビスタ60mg③リポバス5㎎④ワンアルファ⑤ロキソニンテープ。物忘れ、昼間傾眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。BP137-157mmHgを目標にアムロジン5㎎減量、リポバス5㎎中止を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(-2)、近時記憶0/6(-4)と軽度悪化した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.0,GOT43,GPT38,Alb3.5,TCL203,Zn78以外異状なし。VitB1=28,VitB12=479,葉酸=7.2。アムロジン5mgから2.5mgへ減量指示した。糖質制限(パン・麺禁止)、高タンパク食(肉・魚・玉子・大豆増量)を指導した。3か月後、一般採血:Alb3.7,TCL252以外異状なし。4か月後、改訂長谷川式:24/30(+5)、近時記憶4/6(+4)と中等度改善した。知り合いからの紹介である。既往歴:R1/7改訂長谷川式:21/30。R1/11/2-R2/9/17仮面鬱、サインバルタ20mg、改訂長谷川式:24/30、図書館通りクリニック神経内科。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮、④左>右海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20.5/30(+5)、近時記憶4/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TIBC252,Hb12.2以外異常なし。VitB1=35,VitB12=292,葉酸=4.0。VitB12低下症に毎月シアノコバラミン筋注、メコバラミン0.5mg2錠を開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:19.5/30(-0.5)、近時記憶3/6(-1)と軽度低下した。認知機能低下にレミニールk4mg1錠1日2回朝夕食後を開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+6.5)、近時記憶5/6(+2)と高度改善した。知り合いからの紹介である。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、嫉妬妄想を呈していた。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:5、前頭側頭型認知症(ピック病)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。前頭葉症状にウインタミン朝4mg夕6mgを開始、フェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,TCL232,Zn63以外異常なし。VitB1=22,VitB12=679,葉酸=13.7。ビタミンB1欠乏症に豚肉、鯛、鮭など、亜鉛欠乏症にミックスナッツ(35g/day)開始を指導した。6か月後、改訂長谷川式:28/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と更に軽度改善した。一般採血:Alb4.3,TCL250,Zn68以外異常なし。VitB1=28。知り合いからの紹介である。既往歴:R2/9/17ドネペジル3mg、勝川脳神経クリニック。物忘れ、昼間傾眠、病識欠如、内服管理、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:5、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶4/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:BUN31.9,s-Cr2.19,K5.5,Alb3.6,TG245,Zn66以外異常なし。VitB1=28,VitB12=504,葉酸=3.5。亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。低アルブミン血症に高タンパク食(肉・魚・玉子・大豆増量)を指導した。小麦粉は毒である、バター/ホエイ以外の乳製品は毒である小麦粉で出来たパンや麺を食べると不健康になります。牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品(バター/ホエイ以外)を食べると不健康になります。最近では原因不明の病気の多くがグルテン(小麦粉タンパク)やカゼイン(乳タンパク)が腸粘膜に貯留して起こるリーキーガット症候群により腸粘膜上皮という最高のバリア機能不全を引き起こすことが原因と考えられています。腸粘膜上皮を誤って通過したタンパク質が血流に入り、腸粘膜上皮にある免疫細胞に異物として認識され、そのタンパク質と似た構造の臓器を攻撃することになります。こういった原因の病気を自己免疫疾患と呼びます。自己免疫疾患と言えば慢性関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、多発血管炎、尋常性乾癬、橋本病などが有名です。鬱病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、発達障害、認知症、クローン病、過敏性腸症候群なども自己免疫疾患であり、グルテンフリーやカゼインフリーダイエットで改善します。最近では緑内障や黄斑変性症も自己免疫疾患と考えられています。毎日の食事から小麦粉とバター/ホエイ以外の乳製品を取り除くだけで多くの病気を取り除くことが出来るのです。筆者は肥満も小麦粉が原因であると考えています。パン屋、ラーメン屋、うどん屋さんにお願いがあります。小麦粉ではなく米粉でパン、ラーメン、うどんを作るようにお願いします。天ぷら屋、揚げ物屋さんにお願いがあります。小麦粉ではなく片栗粉で衣を作って下さい。カレー屋さんにお願いがあります。小麦粉ではなく米粉でカレールーを作って下さい。長い目で見ると必ず顧客を増やすことが出来ます。筆者も小麦粉が入っているから外食はしない一人です。世の中の人が小麦粉と乳製品(バター/ホエイ以外)を含まない食事を摂れば、難病を避けることが出来るだけでなく、健康を取り戻すことが出来、引いては世界全体の医療費を抑えることが出来るのです。
May 31, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトやっぱり天草は天国に一番近い島並寿司@とらや海を見下ろす@天草市キス@天草市通詞島キス刺身@天草市症例報告既往歴:H30肺炎、名古屋記念病院。名古屋記念病院耳鼻咽喉科滲出性中耳炎①カルボシステイン②オフロキサシン耳科用液。みやがわクリニック①エディロール②ロキソニン③ムコスタ④アリナミンF。インターネット検索で来院された。物忘れ、暴言を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:1、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:20.5/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。易興奮にアリナミンF中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+3.5)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:異常なし。VitB1=88,VitB12=19100,葉酸=6.2。看板を見て来院された。既往歴:H22胆石症、春日井市民病院。宮地内科①エディロール0.75μg②アムロジピン5mg③シロスタゾール200mg④ウルソ300mg⑤オパルモン15μg⑥ビオフェルミン3錠⑦ユーロジン1mg。物忘れ、易興奮、夜間不眠、夜間排尿5-6回を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:6、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:17/30、近時記憶3/6と中等低下していた。BP126/72、P80と過降圧に対してアムロジピン5mgから2.5mgへ減量を指示した。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にシロスタゾール(後発品)200mgからプレタール(先発品)100mgへ変更した(先発品は認知機能改善効果があるため)。夜間不眠にユーロジン1mgからベンザリン5mgへ変更した。過活動性膀胱にベタニス25mgを開始した。深部腱反射亢進(-)のためオパルモン15μg中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+10)、近時記憶5/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr1.06,Alb3.7,TCL143,TG166,TIBC266,Zn68以外異常なし。VitB1=25,VitB12=1100,葉酸=6.5。左坐骨神経痛にメコバラミン開始。過活動性膀胱にベタニス25mgから50mgへ増量した。親戚からの紹介である。既往歴:愛知三の丸クリニック①アジルバ20mg②ハルナール0.2mg③パリエット10mg④ベルソムラ15㎎。物忘れ、易興奮、甘い物好きを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:3、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:16/30、近時記憶3/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、ルベストPRoDR2Capを勧めた。血圧自己測定、BP140-160mmHgを目標にアジルバ20mgを減量するように指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21.5/30(+5.5)、近時記憶3/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.1,Hb12.0,Zn71以外異常なし。VitB1=13,VitB12=1040,葉酸=4.8。知り合いからの紹介である。既往歴:H24前立腺がん、放射線治療、名古屋セントラル病院。H30階段から転落、頭頸部外傷、右橈骨遠位端骨折。あさい病院内科①ユニフィルLA200mg②ジャヌビア50mg③ムコダイン1500mg④グリコラン1000mg⑤シュアポスト1.5mg⑥リバロ1mg⑦ミカルディス20mg⑧スピリーバ。物忘れ、易興奮、被害妄想を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:2、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgを開始、ルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。血圧自己測定、BP130-150mmHgを目標にアジルバ20mgを減量するように指導した。骨粗鬆症のためピタバスタチン中止(ビタミンD低下の原因となるため)を指導した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+-)、近時記憶4/6(+-)と不変、上記周辺症状はすべて消失した。アジルバ20mg/リバロ1mg中止済み。プレタールで全身痒みが出現したためバイアスピリン100mgへ変更した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.4,Na130,TCL178,Hb11.7,Zn67以外異常なし。VitB1=21,VitB12=255,葉酸=6.2。亜鉛欠乏症にプロマック75mg、ビタミンB12欠乏症にメコバラミン1mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+5)、近時記憶5/6(+1)と中等度改善した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H28一過性健忘、たけだクリニック。H30アルツハイマー型認認知症、ドネペジル3-5mg、ドネペジル10mgで吐き気、春日井市民病院~たけだクリニック①ドネペジル5mg②抑肝散7.5g③タリージェ10mg④ザクラスHD。物忘れ、幻視、帰宅願望、昼間傾眠、尿便失禁、薬物過敏、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:14/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にドネペジル5mgを継承、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール50mgを開始した。幻視に抑肝散7.5gから5gへ減量、タリージェ10mgからリリカ50mgへ変更、ザクラス配合錠HD→ザクラス配合錠LDへ変更した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:14/30(+-)、近時記憶2/6(+1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.9,TCL185,TIBC283,Zn67以外異状なし。VitB1=18,VitB12=230,葉酸=4.1。ビタミンB12欠乏症にシアノコバラミン筋注およびメコバラミン1mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+2)、近時記憶3/6(+1)と更に軽度改善した。ツバメの巣@天草市高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は行うべきではない高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症、骨粗鬆症(ビタミンD欠乏症)、糖尿病の原因になるという論文報告があり行うべきではありません。低コレステロール血症にも関わらず、高脂血症治療薬(クレストール、リピトール、リバロ、メバロチンなど)が処方されていることが多く、直ちに中止して高コレステロール食を指導します。著者は、総コレステロールの目標値を200前後としています。治療すべきは、高TG(中性脂肪)血症であり、高TG(中性脂肪)血症を放置するとHbA1cが徐々に高値になり、糖尿病領域に入ってしまいます。高TG血症に対しても投薬治療は行わず、低糖質食を指導します。当クリニックでは、高齢者が多く極端な低糖質指導は行っていません。低糖質を指導する場合、グルテンフリー(小麦粉を含む食品を食べない)、特にパンや麺中止を指導します。日本人に米を止めなさいという指導は行き過ぎで、毎食御飯1杯は許容範囲と指導しています。高齢者は朝食をパン食にしている人たちが多いため、旅館の朝食のような御飯、味噌汁、納豆、温泉卵、塩鮭、野菜煮付、肉佃煮、海苔などを入れることでタンパク質および脂質、ミネラルの補充を指導しています。加えて、昼食は麺で済ます人が多く、これも定食屋のような昼ご飯にするように指導しています。高脂血症治療薬が認知症の原因となることを御存知でしょうか。アルツハイマー型認知症の原因としてアミロイド仮説が懐疑的となり、ミエリン仮説が唱えられつつあります。ミエリンとは髄鞘=神経線維の鞘(神経鞘)、中枢神経では乏突起細胞=オリゴデンドログリア細胞、末梢神経ではシュワン細胞のことを言います。神経線維を電線に例えると、ミエリンは電線を覆っている絶縁体となります。ミエリン成分の約75%はコレステロールで形成されており、コレステロールに基づく絶縁性により神経伝達を高速にする機能があります。著者は、コレステロールを過度に下げてしまうとミエリンを作れなくなり、神経伝達が遅くなり、その結果として認知症になってしまうのではないかと考えています。高脂血症治療薬がビタミンD欠乏症を引き起こすことを御存知でしょうか。ビタミンDはコレステロールから作られます。従って、コレステロールを過度に下げてしまうとビタミンD欠乏症になってしまいます。腰椎圧迫骨折に対して活性化ビタミンD製剤を処方され、高脂血症治療薬を飲んでいる患者の多いこと。両方止めれば患者も救われるし、医療費も節約できます。結論から言えば、高脂血症治療薬を飲んでいたから骨粗鬆症になって腰椎圧迫骨折になったのです。最近ではビタミンD欠乏症が認知症の原因、コロナ感染死亡者の97%がビタミンD欠乏症と報告されています。それでもあなたは高脂血症治療薬を飲みますか?止めるなら今でしょ。
Apr 29, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトお久しぶりです。ご無沙汰しておりました。おがげさまで長久手南クリニックは患者さんで賑わっています。先週、往診から帰ってみると、薄っすら雪景色の長久手南クリニックを見ることが出来ました。雪景色の長久手南クリニック1雪景色の長久手南クリニック2雪景色の長久手南クリニック3症例報告親戚からの紹介である。既往歴:R2/6パソコン詐欺、食欲低下。R2/7ミカムロBP(ミカルディス80mg/アムロジピン5mg)、泰生医院内科。R2/8/3鬱状態、ジェイゾロフト75mg、クエチアピン50mg、刈谷病院精神科。物忘れ、幻視、妄想、歩行不安定、夜間不眠、うつ状態、常同行動、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮、④右>左海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 右淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:改訂長谷川式:13/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプレタール100mgとサアミオン10mgを開始、ルベストPRoDR2Capを勧めた。 BP 105/73 P 78と過降圧に対して他院からのミカムロBP(ミカルディス80mg/アムロジピン5mg)中止、歩行不安定にグルタチオン2000mg点滴療法、幻視にシチコリン1000mg静注を開始した。薬物過敏のためジェイゾロフト75mg→50mg→25mg減量、クエチアピン50mg→25mg→12.5mg減量を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。11日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+10)、近時記憶4/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL174,TIBC230,Zn70以外異常なし。VitB1=23,VitB12=560,葉酸=7.9。同日、グルタチオン2000mg/シチコリン1000mg点滴、以後、訪問看護を導入して毎週同点滴を継続した。1か月後、訪問看護ステーションから点滴前後で暴言が酷く離れたところで観察している、デイサービスでも暴言が酷いと報告が入り、シチコリン1000mg中止、サアミオン10mg/ジェイゾロフト25mg中止するように指導した。3か月後、改訂長谷川式:25/30(+2)、近時記憶5/6(+1)と更に軽度改善が見られた。興奮がなくなり、クエチアピン12.5mg中止した。プレタール100mg、フェルガード100M4錠、ルベスト2Cap、毎週グルタチオン2000mg点滴療法のみとした。ケアマネからの紹介である。既往歴:H29心房細動アブレーション、愛知医科大学。H31心房細動アブレーション、八事日赤。R1/11類天疱瘡、愛知医科大学①プレドニン②サンリズム③メインテート④タケプロン⑤エディロール⑥塩化ナトリウム⑦ロキソニン⑧ムコスタ⑨バクタ⑩タリオン⑪ロゼレム。R2/1ニューモシスチス肺炎、愛知医科大学。R2/4S結腸ガン、ストマ、愛知医科大学。R2/5腰椎圧迫骨折、池田整形外科。物忘れ、幻視、妄想、夢の続き、暴言、鬱状態、介護拒否、昼間傾眠、感情失禁、アルコール多飲、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:5、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。前頭葉症状にウインタミン夕6mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。夜間不眠にロゼレム4mg/リボトリール0.25mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、興奮性はなくなったが外出企図で困るようになったと連絡が入り、ウインタミン6mg夕中止を指示した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:18/30(+3)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:Na125,s-Cr,Alb4.0,11.2,Zn64以外異常なし。VitB1=13,VitB12=416,葉酸=20.8。水中毒に対して水制限1L/dayを指導した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+2)、近時記憶5/6(+-)と更に軽度改善が見られた。権利擁護からの紹介である。既往歴:H27乳癌、東名古屋病院。物忘れを呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②右>左前頭葉萎縮軽度、③右側頭葉萎縮軽度、④右海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にNewフェルガードLA粒1錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgを開始、ルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。内服管理のためふうせん薬局上社店に居宅療養管理指導を依頼した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:22/30(+1)、近時記憶5/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN25.4,s-Cr0.76,Alb3.8,TIBC315,Hb12.4,Zn63以外異常なし。VitB1=158,VitB12=1340,葉酸=7.1。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:19/30(-3)、近時記憶3/6(-2)と軽度悪化した。認知機能低下にドネペジル1.5mg開始、NewフェルガードLA粒1錠から2錠へ増量、脳血管性認知症(VD)にサアミオン5mgから10mgへ増量、ルベストPRoDR1Capから2Capへ増量を勧めた。3か月後、改訂長谷川式:25/30(+6)、近時記憶5/6(+2)と著明改善した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H22不整脈、くすのき内科。R2/4/3左一過性顔面神経麻痺および呂律不全。R2/4/4アルツハイマー型認知症、ひでき・ゆかりクリニック①カロナール②ドネペジルOD錠5㎎③メマンチンOD錠20㎎→元気がなくなった、来院3日前に自己中止。物忘れ、介護サービス拒否、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、右前頭葉脳梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:15.5/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。心電図:①軽度ST-T異常:I,II,aVL,V4-6、②軸偏位なし、③心房細動。脳梗塞/心房細動にリクシアナ30mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(+4.5)、近時記憶4/6(+2)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺機能低下症(TSH7.35)。一般採血:Alb3.8,Zn61以外異常なし。VitB1=18,VitB12=294,葉酸=5.2。VitB12欠乏症にシアノコバラミン1mg筋注およびメコバラミン1mg併用、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:24/30(+4)、近時記憶5/6(+1)と更に中等度改善した。ケアマネからの紹介である。既往歴:H31洞不全症候群、発作性頻脈、ペースメーカー植入術、公立陶生病院。H32尿路感染症、公立陶生病院。犬飼クリニック①エリキュース2.5mg②タケキャブ③ベタニス④アミティーザ⑤マイスリー。旭労災病院①メルカゾール②チラージン。小幡メンタルクリニック①セロクエル。物忘れ、暴言、暴力、易興奮、介護抵抗、物盗られ妄想、昼間傾眠、夜間不眠、徘徊、易転倒、感情失禁、尿便失禁、嚥下困難を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:6、ピックスコア:4、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)/アスペルガー症候群(AS)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:25/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。他院からのセロクエル中止、前頭葉症状にウインタミン朝2mg夕4mgを開始、フェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。妄想にセレネース0.2mg、歩行困難にグルタチオン2000mg点滴開始、栄養障害のためタケキャブ中止を勧めた。せん妄にロゼレム4mg/リボトリール0.25mg/ベンザリン2mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+5)、近時記憶6/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c6.1,s-Cr0.89,Alb3.4,TCL185,TG172,TIBC,Hb9.8,Zn52,Ferritin8.0以外異常なし。VitB1=15,VitB12=333,葉酸=3.1。安易に抗認知症薬の投与は行うべきではない今週の症例報告5例の中では1例しか抗認知症薬を投与していません。それも2か月後になって始めて規定量の半量投与を行ったのみなのです。それでも5例とも数ヶ月で認知機能の著明な改善を得ています。まずは前医の治療を疑うことから始まります。最初の症例は降圧剤の中止、抗鬱剤の漸減中止、向精神薬の漸減中止が奇跡の回復を生んでいるのです。プレタールは先発品のみ興奮させることなく認知機能を改善すること、フェルガード100Mも興奮させることなく認知機能を改善すること、ルベストで脳血流を改善すれば認知機能だけでなく妄想も改善すること、グルタチオン点滴が歩行を改善することも知っていなければ奇跡の回復は得られないのです。2番目の症例はフェルガード100Mにより興奮させることなく認知機能を改善すること、筆者はフェルガード100Mを抑制系と呼んでいるほど興奮も抑えてくれます。ルベストで脳血流を改善すれば妄想だけでなく認知機能も改善してくれます。それによりBPSDを改善することが出来たのです。水中毒はNa投与ではなく水制限が正解です。夜間せん妄にはロゼレム4mg/リボトリール0.25mgの通常の半量投与で著効を得ました。3番目の症例は独居のためNewフェルガードLA1錠、ルベスト1Cap、サアミオン5mgで一包化して内服管理、2か月目に認知機能低下が見られたため、仕方なく抗認知症薬ドネペジルを通常の半量から開始しています。2か月の準備段階を経て著明改善に至ったのです。4番目の症例は前医の抗認知症薬の副作用を家族が気付いて、3日前に抗認知症薬をすべて中止して当クリニックに来院されたのです。結果的には素晴らしい判断だったと言えます。頭部CT上、脳塞栓2カ所、心電図で心房細動を認めたため抗凝固剤を開始しました。フェルガード100M粒4錠だけで中等度改善しました。VitB12欠乏症と亜鉛欠乏症の補充療法を加えると更に中等度改善しました。5番目の症例はBPSDが酷く、フェルガード100Mで抑制をかけながら認知機能改善を図りました。ルベストだけではパワー不足なのでセレネースを少量投与して妄想改善を図りました。ルベストは加えて認知機能も改善してくれます。夜間せん妄にはロゼレム4mg/リボトリール0.25mgの通常の半量投与、夜間不眠にベンザリン2mgでこれも少量投与で著効を得ています。セロクエルは効いていないので中止、タケキャブは胃酸抑制により栄養障害を引き起こしていると考え中止としました。この方は一発改善となりました。まずは前医の投薬治療の見直しから始めることが大切です。次に、フェルガードやルベストなどの認知機能だけでなくBPSDを改善してくれ、且つ、副作用のないサプリメントを勧めます。1か月後、血液検査で判明した分子栄養学に基づく薬物および栄養補充療法を行います。2か月後、改善が得られない場合は仕方なく抗認知症薬を考慮するのです。この順番を間違えると酷い目に遭うことを良く覚えておいて下さい。
Feb 9, 2021
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイトコロナ対策コロナ対策として出来るだけ待ち時間を少なくすることを目的に診療前後の簡便化を図っています。院内の人員配置の見直しを行うと共に待合室が3密にならないように工夫をして参ります。往診患者宅で栗を頂き、栗おこわ、栗きんとんなど秋の食を満喫しました。症例報告施設からの紹介である。物忘れ、易興奮、妄想→入所後は穏やかを呈していた。独居。妄想が酷くなり、40日前に施設入所された。頭部CT: ①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:3、アルツハイマー型認知症(ATD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:20/30、近時記憶0/6と軽度低下していた。入所後は穏やかであり様子観察とした。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+6)、近時記憶6/6(+6)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:UA9.1,s-Cr1.16,TG212,TIBC276,Zn77以外異常なし。VitB1=26,VitB12=234,葉酸=3.9。入所による食事栄養改善により認知機能改善したと考えられた。痛風にザイロリック200mg、VitB12欠乏症にメコバラミン1mg、シアノコバラミン1mg筋注を開始した。親戚からの紹介である。既往歴:右前頭葉梗塞、心房細動、中日病院①ワーファリン②メマリー5㎎③ワルファリン。物忘れ、易興奮、物盗られ妄想、高度難聴、とんとん机を叩くを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮中等度、④海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、右前頭葉梗塞。以上から、レビースコア:3.5、ピックスコア:4、嗜銀顆粒性認知症(AGD)/脳血管性認知症(VD) として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:11/30、近時記憶0/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR1Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:16/30(+5)、近時記憶0/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状は軽度改善した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr1.92,Alb3.4,γGTP1232,ALP363,TCL167,TIBC248,Zn66,以外異常なし。VitB1=29,VitB12=331,葉酸=3.5。側頭葉てんかんにデパケンR100mg、VitB12欠乏症にメコバラミン0.5mg、低アルブミン血症にイノラス配合経腸用液187.5mLを開始した。3か月後、中核症状は改訂長谷川式:17/30(+1)、近時記憶3/6(+3)と更に軽度改善、上記周辺症状も軽度改善した。筆者の本を読んで来院された。既往歴:8か月前 頭部CT:異常なし、公立陶生病院神経内科。同メンタルクリニック①リーゼ5mg。物忘れを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮なし、⑤脳梗塞なし、⑥その他 右>左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶1/6と軽度低下していた。注意スコア0.5/5。多動スコア1/4。ASスコア 2/4と正常範囲内だった。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20/30(-2)、近時記憶2/6(+1)と不変だった。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.75,Zn76以外異常なし。VitB1=20,VitB12=675,葉酸=8.4。薬は希望されず、フェルガード100M粒6錠を勧めた。ビタミンB1欠乏症および亜鉛欠乏症に対する栄養食事指導を行った。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+6)、近時記憶4/6(+2)と著明に改善した。知り合いからの紹介である。既往歴:H23心筋梗塞、公立陶生病院。H28腰椎脊柱管狭窄症、愛知医大。H30坐骨骨折、中央病院。公立陶生病院循環器内科①バイアスピリン②テラムロ/アムロジピン/メインテート/ダイアート③アトルバスタチン④トラゼンタ⑤マイスリー⑥センノシド⑦アーガメイト⑧ラベプラゾール⑨カルボシステイン⑩クエン酸第一鉄Na⑪フェブリク⑫カルバマゼピン⑬ニコ200⑭サインバルタ⑮タリージェ⑯アロチノロール。青和会中央病院整形外科①エディロール②センノシド③ゾルピデムこだま耳鼻科①アレロック②ゼスラン。物忘れ、幻視、昼間傾眠、夜間不眠、薬物過敏、語義失語、易転倒を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。BP117/62と過降圧のためアムロジピン中止、高齢者(65歳以上)のためアトルバスタチン中止、昼間傾眠/易転倒のためカルバマゼピン/タリージェ中止を指示した。認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳梗塞にサアミオン10mg開始、昼間傾眠/易転倒にグルタチオン2000mg/ソルコセリル1Ap/ビタミンC2g/ビタミンB12/シチコリン1000mg静注を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+12)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN55.7,s-Cr1.93,Alb4.0,TG158,TIBC276,Hb9.2,Zn65以外異常なし。VitB1=29,VitB12=343,葉酸=5.7。2か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と治癒状態となった。ケアマネからの紹介である。既往歴:佐伯小児科医院①ノルバスク5mg②アルファカルシドール③L-アスパラギン酸Ca。物忘れ、易転倒、病識欠如を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:2.5、ピックスコア:0、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。 BP155/68のためノルバスク5mg→2.5mgへ減量を指示した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は22/30(-1)、近時記憶2/6(-2)と軽度悪化した。BP164/73のためノルバスク5mg→2.5mgへ減量維持した。甲状腺正常。一般採血:Hb10.5,Zn59,Ferritin5.8以外異常なし。VitB1=22,VitB12=379,葉酸=7.4。鉄欠乏性貧血にヘム鉄、ビタミンB12欠乏症にメコバラミン0.5mg、亜鉛欠乏症にプロマック75mgを開始した。2か月後、中核症状は中核症状は29/30(+7)、近時記憶6/6(+4)と著明に改善した。自宅ではノルバスク2.5mg、通所リハビリではノルバスク5mgとした。病にも負けず制酸薬を飲まず 降圧剤を飲まず誰に勧められても 高脂血症治療薬を飲まず 丈夫な骨を持ちグルテンやカゼインは決して食せずいつも静かに笑っている一日に 白米3杯と 肉と野菜を適量食べあらゆることを自分を勘定に入れずに 患者の話をよく見聞きし 分かりそして忘れず長久手南に小さな山小屋風クリニックを構え東に病気の患者あれば 行って 治療してやり西に疲れた母あれば 行って 点滴してやり南に死にそうな人あれば 行って 家族とともに看取り北に施設や 寝たきり患者があれば 定期的に行くから安心しろと言い臨終の時は 涙を流し困った時は おろおろ歩きみんなに変わった医者と呼ばれほめられもせず 苦にもされずそういう医者に わたしはなりたい
Nov 3, 2020
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト秋の気配漸く気候は秋に動いた感じです。長久手南クリニックから猪高緑地を経由して愛知たいようの杜まで散歩して来ました。愛知たいようの杜では彼岸花が咲き誇っていました。彼岸花@たいようの杜彼岸花@たいようの杜症例報告知り合いからの紹介である。既往歴:R1/10ドネペジル3-5mg、みうら内科クリニック①アマリール0.5mg②トラゼンタ5mg③人参養栄湯7.5g④ドネペジル5mg。物忘れ、易興奮、物盗られ妄想、感情失禁、病識欠如、甘い物好き、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 左淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:4、前頭側頭葉変性症(FTLD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7.5/9、改訂長谷川式:22/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。易興奮、物盗られ妄想、感情失禁のため前医からのドネペジル5mg中止、フェルガード100M粒4錠を勧めた。脳梗塞にプレタール100mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:25/30(+3)、近時記憶4/6と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。 一般採血:Alb3.9,TCL178,Zn57以外異常なし。VitB1=31,VitB12=550,葉酸=7.4。低Alb血症およびZn欠乏症に栄養食事指導を行った。知り合いからの紹介である。既往歴:脳腫瘍。右角膜異物→失明。にったクリニック①カデュエット3号(アムロジピン5mg/リピトール5mg)②ニューロタン100mg③マイスリー5mg④プルゼニド12mg。物忘れ、幻視、夢の続き、夜間せん妄、妄想、人物誤認、帰宅願望、感情失禁、尿便失禁、歩行不安定を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮中等度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化、脳室拡大、左小脳橋角部腫瘍摘出後。以上から、レビースコア:7、ピックスコア:2、レビー小体型認知症(DLB)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:12/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。認知機能低下にカデュエット3号(アムロジピン5mg/リピトール5mg)/ニューロタン100mg/マイスリー5mg中止、アムロジピン/ロゼレム開始、リバスタッチパッチ4.5mgを開始した。サプリメント希望されなかった。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:20.5/30(+8.5)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL177,TIBC217,Hb11.7,Zn66以外異常なし。VitB1=30,VitB12=471,葉酸=2.7。低Alb血症、Zn欠乏症、葉酸欠乏症に栄養食事指導を行った。親戚(薬剤師)からの紹介である。既往歴:H23左膝人工関節置換術、藤田医科大学整形外科①メトトレキサート②フォリアミン③オルメサルタン④エディロール⑤カロナール⑥ハルシオン⑦ネキシウム⑧タリージェ。藤田医科大学脊椎外科①リリカ②メチコバール。物忘れ、暴言、夜間不眠、薬剤過敏を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③右>左側頭葉萎縮軽度、④右>左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(FTLD)/多発性脳梗塞として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度認知機能障害(MCI)していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL178,Hb10.4,Zn63以外異常なし。VitB1=28,VitB12=893,葉酸=6.9。低Alb血症、Zn欠乏症に栄養食事指導を行った。インターネット検索で来院された。既往歴:R1脳ドック:多発性脳梗塞。R2/3嘔吐、頭部MRI:多発性脳梗塞、名古屋脳神経外科。R2/4多発性脳梗塞、愛知医大神経内科①アムロジピン2.5mg②リピトール10mg③ミグシス10mg。物忘れ、歩行ゆっくり、語義失語を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞多数、境界領域梗塞、Binswanger型梗塞。以上から、レビースコア:0、ピックスコア:2、脳血管性認知症(VD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶2/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。BP129/91と過降圧なためアムロジピン2.5mg→1.25mgへ減量した。総コレステロール124mg/dlと低値であり、リピトール10mg中止した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:21/30(+3)、近時記憶4/6(+2)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,TCL119,Zn65,Ferritin9.4以外異常なし。VitB1=30,VitB12=518,葉酸=8.0。Zn欠乏症にプロマック75mg、鉄欠乏性貧血にヘム鉄を勧めた。抗SS-A/B抗体陽性にシェーグレン症候群にグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット指導した。インターネット検索で来院された。既往歴:H30パニック障害、わたなべメンタルクリニック①半夏厚朴湯7.5g②レクサプロ10mg③ソラナックス0.4mg不安時屯。高速道路運転中に過呼吸/急停止、朝方運転すると過呼吸、言語理解ゆっくり、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし、⑥その他 左>右淡蒼球石灰化。注意スコア2/5、多動スコア0.5/4、ASスコア 1.5/4と正常範囲内だった。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:3、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患 として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶3/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶6/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.2,Zn64以外異常なし。VitB1=51,VitB12=510,葉酸=12.2。Zn欠乏症に栄養食事指導を行った。抗認知症薬(Anti-dementia drugs)を使わない治療を優先今までに当ブログ内で色々な認知症治療方法を紹介して参りました。13年間の認知症治療患者は8500名を超え、抗認知症薬を使わない認知症治療を優先する治療方法が正しいという結論に達しています。下記の1-6までが抗認知症薬を使わない認知症治療と言えます。7.抗認知症薬治療を最初から使う場合は希であり、1-6までの手をすべて尽くしてから行うようにしています。8.基底核に石灰化のある認知症は筆者の得意分野であり、治療反応もよく長期治療成績もよいため是非注目して治療に当たって頂きたい。1.高齢者の高血圧治療~降圧剤減量による認知機能改善~65歳以上高齢者には安易に降圧剤を投与するな~高齢者はBP130-160mmHgに目標に定めよ~2018.6.24第2回日本脳神経外科認知症学会ランチョンセミナー~高血圧・高脂血症・糖尿病治療薬の減量および中止~高齢者の高血圧治療2.高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は行うべきではない~高脂質症治療薬中止による認知機能改善~高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は行うべきではない高脂血症治療薬スタチンは65歳以上高齢者に投与するな~スタチンは認知症に有効ではない~3.分子整合(オーソモレキュラー)栄養療法による認知症治療~ビタミンB群・ミネラル(鉄および亜鉛)・高タンパク質・糖質制限栄養食事指導および補充療法による認知機能改善~ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸,)、ミネラル欠乏症(鉄、TIBC,フェリチン,亜鉛)に対する薬物療法および食事栄養療法を行うことで、認知症だけでなく発達障害、鬱病、パニック障害などの広範な病変の根本治療を行っています。低フェリチン血症は鉄剤フェロミア・フェルム(非ヘム鉄)、鉄剤フェジン点滴、ヘム鉄サプリメント摂取を勧めています。低TIBC=トランスフェリン血症は高タンパク食指導を行います。亜鉛欠乏症には亜鉛を含むプロマック投与または亜鉛サプリメント摂取を指導しています。プロマック長期投与は興奮や過食をもたらすため注意が必要です。第2回日本脳神経外科認知症学会ランチョンセミナー~ビタミンB群・鉄補充(補因子)および高タンパク・低糖質食による神経伝達物質合成~栄養療法による認知症予防および治療認知症外来では必ず亜鉛血中濃度(平均63μg/dL)を測定すべし~認知症外来患者の289名中269名、92%は亜鉛欠乏症~4.グルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット~小麦粉および乳製品除去食による自己免疫疾患(認知症を含む)改善~食事からグルテンおよびカゼインを取り除き、善玉菌を補充することで腸内環境を整えること出来ます。このようなリーキーガット症候群(LGS)の治療は、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)などの認知症、注意欠陥多動障害(ADHD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)、統合失調症などの神経難病、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー疾患、下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの消化器疾患、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、類天疱瘡などの自己免疫疾患、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの婦人科疾患の治療に繋がるのです。グルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット指導により、認知機能改善、歩行や嚥下などのADLの改善、体重減少による歩行や高血圧・糖尿病・高脂血症などの生活習慣病の改善が見られています。グルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット指導の実際グルテンフリー/カゼインフリー(GF/CF)ダイエットで続々回復5.サプリメント(フェルガード類・ミミズ粉末)による認知症治療Newフェルガードとフェルガード100Mの違いと効果 凍結乾燥ミミズエキス含有サプリメントによる認知症治療凍結乾燥ミミズエキス(ルンブルクスルベルス)含有サプリメントによる動脈硬化の治療~中性脂肪および血圧降下作用~ドクターイワタ 第4回認知症治療研究会 ランチョンセミナーに登壇脳血管性認知症、最新の治療法は?前頭側頭型認知症(ピック病)、最新の治療法は?6.グルタチオン(Glutathione)・シチコリン(Citicholin)・ソルコセリル(Solcoseryl)点滴療法~抗酸化物質・せん妄改善薬・ミトコンドリア機能改善薬による点滴治療~グルタチオン(Glutathione)は脳にとって最も重要な抗酸化物質の一つであり、脳を様々な有害物質から守る役割を担っています。パーキンソン病患者の脳内において、この重要な物質であるグルタチオンが減少していることが分かっています。この事実をもとに、イタリアのSassari大学のチームが実際にパーキンソン病患者に グルタチオンを点滴投与したところ症状の著名な改善が認められました。米国においてDr.Perlmuterがこの治療法を積極的に行い非常に有効な治療であると報告しています。そして、現在では南フロリダ大学において臨床研究が進行中です。日本では既に40年以上も前からグルタチオン200-400mgを自家中毒、つわり、妊娠中毒、薬物中毒、慢性肝炎の治療に保険診療として使用しています。副作用も非常に少ない、安全率の高い医薬品で、薬の副作用の治療に使われることもあるぐらいです。 パーキンソン病の場合には1000-4000mgを点滴で投与します。この投与量は通常投与量を遙かに超えており自費診療となります。頻度は週に2~3回、約3ヶ月間行います。病状の改善が認められれば、その後は維持プログラムとして週に1~2回のペースで治療します。1回の点滴時間は約15分です。有効率は70%で、劇的に効果があるケースからまったく無効である場合もあります。なお、米国では抗がん剤の副作用による指先のしびれ(末梢神経障害)、閉塞性動脈硬化症など様々な疾患の治療に使われています。レビー小体型認知症に伴い、せん妄・意識消失発作など意識がボーとしている患者さんにはシチコリン(Citicholin)も併用します。シチコリン(Citicholin)は脳神経外科が昏睡に使う昔からある安全な薬です。ソルコセリル(Solcoseryl)はミトコンドリアの機能を促進し,ATP産生を高め組織機能を賦活させる効果があります。グルタチオン(Glutathione)はフリーラジカル除去によるパーキンソン症状改善・デトックス(老廃物排出)、シチコリン(Citicholin)はせん妄・意識消失発作、ソルコセリル(Solcoseryl)は認知症状に有効であり、ビタミンB12およびビタミンCはグルタチオン(Glutathione)の有効期間を延ばす作用があります。グルタチオン(Glutathione)の働きはたくさんありますが、抗酸化に大きな役割を果たしています。グルタチオン(Glutathione)・シチコリン(Citicholin)・ソルコセリル(Solcoseryl)点滴療法はそれぞれの用量を変化させることにより、最適化を図る必要があります。グルタチオン点滴はレビー小体病や難病に有効7.抗認知症薬治療レビー小体型認知症、最新の治療法は?アリセプト(ドネペジル)地獄厚労省は2016年6月1日付で抗認知症薬の少量処方を容認プレタールがコリンエステラーゼ阻害薬を凌駕するパーキンソン症状のあるレビー小体型認知症にアリセプトはダメピック病にアリセプトはダメメマリーも少量投与が必須~メマリーは30%で悪化するため第2選択薬~レミニールも少量投与が必須~レミニールはFTLDおよびMIXに合う~リバスタッチパッチも少量投与が必須~リバスタッチパッチはDLBやLPCに合う~ドネペジル(アリセプト)過量投与による医療過誤~ドネペジルは穏やかなATDにのみ合う~成功する認知症治療薬の増量法認知症治療薬の増量方法認知症の治し方8.基底核に石灰化のある認知症基底核に石灰化のある認知症特発性基底核石灰化症(IBGC)、最新の治療法は?認知症専門往診の4割が特発性基底核石灰化症(IBGC) ~特発性基底核石灰化症(IBGC)は前頭側頭葉変性症(FTLD)とレビー小体型認知症(DLB)の各症状のつまみ食い~
Oct 1, 2020
長久手南クリニック 認知症/発達障害 新患予約サイト6月~9月まで夏が続く~地球温暖化による異常気象~9月に入っても熱帯夜が続いていましたが、漸く、季節が秋に動いた感じがします。6月~9月まで夏が続く異常気象が続いています。海水温度上昇のため台風やハリケーンは巨大化して、大きな脅威となっています。映画「The day after tomorrow」の世界が現実に起きつつあります。筆者が生きている間は大丈夫でも2~3世代後にはおそろしいことが起きることが予見されます。火力発電から太陽光・風力発電、ガソリン自動車から電気自動車だけでなく、空気中の二酸化炭素から有機化合物を合成するなど二酸化炭素を減らす方法を見つけ出すことで地球を救うことが出来るのではないかと考えます。フヨウ@長久手南クリニックユリ@長久手南クリニックミニトマト@長久手実家症例報告インターネット検索で来院された。物忘れ、時間を守れない、昼間傾眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤脳梗塞なし。以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:2、注意欠陥多動障害(ADHD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。注意スコア 4/5。多動スコア 1/4。ASスコア 1/4と注意欠陥多動障害(ADHD)と診断した。認知機能低下にコンサータ18mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+1)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:TCL146以外異常なし。VitB1=34,VitB12=559,葉酸=3.0。低コレステロール血症および葉酸欠乏症に対する栄養食事指導を行った。親戚からの紹介である。既往歴:H27脳梗塞、公立陶生病院。大岩医院①エリキュース②シロスタゾール③ムコスタ④ロルカム⑤タケプロン⑥アルファカルシドール⑦酸化マグネシウム⑧パントシン。物忘れ、易転倒、妄想、意識消失発作、夜間排尿5回、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:0、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:24/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にリバスタッチパッチ4.5mgを開始、NewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)に他院からシロスタゾールが処方されており、先発品であるプレタールに変更したいところである。易転倒にドパコール50mg、グルタチオン2000mg/ソルコセリル1Ap/ビタミンC2g/ビタミンB12=1Ap/生理食塩水100mL/15min、せん妄にシチコリン1000mg静注を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+5)、近時記憶6/6(+1)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN24.7,s-Cr1.31,Alb3.5,TCL181,Zn73,Ferritin39.4以外異常なし。VitB1=32,VitB12=2240,葉酸=6.1。知り合いからの紹介である。既往歴:H23心筋梗塞、公立陶生病院。H28腰椎脊柱管狭窄症、愛知医大。H30坐骨骨折、中央病院。公立陶生病院循環器内科①バイアスピリン②テラムロ/アムロジピン/ビソプロロールフマル/アゾセミド③アトルバスタチン④トラゼンタ⑤マイスリー⑥センノシド⑦アーガメイト⑧ラベプラゾール⑨カルボシステイン⑩クエン酸第一鉄Na⑪フェブリク⑫カルバマゼピン⑬ニコ200⑭サインバルタ⑮タリージェ⑯アロチノロール。青和会中央病院整形外科①エディロール②センノシド③ゾルピデムこだま耳鼻科①アレロック②ゼスラン。物忘れ、幻視、昼間傾眠、夜間不眠、薬物過敏、語義失語、易転倒を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4.5、ピックスコア:3、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:7/9、改訂長谷川式:15/30、近時記憶4/6と中等度低下していた。BP117/62と過降圧のためアムロジピン中止、高齢者(65歳以上)のためアトルバスタチン中止、昼間傾眠/易転倒のためカルバマゼピン/タリージェ中止を指示した。認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳梗塞にサアミオン10mg開始、昼間傾眠/易転倒にグルタチオン2000mg/ソルコセリル1Ap/ビタミンC2g/ビタミンB12/シチコリン1000mg静注を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+12)、近時記憶6/6(+2)と著明改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:BUN55.7,s-Cr1.93,Alb4.0,TG158,TIBC276,Hb9.2,Zn65以外異常なし。VitB1=29,VitB12=343,葉酸=5.7。親戚からの紹介である。既往歴:松田クリニック①エクア②ハルナール③リピトール④フェブリク⑤アムロジピン。西山団地内科①セレスタミン。物割れ、昼間傾眠、夜間不眠を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1.5、ピックスコア:1、混合型認知症(MIX)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DTNC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。高齢者(65歳以上)のためリピトール中止、昼間傾眠のためセレスタミン朝→寝る前、認知機能低下にNewフェルガードLA粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にルベストPRoDR2Capを勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:26/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:HbA1c7.2,s-Cr1.42,Alb3.6,TCL186,TG164,TIBC251,Zn71以外異常なし。VitB1=24,VitB12=383,葉酸=9.9。ビタミンB12低下症にシアノコバラミン1mg開始、低アルブミン血症、亜鉛欠乏症に栄養食事指導を開始した。筆者の書籍を読んで来院された。既往歴:左大腿骨頸部骨折、交通事故。腰椎圧迫骨折。R2/1レミニール8mgで吐気中止→リバスタッチパッチ18mg(家族によれば9mgで興奮)、藤が丘さくらなみきクリニック。物忘れ、暴言、介護抵抗、食欲低下、病識欠如、語義失語、薬物過敏を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②左>右前頭葉萎縮軽度、③左>右側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:6、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)を呈する石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病(DNTC)類似疾患として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:10/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。暴言、介護抵抗、および食欲低下にリバスタッチパッチ18mg→3日間中止→リバスタッチパッチ9mgへ減量、フェルガード100M粒4錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:7/30(-3)、近時記憶2/6(-1)と軽度悪化、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。 一般採血:異常なし。VitB1=14,VitB12=544,葉酸=6.7。ビタミンB1欠乏症に栄養食事指導を開始した。高齢者の高血圧治療高齢者(65歳以上)に高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 )~(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現を伴う認知機能低下は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。地球温暖化で6月~9月までが夏の気候となり、春と秋が短くなっているから注意が必要でありますが、今年も9月半ばからは血圧が徐々に上昇する傾向にあります。従って、これからは徐々に降圧剤を増量する時期に入っています。高齢者(65歳以上)は徐々に体重減少する方が多く、体重減少と共に降圧剤も減量する必要があります。体重減少が見られても同量の降圧剤を投与していると過降圧になり、認知機能低下の原因になります。降圧剤を出している医師は年中同じ用量の降圧剤を処方することなく、気候および体重に注意しながら降圧剤を調節する必要があります。与田監督では勝てない早く落合博満監督に戻って来てほしい。出来れば森ヘッドコーチも一緒に戻って来てほしい。原監督に対抗出来る監督は落合博満監督しかいない。立浪がなったら今年と同じだろう。監督には観察能力の高さが必要であり、与田監督にはその素質がない。それを補うために伊東ヘッドコーチがいるのだろうが、伊東ヘッドも観察能力には問題があるのだろう。伊東監督でロッテは勝てなかった。捕手、内野手、先発投手に名監督が多いのは相手を観察する能力に長けているからではないかと考える。落合博満監督は、各球団に専属スコアラーを置いて情報収集を徹底していた。自分の観察力に加えて他の人の観察力を総動員して相手の嫌がることをやることが出来ていた。足りない能力は徹底的に練習して鍛え抜いた。徹底的な結果至上主義でプロ意識を植え付けた。科学的に身体管理をすることも大切である。管理栄養士によるスポーツ栄養指導および有能なトレーニングコーチによる野球に合う筋肉を鍛えることが大切である。無駄な筋肉はスピードやしなやかさを失わせ怪我の原因になる。今年は怪我人が多すぎる。筆者は怪我防止のためにはグルテンフリーおよびカゼインフリーダイエットも導入すべきだと考える。
Sep 21, 2020
全331件 (331件中 1-50件目)