ユーカリの木陰で里の行

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2010.10.05
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カテゴリ: ファミリー

今日はうちの子たちも、今年の最終学期ターム4が始まります。

ダディンに連れられ(メルボルンの通学は、基本的に父兄の送迎なんです)、
「行ってきま~す!」と、元気よく出かけたかと思ったら、
その5分後には、なぜか3人どやどやと戻って来た。

「 ママ~、 ポッサムのベイビー がガレージのドアのとこに落ちてたよ~!
 死んでると思ったら、まだ生きてたの~~~!!!」びっくり

興奮して話す娘の後ろからダディンが、モモちんが昔使っていた
ふかふかの巣穴みたいなベッドを抱えて入ってきた。
それを受け取って、中を覗く。
野ネズミみたいな ポッサムのベイビー が!

「どうやら母親のパウチから落ちちゃったらしい。
 まだ息はあるから、子どもたちを送ってから獣医に連れて行こう」と、ダディン。

「ママ、今度は死体じゃないんだよ。
 生きててくれて、良かったね!」と、メェ。

ファミリールームでは、気配を察知したのか、
チャールスとポーポー、うちのワンたちが吠えまくっている。

昨夜まで母親の、カンガルーみたいなパウチに入って暮らしていたのだろう、
夜行性ポッサムの赤ちゃんを恐がらせないように、
寝室に連れて行って、カーテンもドアも閉めた。

でも、ほんとに、生きているのかな?
ポッサムの赤ちゃんはピクリとも動かないので、心配になってくる。
ホッ とする。

メェが死体じゃなくて良かったね、と言ったのは、
一昨日3日の日曜日に、ポッサムの子どもの死体を発見したからだった。


その日、息子は友達のバースデーに行ったのだけれども、
メェの方は月に一度、近所のチベット仏教センターで開かれる、

そこで毎年恒例の、 命を救う活動 に参加したのだった。

詳しい話は、以前ブログ(去年今ごろの日記)にも書いたので省きますが、
魚釣りの餌用に売られていたザリガニを買ってきて、
近くの公園の小さな湖に放つというもの。
今年はザリガニにくわえ、ミミズたちも。

生き物好きの娘は、このイベントが大好きで、毎年楽しみにしている。
チベット仏教の僧侶とともに祈祷を捧げてから、
子どもたちはまずミミズたちをセンターの前庭の花壇の土の中に戻してゆく。

土を掘り起こしてからミミズを戻す。
ミミズを傷つけないように、そうっとそうっとね、などとやっていたら
隣で突然、子どもの甲高い声。
「 ポッサムの死体だ~~~! 」

え?  と顔を上げれば、なんと私と娘の真ん前にポッサムの死体が!?
ミミズに気を取られて、まったく気づかなかった私たち。
情けないことに、思わず私は悲鳴を上げていました。^ ^;

けれど子どもたちは、さっき自分だけでなく他者を気遣うこと、
小さな生き物の命も尊ぶことを学んだばかり。
そこを大人の私が、死体に怯えている場合ではない。
恐怖=自意識に過ぎず、
そこに他者への気遣いや思いやりなんて無いわけだし…。

「 ママ、小さいねぇ。子どもたねぇ。かわいそうだねぇ 」と、娘。

そう、そのポッサムは、
子どもなのに、誰にも看取られることなく、独りぼっちで死んだのだ。
自然界の常とはいえ……。

私たちは玄関のところで立ち話をしていた僧侶たちに頼んで、
その子のために祈祷を上げてもらった。

僧の一人が埋めてあげようとおっしゃると、
お父さんの一人がシャベルを持ってきて、穴を掘ってくださった。

「でも、死体には黴菌がたくさんついているから触れないよぅ」
「シャベルでやるのかなぁ?」と、子どもたち。
―と、そのお父さんはシャベルではなく、布でくるんで持ち上げてくださった。

穴に入れるとき、こちらにポッサムの顔を見せてくれたのだが、
あまりに可愛らしい顔をしていたので、びっくりした。
まん丸の真っ黒な目が、ほんと驚くくらい愛らしかった。


そして今、私の目の前にはポッサムの赤ちゃん。手書きハート
娘が瞳を輝かせたように、今度はまだ生きているのだ。

ダディンは帰ってくると、野生動物を保護するボランティア団体を探し、
ケアしてくれる方がいないかと電話を掛けまくった。

これから受け入れ先を探してくれると言うグループの方から、
赤ちゃんのポッサムに餌を与えるのは難しいから、それよりも
ヒートパックをつかって温めるようにとアドバイスしてもらい、
毛布の下に温めたパックを入れた。

やっと受け入れ先が見つかり、連れて行こうと戻ったところ、
今朝はピクリとも動かなかったポッサムの赤ちゃんが、
なんと毛布をかきあげ、顔を出し、
旧モモベッドをよじ登ろうとしているではないか!?
うわぁい!!!
どうやら温かくなって、元気になってきたらしい。

ベイビー・ポッサムを連れて行った先のシェルターでは、
二晩前に一匹、今朝はもう一匹、別のポッサムの赤ちゃんが保護されたそうで、
シェルターでは3匹の赤ちゃんを ファミリー にして
兄弟のようにまとめて育てるのだと、おっしゃっていた。
そうして成人になって、大丈夫なことを見届けたら、自然に放つのだそうだ。

ダディンは、ついでに足を折って保護されていた海鳥を
帰りに海に戻してくれと頼まれ、そのドライバー役も務めておりました。

その日、学校が終わって子どもたちをお迎えに行くと、真っ先に娘は、
「ベイビー・ポッサム、どうなった?」

ファミリーができた話をすると、
「良かったね、もう淋しくないね」と心底、嬉しそう。


私たちの夜の習慣、ベッドの中で今日のハイライト、一番嬉しかったことを
打ち明け合うときには、メェはもちろんムゥも、
「 ベイビー・ポッサム! 」ハート

「ベイビーポッサムを助けたこと!」
「メェが気づいたんだよ!
 気づかなかったら、車で踏んじゃうとこだったんだよ!
 ムゥはなぁぁぁんにもしてないじゃん!」 
「したよ、ハッピーでありますようにって、お祈りしたもん~」

そうだね、ムゥ。
あの小さなポッサムが多くの方々に見守られて、すくすくと元気に育ちますように―。






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Last updated  2010.10.09 10:01:57
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