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知的障害者がネット放送局 日本初、自ら出演・制作
出演者も制作スタッフも知的障害者という
「日本初」のインターネット放送局が開設された。
知的障害者は話をするのが苦手な人が多く、
意見が表に出ることは少なかったが
「私たちのことを知ってほしい」
と声を上げている。
相模原市の入所施設で
19人が殺害された事件から26日で1年。
地元でも、
知的障害者のグループが新たな活動に取り組んでいる。
◆ドラマ制作
入所施設でプラスチック部品の組み立て作業をする障害者たち。一人が「もうできないよ」と訴えると、職員にトイレに閉じ込められる-。
ネット放送局「パンジーメディア」(大阪府東大阪市)が制作したドラマの一場面だ。
この番組は、東大阪市で地域生活を送る障害者たちが、利用する通所事業所の支援を受け、昨年9月から月1回、放送している。毎回約50分で、ニュースやドキュメンタリーのほか、当事者が自分の生い立ちを語る「私の歴史」のコーナーなどがある。キャスターやコメンテーターも当事者。毎回十数人が企画や撮影に加わる。
原点は、16年前に事業所の利用者と職員で訪れたスウェーデンだ。当事者が情報誌やラジオ番組をつくる活動を視察し、「いつか自分たちも」と夢を温めてきた。
◆普段から積極的に
知人の映像制作会社社長の協力を得て、昨年2月から準備を開始。入所施設での虐待を描くドラマの稽古をしていたさなかの昨年7月、相模原事件が起きた。ドラマには、事件を受けて、みんなで話し合って追加したせりふが2つある。「好きで障害者になったんじゃないや」「私ら生きてたらあかんのか」
脳性まひがあるプロデューサーの梅原義教さん(42)は「報道で取り上げられるのは保護者や支援者の意見が多くて、当事者の声があまり出てきていない」と訴える。今月下旬に放送の回では、改めて事件のことを取り上げる予定だ。
事業所を運営する社会福祉法人「創思苑」の林淑美理事長(67)は、利用者の変化に驚いた。引っ込み思案や恥ずかしがり屋だった人たちが番組出演をきっかけに、それまで閉じ込めていた思いを解放するかのように、普段から積極的に話すようになった。「『そんなことを考えていたのか』と、職員側にも気づきがあった」
◆地元では交流会
相模原事件の地元、神奈川県でも動きがある。知的障害がある横浜市の奈良崎真弓さん(39)は、十数年前から当事者同士の勉強会や交流会をしているが、事件を受け仲間と「にじいろでGO!」という新しいグループを結成。
奈良崎さんは「みんな話したいと思っているけど、アピールする場がなかった。本人同士だからこそ話せることもある。私たちが笑ったり怒ったりするのを知ってもらうことで、差別もなくなるのではないか」と話している。
◇
■「本人の時代」が到来
知的障害者らの意思決定支援に詳しい上智大の大塚晃教授の話「これまでも障害者団体や先進的な入所施設で、知的障害の本人たちによる活動は行われてきたが、実際には職員や親など周囲の人間が多くのことを決めてしまいがちだった。本当の意味で当事者の意見に耳を傾ける取り組みは意義のあることだ。大事なのは、一定の方向に誘導するのではなく、彼らが自由に意見を言えるようにする支援者の姿勢だ。相模原の事件はむしろ『本人の時代』到来の契機とすべきだろう」
【産経ニュース http://www.sankei.com/life/news/170724/lif1707240008-n1.html 】

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