これより沢に下り谷筋の細い道をしばらく歩くと『御前ヶ遊窟登山道合流点』という標柱があり、ソウケイ新道との分岐点に出た。
岩峰群が見えるようになってからはロープや鎖を頼りに滑らないように注意しながら登っていくと、ガスで霞んでいたが素晴らしい岩壁や岩峰を見ることができた。
岩質のせいもあると思うがギリシャのメテオラの景観に似ていると感じた。低山でありながら、このような独特な景観が形成された不思議さを感じさせた。
さらに頭上の特徴ある岩頭を目指して急登していくと、赤いペンキで『かえり5m下 左』と書かれた大岩があった。ここから少し登ると、目的の遊窟に到着した。遊窟は大きな空洞になっていて奈良の大峰修験道に見られる洞窟を彷彿とさせた。修験者ではなく御前がこもっていたという伝説があるが、ここまで来るのは大変であったろうと思う。
帰路はソウケイ新道を下ったが、鍬沢までは急峻な岩場の下りもありクサリが取り付けられていた。鎖は滑りやすいので安心できず結構気を遣った。低山の割には面白い山であった。