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ゆらら55

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2009.09.28
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カテゴリ: 心理療法
さて、引き続きトレーニングのお話。
パート1 へ)

様々なケース、そして摂食障害で苦しむ人と、彼らの治療者を交えてのミーティングのビデオを見ました(基本的に治療者は聞き手で、障害について苦しんでいる人から学ぶ。苦しんでいる人達は、話す事自体が癒しにも繋がる)。

さて、そんな様々なケースビデオの中で、驚きの事実が背景にあったというケースはというと・・・

ケース1
○12歳の黒人男子
○問題…同級生の男の子をベルトで叩いたという行動。
○カウンセリングに来た理由:その後、裁判になり、結果、1年の保護観察、40時間のコミュニティーワーク、300ドルの罰金、そして、アンガーマネージメント(カウンセリング)が義務づけられたので。



男の子は、お母さんと一緒にやってきました。問題定義から始める作業にいるのですが、まず「なぜ、このタイミングでセラピーにくることになったか?」といったセラピーにきた理由、そして、なぜ今なのか?という事を聞きます。

そこから、話は発展してゆき、裁判所から、セラピーが義務づけられたというのが分ると、それについてどう思うか?などを含め、お母さんと男の子に聞いてみました。するとお母さんは「セラピーは必要ないと思っている」という答え。

ここで、セラピストの姿勢が問われます。問題行動ばかりに目を向けていると、そのお母さんの言葉を信じられなくなりがち。いわゆる『母親なら、子供を思うあまり、そう思ってしまうだろう』とか、『そうなった事実を受け入れたくないのでは?』etc...自分の解釈、分析が入ってしまいます。そういった先入観があると、セラピーはどこかで滞ってしまうでしょう。なぜ、そう思ったか?なぜそうのような先入観があったのか?などは、セラピスト自身、スーパービジョンなどで探る必要はあります。

ナラティブ・セラピストは、このよう言葉を聞いたら、「必要ないと思う」という言葉にだけ、シンプルに興味を持ち、それらを探って行きます。結果、新たな事実へ突き当たるのです。

その問題の背景には、この男の子の見方と違った立場の人達がいたこと。それは被害者の親や学校の見方。この男の子の見方は、トイレでふざけて遊んでいた時に、取ったベルトで軽く叩いたというもの。そのとき、相手の男の子も笑っていたと言います。いわゆる、よくある男の子達の悪ふざけという一場面。だから、その子は、何でもないと思っていたというのです。けれど、いつのまにか大きな事に発展して、びっくりしたとのこと。お母さんも、まったく同様で、その子は、今までに乱暴な事なしないし、家でも本当にいい子だと言います。

さて、この背景に、何が見えるでしょうか?被害者の男の子が、親に学校であった出来事を話したことから、このように問題へと発展してゆくのですが・・・。
被害者といわれる男の子は白人です。その子が親にたまたま言った事で、親が驚いて校長に電話。そして、校長はすぐさま裁判ざたになるような手続きを行った・・・白人が大多数をしめる学校で起こった出来事。

これは何を意味しているのでしょうか?

こういう事がキッカケで、誤ったアイデンティティを人は植え付けられる事が、多々あります。

セラピーでこのような事が分ったので、セラピーではアンガーマネージメントをするのではなく、そのように貼られたレッテルを、12歳の男の子から外すという作業を行って行きました。12歳の男の子には本当に重すぎるレッテルで、これが人生に影響されることもあるでしょう。なので、男の子のオルタナティブ・ストーリーをここで分厚くしていく事が必要です。

その後、母親は、周囲の人々へ嘆願書を書き、学校へも手紙を書きました。結果、裁判になった事、その問題は、事実ではなかたっと、最終的に認められて、その男の子は、今では、成績優秀な学生の一人として、学校に通っているとのことです。



さて、次は、摂食障害です。摂食障害である 神経性無食欲症(アノレクシア) と 神経性大食症(ブリミア) の2ケースも興味深かくて、思わず食い入るように見ていた私です。特に、ブリミアのケースは、配偶者との暴力を受けていたというDVも絡まっていて、勉強になりました。

摂食障害というのは、現在、北米の15歳ー23歳までの女性の命を奪う確立の高いもの。かなり深刻ですね。

拒食症(アノレクシア)の、痩せたい、スリムでいたいというのは、雑誌を見れば分るように、社会的にも、文化的にも奨励されているので(日本でも同じですね)、「痩せてる=素敵」といったイメージを崩すのが、本当に難しいものでもあります。しかし、そこに取り付かれていると、最初は自分の身体だったのにも関わらず、自分が“痩せている身体”に支配されてゆき、痩せる事、又は、ドカ食いしてその後吐くという行動が止められなくなります。ただ、その行動が、暴力関係においては、問題を処理する助け(コーピング)になっていることもあり、時には人を助けるものとして作用することもあります(ビデオのケースがそうでした。ただ、その女性はすでにその配偶者とは別れていたので、セラピー当時は、拒食症/ブリミアが主訴でした)



このケースも興味深く、先生との初回治療から十数年後のインタビューは必見でした!当時の彼女は(90年代後半)、カナダ、アメリカと様々な機関での治療をしましたが、どこの治療機関もお手上げ。しかし、このままでは危険な状態になってしまうとうことで、カナダ/アメリカの機関が協力し援助が出て、最終的に、先生の所へやってきたようです。(偶然にも、今回の参加者の中で、当時、彼女の治療スタッフとして関わった人が居ました←彼女はその後のクライアントの姿をビデオで見て涙していました)

当時の彼女は、とても幼く、辿々しい感じ話し方。あまり自信のない印象を受けました。きっと摂食障害が、彼女をそうさせてしまったのでしょう。しかし、先生との治療から十数年たった後の姿は、全く別人です。成熟した女性になり、話し方から何まで自信に満ちあふれていました!(ちなみに彼女は13歳から約20年間、摂食障害/時には鬱や不安神経症と戦いました)現在は結婚して、子供もいます。

この10年後のインタビューでは、「今年、何十年かぶりに、クリスマスではターキーを食べようと計画していて、すごく楽しみ!」だと話し、治療の過程を振り返りながら、どうやって最終的に拒食症から抜け出したのか?という話をしていました。やはり、周囲からのサポート、諦めなかった母親や恋人の存在は大きいようです。このような彼女の姿を見ると、本当に人は可能性を未知数にもっているのだなっと実感します。今、何かあって辛く悲しくても、人には力もあり、新たな人生をつくりあげてゆく、いくつもの可能性があるのを忘れたくないですね

さて、生徒の質問に先生は、「短期療法をするつもりではないけれど、だいたい短期で良くなるケースが多い」といっていました。それも、ナラティブの特徴で、だからブリーフ・セラピーに位置づけなれることも多いようです。

私自身、短期より、長期を好むタイプ。でも、クライアントがセラピーを終了できるのは、やはり最終目的であるので、そういう面でもナラティブは効果的かなと思います。

さて、私のナラティブはどんなスタイルになってゆくのかなぁ。ナラティブを取り入れながら、心理カウンセラーとしての修行はまだまだ続きます・・・・。
次回のトレーニングは11月!
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Last updated  2009.09.30 00:47:18
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