太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2010.12.08
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昨日は、天然資源のない国日本は「知」だけが財産だと書きました。

石油資源の枯渇は言われて久しいが、この頃ではレアメタルに続いて肥料原料となるリン鉱石の輸出制限を中国が強めています。
尖閣列島の問題も、その根底には資源問題がからんでいます。

リンについては、人口増や新興国の経済発展で、食料=肥料の需要が増えていることが背景にあります。
それだけでなく、バイオエネルギー(サトウキビ、トウモロコシ、その他の作物かから作られるエタノールやバイオディーゼル)のための農業の大拡張も燐の消尽を加速させているようです。

現在,30ヶ国以上が,リン鉱石を採掘しているが,上位15ヶ国だけで全世界リン鉱石採掘量の約95%近くを占め(アメリカ,中国,モロッコの上位3カ国のリン鉱石採掘量は全体の約2/3を占める),リン鉱石の埋蔵量には大きな偏りがあります。
経済的に採掘できるリン鉱石の埋蔵量を単純に現在の採掘量で割ると,リン資源は130年で枯渇する計算になるそうです。
CEEP(ヨーロッパ化学工学評議会とリン酸工業協会の主催する団体)の分析によると、過去のリン消費量の伸び率に従い,リン酸肥料の消費が年間3%ずつ増加すると仮定すると,2060年代には現在の約5倍の年間消費量2億トンを超えてしまい,経済的に採掘できるリン鉱石はすべて枯渇するともいう。

しかし、この予想は以下の理由により現実的ではないともいう。

2.さらに先進国では,屎尿からの肥料のリサイクルが改善され,リン酸肥料添加の必要性が減少すると考えられる。
3.土壌肥沃度の改善が必要な発展途上国では,おそらく30~50年の間に,農作物が必要とするリン酸量の30~50%増しのリン酸を供給する必要がある。その後は,肥沃度が改善された土壌状態を維持する必要性がある。
4.土壌中のリン酸濃度を維持しなければならないその他の国々では,農作物に取り込まれるリン酸量の10~30%増しのリン酸を添加する必要がある。

これらの条件を加味して考えると,21世紀初頭(2010~15年)まで年間2.8%ずつ増加し,その後の伸び率はゆっくりとなるとするのが現実的と考えられています。
これによると,60~70年以内には現在世界で経済的に利用されているリン資源の半分が消費されることになります。

しかしこの時点でリン資源の半分が残ると言っても安心はできません。
それはリン鉱石中のリン酸含有量が10年で約1%ずつ低下すると言われているからです。
60~70年後には低下したリン含量とは裏腹にカドミウムや放射性化合物などの不純物の含量が上がり,その除去コストが増加します。
また,副産物であるジプサムの処理コストもかさみます。

いずれにしても、総ての天然資源は有限であり、後世の人達は大変です。
そのうち、リサイクルで100%賄うか、地球外に求めるしかなくなるはずです。





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Last updated  2010.12.08 05:58:37
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