太田典生の「毎朝1話」良い話のおすそ分け

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2015.03.22
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誰もが避けることのできない老い。
身体の機能が衰え、社会とのつながりも薄れていく中、85歳以上の超高齢者たちは、老いをありのままに受け入れ、心の内面を充実させることで、幸福感を高めていることが、100歳以上の百寿者を対象とした調査などからわかってきた。
「老年的超越」と呼ばれ、注目を集めています。

聖路加国際メディカルセンター理事長の日野原重明医学博士は103歳で現役、「100歳は当たり前。最低限度です」と言って胸を張る。
1993年にはわずか153人だった100歳以上の百寿者は、98年には1万人を突破し、2014年敬老の日には5万8820人に達している。

車イスの生活が多い百寿者は、老いや身体的衰え、死に対しどう向き合っているのか?
最近の研究では、百寿者の多くが多幸感を感じる『老年的超越』と呼ばれる豊かな精神世界を生きていることが明らかになってきた。
「100歳は当たり前」と日野原博士が語るように、この豊かな精神世界に入ってから迎えるのが人間本来の寿命なのかもしれない?

大阪大学人間科学部の権藤恭之准教授が注目したのは、1年に3千~4千人のペースで増加を続ける百寿者の意識だ。

15年前から70代~100歳以上の高齢者1500人以上から聞き取り調査を行い、「今の生活に不満はないか」など75項目の質問から老年期の幸福感の変化を探った。

そこから分かってきたことは、80歳を境にして、身体機能の衰えが目立つ半面、今の生活を積極的に受け入れるポジティブの感情が芽生え強くなっていく傾向があったことだ。
なかでも、多くの百寿者がありとあらゆることに幸せを感じる多幸感「老年的超越」を持っていることが分かった。

・家族と離れ、東京都内の老人ホームで暮らす110歳の日高さんは、3年前から車イスの生活で週に1度しか外出できなくなった今も、ふさぎ込むこともなく「毎日幸せを感じている」という。
「東京五輪を楽しみにしているのよね、行きたいし、出ます」という元気の良い答えが返ってくる。

・3か月前まで散歩を日課にしていた105歳の足立さんは、足腰の痛みで一人での外出が難しくなり、ベッドで寝て過ごすことが多くなったが、多幸感を感じている一人だ。
「戻るとしたら何歳ぐらいに戻りたいですか」という質問にも、「現在のままでいいです」という。
「自分の生活に満足していますか」にも「ハイ、大満足。今が大変幸せです」と答える。
15年前に妻を亡くしてから近所付き合いもなくなったが、必ずしも孤立感を深めているわけではないという。
「周りの方、事物の一切のもののおかげを受けていると思います。
このように生きさせてもらって不思議ですなあ。感謝感激です」と語る。


「自然のままに生きる。自然が一番。
思い出したり、忘れたりの繰り返しで、今は忘れることが多くなりました。
年はとりたくないが、それも自然のなすこと」と、生前、長寿の秘訣として「自然体」を強調していた。
「ありがとう。みなさんのお陰で呼吸を続けています」と、ユーモアと周囲への感謝の言葉を忘れなかった。

これが老年的超越と呼ばれるものなのだろう。


慶應大学百寿総合研究センターの広瀬信義医師は、
「長生きをされている方は幸せな方が多いのは確かです。
ただ、私がお会いした105歳の北海道の方は、施設の方が非常に良いケアをされていたんですが、『やることがなくて、一日中寝ていてとても不幸だ』と話されていた。
そういう例もありますが、全体として見ると幸福だと言われる人が多いですね。

その理由として、私なりに考えると、達成感があるのではないかと思います。
主観的幸福感を考える前に、その方がちゃんとした環境で生活されているかが非常に大切だと思います。
私がお会いしたなかで、独りぼっちで生活されている方がいましたが、『幸せですか』と聞いたら『まあまあです』と言われた。
しかし、端からはあまり良いようには見えません。
ある程度の環境が整ったところで幸せかどうかを調べる必要がありますね」と語る。

東京都健康長寿医療センター研究所の増井幸恵さんは、日本人の老年的超越について調べ、
・生と死を近く感じる
・先祖とのつながりを感じる
・自然体で生きる
・周囲へ感謝の気持ちを持つ
・内面への意識が高まる――などの特徴を明らかにした。

27の質問で70~90歳代の2200人の老年的超越の度合いを調べたところ、70、80、90歳代と年齢を重ねた人ほど高くなることがわかった。
本人の健康状態はあまり関係なく、女性の方が老年的超越の度合いが高かった。
「一人でいることの良い面に注目できる」「見えを張らない」「無理をしない」という傾向のある人ほど、身体の機能が低下しても幸福感を高く保てる傾向があった。

増井さんは「元々の性格もあるが、『老年的超越』は高齢になると誰もが経験する心の変化で、老いを受け止める準備なのではないか」と推測する。

高齢者の幸福感については、「健康状態を保ち、社会貢献的な活動を維持することが幸せな老いにつながる」という考えが欧米を中心に主流だった。
しかし、増井さんは「元気な60~70歳代と80~90歳代では、幸せが違うのではないか」と指摘。
(第1次の老いを乗り越えればご褒美が?)

「老老介護が増えているが、90歳代の親に『生涯現役』の価値観を押しつけて、頑張らせ過ぎないことが大切。
一人で思索できる時間を作ってあげることも必要」と助言する。





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Last updated  2015.03.22 05:28:33
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