小村和也の建築家日記

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2004/01/07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
安藤が私に語ってくれたことで、とても印象深い言葉がある。

「目の前にある仕事は小さな仕事かもしれない。しかし、その向こ
う側にあるものを深く見つめていったら、物件の大きい小さいとい
うことは関係ないことが分かるだろう。」
「小さな住宅でも地域の風景となる。施主のものであると同時に地
域のものだ。だから、両面を見据えて設計していかなければいけな
い。」

「常に、今見えている向こう側を見つめて行くんだ!」

安藤は現在、フランスで、アメリカで、ドイツで、その街の原風

な世界が見えているのだろう。

別れの日がやってきた。

建築士会の安藤忠雄講演会を私が企画し責任者として行なった。
全国から人が集まった。
800席のホールは満席となり、参加者は安藤節に酔いしれた。

講演会は終わった。

その日の内に夜行で大阪へ帰る予定となっている。

駅まで送る車の中で安藤の思わぬ言葉を聞いた。

「もう建築家はしないのか?」
なぜこのような問いかけをされたのか分からなかった。
正直に答えた。

なるかもしれません。」

その日を境に、私は安藤との思い出を封印した。

その夜、私は泣いた。そして言い聞かせた。「これでいいんだ。」

その後、20年後の再会を果たすまで安藤事務所へ赴くことはなかった。

続く





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Last updated  2004/01/07 12:30:06 PM
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