小村和也の建築家日記

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カテゴリ: カテゴリ未分類
真実を見つめる思考

決して表面的な理論理窟の話ではなく、出来事の中でその決断は常に
迫られている。人生は2進法で進んでいくものなのだろう。つまり
右か左かの選択だ。

「ま~ま~」とか、「中道を行く」とかは曖昧ではっきり言って生きて
いる価値なしだ。中庸的思考というのであれば分からなくもない。
それは思考の深まりのなかでの意識の広がりを意味することだからだ。

昨年完成した社会福祉法人の授産施設の理事長の決断と実行力には目
を見張るものがあった。施設もつつがなく動いているので、そろそろ


最初の設計者は私ではなかった。建設委員会も1年あまりも開催され
てきて、私は遠くの聴衆に過ぎない存在だったのだが、いきなり設計
者交代!コムースに任せる!

ちょっとまってください!と拒否したのは言うまでもない。
それはある日曜日の午後4時ごろであった。今から会いたいというこ
とで指定された場所に出向いた。そこでいきなり言われたのがこれだ
った。それから月曜日の朝方まで延々数時間語り明かした。思いのす
べてが理解でき、私はすべてを心の中に封印し、私に浴びせられるで
あろう誹謗中傷に対する覚悟を決めた。案の定、建設委員会からの反発
は相当なものだった。今だから言えるが、ある建設委員から陰口では
なく直接にとんでもないことを言われたものだった。


とができた。前の設計者との信頼関係を損ねてはいけないという真摯
な感情であったり、新たな設計者たる私がどんな奴なのか不安だ!と
いう感情は最もなことだと思った。

今になって、おそらく、コムースでほんとうによかったな、と思って
もらえていると思う。


ないものがあり、政府がこういう指針をだしてきており、その延長に
あるのはこういうことだ!というような検証は誰でもできることだ。
その深まりの中にいかに入り込もうと、2進法で言うところの入口を
そもそも間違えているのだ。

理事長の決断はそこにあった。振り出しにもどり、本来あるべき入口
に入りなおしたのだ。私を見方につけたのではない。真実を共有でき
る人間として選ばれたのだろうと感じた。

数時間の理事長からの話の中に真実を感じ取ることができた。表面的な
誹謗中傷などとるに足りないことで、問題は、この真実をいかにみんなで
共有できるかにかかっていた。つまり理事長と私と二人で強行突破する
ためのスクラムを組んだのではない。真実を感じ取ってもらうための働
きかけをいかにできるかということであった。

その後、数ヶ月の作業の中で、いつしか紐はほぐれ、ついには天神に
その姿を現すこととなった。


今、それと同じようなことが起きようとしている。もちろん設計者交代
などという特別な状態はないが、これからの社会福祉を見据えたなかで
の複合福祉施設の創出作業の真っ最中だ。理事長(経営者)とその他の
方々の意見が必ずしも一致しているわけではない。私の役割は、今ここ
での真実は何かを深くかみ締め、それを関係者一同が共有できる状態に
することだ。

単なる設計士ならそこまではやらないだろう。理事長の言われるがまま
に図面を書けばよい。しかし私は建築家だ。ことによれば理事長にも物
申す。それが誠心誠意というものだし、職制をまっとうすることだ。

社会福祉法が大きく様変わりしている。地方自治体の担当者も掴みきっ
ていない。まさしく過渡期だ。しかし大切なのは、国の法律的な指針が
どうあろうと、本来、老人福祉はどうあるべきか!という経営観で考察
していくことがもっとも大切なことだ。

おそらく、経営観のない状態でつくられてきた従来の社会福祉施設は、
いわゆる民間企業で言うところの「倒産」が出てくるだろう。それだけ
法律は様変わりしようとしている。

以前の福祉施設は、建設費はほとんど補助金でまかなわれていた。しかし、
実際の運営は、必ずしも顧客(施設利用の老人)のためのものであった
ろうか。しかも運営が汲々としているのではないのか。

などと、以前の設計事務所時代から結構老人福祉施設を手がけてきてい
る中で、常に感じてきたことだ。経営観のないお飾りの理事長が多いのも
不幸なことだ。

昨年完成した授産施設、現在計画中の複合福祉施設の理事長には同じ臭
い(思い)を感じる。お二人とも真の経営者であり、「主人公は利用者だ」
という精神だ。至極当たり前のことなのだが、多くの社会福祉法人は果
たしてそうだろうかと思えてならない。

どの職業でも同じだが、これから将来にわたっての真実を見据えること
が大切だ。常に根本義を立ち位置にして生きていかなければならない。






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Last updated  2006/02/25 03:15:57 PM
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