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2017.12.22
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カテゴリ: 探訪 [再録]
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富川磨崖仏の全景です。場所は滋賀県大津市大石富川町 。​ 地図(Mapion)はこちらをご覧ください。

JR琵琶湖線石山駅からだと車で30分くらい南に進んだ距離です。瀬田川沿いに国道422号線をドライブし、鹿跳橋を渡り約3km進んだあたりです。県立ライフル射撃場の少し先になります。

この磨崖仏を訪ねた時(2014年5月)にまとめたものを再録しご紹介します。 (再録理由は付記にて)
かなり以前に大石地区に磨崖仏があることを知り、一度探訪してみたいと思っていました。宇治市内に住んでいますので、天ヶ瀬ダム経由で瀬田川沿いに府道3号線を通り、鹿跳橋に至ります。そこから橋を渡り、国道422号線に入ります。

進行方向にこの標識が見えます。

その少し先に国道から分岐し左折で川の方に向かう道があります。
その分岐点に、「岩屋耳不動尊」の石標が建てられていて、「富川磨崖仏」案内説明板も傍に建てられています。





左折して坂道を進み、 信楽川に架かる岩屋不動橋を渡ります 。橋の標識の傍に石仏が置かれています。
 橋を渡った傍からふり返るとこんな感じです。


渡ったところに、 勢多川漁業協同組合の事務所建物があります 。川釣りをするにはここでの手続きが要るようです。かなりの車が駐められる広場があります。磨崖仏を拝見に行くのでと断って、広場に駐めさせてもらいました。自由に利用できました。

事務所の傍には 当協同組合寄贈碑と供養塔や石仏など を安置した一角があります。

広場の奥に山道があります。



こんな感じの山道を5分ほど登ると冒頭の磨崖仏全景が見えるのです。




磨崖仏に至る一段下の斜面には、石仏が数体安置されています。
地蔵尊と阿弥陀仏のようです。



そして、 (とみかわまがいぶつ) が刻まれている のです。正式には 「阿弥陀三尊不動明王磨崖仏」 と称されています。


磨崖仏の手前にある礼拝所の左奥に、この 駒札 があります。
かつてはこのあたりに義淵による開基と伝わる岩屋不動院明王寺があったそうです。



岩壁のほぼ中央に、高さ約4mの阿弥陀如来坐像が刻されています。
そして、両脇に観音・勢至菩薩立像が配されています。




向かって右には観音菩薩立像が刻されています。


向かって左には勢至菩薩立像が刻されています

右方の低い岩壁には 「応安二年」(1369)の刻銘 があります。この年号は、 南北朝時代の半ば にあたります。そのころに磨崖仏が既に刻されていたことを物語っていることになりますね。


また、 勢至菩薩立像の左下方には不動明王立像が刻まれています。

俗に「耳だれ不動」と呼ばれる のは、阿弥陀如来坐像の「耳穴付近の岩の割れ目から地下水(鉱水)がにじみ出て、あたかも耳だれのようにみえることから」だとか。「病気を、人にかわって一身に引き受け、耳の病に霊験があるとされ、広く人びとの信仰を集めている」 (資料1) のです。


礼拝所の傍に、この石塔が置かれています。五輪塔の残欠のような印象を受けます。



磨崖仏に向かって、右方向の少し離れた位置に、 覆屋のある小祠 が祀られています。
「長島大明神」 と記された横長の額が覆屋に掛けられています。 傍に「奉納長島水神」 と見えますので、 水の神様が祀られているということでしょう。

ここの岩壁の岩は厚板状に剥離するのでしょうか。人為的な加工でしょうか・・・。

公共交通手段の利用では少し不便な立地ですが、車を使うと磨崖仏そのものへのアプローチはわずか5分ほど、整備された山道を登るだけですので、一見の価値がある磨崖仏だと思います。

ご一読ありがとうございます。

参照資料
1) 『滋賀県の歴史散歩 上』 滋賀県歴史散歩編集委員会編  山川出版社

【 付記 】 
「遊心六中記」と題しブログを開設していた「eo blog」が2017.3.31で終了しました。
ある日、ある場所を探訪したときの記録です。私の記憶の引き出しを維持したいという目的でこちらに適宜再録を続けています。
再録を兼ねた探訪記等のご紹介です。再読して適宜修正加筆、再編集も加えています。
少しはお役に立つかも・・・・・。他の記録もご一読いただけるとうれしいです。

補遺
磨崖仏 ​ :ウィキペディア
義淵 ​  :ウィキペディア
水神 ​  :ウィキペディア

ネット検索で得た滋賀県下の磨崖仏具体例
 狛坂磨崖仏はかなり以前に訪れたことがあります。それ以外は、いつか探訪してみたいなと思っています。
 ​ 狛坂磨崖仏 ​  :「滋賀県観光情報」
 ​ 仙禅寺跡磨崖仏 ​  :「じゃらん観光ガイド」
妙光寺山磨崖仏 ​  :「じゃらん観光ガイド」
 ​ 車谷不動磨崖仏 ​ :「近江石仏巡り」
 ​ 岩根不動寺不動磨崖仏 ​  :「石造美術紀行」
 ​ 磨崖不動明王尊 滋賀県湖南市岩根山(花園地区) ​ :YouTube
 ​ 多羅尾磨崖仏 ​  :「お寺の風景と陶芸」
 ​ 黒山二体地蔵磨崖仏 ​  :「石仏」

   ネットに情報を掲載された皆様に感謝!

(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれません。
その節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。
その点、ご寛恕ください。)
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Last updated  2017.12.22 15:00:11コメント(0) | コメントを書く


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