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オーダーメイド殺人クラブ (集英社文庫(日本)) [ 辻村 深月 ]
【中古】オーダーメイド殺人クラブ / 辻村深月
借りたのはハードカバーの方です。
なぜ孔雀…
先日電車に乗ったのですが、
向かい側の座席の女子高生が
辻村深月さんの他の作品を読んでいました。
お名前は耳にするものの、
読んだことはないなぁと思い図書館で探し、
タイトルに惹かれてこちらを借りました。
◆◆◆
中学二年のアンは、友人や母親、副担任との
関係がうまくいっていない中、
隣の席の徳川がネズミの死骸の入った袋を
蹴っているところを目撃、
彼に『少年A』の素質ありとみて
自分の殺害を依頼します。
徳川と計画を練りながら、
自分が死体の損壊に興味を覚えることに気づき
殺害時のシチュエーションなどを考え
東京の貸しスタジオで撮影会をすることに。
その日に運悪く、友人の元彼と別の友人が
デートしているところを目撃してしまい、
それを元カノの方に伝えなかったことで
修復しかけていた友人関係が更に悪化、
元カノの方の友人が狂言のような
自殺未遂をしてしまったことで、
目指していた「人々の記憶に残るような」
死に方ができなくなってしまったと嘆きます。
徳川に「本当に死ぬ気ある?」と
馬鹿にされながらも、決行日を決め
準備と心構えをしたアンですが、
肝心の決行日に遅刻してきた徳川が
アンを殺せない、と。
父の再婚に妹が反対しているから、と。
死ねなかったアンは疎外感を覚えながら
中学を卒業し、クラスメイトが進学しない
高校へ行きます。
最後の数ページ、大学進学のために
荷造りをする場面で、友人たちと仲直りし
馬鹿にしていた母のことを見直すように
なったことがわかります。
そして徳川が、アンが殺害を依頼する前から
アンのことが好きだったことを
中学卒業前に別の友人から聞かされました。
殺害計画についてまとめていたノートの余りに
アンが憧れていた写真集の模写が描かれ、
そのうちの1つがアンをモデルに
描き替えられているのを渡されます。
徳川と大学でも交流しようと声をかけて
物語は終わります。
◆◆◆
読んですぐまとめなかった+返却が迫っていて
うまくまとめられませんでした…
アンは、『赤毛のアン』が好きな母に
つけられた名前で、母のカントリー趣味に
辟易としていました。
「え、中学二年生の女子は母を馬鹿にする…?」
と読みながら震えました。
アンは一応スクールカーストの上位ですが
一番上が「元カノ」の子で、
彼女に割と振り回されていてかわいそうな面も。
「うちらの学年、すぐ付き合ったり別れたり…」
「今回一番長かったけど、3ヶ月しか…」
などと書かれていて、これも震えました。
というか震えっぱなしでした。(^-^;
舞台は長野県上田市なのですが、
友人や恋人と東京まで遊びに行くとか…!
中学生の頃の私は… 彼氏もいませんでしたが、
せいぜい市内の駅付近の栄えているお店に
行く程度でしたね。(市内でも田舎在住)
京都府北部でしたから、要は京都や大阪に
行くようなものでしょう。
…交通費だけで相当かかりますけど!
ちなみに2009年頃に書かれたので
まだガラケーだったでしょうし
北陸新幹線は開通していません。
中学生の頃に死にたくなる気持ちはわかります。
グロテスクなものに興味を抱くのも、
周りと違う自分を誤魔化すのも。
「元カノ」が「元彼」と別れたのは、
音楽教師(女性、33歳)をからかう「元彼」を
音楽教師が叱ったところ、泣いたからです。
音楽準備室でその後の指導を行ったのですが
音楽教師が「元彼」のことを好きなんじゃ、
なんて疑いだす子供達。笑
大人目線で読むとありえないんですけどね…
音楽教師はこの学校出身で、恩師である
徳川父に憧れているのがわかるのですが。
徳川父はこの音楽教師と交際しており
後に再婚します。
徳川が音楽教師と家の近くで一緒にいるのを
目撃したアンは、二人が付き合っているのかと
疑うのですが…義母(予定)です(^-^;
最近は不祥事を起こす教師もいるので
「絶対にない」とは言い切れませんが
中2男子との将来は描けませんよ…
途中にいろんな事件の描写があり
実際に起きた事件の細部が変更されていました。
この本が発行されて以降も、
残虐な少年犯罪は起きていますが
発生当時はショッキングだったニュースも
やはり忘れられてしまうので
アンが計画した通りに殺されたとしても
きっと同じことになっていたでしょうね…
もっとといろいろ思った気がしますが
娘に「図書館行くよ」と急かされているので
この辺で… 思い出したらまた…
***
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