泡雪の日記

泡雪の日記

2004年05月08日
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最近美味しい物を考えていたら、良く母の料理を思い出す。


一時、料理の作れない若い子が、テレビの主役になってた時代がある。

あれは、笑い事じゃない悲しい事だと思った。

料理は、教える物でなく、手伝いながら、見よう見まねで覚える。

わたしは、包丁を握り始めたのは、小学校3年の頃。
最後のお手伝いさんが、年寄りで、
美味しい煮物を作ってくれた。

我が家に無い味。


とっても、美味しかった。
でもどうして、最後のお手伝いさんに成ってしまったのか。

美味しいと言ったら、3日続けて、同じ料理を出した。
子供は、社会を知らないから、本人に言えなくて、残酷な事をした。

親に、「もうお手伝いさん要らない。
同じ物三日食べさせられたら、辛い。」
と言った。
そして、我が家から、お手伝いさんが居なくなった。
今、考えると、当時のお手伝いさんは、住み込みで、家族の一員。
年取った、老婆に気の毒な事をしたと思うが・・・。

母親は、当時では珍しく、深夜2時3時まで、開けている店を始めた。


全自動洗濯機の無い時代。
冬に学校に行く時に、パシ~ンと凍った、シ~ツが頬に当ると、嫌でも親の苦労を感じる。

見よう見まねで、3日に一度は、食事を作るようになった。

ママの味。
我が家は、パパ、ママだった。



大学で、兄が表で、キチンと、「家のお袋」と言っているのが妙におかしかった。

私も表では、「家の母」がと言って居たが、家では死ぬまで、パパとママ。

その、兄にとっても忘れられない「ママの味」がある。

我が家では、通称『肉団子』

団子の形をしたものではない。
子供の多い我が家で、母が編み出した、肉団子の材料を使った、いため料理。

材料は、玉ねぎ、一個、と豚引き200グラム。

玉ねぎをみじん切りにする。
中華なべに油をしき、

にんにく2片、叩いて、刻んだものを投げ入れる。
色づいたところで、玉ねぎを先に入れる。
透き通ってきたら、豚引きを入れる。

いため返しで、肉を玉ねぎと満遍なく細かくすると、肉が白くなる。

ここで、大切なのが、我が家の基本。
塩壷に入れられた、スプ~ンの加減を教えてもらう。

小さじ2はいくらいなのだろか?
計量スプ~んの量がわからない。

カレ~スプ~ンの先に、一センチ程。
好みで、コショウ少々。

香りづけに、醤油をヒトまわし。

肉と玉ねぎから、出た水分を
水溶き片栗粉で閉じる。

これが、温かいご飯にたまらなく美味しかった。
当時は、流行の味の素を少々使ったが、今は変わりに味の素の2倍ぐらいの砂糖を忍ばせるのがいいと思う。

これが、我が家の味のべ~ス。
つまり、食材に対して、どれ位の塩加減が端的に覚えられた。片栗粉の適度な量もこれで覚える。

片栗粉は、食材を繋ぐ位で、ちょうど良い。汁だけが固まるほど入れたら不味い。具が絡み合う程度が良い。

醤油も香り付けで、主調させると、別物になる。

この料理は、年を取ってから、母は作らなくなって、少し違う肉団子が登場した。

玉ねぎひき肉は同じだが、中華材料で売っている、醤油豆なるものを混ぜ込み、蒸かす。

これも、好評だったが、兄は、子供の頃に食べた味が懐かしいらしい。

嫁さんに作らせようとするのだが、兄の記憶と違うらしい。

そこで、「私は、何故嫁さんに教えないのか?」
けして、小姑の意地悪で教えないわけではない。

我が家の料理は、16歳で故郷を離れた父の記憶の味を母が推理で再現しながら、オリジナルが出来てきた。
その為に美味しい料理屋があると、家族で出かけた。
父の記憶がべ~ス有って、我が家の料理が出来上がる。


夫婦で、お互いに、こうじゃない、ああじゃないと言いながら、家庭の味を作っていけばいいのだ。
だから、兄の好きな味のレシピは教えない事にした。
知ってしまえば、簡単な事。
謎解きの作業が色んな家庭の味を生み出す。


継母は日本人だ。
日本料理は、しっかりしていた。
わたしの小学校の頃の得意はなんと、小魚の煮しめ。

小あじを骨まで柔らかく煮あげる。
時間をかければ、誰でも出来る。

魚料理は、煮こぼし、臭み取りの生姜。

後は、甘みと醤油の加減のバランスを、鼻で覚える。
先に、甘みを入れ、後から醤油。
醤油のタイミングで、煮崩れを防げる。
早すぎると、やわらかく上がらない。
後は、水の量。
煮詰まって、丁度良い味に仕上げるには、醤油や砂糖の量よりよりも、味の香りバランスを覚えると失敗が無い。

途中ゆっくりと、コトコト煮て、最後は、強火で一気に水を飛ばし、汁を絡める。

子供の頃から、好みは砂糖の味より、酒とみりんを多く使った。
最近お店屋の味は、煮物は砂糖を多く使うのが普通みたいで、お口に合わない。

みりんは最後に照りを出す為だけに入れる場合が多い。

母の煮物は、みりんも酒も使うが私より砂糖の割合が多い。
料理は、鼻で覚える。

小学校の頃に最低限の塩加減、を覚えさせると、他のバランスが判りやすいと思う。

テレビで子供には広めのまな板が使いやすいとか、子供に使いやすい包丁とか言って居るのが笑える。

手を猫の手とか教えているが、台所の傍に立たせていれば、自然と覚える物だ。
何度か、皮を削ぎ、つめを包丁削り、冷っとしながら、体で覚える。そうそう斬る物じゃない。

漬けすぎたキュウリは、透けるほど薄切り。
生姜や、ミョウガと合わせると美味しい。
小学生でも、見ていれば出来る直ぐできる。

これは、自慢で話しているのではない。
中国で、留学中、心に残る1件が有った。

私達日本で生まれた人間には、外国の料理は、3ヶ月以上体が持たなくなる。

日本みたいに、色んな料理が選べる国は珍しい。
嫌でも、自分で作らなくては成らなくなる。
現地の材料で。

そうした中で、ある日。
牛テ~ルのス~プを作った。

細かい毛を焼いて落とす事が判らなかった。
日本と違って、尾っぽ一本売り。
男の子の髭剃り、刃を新しくして全員で細かい毛を落とした。

皆で苦労して、塩加減も決まり、程よくなった頃。

「コショウ入れておいて。」
と頼んだ。

後ろから。
『多めに出ちゃったけれど、どれくらい入れるの?』

「適当、少しくらい多くても、コショウは飛ぶから、気にしないで・・・。」

次の瞬間鍋を覗くと・・・・。
鍋の表面が黒い。
「エ・・・?????」

「多いって、どれほど入れたの?」
男の子は、手のひらに山を描いて見せた。

信じられない・・・。
ス~プは薄くなっても、仕方ない。
上質な油が・・・・。
なんて問題ではなかった。
洗っても、コビリツイタ、コショウの味は抜けることは無かった。

泣く泣く捨てた。
何時間の苦労が水の泡。

日常、コショウを振りかけて、どんな感覚かわかっていれば、限度って物わかるでしょう?

これは、男の子でも、女の子でも、普段ある程度は、料理の現場を見せてあげて欲しいという、私の願いだ。

家庭の塩加減。
私の家では、男子厨房に入らず。で、男は余り入れなかった。
それで、ママの味のレシピを知らない。
しかし、しっかり、味バランスは舌で覚えている。

時々、父が作りたがって、台所をひっくり返したようになって居たが、お願いだから辞めてと後片付けに懲りた母が頼んだ。

兄も、自分で作りたがって、野菜スティックなど、包丁技を親の居ない時、楽しんでいた。





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最終更新日  2004年05月08日 23時28分09秒
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