泡雪の日記

泡雪の日記

2004年09月08日
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今日は、朝から、芥川龍之介の作品を読んでいた。

経歴と河童の全文を読んだだけで、書いた。

それ故、彼の自殺の意図が、「漠然とした不安。」
母親の精神疾患。
自分も狂ってしまうかの、恐怖。

この3点だけで、判ったかのような事を書いた。
ダイソーの芥川シリーズ、3巻全部読み終えた。

特に好きだったのは、「侏儒の言葉」天才や~と思わせた。


今日は「歯車」から読み始めた。
1・2・3巻あるが、わたしは、気が向いたタイトルから拾って読む。

今日全て読み終わって、彼は既に恐れを超えて、発病していた。
「死か発狂」か2者択一しかなかった。
この時代、入院は生きながらこの世を去ることを意味していた。死までの生きた屍の収容所だった。
狂人が戻る事は殆ど無かった。

わたしは、この2年ほど、分裂病の薬を試している。
6年ほど前、極度の緊張状態で、精神科の門を叩いて、薬を服用する、間に分裂病の症状、幻覚・幻視・妄想(ありえないと言う意味で)を体験するようになる。

その恐怖の体験は、体験した物にしかわからないと思う。
「歯車」には、その状態がつぶさに描かれている。

以前、私には精神科と言えば、常識から考えて「異常であるか・正常か?」と言う認識しかなかった。



私の場合、私のみならず、傍に居る他人も、同時に巻き込まれる事がある。(同時にこの世ならぬものを見る。)
他人は私から離れると、元に世界の時間に帰れる。

正常か・異常かはどうでも良く成って、このミステリーワールドから、抜け出す道を探す。

芥川龍之介が自分と似ていると思ったのは、幽霊のような、
怖い物を見ないところ。


河童と言う作品には正常な人から見たら、「こう見えるだろう」世界を描いている客観が凄い。
狂人で無い状態を保つのには、「現実と河童の世界」を分けて生きる冷静さが必要。

近年、良い薬が開発されて、幸いにも、私は「発狂」を免れた。

分裂症状自体が起きても、日常を過ごせれば、それほど怖い物ではない。
が、耐え切れずに発狂しそうになる。

「この違いは説明に難しい。」
が、日常他人と平穏に暮らせれば問題が無い。
が、最後「自分」を維持するのに限界を感じると「狂人」の世界に入ってしまう。
≪恐怖≫と戦う精神力の勝負かもしれない。

現在は、薬で、大脳を休ませる薬がある。
神経の情報伝達物質(ドーパミン)をブロックして、思考停止させてしまう。

充分大脳を休養させるのに、死ななくても良くなった。
薬が切れれば、「正常な思考回路」を取り戻せる。

若干の幻覚「芥川龍之介の場合、透明な歯車が見える。」
や、「不思議な偶然の重なりのタイミング」を、現代は眠って外していく事が出来る。

≪偶然は不思議と偶然を呼び≫、現実の世界に摩訶不思議な世界を見せられる事がある。

不思議な出来事を体験する事は必ずしも異常ではない。

これらの薬は、麻薬中毒患者の脳の解剖から、ドーパミンを
ブロックする薬が開発された。

世の中、シンナーやアルコール・薬中毒の人は世間の「クズ」のように言われるが、そうした人が居たお陰で、病人を助ける薬が開発されたのは、世の中生きている人に無駄な人生は無い。と感じさせる。

あの時代、未だ、薬は開発されて居ない。
睡眠薬がせいぜい。
「睡眠薬では脳は完全には休まない。」

今日。全巻読み終わって、芥川龍之介にラブレターを書こうとしたが・・・・・。

店じまいの呉服屋で、(最近和裁に興味を持っている。)
反物を物色した帰りの喫茶店で・・・・。

やっと、タイトルに繋がる。
振りが長くて、時々着地しないまま持ち越すのが泡雪の悪い癖。

≪漫画のような人生の一こま。≫

今日は、アイスコーヒーに百円足して、「アイスマロン・某」なるものを注文。
おまけに、果物の載った、ケーキを注文。
なわけで、プラスチックのトレイに乗せて席に向かった。

席の近くに成って、何故か片手で持っていたトレイが傾いた。

トレイの上の大きなグラスが面白いように、倒れた。
スローモーションのように、壁際に座ったご夫人に肩から浴びせかけた。

グラスの飲み物が綺麗に無くなるまで、私は固まっていた、
浴びせかけられたご夫人の顔もまた、思いっきり嫌な顔(当たり前だ)の後、憎憎しげに「なんて奴だ~!」と下から斜めに私を見上げたまま固まっている。

全て流れ落ちるまで、二人とも動きを失っていた。

カラに成った、グラスを建て直し、トレイは綺麗なまま、コップの口がはみ出した形で倒れ、こぼれて居たのだ。

テーブルに荷物とトレイを置き、店のカウンターに走った。
店の人が乾いたタオルを持って飛び出したのだが、
私はもう一枚濡れたタオルを絞ってもらった。

アイスコーヒーなら、茶色いシミが激しく残っただろうが、
肩に浴びたのは黒いティーシャツ。
グレーのズボンに濡れたタオルで、当てるも、不思議と茶色に染まらない。
私は「申し訳ございません。」と勤めて、腰から足元に濡れタオルを当てた。シミを抜くつもりだった。
「冷たくありませんか?なにか新しいものを買ってきましょうか?」とズボンのすそにタオルを当てながら尋ねた。

そのご夫人に、私が飲み物を浴びせていた時の険しい顔はもう無かった。

『拭いてくださったから、もう結構ですよ。帰って直洗いますから。』
『滑りやすいですからね。私もいつしてしまうかわかりませんから。』と穏やかに答えた。

座っていた座席は、勿論床までビショビショ。
店の人が席を移動するように薦め,私の隣に席を取り、御夫人は残りのアイスコーヒーゆっくりを飲んだ。

「人生滅多に無い出来事で。私も驚きました。」
「なんと、お詫びしてよいやら。」

私は、お詫びの気持ちを何とか示そうと、途中買った、ぶどうを勧めた。軽く遠慮せれた。
勿論ごり押ししない。

席を立つ時、その女性の方も買い物袋を沢山持っていた。
せめて、お詫びにとテーブルの上のものを運ぼうとすると、丁度居合わせた、店の人が下げてくれた。
最後にもう一度お詫び申し上げた。

生きているといろんな事に出会う。
こんな馬鹿馬鹿しい、普段ありえない一こま。
偶然おきる事故、偶然出くわす出来事に、落ち着いてお互い対処できれば、
(被害者の彼女はついてない一日と思わないでくれれば、と加害者の私は祈る。)

私の周りは「どうしてこんなに良い人ばかりなのだ?」
と出会う人に恵まれる事に幸せを感じる。

不思議な出来事、偶然もそれほど怖いものではない。
病的な時には、出来事の側面を不幸な事と重ね会わせる。

幸せな時にも、不幸な時にも、時々の「偶然は偶然。」

出来事をあんまり、関連つけて考えない方が健全に過ごせる事を思い出した。

人間の一生を、運命付けると、予想と違った答えはそれほど出無いと思う。

わたしは、最近流行の「必然的なものの考え方」に注意を促したい。

「人生は掘り下げるより、何が有るか明日を眺める勇気。」
狂ったら狂ったらでよい。
狂った人生も味わうが良し。

そして、潔く死ぬも良し。
どちらも自分の選び。
と芥川先生に思う。
その時に成らないと判らないが、私にも似た思いがある。
この次、癌を発症したら、延命行為(治療?)はしないと決心している。
助かる見込みが強ければ、手術するかも。

芥川作品にふれたことの無い人に、伝えた置きたい事がある。
芥川龍之介は、「自殺願望型」でも。「厭世家」の人間では無かったこと。
それでも、自殺を選ばねば成らない理由が時としてある。

芥川龍之介は、体の枯れるまで、種を落とした。
死神に追いつかれないよう、最後まで一生懸命走った。
最後、追いつかれた。
彼は、「敗北」と悔しがった。
悔いの無い様、力(意識の確かの間に)尽きるまで種を残した。

文章を書き始めて、2年しか経たない私に、

「私は芥川に成る。」と思わせた。(ゴッホになると言った方の真似。)
種を沢山蒔いて、この世を去った。
そして、其の種が芽生える事を信じて、この世を去った。

≪眠りは死よりも愉快である。少なくとも容易には違いあるまい。≫

龍之介にとって、「自殺は容易」ではなかった。
脳が枯れなければ、
もし体の一部が先に枯れるぐらいでは、死ぬ理由にはならなかったと思う。

死を賛美する自殺願望者と一緒にして欲しくない。

「芥川になる。」
三日坊主の私がこの気持ちを持ち続ける事は奇跡に近いが、
一瞬でもそう思わせる、確かなものをこの世に残している。


現在は、死ななくても脳の休めるかなり良い薬がある。

「人生はあけて見なければ判らないキャンディーボックス。」
フォレスト・ガンプ見たいな人生の眺め方をお勧めしたい。





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最終更新日  2004年09月08日 18時14分12秒
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