突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.01.20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 何はともあれ、アルデバランに、兄といっしょに仕事をしたい、そのために強くなりたい、という気持ちがあるのは嬉しかった。
 アルデバランにはどんな武器がいいだろう、と考えると、自分のことのようにわくわくした。
 もっとも、アルクトゥールスには武器のことなんか全然わからない。
 扱いやすくて、でも破壊力があって、しかも、見ただけで人を震え上がらせるような、たとえば、アンタレスの剣みたいな、と考えて、アルクトゥールスは、夢の中で、アンタレスのように軽々と剣を振るったアルデバランの姿を思い出し、その頼もしさに思わず口もとをほころばせた。

 そうだ、武器のことならアンタレスに聞いてみるのが手っ取り早い。
 あいつの持っているような、羽根のように軽くてかみそりのように鋭い、持っているだけで相手を恐怖に凍りつかせるような剣は、どこで売っているんだろう。 さぞ値がはることだろうが、アルデバランのためならいくらでも金を使ってやる。 アンタレスのように上達するにはどのくらいの時間がかかるんだろう。 そうだ、ついでに、アルデバランにもちょっと剣技指導してもらえないかしら。

 考えているうちに、夢はますます大きく膨らんで、その日、いつものように迷宮の入り口の前でヴェガが来るのを待ちながら、アルクトゥールスは、アンタレスにこう言った。

 「アンタレス、実は折り入っておまえに相談に乗って欲しいことがあるんだ。 弟のことで。 今夜の仕事が終わったらちょっとつきあってもらえねえかな。 おっと、ヴェガのやつには内緒でな。 あのおしゃべりにあれこれ口出しされるとうるさくて面倒だから」
 ――― あんな欲張りに、俺もその盗賊団に入れてくれ、なんて言われたら大変だ。


 アンタレスは、一瞬面食らったような顔でアルクトゥールスを見たが、すぐにうなずいて答えた。
 「それじゃ今日の分け前の交渉はさっさとすませてくれよ。 だれの取り分が多いの少ないの、この品物は誰に配分するのしないの、おまえとヴェガがいつも長々ともめる、あの時間が、俺は一番苦痛なんだ」
 「はは、あいつは欲張りだからな。 わかった、それじゃ今日に限り、ヴェガには欲しがるだけの取り分を渡して、あいつを早く帰しちまおう」

 言ったとき、ちょうど現れたヴェガが、アルクトゥールスの肩をぽんと叩いて笑った。 
 「やあ、ボス、早い御出勤だね。 俺をのけ者にして、二人で何の内緒話? 今、分け前がどうとか言ってたね?」

 アルクトゥールスは目を白黒させながら答えた。
 「分け前? いや、そんな話はしていねえよ。 ヴェガ、おまえの耳、おかしいんじゃない?」

 ヴェガが、顎をこすり回しながら、疑わしそうな目をアルクトゥールスに向ける。
 「いや、俺は夜目が利かないぶん、耳はいいんだ。 たしかに分け前の話をしていた。 誰を早く帰しちまう、って?」 
 「そんな話はしてねえ、ったら。 おまえもしつこいやつだね。 なあ、アンタレス、俺たちそんな話はしてなかったよな?」


 「誰だ!」

 ぎょっとして、アンタレスの視線の先に目をやると、今まで何もなかったその暗闇の一角に、まぼろしのように、小さなリシャーナ族の子どもの姿が、ふわりと青白く光って現れた。 

 振り向いたヴェガが、素っ頓狂な声で叫んだ。
 「み、ミラ・・・?!」





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最終更新日  2011.01.20 20:41:51
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