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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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神の祝福 第１話
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2011.01.22
カテゴリ： カテゴリ未分類
やがて、酒場の中に、もとの喧騒が戻ってくると、アルクトゥールスは、カウンターの中のゾーハルに酒のお代わりを注文し、さっきからずっと自分の袖口を不思議そうに調べているアンタレスを見て笑った。
「・・・まったく驚いたよな、ヴェガにあんな弟子がいるとは。 アンタレス、おまえさっきから、服の袖ばかり感心して見てるけど、顔の火傷の痕もすっかりきれいに治ってるの、知ってる？」
びっくりしたように顔を上げたアンタレスが、ひどい火傷の引きつれ痕のあった自分の頬を触ってみて、目を丸くした。
「・・・ほんとだ！ これもさっきミラが俺の顔を触ったときに・・・？」
「そうだよ。 実に大した腕前じゃねえか。 ヴェガとは大違い。 俺は、いずれあの魔法使いを、ヴェガの代わりに仲間に入れたいと思ってるんだ。 アンタレス、おまえはえらくあいつに気に入られてるようだから、おまえからあいつに、一緒に迷宮に行こう、って声をかけてくれない？」
「ミラを、仲間に・・・？」
アンタレスが当惑したように眉をひそめ、言った。
「気に入られてる、というか、実は、俺はあのミラという魔法使いと初対面じゃなくて、前にも一度会ったことがあるんだ」
アルクトゥールスは、アンタレスの意外な言葉と、その声の、微妙に煮え切らない調子にちょっとひっかかるものを感じて顔を上げた。
ゾーハルの運んできた酒を一口飲んで喉をうるおし、アンタレスがそのときのことを話し始めた。
「まだおまえと出会う前のことだ。 そのころ俺は一人で毎晩のように迷宮へ行っていたんだが、ある夜、いつものように迷宮に行こうとしていたら、その途中、ちょうどこの酒場の前で、酔っぱらいが３人ばかり、ひとりの子どもを取り囲んで金を巻き上げようとしているところに出くわした。 どうしようもないゴロツキどもだと思ったが、こんな夜更けに一人で街をほっつき歩いてる子どものほうも良くない。 放っておこうと思ったんだが、なんだか気になって通り過ぎることができず、酔っぱらいどもを追い払ってやった。 その子どもがミラだったんだ。 それを覚えていて、あいつは俺に恩義を感じているのかもしれない」
「なるほど、おまえの顔の傷を治したのは恩返しのつもりか。 そういうことならますますつごうがいいや。 危ないところを助けてくれた勇者さまの言う事だ、何でも言うなりになるだろう。 分け前のことでヴェガがとやかく口出しする隙もないかも」
くすくす笑ったアルクトゥールスに、アンタレスは、にこりともせず、首を横に振った。
「いや、あいつは俺の言うなりになんかならない。 いや、きっと誰の言うことも聞かないだろう。 アルクトゥールス、おまえの手にも負えないかもしれないぞ。 ミラは、たしかに、普通のリシャーナの子どもとは違う。 何か底の知れない、不吉な影を感じる。 迷宮の中の怪物たちと、同じ匂いがするんだ。 あいつは、迷宮に連れて行かないほうがいいと、俺は思う」
「・・・まったく驚いたよな、ヴェガにあんな弟子がいるとは。 アンタレス、おまえさっきから、服の袖ばかり感心して見てるけど、顔の火傷の痕もすっかりきれいに治ってるの、知ってる？」
びっくりしたように顔を上げたアンタレスが、ひどい火傷の引きつれ痕のあった自分の頬を触ってみて、目を丸くした。
「・・・ほんとだ！ これもさっきミラが俺の顔を触ったときに・・・？」
「そうだよ。 実に大した腕前じゃねえか。 ヴェガとは大違い。 俺は、いずれあの魔法使いを、ヴェガの代わりに仲間に入れたいと思ってるんだ。 アンタレス、おまえはえらくあいつに気に入られてるようだから、おまえからあいつに、一緒に迷宮に行こう、って声をかけてくれない？」
「ミラを、仲間に・・・？」
アンタレスが当惑したように眉をひそめ、言った。
「気に入られてる、というか、実は、俺はあのミラという魔法使いと初対面じゃなくて、前にも一度会ったことがあるんだ」
アルクトゥールスは、アンタレスの意外な言葉と、その声の、微妙に煮え切らない調子にちょっとひっかかるものを感じて顔を上げた。
ゾーハルの運んできた酒を一口飲んで喉をうるおし、アンタレスがそのときのことを話し始めた。
「まだおまえと出会う前のことだ。 そのころ俺は一人で毎晩のように迷宮へ行っていたんだが、ある夜、いつものように迷宮に行こうとしていたら、その途中、ちょうどこの酒場の前で、酔っぱらいが３人ばかり、ひとりの子どもを取り囲んで金を巻き上げようとしているところに出くわした。 どうしようもないゴロツキどもだと思ったが、こんな夜更けに一人で街をほっつき歩いてる子どものほうも良くない。 放っておこうと思ったんだが、なんだか気になって通り過ぎることができず、酔っぱらいどもを追い払ってやった。 その子どもがミラだったんだ。 それを覚えていて、あいつは俺に恩義を感じているのかもしれない」
「なるほど、おまえの顔の傷を治したのは恩返しのつもりか。 そういうことならますますつごうがいいや。 危ないところを助けてくれた勇者さまの言う事だ、何でも言うなりになるだろう。 分け前のことでヴェガがとやかく口出しする隙もないかも」
くすくす笑ったアルクトゥールスに、アンタレスは、にこりともせず、首を横に振った。
「いや、あいつは俺の言うなりになんかならない。 いや、きっと誰の言うことも聞かないだろう。 アルクトゥールス、おまえの手にも負えないかもしれないぞ。 ミラは、たしかに、普通のリシャーナの子どもとは違う。 何か底の知れない、不吉な影を感じる。 迷宮の中の怪物たちと、同じ匂いがするんだ。 あいつは、迷宮に連れて行かないほうがいいと、俺は思う」
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