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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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2011.01.24
カテゴリ： カテゴリ未分類
そんなわけで次の日の朝、アルクトゥールスは目を覚ますなり大声で弟の名を読んだ。
「アルデバラン、ちょっと来い！ おまえに、飛び切りの、いい知らせがあるんだ。 いいか、驚くなよ、アンタレスが、おまえに、剣術の指南をしてくれるとさ！ ・・・いや、まだはっきりと約束してくれたわけじゃねえが、大丈夫、とりあえずおまえの今の実力はどんなもんか、会って見てやろうと言ってくれた。 会えば絶対引き受けてくれるさ！」
だが、アルデバランのベッドはもぬけの殻。 ベッドから飛び出して探し回ったが台所にも庭にも、アルデバランの姿はなかった。 朝の買い物にでも出かけて、またろくでもない友達にとっ捕まって因縁つけられているんだろうか。
ちょっとがっかりして部屋に戻ってくると、アルクトゥールスは、服を着替えながらまた、アルデバランが、アンタレスのように勇ましく剣を振るうところを思い描いて、にんまりと目尻を下げた。
――― おお、そうだ！ アンタレスに剣の稽古をつけてもらうなら、まず何よりも先に、剣がなくちゃはじまらないよな！ アンタレスだって、アルデバランと会った時に、アルデバランがもう剣を持っていたら、その気持ちがどんなに真剣なものかわかるだろうし、むげに断れなくなるというものだ。 そうだ、すぐに剣を用意しなくちゃ！
そそくさと着替えを済ませると、アルクトゥールスは、金庫の引き出しをを開けて、金袋のなかをのぞきこんだ。
――― 剣は、最高級のやつを買ってやろう。 リュキア軍の戦士もたまげるほど凄いやつだ。 今まで貯めこんだ金を全部使ったってかまわない。 アンタレスへの礼金や、馬を買うための金なんか、微々たるもの。 また迷宮に行けば、金はすぐに手に入るんだから。 今何よりも重要なのは、アルデバランの力を天下に示す、見栄えのいい剣だ！
うっとりと目を細めて、アルクトゥールスは金袋を袋ごとふところに押し込み、とりだしたタバコを一本、口にくわえて、マッチをすりながら考えた。
――― 剣か！
あちっ！ と、叫んで、燃え尽きて指を焦がしそうになったマッチを投げ捨て、落としたタバコを拾い上げて、アルクトゥールスは部屋の中をあっちへ行ったりこっちへ来たり、うろうろと歩きまわり始めた。 嬉しくて、じっとしていられないのだ。
――― アルデバランにはどんな剣が似合うだろう？
ダイヤモンドやルビーで飾り立てた美しい宝剣？ それとも、岩をもカチ割るようなずっしり重たい剣？ 見るのも恐ろしい鋭い刃のついた剣？ ・・・選ぶのは、アルデバランだ。 アルデバランの欲しいという物ならどんな剣だって買ってやるとも！
部屋の中をぐるぐる歩き回りながら、すぱすぱ吸っていたタバコに、まだ火がついていなかったことに気づくと、アルクトゥールスはそのタバコを握りつぶして捨て、また新しいタバコを取り出して火をつけようとマッチに手を伸ばした。
そこに、ようやくアルデバランが帰ってきた。 朝の買い物に行ってきたのだろう、大きな買い物袋を腕に抱えている。
アルクトゥールスはタバコを投げ捨て、マッチをくわえて、アルデバランに駆け寄った。 アルデバランの手の、大きく膨らんだ買い物袋を奪って床に投げ、目を丸くしたアルデバランの手を引っつかんで表に飛び出す。
「アルデバラン、買い物に行くぞ！」
アルデバランが目を白黒させて叫んだ。
「買い物なら今行ってきたよ！ 兄ちゃん、どうしたの？ どこへ行くんだよ！」
アルクトゥールスの心はもう、マルシリオの店の、剣売り場に飛んでいた。
「アルデバラン、ちょっと来い！ おまえに、飛び切りの、いい知らせがあるんだ。 いいか、驚くなよ、アンタレスが、おまえに、剣術の指南をしてくれるとさ！ ・・・いや、まだはっきりと約束してくれたわけじゃねえが、大丈夫、とりあえずおまえの今の実力はどんなもんか、会って見てやろうと言ってくれた。 会えば絶対引き受けてくれるさ！」
だが、アルデバランのベッドはもぬけの殻。 ベッドから飛び出して探し回ったが台所にも庭にも、アルデバランの姿はなかった。 朝の買い物にでも出かけて、またろくでもない友達にとっ捕まって因縁つけられているんだろうか。
ちょっとがっかりして部屋に戻ってくると、アルクトゥールスは、服を着替えながらまた、アルデバランが、アンタレスのように勇ましく剣を振るうところを思い描いて、にんまりと目尻を下げた。
――― おお、そうだ！ アンタレスに剣の稽古をつけてもらうなら、まず何よりも先に、剣がなくちゃはじまらないよな！ アンタレスだって、アルデバランと会った時に、アルデバランがもう剣を持っていたら、その気持ちがどんなに真剣なものかわかるだろうし、むげに断れなくなるというものだ。 そうだ、すぐに剣を用意しなくちゃ！
そそくさと着替えを済ませると、アルクトゥールスは、金庫の引き出しをを開けて、金袋のなかをのぞきこんだ。
――― 剣は、最高級のやつを買ってやろう。 リュキア軍の戦士もたまげるほど凄いやつだ。 今まで貯めこんだ金を全部使ったってかまわない。 アンタレスへの礼金や、馬を買うための金なんか、微々たるもの。 また迷宮に行けば、金はすぐに手に入るんだから。 今何よりも重要なのは、アルデバランの力を天下に示す、見栄えのいい剣だ！
うっとりと目を細めて、アルクトゥールスは金袋を袋ごとふところに押し込み、とりだしたタバコを一本、口にくわえて、マッチをすりながら考えた。
――― 剣か！
あちっ！ と、叫んで、燃え尽きて指を焦がしそうになったマッチを投げ捨て、落としたタバコを拾い上げて、アルクトゥールスは部屋の中をあっちへ行ったりこっちへ来たり、うろうろと歩きまわり始めた。 嬉しくて、じっとしていられないのだ。
――― アルデバランにはどんな剣が似合うだろう？
ダイヤモンドやルビーで飾り立てた美しい宝剣？ それとも、岩をもカチ割るようなずっしり重たい剣？ 見るのも恐ろしい鋭い刃のついた剣？ ・・・選ぶのは、アルデバランだ。 アルデバランの欲しいという物ならどんな剣だって買ってやるとも！
部屋の中をぐるぐる歩き回りながら、すぱすぱ吸っていたタバコに、まだ火がついていなかったことに気づくと、アルクトゥールスはそのタバコを握りつぶして捨て、また新しいタバコを取り出して火をつけようとマッチに手を伸ばした。
そこに、ようやくアルデバランが帰ってきた。 朝の買い物に行ってきたのだろう、大きな買い物袋を腕に抱えている。
アルクトゥールスはタバコを投げ捨て、マッチをくわえて、アルデバランに駆け寄った。 アルデバランの手の、大きく膨らんだ買い物袋を奪って床に投げ、目を丸くしたアルデバランの手を引っつかんで表に飛び出す。
「アルデバラン、買い物に行くぞ！」
アルデバランが目を白黒させて叫んだ。
「買い物なら今行ってきたよ！ 兄ちゃん、どうしたの？ どこへ行くんだよ！」
アルクトゥールスの心はもう、マルシリオの店の、剣売り場に飛んでいた。
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アルクトゥールス～☆:゜*
風とケーナ
さん
タバコやマッチのアイテムの絶妙な生かし方に、
思わず喝采してしまいます！
居ても立ってもいられぬ逸り湧き立つ
アルクトゥールスの気持ちが、
ビシビシ伝わってきます！
＞砂漠の乾いた風に髪をなびかせながら馬を駆る、
＞そのアルデバランの後ろには、手下の盗賊が、100騎も、いや1000騎も、
＞地を揺るがすような蹄の音を轟かせて、砂煙を上げながらつき従っているんだ！
確かに、アルデバランのこのような雄姿も
凄くさまになりますね！！
アルデバラン本人の気持ちを思うと切なく複雑ですが、
今はアルクトゥールスの情熱に、
思わず私も感化されてしまいそう☆:゜*
(2011.01.24 21:03:49)
思わず喝采してしまいます！
居ても立ってもいられぬ逸り湧き立つ
アルクトゥールスの気持ちが、
ビシビシ伝わってきます！
＞砂漠の乾いた風に髪をなびかせながら馬を駆る、
＞そのアルデバランの後ろには、手下の盗賊が、100騎も、いや1000騎も、
＞地を揺るがすような蹄の音を轟かせて、砂煙を上げながらつき従っているんだ！
確かに、アルデバランのこのような雄姿も
凄くさまになりますね！！
アルデバラン本人の気持ちを思うと切なく複雑ですが、
今はアルクトゥールスの情熱に、
思わず私も感化されてしまいそう☆:゜*
(2011.01.24 21:03:49)
ケーナさま、ありがとうございます☆.: *:・
ふろぷしーもぷしー
さん
＞アルデバラン本人の気持ちを思うと切なく複雑ですが、
おお、ありがとうございます！！
そうなんです、ここ、
『今は一人で盛り上がっているアルクトゥールスだけど、
この先の展開を予想すると、なんだか嫌な予感が・・・』
という、ずばりその状況を書きたかったんです！
アルデバランの気持ちに思いを馳せてくださり、
さらに、アルクトゥールスの情熱まで熱く感じ取っていただけて、
本当に、感激です！！
＞タバコやマッチのアイテム
うふふ、タバコって面白い小物でしたね♪
ゆったりとくゆらす、うろたえて咳き込む、忙しそうに耳に挟む、いらいらと立て続けに吸う、気取ってふかす気障なやつ、レースの手袋にスリムなシガレットのマダム、偉そうな葉巻、しょっちゅう火傷するあわてんぼう、手の甲でもみ消す猛者、フィルターに残る口紅・・・
もう、通用しない昔の表現かな (^_^)
(2011.01.25 21:37:27)
おお、ありがとうございます！！
そうなんです、ここ、
『今は一人で盛り上がっているアルクトゥールスだけど、
この先の展開を予想すると、なんだか嫌な予感が・・・』
という、ずばりその状況を書きたかったんです！
アルデバランの気持ちに思いを馳せてくださり、
さらに、アルクトゥールスの情熱まで熱く感じ取っていただけて、
本当に、感激です！！
＞タバコやマッチのアイテム
うふふ、タバコって面白い小物でしたね♪
ゆったりとくゆらす、うろたえて咳き込む、忙しそうに耳に挟む、いらいらと立て続けに吸う、気取ってふかす気障なやつ、レースの手袋にスリムなシガレットのマダム、偉そうな葉巻、しょっちゅう火傷するあわてんぼう、手の甲でもみ消す猛者、フィルターに残る口紅・・・
もう、通用しない昔の表現かな (^_^)
(2011.01.25 21:37:27)
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