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ふろぷしーもぷしー
突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました。
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神の祝福 第１話
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2011.01.30
カテゴリ： カテゴリ未分類
運ばれてきた酒を一口飲んで、アルクトゥールスは深々とため息をついた。
「マルシリオの店に、剣を買いに連れて行ったら、あいつ、剣なんかいらないと言うんだ。 剣じゃなくて短刀がいいんだと。 しかたがねえ、その短刀を買ってやったら、今度は、これなら自分で練習できるから、先生なんか頼んでくれるなと言う。 いったい何を考えてるんだ？ 今まで喧嘩のひとつもしたことのないあいつが、一人で短刀を使いこなせるようになるなんて、本気で考えてんのか？ だいたい、あんなみすぼらしい刃物で、人に脅しが効くかよ。 得物はやっぱり、見ただけで相手が震え上がるような剣がいいよ、なあ？」
「そうか、短刀を選んだか」
黙って話を聞いていたアンタレスも、つられたように深いため息をつき、アルクトゥールスの顔を見た。
「・・・アルクトゥールス、おまえにだってわからないはずはないぞ。 短刀が何のためにあるのかよく考えてみろ。 狩りのとき使う短刀、草をなぎ払うための短刀、料理をするための短刀、細工をするための短刀、・・・さまざまな形に特殊化した、日常の生活に使う道具、それが短刀だ。 人を殺すのが目的の、武器じゃない。 いや、武器として使えば使えなくはないが、武器としてわざわざ短刀を選ぶ奴はいないだろう。 だからマルシリオは、客が目的の品を探しやすいように、日常の生活に使う刃物をぜんぶひっくるめて短刀として、そして、剣に準ずる武器は短剣として、区別して売っているんだ。 おまえの弟が選んだのは、武器ではなく、道具だった。 そういうことだな？」
この答えに、アルクトゥールスは少なからぬ衝撃を受け、あんぐりと口をあけたまま、まるまる1分もの間アンタレスの顔を見上げていたが、やがて、首を横に振って、無理やり笑顔を作ろうとした。
「・・・あ、あはは、考えすぎだよ、アンタレス。 あいつはまだ子どもなんだ。 何にも知らずに、あの短刀をかっこいいと思って選んだだけさ。 だから、もっとちゃんとした武器を、おまえに教わって選ばせようと・・・」
アンタレスが顔をしかめてアルクトゥールスの言葉をさえぎった。
「ちがう！ アルデバランは・・・」
即座に首を横に振ったものの、その後に次ぐ言葉は出なかった。
アンタレスの言うとおりだと、このとき初めて気がついた。
頭のどこかでは、アルデバランが自分と違う道に進もうとしていることに、とっくに気がついていたのだ。 なのに、そこから無理やり目をそむけて、自分をごまかそうとしていた。 アルデバランが可愛くて可愛くて、いつまでも自分の掌中に留めておきたい、その一心だった、と。
認めざるを得ない、と知ると、頭が真っ白になって、体がふるふると細かく震え始めた。
「マルシリオの店に、剣を買いに連れて行ったら、あいつ、剣なんかいらないと言うんだ。 剣じゃなくて短刀がいいんだと。 しかたがねえ、その短刀を買ってやったら、今度は、これなら自分で練習できるから、先生なんか頼んでくれるなと言う。 いったい何を考えてるんだ？ 今まで喧嘩のひとつもしたことのないあいつが、一人で短刀を使いこなせるようになるなんて、本気で考えてんのか？ だいたい、あんなみすぼらしい刃物で、人に脅しが効くかよ。 得物はやっぱり、見ただけで相手が震え上がるような剣がいいよ、なあ？」
「そうか、短刀を選んだか」
黙って話を聞いていたアンタレスも、つられたように深いため息をつき、アルクトゥールスの顔を見た。
「・・・アルクトゥールス、おまえにだってわからないはずはないぞ。 短刀が何のためにあるのかよく考えてみろ。 狩りのとき使う短刀、草をなぎ払うための短刀、料理をするための短刀、細工をするための短刀、・・・さまざまな形に特殊化した、日常の生活に使う道具、それが短刀だ。 人を殺すのが目的の、武器じゃない。 いや、武器として使えば使えなくはないが、武器としてわざわざ短刀を選ぶ奴はいないだろう。 だからマルシリオは、客が目的の品を探しやすいように、日常の生活に使う刃物をぜんぶひっくるめて短刀として、そして、剣に準ずる武器は短剣として、区別して売っているんだ。 おまえの弟が選んだのは、武器ではなく、道具だった。 そういうことだな？」
この答えに、アルクトゥールスは少なからぬ衝撃を受け、あんぐりと口をあけたまま、まるまる1分もの間アンタレスの顔を見上げていたが、やがて、首を横に振って、無理やり笑顔を作ろうとした。
「・・・あ、あはは、考えすぎだよ、アンタレス。 あいつはまだ子どもなんだ。 何にも知らずに、あの短刀をかっこいいと思って選んだだけさ。 だから、もっとちゃんとした武器を、おまえに教わって選ばせようと・・・」
アンタレスが顔をしかめてアルクトゥールスの言葉をさえぎった。
「ちがう！ アルデバランは・・・」
即座に首を横に振ったものの、その後に次ぐ言葉は出なかった。
アンタレスの言うとおりだと、このとき初めて気がついた。
頭のどこかでは、アルデバランが自分と違う道に進もうとしていることに、とっくに気がついていたのだ。 なのに、そこから無理やり目をそむけて、自分をごまかそうとしていた。 アルデバランが可愛くて可愛くて、いつまでも自分の掌中に留めておきたい、その一心だった、と。
認めざるを得ない、と知ると、頭が真っ白になって、体がふるふると細かく震え始めた。
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