突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

神の祝福 第1話 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2011.02.21
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 「・・・え? アンタレスをさがしてる?」

 『嘆きの館』の玄関口に顔を見せたンタウロスは、不審げにミラの風体を眺め回し、アルクトゥールスに小声でたずねた。
 「アルクトゥールス、その子は?」
 「リシャーナの魔法使いの見習いだよ。 ケンタウロスは、リシャーナ族を見るのは初めてか? あいつらめったに街になんかでてこないもんなあ。 ヴェガは例外だけど。 ・・・この子はそのヴェガの身内で、いなくなったアンタレスのことを心配して、夜なのに、酒場まで一人で来たんだよ。 いじらしいよなあ。 ヴェガなんか、俺らの仲間なのに、心配どころか、せいせいした、って顔してやがるぜ」

 ミラが、一歩前に進み出て、ぺこり、とケンタウロスに頭を下げた。
 「ミラです。 どうぞよろしく、ケンタウロス先生」

 面食らったようにミラの顔を見下ろして、ケンタウロスが答えた。
 「へえ、君は、ミラっていうの? アンタレスを探しに、森から出て来ちゃったの?」

 真剣な表情でうなずいたミラに、ケンタウロスは、少し言いにくそうに口ごもった後、決心したように顔を上げた。


 これにはアルクトゥールスも愕然とした。 と同時に、怒りがこみ上げてきた。
 「な、なんだと?! あの野郎、ひとりで迷宮に行っただと? 毒針に刺された・・・ちっ、バカが! 宝箱か何かに手ェ出しやがったんだな! ・・・ったく、ど素人のくせに! なんで俺に一言相談しねえんだよ」

 気色ばむアルクトゥールスをなだめるように、ケンタウロスがうなずいた。
 「うむ。 私もそのときは、怪物と戦って怪我したというならともかく、正体のわからない鍵に、アルクトゥールスに頼むこともせず不用意に手を出すなんて、アンタレスらしくもないことをしたもんだと思ったんだが、実は、あのときアンタレスは、リュキア軍の戦士に道案内を頼まれて、彼らを迷宮に連れて行ったみたいなんだ」

 いろいろな情景がくるくるとめまぐるしく浮かんでは消え、ついに、アルクトゥールスの頭の中で、つるりと皮がむけるように、すべての謎が解けた。

 「道案内・・・じゃ、ゾーハルの酒場で戦士にスカウトされたらしいって、ヴェガが言ってたのは、それだったのか! ・・・ちくしょう、リュキア軍め、危ないかもしれないとわかってる鍵を、自分では触らず無理やりアンタレスに開けさせたな! ぶっとばしてやろうか! ・・・それで、アンタレスはどうしたよ? どんな毒だったんだ? まさか、まだ動けずにここで寝てますなんて言うんじゃねえだろうな!」

 腕まくりしたアルクトゥールスの剣幕に、ケンタウロスが一歩後退って首を横に振った。
 「いや、ここにはいない。 あの毒は、いったん体に入ったら最後、深い眠りについて二度と目を覚まさないんだ。 神殿の奥の手、生き返りの祈祷さえ効果がないというが、かといってここに置いても私にはなすすべがないから、この際、いちかばちか、リュキア軍戦士の威を借りて神殿に保護を頼んでもらうことにした。 真偽のほどはわからないが、ジャムルビーたちがこの解毒薬の調合に成功したという話も以前聞いたことがあるし、リュキア軍戦士の依頼ということになれば、あるいは神殿も、アンタレスの存在を消し去るような愚挙は、・・・あっ、待ちなさい、ミラ!」

 ケンタウロスがあわてて手を伸ばした、その視線の先では、ミラが、ものも言わずに外へ飛び出していくところだった。

 アルクトゥールスもあわててその小さな後姿を追って駆け出した。
 「待て! ミラ! 俺も一緒に行ってやる! 相手は強欲な神官どもだ、金がなけりゃ指一本動かしてくれねえよ!」







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.02.21 20:35:21
コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: