突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.03.28
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 フォーマルハウトの言ったとおり、プラターマ導師は次の日、雀の間道場に顔を出したエリダヌスに、笑顔でこう言った。


 昨日の『保護』ができないうちに次に進むのは、いささか悔しい気もしたが、人によってその習得の時期が定められているならば、それもまたしかたのないことなのかもしれない。

 「わかりました。 よろしく御指導ください」
 頭を下げ、合掌すると、導師は優しい微笑を浮かべて答えた。
 「エリダヌス、そんなに固くならなくても大丈夫ですよ。 『祝福』は、神さまが神官として認め給うた者なら誰にでもできる呪法です。 気を楽にしてやってみましょう。 もちろん、初めから目の覚めるようなことはできませんが、修行を重ねるうちに必ず、この呪法の確かさ、偉大さが実感できます」

 一抹の不安を抱きながら、うなずいたエリダヌスに、導師が続ける。
 「『祝福』は重要な呪法です。 この、雀の間道場で授けられる呪法の目的がすべて、人を苦痛から解き放つことである以上、この『祝福』を習得することこそが、『雀』の最終的な目的と言ってもいいでしょう。 なぜならばこの呪法を習得した後精進を重ねれば、ついには、病を治し、傷を治し、弱り衰えた体に、生まれたばかりの赤子のような活力を与えることができるようになるからです。 このリュキア神殿に救いを求めてくる人々の多くが、この『祝福』を強く望んで来る、そのことを考えれば、極端な話、この呪法を会得できれば、それだけで十分、神官として人の信頼を得ることができるということです」

 ああ、そんな力を得てハザディルへ帰り、残してきた兄弟姉妹すべてにその力を分け与えることができたら、どんなに幸せだろう!


 「『祝福』は、その目指すところがはっきりと目に見える点で、昨日学んだ『保護』よりも、いっそう習得しやすいはずです。 たとえば昨日、あなたが呪法の1に失敗したのは、この私の錫杖を、害意を持つ敵というふうにはっきり認識できなかったからかもしれません。 でも、今日は違いますよ」

 そこまで言うとプラターマは不意に、エリダヌスが止める暇も与えず、ふところから小さな小刀を取り出し、その切っ先で自分の指をさっと撫でた。
 傷口から、みるみるうちに鮮血が滲み出す。

 「プラターマさま!」
 仰天して叫んだエリダヌスの前に、プラターマが、血のしたたるその傷口を突き出した。
 「驚かないで。 よくごらんなさい。 私の指の、この傷を治すことが、あなたの今日の修行ですよ。 すっかりきれいに治らなくてもいいのです。 血を止めるだけで十分です。 エリダヌス、私の傷を治したいと願うでしょう?」





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最終更新日  2011.03.28 20:19:47
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