突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

神の祝福 第1話 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2011.03.30
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 さらに一日が過ぎた。
 プラターマ導師は、道場に現れたエリダヌスを見ると、困惑の表情を浮かべて言った。
 「エリダヌス、昨日までに私が授けた『保護』『祝福』『解放』の3つの呪法が、雀の間にて授けられる呪法のすべてです。 この3つのうち、どれかひとつでもよいから習得できないうちは、総師長から、次の『燕の間』に進級する許可がおりません。 ですから、今日からはまた、第一日目の『保護』のおさらいに戻り、順次、同じ練習を繰り返すことになります。 どうか、あせることなく、気長に練習を続けてください。 練習を重ねるうちに、きっとできるようになりますから、心配しないで」

 心配するな、と言われても、無理だ。
 その日の修行もおざなりにすませて、エリダヌスはしょんぼりと部屋に帰ってきた。 
 プラターマ導師の困惑した表情を思い出すと、いっそう打ちのめされた気分になった。
 その表情は、『こんなはずはない、神に認められた神官ならば、どれかひとつくらいは、必ず、一度で成功するものなのに』と、無言のうちに語っていたからだ。
 私は神にさえ見捨てられた、できそこないの神官なのか、と思った。
 何のために、はるばる砂漠を越えてこの国にやってきたんだろう、と考え込んだ。


 そんなふうに思うと、さらなる不安で目の前が真っ暗になった。
 あの晩、エリダヌスがこれまで深く信じ、一度たりとも疑ったことのない神は、エリダヌスを助けてくださるどころか、お迎えにすら来てくださらなかったからだ。

 ――― あの時私を助けに来てくださったのは、神さまではなくレグルスさま。
 が、その輝くばかりの勇姿を思い浮かべても、もはや以前のようには心躍らない。
 神さまにも見捨てられた、そんな思いに愕然と立ち尽くすばかりだ。

 ――― エリダヌス、決してあきらめてはなりませんよ。
 フォーマルハウトの励ましの言葉もすでに聞き飽き、申し訳ないと思いつつも今は、顔を合わせることさえうとましい。

 意気消沈の日々を送っていたある夜、この日もエリダヌスは、思い千々に乱れて真夜中過ぎても眠れず、悶々としていたが、とうとう眠ることを断念してベッドから這い出した。

 沐浴でもして気持ちを切り替えることにした。
 あるいは、もしそのあたりにアギーラでもいれば、とりとめのない愚痴につきあってもらうのもいい。


 昼間通っている道場や、集会室は真っ暗だったが、食堂や休憩室、浴室などには、昼間と同じように皓々と明かりが灯っている。 徹夜でお勤めをする神官たちのために、いつでも使えるよう準備が整っているのだ。

 薄暗い廊下に明るい光を投じる、食堂の前を通りかかったとき、エリダヌスはふと、その食堂の片隅から、誰かのすすり泣く声が聞こえてくるのに気がついて足を止めた。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.03.30 19:40:20
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: