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2011.04.03
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 ドードーは、何か言おうと口を開きかけ、ちょっと考え込み、それから、苦笑して頭を掻いた。
 「あ、そうか、別に隠れることはなかったんだよね。 俺、ときどきこうして一人でお祈りに来ることがあるんだけど、そういうとき、神官さまに見つかるといつも、使用人がこんなところで何をしてる、って叱られちゃうんだ。 だから、いつもの癖で、つい隠れちゃった。 今日はエリダヌスさまと一緒だから叱られないのにね!」
 「おやおや! 使用人はお祈りしちゃいけないの?!」
 「お祈りは別にかまわないんだ。 でも、礼拝堂の中は俺たち入っちゃいけないんだよ。 急病人とか怪我人が運び込まれてきたとき邪魔になるから」

 答えながらも、ドードーは隠れたベンチの後ろから出ようとしない。 礼拝堂の扉を開けて入ってきた人影のほうを食い入るようにのぞき見ながら、早口でエリダヌスにささやいた。
 「ほら、今玄関から入ってきたやつもきっと、病人か、怪我人だよ! ・・・あ! バルドーラ戦士だ! かっこいいなあ! ほらほら! ぐったりした仲間を運び込んで来た。 あいつ、死んでるのかな! 生き返りのご祈祷を頼みに来たのかしら」

 ドードーの興奮した声に、エリダヌスも思わず、ベンチの背もたれの影に隠れたまま、そうっと顔だけ出して、礼拝堂に入ってきた人影のほうを覗き見た。

 確かに、真っ暗な礼拝堂の中に、夜勤番の神官に導かれて、大きなバルドーラの姿がふたつ、入ってきたのが見えた。 ドードーの言うとおり、そのうちのひとりは、病人らしき者を抱きかかえている。

 「・・・そして、アンタレスは毒針に刺されて倒れました。 至急ケンタウロス医師に診せたところ、治療は不可能だと断られました。 しかしケンタウロス殿の話では、リュキア神殿には解毒剤があるかもしれない、とのこと。 神官どの、ほんとうに、その解毒剤はここにあるのですか? あればぜひ、この者に処方していただきたい。 この者には、まだ息があります。 ここに連れてくれば必ず助かると信じて来たのです。 どうか、お願いします!」

 それから、神官のものらしき、くぐもった低い声が響いた。 が、そちらのほうは、何と返事したのか聞き取れなかった。

 祭壇の前に病人が横たえられると、神官が、小さく祈りの言葉をつぶやきながら、次々とお灯明を燈していった。
 だんだん数が増えていくお灯明の光で、礼拝堂の中が徐々に明るくなる。
 薄明かりの中に浮かび上がったバルドーラ戦士の顔をなにげなく見上げて、エリダヌスは腰の抜けるほど驚いた。

 ――― それは、レグルスだった。

 こんな夜中に、レグルスさまが、なぜ、神殿に?!

 あり得ないこと、と、エリダヌスは我が目を疑い、思い悩むあまり頭がおかしくなったのではないかと自分を疑い、ぎゅっと目を閉じ震える声で何度も神の御名をつぶやき、それから、おそるおそる、目を開けた。

 灯明の光に今や明るく浮かび上がった祭壇の前、死んだように横たわった戦士の顔を、苦悩の表情で見下ろしているのは、やはり、見間違えようもない、まばゆいレグルスの姿だった。





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最終更新日  2011.04.03 21:19:44
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゚.+(〃ノωノ)゚.+°  
風とケーナ  さん
きゃ~~~*。+.゚感激ッ!!
レグルス様、参上っ!!!!
まさか、こんなところでお会いできるなんて!!
ねっ! エリダヌスちゃん!!
ヤッタ━゚+.ヽ(●`∀´)乂(○`∀´)ノ゚+.゚━ン!! 

エリダヌスちゃんの視界の中で、
深夜の礼拝堂に次々と燈っていくとお灯明、
そこに浮かび上がる神々しきレグルス様の御姿――ああ、感動です!!!

とはいえ、アンタレスの非常に危機的状況のあのシーンなのですね…!
その現実に引き戻されると激しく心が痛みますが、
でも、この場面をエリダヌスちゃんが目撃してくださっていたことは、
天の神様の尊い采配だったのでしょうか!


風樹の家のバナーも素敵に小説の入り口を飾ってくださっていますね。
小説の方もご更新部分まで拝読させて頂きましたが、
現在のシーン、思わずドキンッと息が止まりそうになりました。
今のシーンの緊迫感も身震いする凄さですが、
獄中での御奉仕場面の迫力も本当に凄かったです!
回想と獄中場面のめくるめく鮮烈な交錯、
カノープスとランソスの全身全霊の激しい心と体のぶつかり合い、
言語を絶する光と闇の大旋風が、
心の中を駆け抜けていくような猛烈な感覚でした!!

(2011.04.03 22:52:11)

ケーナさま、感激です!☆.: *:・  
レグルスの登場に
あまりにも嬉しい、ケーナさんの歓喜をお声をいただき、
ふろぷしーも、胸が躍って地に足が着きません!

そこへ持ってきて、
風樹の家にも、身にあまるお言葉を賜り、
まさに幸せの絶頂、天にものぼる心地です。

獄中シーンといえば、どうしても、
トゥパク・アマルさまの、
胸締め付けられる牢獄シーンに
胸踊る脱獄シーン
これがあまりにも鮮烈で、
いまだに頭から離れないふろぷしーですから!

(。-ω-。;)!  バナーまでお褒めいただいちゃって、
もう、赤面っ!

ケーナさん、いつも私にパワーを、
ほんとうにありがとうございます!

(2011.04.03 23:27:43)

エリダヌスの恋  
千菊丸2151  さん
1話から読んでおりますが、精悍なる戦士・レグルス様に恋をしているエリダヌスの姿が可愛くて、心がなごみました。
神殿のほのかな灯りの下で、レグルス様は何を祈っていらっしゃるんでしょうか、気になります。 (2011.04.03 23:54:32)

千菊丸さま、コメントありがとうございます!  
1話から読んでくださって、ありがとうございます☆

乙女の切ない恋心を描くのが
めっぽう苦手なふろぷしーです。
恋するエリダヌスの姿になごんでくださって
もう、何より嬉しいです!

千菊丸さんの『麗しき薔薇』
麗しい世界にうっとりしながら
毎日楽しみに読ませていただいています!
だけどROMってて、ごめんなさいっm(_ _)m ´´

(2011.04.04 01:07:37)

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