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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アンタレスは夢を見ていた。

 目もくらむような光の中で、おそるおそる目を開けると、まぶしい太陽を背景に人影がひとつ、ぼんやりと見えてきた。
 誰だろう?
 目を細めて、一生懸命その顔を見極めようとする。
 真昼の光にしだいに目が慣れると、懐かしい髭面が見えてきた。

 「・・・ダイダロス!」
 びっくりして飛び起きた小さなアンタレスに、ダイダロスが、茶色い顎鬚を撫でさすり、優しい目で笑いかけた。
 「・・・だから言ったろう? おまえには、重たい鎧を身につけて戦うのは無理だよ。 私のような、片足の不自由な年寄りにまで、一撃で打ち倒されてしまったじゃないか。 身にしみてわかっただろう。 鎧は諦めろ。 どうしてもつけたいなら、軽い胸当てだけにしておけ」

 ダイダロスの言うことにはいつもきちんと筋が通っている。

 アンタレスは同年代の子どもたちと比べて、極端に小柄で痩せている。
 みんなが身につけているような鎧を着たら、重たくて身動きが取れない。
 よくわかっている。
 それでも、アンタレスはどうしても鎧を着たかった。
 ダイダロスが、アンタレスのために精魂込めて鍛えてくれた、羽根のように軽いこの剣が、どれほど切れ味鋭く、頼りになるかもわかっている。
 それでも、鎧を着たかった。
 鎧なしで敵の剣の前に身をさらすのは無防備に過ぎる、その思いからどうしても抜け出すことができないのだ。

 ダイダロスが、アンタレスの体から、重々しい大きな鎧を脱がせながら笑った。
 「アンタレス、おまえが鎧にこだわりたい気持ちはよくわかる。 だが、鎧ではおまえの身を守ることはできないのだ。 おまえにとって鎧は、邪魔になるだけだ。 鎧に頼るな。 身を守ることばかり考えるな。 おまえほど身が軽ければ、鎧など着なくても、当たり前のバルドーラの攻撃なんか楽々かわすことができるはずだ」

 アンタレスは、うつむいたまま、こぶしを握り締めた。
 「だって、敵は、ひとりとは限らない。 いくら早く動けるといっても、後ろに目があるわけじゃないんだ。 後ろから突いてくる攻撃までかわすのは無理だよ」

 「それではこちらからも攻撃できない!」
 ダイダロスが、からからと笑った。
 「敵が何人いようと、どうせ、いっぺんに相手にできるのはひとりだけだ。 大勢の敵を相手にするときは、取り囲まれないように、とにかく動け。 敵はその動きに惑わされて、いっせいにおまえに襲い掛かってくることができなくなる。 隙もできる。 集団からひとりだけ離れてしまった動きの鈍いやつからひとりずつ順番に、おまえの剣の餌食だ。 鎧はいらない」

 足もとに投げ出された、古い鎧を見下ろして、アンタレスはぎゅっと唇をかんだ。
 ダイダロスは無理なことを言う。

 それがなくては裸も同然だ。
 鎧なしでどうやって身を守れというのか。 
 防具なしで逃げ回ってばかりいたら、攻撃する暇もなくなってしまう。





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最終更新日  2011.04.07 20:00:06
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アンタレス.:*・☆  
風とケーナ  さん
たとえ夢であっても、
子どもの頃から既にこんなに強くなることに真摯真剣で、
そして、それ故にアンタレスらしい葛藤もする
そんな生き生きとした彼の姿に逢えて、とても嬉しく思います!

ダイダロスはアンタレスの師なのでしょうか!
ダイダロスの存在はもとより、
神秘に満ちたアンタレスの幼年期に触れる内容、
とても心惹かれます!!

(2011.04.07 23:26:31)

ケーナさま、いつも心にしみるコメントありがとうございます☆.: *:・  
御推察のとおり、
ダイダロスはアンタレスの師で、刀工です。
アンタレスの子ども時代の話を少ししますが、
夢なので、
断片的な、短い章になります。

エリダヌスとレグルスの
甘くてしょっぱい(+。+)!物語の合い間に、
ちょっとつまみ食い(*^~^*)ムシャムシャ☆ということで(=´ー`)ノ ヨロシクオネガイデス~

(2011.04.08 00:45:22)

アンタレス、久しぶりに登場。  
千菊丸2151  さん
アンタレス、久しぶりに登場したと思ったら、彼の幼少期エピソードですか!
初めから拝読していないのですが、戦士として幼いころから戦おうとするアンタレスを導く師・ダイダロスとの関係が気になります。 (2011.04.08 11:47:48)

千菊丸さま!コメントありがとうございます!!  
アンタレスは、
これまでずっと冷血無慈悲な殺し屋として
この物語に登場していましたが、
どういう人物で何を考えているのか、
ほとんど明かしていませんでした。
いいやつなのか、悪いやつなのか、
信じるに足る相手なのか、そうでないのか、
この、謎の人物の夢を語ることで、
ここから
少しずつ、正体を明らかにしていきたいと思っています。

千菊丸さま、いつも本当にありがとうございます!

(2011.04.08 20:54:11)

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