突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.04.19
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 「そうでした! では、これよりレグルス軍曹、布教師に向けて訓練場内案内の任務につきます。 失礼します!」
 プルートス大佐に敬礼だけして、レグルスはさっさと応接室を後にした。

 当然、後から布教師がついてくるものとばかり思っていたからだが、この布教師、予期に反して、まるで頭の悪いロバのように、おろおろとプルートス大佐を見上げ、レグルスを見上げ、さんざん迷ったあげくようやく理解できたといった風情。 プルートス大佐に要領の悪いお辞儀をし、もたもたした足取りでやっと応接室から出てきた。

 その間ずっと廊下でこの様子を見ていたレグルスは、布教師がやっと自分のところにたどり着いた時にはもう、我慢の限界点。 『もう少し敏速に行動せよ!』と怒鳴りつけたくなるのを無理やり飲み込んで、苛立ちを外に表さないようしっかり口を閉じたまま、どすどすと廊下を踏み鳴らし、奥に向かって歩き始めた。

 レグルスの後を、小走りに追ってきた布教師が、息を弾ませながら言った。
 「・・・レグルスさま、あの節はほんとうに、ありがとうございました。 貴方さまのおかげで、私もこうして生き永らえることができました。 歩けるようになりましたらすぐにも、お礼に上がりたいと思いながら、慣れぬ修行につい取り紛れて、心を痛めておりました。 どうぞ、このエリダヌスを、恩知らずと誤解してくださいますな。 私は一日たりとも、貴方さまのご恩を忘れたことはございません。 朝に夕に、祈りを捧げるたび必ず、貴方を想い・・・あっ、いえ、感謝の思いを・・・」

 はて、この神官は何を言っているんだろう、と、レグルスは思わず足を止め、後を追ってきた布教師の、フードに隠れた頭を見下ろした。
 フードの下の顔は見えなかったが、その姿かたちに、レグルスははっと思い当たって、布教師のほうに向き直った。
 「・・・ああ! どこかで聞いたことのある気がする名前だと思っていたら、おまえは、あのときの、旅の修行者か! ハザディルとやらいう遠い国から、はるばるリュキア目指して、長い旅の果てに、この訓練場のすぐ外にまでたどり着きながら、凶悪な盗賊に襲われ、命尽きたかと思われた、あの・・・」


 あの晩、恐ろしいほど深い傷を受けて、砂の上に倒れていた、旅の修行者。
 周囲に飛び散ったおびただしい血と、絹糸のように輝く美しい白銀の髪。 
 救いを求めるように、レグルスに伸ばした手の頼りなさ。
 そして、とりわけ強い印象に残っている、青ざめた、清楚な顔に浮かんでいた、苦痛とも至福とも見える、不思議な表情。

 あの時、もう2度とこの瞳を開くことはあるまいと思われた、あの修行者が、今ここに、レグルスの前に立っている。

 ――― 奇跡を見た思いがした。
 同時に、怒涛のような喜びが胸のうちに沸き起こり、それはレグルスの中で突然、輝かしい誇りへと変貌した。
 私が、この手で、この者の命を救ったのだ!
 人の命を守り、戦う戦士として、これ以上の誇らしいことがあるだろうか。
 ベテルギウスの言ったとおり、盗賊の一匹や二匹捕えることより、重傷を負った客人を一刻も早く神殿に送り届けることこそ、戦士としてとるべき、正しい道だったのだ。 あの晩こそまさしく、レグルスが戦士としてふさわしい働きをした、輝かしい初陣だった!





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最終更新日  2011.04.19 19:45:52
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レグルス様の初陣に祝杯を!!  
風とケーナ  さん
>再会した━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ っ!!!!!

あはは!!(*´∇`*)
ふろぷしーさん、最高!!!


>貴方を想い・・・あっ、いえ、感謝の思いを・・・

エリダヌスちゃんも、超~かわいい゜+・(о´▽`о)゜+・

エリダヌスちゃん、やっとあの時のことを、その思いを、
レグルス様に告げられて、本当に良かったね!


レグルス様の中に芽生えた輝かしい勝利の初陣への喜びにも、
深い感動を誘われます!

それに、むふふ~♪
エリダヌスちゃんと同様、レグルス様の脳裏(深層意識)にも、
あの劇的な救出の際のエリダヌスちゃんの御姿が、
(多分、エリダヌスちゃんの纏うオーラのようなものも含めて)
鮮烈に焼きついていたのですね。

まだ戦士としての歓喜や誇らしさの感情が前面に出ているレグルス様、
ですが、既にあの初対面の時から、
深い部分ではエリダヌスちゃんの存在が、
とても特別なものとして息づき始めていたのですね.:*・☆


ついに本格的なスタートラインに立った二人、
野次馬ケーナが、どこまでも応援いたしておりますぞ!!

フタリトモ!!(*^▽^*)*☆ガンバッ!!☆

(2011.04.19 21:40:35)

ケーナさま、ありがとうございます☆.: *:・  
レグルスとエリダヌスのふたりに


>エリダヌスちゃんと同様、レグルス様の脳裏(深層意識)にも、
>あの劇的な救出の際のエリダヌスちゃんの御姿が、
>(多分、エリダヌスちゃんの纏うオーラのようなものも含めて)
>鮮烈に焼きついていたのですね。

  ううう・・・(感涙)
  そうなんです。
  こんなデリケートな心の揺れ動きまで
  しっかり察してくださるなんて、
  ほんとうに、感激です!
  ケーナさん、ありがとうございます!

エリダヌス、とりあえずお礼は言う事が出来ましたが、
レグルスめ、
なかなか素直に受け止めてくれません。
戦士の誇りだとか恥だとか、
そんなことばっか気にしてます。

かたくななレグルスと、
今回なぜか少し陰のあるエリダヌス、
惹かれあいながら
なかなか気持ちの通じ合わない、
微妙なふたり。

ハッピーエンドは、まだまだ遠そうです(T_T)

でも、
ケーナさんが応援していてくださるから、
大丈夫!
ふろぷしーも元気百倍です!

パワーを、ありがとうございました!

(2011.04.20 00:24:36)

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