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2011.04.22
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 それでも、布教師の姿が玄関口の外に消えてしまうと、レグルスは、どうしてもその後を追わずにはいられなくなった。
 明るい日の光の中に溶け込んで消えた、その後ろ姿が、あまりにも頼りなくはかなげに見えたからだ。

 我知らず、玄関口から駆け出して、布教師の姿を探した。

 訓練場の通路を、正門に向かってとぼとぼ歩いていく、その姿はすぐに見つかった。

 ――― ぐさりと胸を突かれたような、激しい衝撃を受けた。
 その後ろ姿はあまりにも悲しげで、ひょっとしたら、泣いている、ように見えたのだ。
 まさか、厚顔無恥のジャムルビー族が、そんなデリケートな神経を持ち合わせているはずがない!
 無理やりそう考えようとしてもなお、思わず追いすがって、どうかそんなに気にしないでくれ、とすがりたくなるような切実なものが、その細い背中にはあった。



 それは、北辰館の雑用係、あの、仕事もしないで悪ふざけばかりしているタムタムだった。 
 オセロット少尉とふたりで食堂にいたとき、『オセロットが射止めたかわいこちゃん』と、侮辱的な冗談を吐いてレグルスを激怒させた、あの小面憎いやつだ。

 タムタムめ、さては、あの調子で今度は、新顔の神官をからかおうとしているんだな。
 そう思って見ていたが、タムタムは別に布教師に話しかけるわけでもなく、かといって何か用事を言いつけられたというふうでもなく、ただ、少し距離を置いてひょこひょこ布教師の後を追っていくだけだ。 そうしてタムタムは、訓練場正門まで布教師の後をつかず離れず追って行ったが、布教師が門の外に出て行ってしまうと、そこでようやく足を止め、門柱の影から、いつまでも、名残惜しそうに、その後ろ姿を目で追い始めた。

 その、タムタムの、なんだか気が抜けたようなしまりのない後ろ姿に、レグルスは、自分も今タムタムと同じことをしていたことにはっと思い至り、ひとり赤面してあたりを見回してから、おおいそぎで食堂に向かって駆け出した。

 こんな間抜けな姿、誰にも見られなくてよかった!





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最終更新日  2011.04.22 19:53:17
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