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2011.04.23
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 その夜レグルスはさっそくベテルギウスに、この風変わりな布教師のことを話して聞かせた。
 ジャムルビー族の話なんて、今まで口にするのもおぞましいと思っていたレグルスなのに、不思議なことに、あのエリダヌスという布教師の話題なら、ちっとも不快じゃない。 どころか、なんだか楽しくて、心浮き立つようで、同じことを何度も何度も繰り返し思い出しては、いつまでもしゃべっていたいのだ。 それはもう自分でもあきれるくらい。 そんな自分の変化に驚きながら、レグルスは、時を忘れてエリダヌスのことを話し続けた。

 「・・・とにかく、変わった布教師なんだ。 なんていうか、ずっと、ぼうっとしてて、心ここにあらずって感じ。 話しかけても反応は鈍いし、あんなふうで、あいつ、ほんとうに布教なんかできるのかね? きっと、ああやってぼんやりしてるだけで昼休みなんか終わっちゃうんじゃないのかな。 あんなやつの説教で信仰の道に入るような間抜けな戦士がいるはずないよな。 あんなのを布教によこすなんて、神殿の人事はどうなってるんだ? でも、あの調子なら、布教もできないかわり、戦士たちを怒らせていざこざを起こす心配もないか。 おかげで僕は楽できるね! あははは!」

 ベテルギウスはにこりともせずに、レグルスの愚痴を聞きながらじっと何か考え込んでいるふうだったが、やがて、恐ろしくむずかしい顔で、レグルスのおしゃべりに口をさしはさんだ。
 「・・・その、布教師の話なんだが、どうも妙なんだ、レグルス。 今日、うちのキール軍曹とその話をしていて、僕もやっと思い出したんだけど、毎年、軍に派遣されてくる布教師の数は3名と決まっていて、ところが、今年の分の3人はもう、年初めの入隊式の直後に来て、もう活動を終えてるんだよ。 つまり、今年はもうここに布教師が来る予定はないんだ。 それを、今ごろ、こんな中途半端に時期に、しかも1名だけ、なぜリザード中将閣下は受け入れたんだろうな。 しかもキールの話だと、派遣されてくる布教師は年寄りと決まっていたようだぞ。 年配の神官のほうが、説教がうまくて、性質が穏やかに練れているので、戦士たちといざこざを起こしにくいから。 そして、十分に修行を積んでいて、もし怪我をするようなことがあっても、たいていの傷は自分で治してしまうから、って。 ・・・うん、それはもっともな話だよね。  だったら、今回派遣されてきた布教師が、君の言うような未熟な神官だったら、ますます妙じゃないか。 さらにもうひとつ、キールの記憶では、これまで布教師に護衛をつけるようなことは一度もなかったそうだよ。 なぜなら、そういう、布教師の身の安全に気を配るような仕事はいつも、ドーラ大佐という方がすべてを取り仕切って、ジャムルビー神兵に指示してやらせていたからなんだそうだ。 リザード中将が自ら布教師のことに口出しするなんて、異例中の異例だ、って。 そのうえ、その布教師は、リュキア神殿の者じゃなくて、つい最近、よその国から来たばかりの客神官・・・なんだかさっぱりわけがわからないよなあ」

 また少し考え込んでから、ベテルギウスが、少しためらいながら、ひとりごとのように付け加えた。
 「それに、こんなことをいうと変に聞こえるかもしれないけど、僕はこのごろ、神殿という言葉を聞くと、それだけで、なんだか妙に落ち着かない気持ちになるんだよ。 なんだか、悲しいような、もどかしいような、何か大切なことを忘れているような、何かしなくちゃ、って、じっとしていられないような、変な気分。 ・・・僕、変なのかな?」





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最終更新日  2011.04.23 20:02:15
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