突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

PR

プロフィール

ふろぷしーもぷしー

ふろぷしーもぷしー

カレンダー

サイド自由欄



little_heart.gif


thumbnailリュキア伝説

リュキア伝説・本館

☆完結しました☆



rykia_contents.gif




鬼の棲む街バナー.gif



little_heart.gif






thumbnailレグルス王

真魚子さまの絵



thumbnailトキ

エメラルドeyesさんのブログ
『ねこマンサイ』
で紹介していただいた、
ふろぷしーもぷしーの過去日記
『迷い犬を保護してしまいました』2008.6.19~10.7



thumbnail鮎屋トキ

『いっしょに歩こう!』
2008.12~2009.1


キーワードサーチ

▼キーワード検索

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07

お気に入りブログ

神の祝福 第1話 千菊丸2151さん

小説 「scene clipp… マトリックスAさん

パンの日々 nako7447さん
道楽オヤジのお気楽… 車屋のオッサンさん
ゆっくりね ラブドルフィンさん

コメント新着

風とケーナ @ ご完結おめでとうございます.:*・☆ ふろぷしーさま、こんばんは♪ この度は、…
ふろぷしーもぷしー @ 千菊丸さま☆゚・*:.。. いつもありがとうございます☆ わずか一、…
2011.06.06
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


lotus flower


 いつものようにユキヤナギの茂みの中にもぐりこんでいこうとして、プロキオンは、はっと足を止めた。
 プロキオンのねぐらの、入り口の真ん前に、あの人が腰を下ろして、にこにこ、プロキオンを見上げていた。

 先回りして、僕を待ってた?!

 びっくりして、また逃げ出そうとしたプロキオンに、そのひとは、春の日差しみたいにおだやかな声で言った。

 「お願いだから、逃げないで。 本当に、少し話がしたいだけ。 足跡をつけて来たりして、ごめんなさい。 俺、あんなふうに、あなたに誤解されたままで、帰れなかったんです」

 うっとりするような、甘い声。
 心がとろけてしまいそうな、優しい微笑。
 どんな警戒心も恐怖心も、いっぺんに解けてしまう。

 それに、逃げても、ここはもう僕の家の前。


 心を決めて、うなずくと、プロキオンは、その人の背後の茂みを指差して言った。
 「その茂みの奥が僕のねぐら。 じゃ、はやく中に入って。 こんな森の奥深くまで、よそ者が入り込んできたのを、村の大人に見つかったらたいへんだよ!」

 その人は、嬉しそうにぱっと顔を輝かせてうなずいた。
 笑うと、子どものような可愛い顔になった。

 急いで茂みの奥にもぐりこんで行く、その人の後に続きながら、プロキオンはなんだか胸がわくわくしてきた。
 「森の外に住むバルドーラやパピトたちはみんな、リシャーナの森に入り込んで来るのをとても怖がっているよ。 悪戯な魔法使いに化かされて、骨抜きにされてしまうから、って。 君は、魔法使いの森の、こんな奥まで入り込んできちゃって、怖くないの?」

 プロキオンのねぐらの、ふかふかのわらの床に腰を下ろして、その人が、ほっとしたように明るい目を上げた。
 「怖いよ! あなたの足跡を探しながら、深い森の、狭い小径をたどって、ここにつくまでの間、生きた心地もしなかった! いつ、リシャーナの誰かに見つかるか、見つかったらどんな目に合わされるか、って。 でも、どうしてもあなたにもう一度会いたくて、会って話をしたくて、気持ちが抑えきれなかったんだ。 こんなふうに、足跡をつけてくるなんて、失礼なやつだと怒ってる?」

 とうとう、くすくす笑い出しながら、プロキオンは頭を振った。
 「怒ってないけど、思い切ったことするなあ、って 驚いた。 それに、よく、僕の足跡なんか見つけられたなあ、って。 リシャーナたちはみんな、森の中を移動するとき、“木隠れ”という魔法を使うんだよ。 地面に足跡なんか残さないのに」





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.06.06 20:15:41 コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: