突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.08.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 バルドーラの仲間になんか、アンタレスを返さない。
 ずっと、リシャーナの森にいてもらうんだ、と。

 アンタレスが開けようとした戸に、“電撃”を流した。
 子どもの魔法“稲妻”の、最高位の魔法。
 鋭い痛みと痺れが全身に走り、一瞬の間動けなくなる。

 “電撃”に触れて動きの止まったアンタレスの背中に、“眠り”を構えた。
 が、呪文を唱え始めたとたん、アンタレスが、まるで、背後のミラの動きが見えたみたいに、大きく横へ跳んだ。
 と同時に、ミラの“眠り”を構えた腕に、何かが飛んできて、カン、と鋭い音を立てて跳ね返った。


 もちろん、ミラの全身はリシャーナの鎧で守られているから、そんなもの痛くも痒くもない。
 でも、いきなり小刀を投げつけてくるなんて、ずいぶん荒っぽいことをする、と思った。
 ミラの気持ちが通じないのが、悔しくて、悲しくて、そして、すごく腹が立った。

 ――― こうなったら、意地でも、この家から外に出してやらない!

 印を結んで、“透明”を唱えた。
 再び戸口に向かおうとするアンタレスの、足もとめがけて、大きな“炎”を飛ばした。
 ちょっときつい攻撃。

 アンタレスが、激しい熱風にあおられて転倒する。

 跳ね起きたアンタレスが、2本目の小刀を投げつけてきた。
 あてずっぽうだ。
 “透明”になったミラの姿は、アンタレスにはもう見えてない。


 鋭い視線を周囲に走らせるアンタレスに、もう一度、“眠り”をかけようとした。
 でも、アンタレスはまた、ミラの動きが見えたように、大きく横に飛んだ。
 激しく動き回るアンタレスには、どうしても、時間のかかる“眠り”がかけられない。
 ちょっと悔しい。

 小さく地団駄踏んで、もう一度、“炎”を飛ばした。

 身をねじってそれをよけたアンタレスの背中めがけてもうひとつ。
 床に伏せたアンタレスの横っ腹めがけてもうひとつ。
 そして、回転しながら逃げ惑うアンタレスに、続けざまにいくつも“炎”を投げつけた。

 が、しなやかな身のこなしで敏捷に動き回るアンタレスには、ひとつも命中しない。
 いらいらしてきた。

 ミラの執拗な“炎”攻撃を避けながら、アンタレスが、部屋の隅の暗がりに転げ込む。
 と、たちまち闇に溶け込んで、アンタレスの姿が見えなくなった。

 ――― 暗いところに逃げ込めば、僕が攻撃できないと思ってる。
 そう思ったら腹が立ってきた。

 顔をしかめて、ミラは『光明』を唱えた。
 今度は、最大光量だ。 
 部屋の中が、いっぺんに、真昼のように明るくなった。
 もう、ねずみ一匹隠れるほどの暗がりもない。
 隠れ場所を失ったことを悟ったアンタレスが、悔しそうに片手で顔をかばいながら、立ち上がった。





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最終更新日  2011.08.13 19:41:02 コメントを書く


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