突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.08.18
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カテゴリ: カテゴリ未分類

あるはずのない不気味な笑い声に、フォーマルハウトがぎょっと振り向いた、そのすきに、エリダヌスは急いでフォーマルハウトの手を振りほどき、窓枠から飛び退いた。
 が、フォーマルハウトの視線の先に立っている人影を見ると、エリダヌスは、再びその場に凍りついた。

 フォーマルハウトも、驚愕の表情を浮かべている。
 「・・・アギーラ?! おまえ、声が・・・!」

 四方の石壁に不気味な笑い声を響かせて、アギーラが、これまで、深く下ろして一度もとったことのないフードを、勢いよく、ばっ、と脱ぎ去る。
 その顔には、見るも恐ろしい傷跡が、無数についていた。
 「フォーマルハウト、お前にこの顔は見覚えがないんだろうな。 お前はいつも高みから見下ろしているばかりだもんな。 汚い仕事には決して自分で手を下さねえ」

 ――― エリダヌスには、見覚えがあった。

 あの、悪夢のような砂漠の夜、エリダヌスの胸に、黒光りする長い剣を深々と突き立てて、命を奪おうとした、凶悪な盗賊。 

 「・・・アードウルフ!」
 悲鳴のような声で叫んで、そのまま恐怖に凍りついて身動きできなくなったエリダヌスを、アードウルフが、いや、アギーラが、いや、アードウルフが、苦しげな表情でちらりと見やってから、また、フォーマルハウトに向かって、憎々しげに、牙をむき出した。

 「フォーマルハウト、お前は、俺に、エリダヌスさまを襲わせるために、その数日前にあらかじめ、にせものの3人組の旅の修行者を襲わせたな。 旅の修行者は見た目に似合わず宝をたくさん持ち歩いていて、それを奪うのも簡単、割のいい仕事だ、と俺に思い込ませ、エリダヌスさまの一行を見つけたらすぐに襲いかからせるためだ。 加えてもうひとつ、手にすれば誰でも人殺しをしたくなる魔剣を俺に持たせるためだ。 悪知恵の働くやつめ、お前は、エリダヌスさまをリュキア神殿に受け入れたくなかったから、俺を使って、途中でその命を奪おうとしたのか」

 「手にすれば誰でも人殺しをしたくなる魔剣・・・!」
 ぬめぬめと黒光りする、あの恐ろしい剣の、胸に食い込む冷たい感触が蘇って、身体が、がたがたと激しく震え始めた。
 両手でしっかり自分の身体を抱きしめて、耐えようとしたが、震えはおさまらなかった。

 そのエリダヌスに、フォーマルハウトが、冷ややかな視線をちらりと投げかけ、肩をすくめる。
 「本当に、エリダヌスには気の毒なことをしてしまいました。 でも、あのときはまだ、命まで奪おうとしたわけじゃないんですよ、本当に。 アナルケルの言いつけどおり、レグルスの気を引くために、少しだけ派手な怪我をさせるにはどうしたらいいかと、考えあぐねた結果だったんです。 レグルスは、ジャムルビー族を毛嫌いしていますから、少しばかりの傷を負ってみせたくらいで気を許すはずがないし、そもそもパピト族の盗賊たちは、金品を盗むだけで武器を振り回すようなことはめったにしないものだ。 かといってバルドーラの盗賊になんか襲わせたら、3人とも、あっという間に滅多切りにされるか、あるいはさらわれて人買いに売り飛ばされてしまうかもしれない。 そんなことになったら、私の手に負えなくなってしまいます。 それでは困りますから、やむなく『人斬りの魔剣』を持ち出すにいたったんです。 まさか、あれほどの強い霊力があるとは、私も思いませんでした」





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最終更新日  2011.08.18 18:38:22 コメントを書く


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