突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2011.08.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 門番が少し不安げに、それでもおとなしく剣をおさめると、リゲルは、異国の神官の顔をものめずらしげにじろじろ見ながら言った。
 「訓練場の外の砂漠に出たい、と言ったな? 急いでるんだな? よし、それも俺の責任において柵を開けてやろう。 ただ、手短でいいから事情を説明してくれ。 おまえは、わが軍に派遣されていた布教師に縁故のある者だな? エリダヌス師拉致の件で動いてるんだろ?」

 「ありがとうございます! 仰せのとおりです」
 柵に向かって駆け出したリゲルの後を、機敏な動きで追いながら、神官が答えた。
 「私たちは、法力をもって遠くはなれた仲間と会話することができますが、今日昼ごろ、突然エリダヌスとの連絡が途絶えてしまいました。 心配になり、リシャーナの長老にお願いして、モミの木の森のカラスたちを総動員して捜索に当たらせたところ、夕方になってようやく、南大城門の外の、塔の最上階の窓に、エリダヌスの姿を発見したという知らせが返ってきました。 ただ、どうやってそこまで行ったのかがわからない。 塔は城壁の外にあって、城壁の外には、この軍訓練場を通らなければ出られないのですから。 でも、この国に到着した夜、あの塔の足もとに、砂に埋もれかかった小さな出入り口がひとつだけあったことは記憶にありましたので、あの戸をこじ開けて塔の中に入ろうと、それで、こちらから砂漠に出していただくためにまいりました。 私の後からもう一人、弟神官のスピカが、塔の出入り口の鍵を開けるため、パピトの街から腕のいい鍵開け職人を連れて、こちらに向かっています。 おっつけ到着すると思います」

 「あの塔は、砂漠にも出入り口があったのか!」
 リゲルは目を丸くして、カノープスというこの神官の顔を振り向き、それから、おろおろと2人の後を追ってくる門番に言った。
 「門番! 今の聞いてたね? じゃ、急いで北辰館に走って、今日の夜勤担当の兵長にこの事情を一言一句もらさずに伝えよ。 それから夜勤兵の半数で応援部隊を編成して、南天舎の食料庫に向かわせる。 いいね、食料庫だよ。 そこに待機している料理人たちに案内させて、地下通路を南に進攻するんだ。 すると、どんづまりは塔の入り口。 そこでアルタイルが待っているから、以後はアルタイルの指示で動け、と。 それから、砂漠の、俺たちリゲル隊の方にも応援兵を何人かよこすように。 ・・・了解?」

 命令を復唱してから、門番が、カチッと靴のかかとを鳴らして敬礼した。




闇夜の天馬



 柵の戸を開けて、踏み出した砂漠は、すでに夜の帳が下りて、物音ひとつない、果てしなく暗い水底のようだ。
 白い砂を蹴って大城門のほうに走っていくと、カノープスの言うとおり、見張りの塔の足もとには、砂に半ば埋もれて、小さな戸がひとつあった。

 後から追いついてきたスピカという神官と、彼が連れてきた、腕のいい鍵開け職人だというパピトたちがさっそくランタンの灯りを頼りに、錆びついたその錠前を調べ始める。

 そのとき、突然、あたり一面、ぱーっとまばゆいオレンジ色に染まった。

 「な、なんだ?!」
 振り向くと、城壁の中、競技場の先のあたりに、巨大な火柱が上がっていた。

 まぶしそうに片手で顔を覆いながら、カノープスが答える。
 「リュキア神殿が炎上します。 通常の火と異なり、消すことは不可能だと聞いています。 が、火が放たれてから炎上までには少し時間の余裕がありましたので、神官たちはみな外に避難しました。 ご病気の方、眠っておられる方なども、全員退避させることができたということです」

 「なんと! そんな大事故が起きているのに、神殿はなぜわが軍に救援を要請してこないのか?!」





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最終更新日  2011.08.25 18:40:34
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