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音楽とは「音を楽しむ」と書きますね。子どもにとって、「音」というのは、とても楽しいものです。そして、その音を楽しむ営みが「音楽」なのです。ところで、よく「絶対音感」がよく育つのは2,3歳で、6歳を過ぎると困難である、という情報を耳にします。このこと自体は、正しい情報かもしれませんが、だからといって、2,3歳で音感教育をすれば、「絶対音感」が身につくということではありません。また、絶対音感を育てられたから、子育てが成功する、ということにもなりません。例えば、お母さん方が幼児期の子どもに無理強いをして音楽を習わせてしまうとか、楽器が弾ける様になるという成果ばかりに目を奪われてしまったり、音楽教室で、活発に振舞うことを期待してしまったりすると、子どもは音楽を楽しむ前に、お母さんの「思い」を受け止め、それに応えようとします。反対に子どもの発達に応じて、適切な楽器を選び、親が関わることで、子どもは音を楽しみ、音楽的知性を育てることを助けます。大事なことは、「音」を「楽しむ」ことであり、親ができるのは、その環境を作ってあげることです。環境とは、楽器を買い与えることや、音楽教室に通わせることだけではありません。その前に、もっと大切なことがあります。子どもにとっての楽しみは、「音」を通して、対話することであり、その相手として、もっともうれしいのは、親なのです。つまり「親が関わる」ということが、まず第一段階として大切なことなのです。子どもは、次のような段階を経て、音楽的知性を身に付けます。この順番は、非常に大切で、決して飛び級はありません。【第一段階】音を知る親が、いろんな音を聞かせて、世の中には、音というものがあるんだ、ということを知り、音の世界の入り口に立ちます。そして、「音を鳴らす」という営みを学ぶ時でもあります。これらは、言語習得と同様に、親との対話の元で行なわれる必要があります。【第二段階】音を試すいろんな種類の音を聞き、いろんな鳴らし方で、いろんな音を出して、「音を試す」時期です。金属の音、木の音、太鼓の音など、いろんな質感の音を聞き、その鳴らし方として、叩く、押す、振るなどいろんなアクションをしてみる。「音の世界の奥深さ」を体験します。その際、電子音よりも、空気の振動で伝わるアナログ音が好ましいです。強く鳴らすと、大きく鳴る、小さく鳴らすと、小さく鳴るという物理的な力との関係を、体験的に学べるからです。【第三段階】音を選ぶ音とそれを鳴らすアクションに対して、嗜好性がでてきます。この時期が、楽器を始めて手にするのにふさわしい時期と言えます。好きな音質(金属系 or 木質系)、好きな鳴らし方の楽器で、いろんな音程の音色を楽しみます。この時期に、一つの楽器で、いろんな音色を奏でて「音程」というものを体験的に学びます。「絶対音感」が養われるこの時期には、キチンと調律がなされた、本物の楽器を選ぶとよいでしょう。【第四段階】音を操るここではじめて、簡単な演奏に取り組む時期になります。ただし、簡単すぎるものも、難しすぎるものも、いけません。少しだけ難しいけど、がんばればできる程度の演奏にチャレンジして、「小さな成功体験」を繰り返しながら、レベルを上げていきます。最初は、非常に短く狭い音域(シンプルな演奏)でできるもの(童謡の1小節など)からはじめます。ラーメンのチャルメラ(ドレミ~レド、ドレミレドレ)などは、ドレミの3つのみで完結し、非常に短いので、おすすめです。では、具体的にどんな楽器を選んだらよいのか、上述の段階別、年齢別におススメを選んでみました。。そして何より大切なのは、お母さん・お父さんの関わり方です。【第一段階】音を知る0~1歳・・・ この時期はまず自分で音を出せる単純な楽器がよいです。 赤ちゃんが自分のとる行動で音を出せることを楽しみ、 音への興味がわきます。おすすめ・・・ 赤ちゃんが振り回しても安全なもの。音のきれいなもの ラトル・チャイム・カラフルで単純な太鼓など関わり方・・・ 赤ちゃんが自分の意思で音を出せたら、満面の笑みでよろ こびましょう。お母さんの笑顔と音とを結びつけて認識します。【第二段階】音を試す1~2歳・・・ いろいろな音を、自分の興味にしたがって試せる楽器が よいでしょう。色々な音の違いを楽しむようになります。 ただし、この時期は、音程がしっかりした本格的なものである 必要は、必ずしもありません。いろんな音を体験できることが 重要です。おすすめ・・・ 子ども用の木琴やピアノ。ねじを巻くと音のでるオルゴール なども最適です。美しく、自然の音色のものを選びましょう。 電子音よりは、空気の振動を伝えるアナログ楽器の方が、 好ましいです。関わり方・・・ 一緒に楽器を弾いたり、歌を歌ったりとしましょう。お子さ んが、音を出したらそれに合わせて音を奏で、一緒に演奏す ることの楽しさを伝えましょう。 興味を示さないものを無理にさせることは止めましょう。【第三段階】音を選ぶ2~3歳・・ この頃は嗜好性も芽生えてきますので、子どもが興味を持 つ楽器を習わせることもよいでしょう。また、絶対音感が 養われる時期ですので、音程のしっかりした楽器を選ぶと よいでしょう。できれば、楽器メーカー製の調律された楽器 が好ましいです。おすすめ・・・ バイオリン・ピアノ・リコーダー・ハーモニカ・ギターなど 小さな頃はできるだけアコースティックな楽器がよいです。 関わり方・・・ 家庭での基本は、楽しむことです。間違いなんか気にせず、 家族で楽器演奏を楽しみましょう。 楽器演奏を習わせるときは、子どもの特性や興味にあった ものを選びましょう。【第四段階】音を操る3歳~・・・ 音程のつながりを楽しめるようになります。 楽器が身近にあることはとても大切です。絵を描いたり、 歌を歌ったりするのと同じように、想像力を膨らませて 楽器を楽しめるようになります。 習い事などで、練習し上達していく過程も楽しくなってきます。 家庭では、子どもを先生として子どもから教えてもらうと、 子どもは楽しく、自信を持って演奏します。この四段階や親の関わりの重要性は、発達心理学で言う「子どもの学習原理」に基づいて、私が体系化したものですが、音楽に限らず、英語や他の習い事など、すべての幼児教育において当てはまると考えています。
2010年02月09日
「空間的知性とは、頭の中に空間を再現できる能力のことです。」と金子保さんは、著書の「6歳までにしておきたい親子体験」の中で言っています。たとえば、目的地までどの道を歩いていけばよいかとか、ドライブをするときに、それぞれの道路が頭の中で再現できる知性のことです。しかし最近、この能力が育っていない子供の事例が報告されています。近寄っ来る車との距離感がつかめなかったり、学校で教室へ一人で帰ってこれない子供がいるそうです。この原因は「幼児期の体験不足である」と研究者は報告をしています。幼児は、体験で学んでいきます。テレビの中や本のなかでの認識は疑似体験であり、本当の体験ではありません。空間的知性を育てるには、徒歩での散歩が一番良いそうです。歩いて道を歩いたり、階段を上ったり下りたりすることで、感覚が出来ていきます。また、空間体験ができる楽しい遊びもとてもよいです。ここで大切なことは、子どもが自分で空間を作り上げていくことです。丸、三角、四角だけのシンプルな積み木はとてもよい教材となります。子どもは頭の中に、地図や建物を思い浮かべながら、積み木をさまざまなものに見立てて自分だけの空間を作りあげます。空間的知性だけでなく、想像力を豊かに育ちますね。そのほか、折り紙や迷路遊びなどもとてもいいですね。
2010年02月05日
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