2002年11月17日
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土曜日の夜は、池袋のLIVE INN ROSAで行なわれたライブに出かけた。
出演バンドは、佐々木敦氏( FADERBYHEADZ )が主催する weather レーベルからアルバムリリースを行なっている
サンガツ、GROUPほか。

女性2人のハーモニーが魅力的なwin a sheep freeや
はじめて聴く映糸やSpangle call Lilli lineといったバンドも良かったが、
中でもつよく印象に残ったのがGROUPのステージ。

GROUPは、ギター×2、ベース、ドラムス、ソプラノサックス、トランペットからなる

ロック・アンサンブルとでも名づけたくなるような
個々の楽器が奏でるひとつひとつの音の絡みあいによって
なんともいえない緊張感あふれるダイナミックな音像を生み出す
バンビが好きなバンドのひとつ。
彼らのライブを見るのは今回3回目だったが、1年半ぶりくらいにみるそのステージは、
前2回の時とはかなり印象が違った。
以前は、ひとつひとつの音をとても大事にする様が、
個々の内面へと全神経を集中させるかのように静かに演奏する姿自体に表れていて、
見ている側も固唾を飲んで見守るといった緊張感ある雰囲気のステージだったが、
今回のライブでは、以前は内に向かった封じ込められていた巨大なエモーションが、
はじめて外へ向いたというように、パワフルな演奏を見せてくれた。

ギターのタケヒサは椅子に腰掛けたままの体勢ながら、体を左右前後に激しく動かし、
音のひとつひとつを刻み付けるように奏でていた。
これまでのおそろしいほど繊細で、音の微妙なズレさえ排除するような神経質とさえ
いえるような、演奏とはまったく反対の、
全身から音を鳴らしている、

ひとつひとつの音へのこだわりは決して犠牲にしないギリギリの演奏への変化は、
1年半のあいだでの彼ら自身の音への自信のようなものを感じさせてくれて
非常に印象的だった。

そんなGROUPを見ていて、感じたのは、強い音のマネジメント力のようなものだ。
ドラッカーは「マネジメントの役割は組織としての仕事ぶりと成果をあげることにある」と
言っているが、まさにGROUPの演奏には、音を生み出すマネジメントの力をつよく感じた。
先にも書いたが、GROUPの曲というのは、それぞれのメンバーが紡ぎだす
ツインギター、ベース、ドラムス、ソプラノサックス、トランペットの音のひとつひとつを
重ね合わせるのではなく、折り重ね、絡ませるようにして編み出される繊細なものだ。
今回のライブはその繊細さに、力強さという新しい魅力が加わったわけだが、
それでも、その力強さはただ大きな音を鳴らすことによって生み出されるものでは決してない。
よくあるバンドの音のように、音の重なりが個々の音を消してしまい、
ただの騒音と紙一重な轟音にとどまるようなそれとは違い、
GROUPの音は楽器個々の音の輪郭が決して損なわれることなく、同居し、
しかも、音のそれぞれが別の音を押し出すように、複雑に繊細に絡み合うような構造をとっている。
当然、そこには自分の鳴らす音だけでなく、
他の5人の奏でるを音を正確に聴く耳がなくてはならない。
いや、聴いているのではなく、予測し、感じ取っているというべきなのだろうか。
いずれにせよ、それは"弾きまくる"ことのよる力強さの創出ではなく、
"互いに増幅しあう"ような力強さの創出の仕方であるような気がする。
バンビはそこにマネジメントを感じるのだ。
ただ、大きな音を重ねるだけでも力強さは表現できる。だが、それは個々の音の個性を消してしまう。
繊細に音を重ねて、互いに隣り合う楽器の音をサポートしあえば、個々の音は引き立つし、
全体としての曲の魅力も増幅される。だが、それは繊細であるがゆえに神経質な印象にもなるし、
力強さに欠けるものとなるかもしれない。
おそらく、1年半前までのGROUPの演奏は後者だった気がする。
だが、今回のライブでは、それまでの魅力を損なわないまま、さらに力強ささえ手にいれたものだった。
内に向かっていたエモーショナルなものが、そのまま外向きに方向性を変化されたような感じだ。


 組織の内部で発生するものはコストだけである。
 成果は、組織の外部にしかありえない。


これもまたドラッカーの言葉だが、
バンビはこれがGROUPの変化を説明するのに、ぴったりな言葉ではないかと思う。
「成果は、組織の外部にしかありえない」。成果としての音は外部にしかありえない。
これまでのGROUPもとうぜんそれを意識していただろうし、そうでなければ、
あの繊細な音のアンサンブルは不可能だったはずだ。
だが、そこでは明らかに力強さが犠牲にされていた。
いや、正確にはかつてのGROUPは、外に成果としての"力強さ"を創出する方法、
成果をあげるためのマネジメントについて知らなかったのだと思う。
マネジメントは人の管理ではなく、組織に成果をあげるようするための方法であり、
より正しく行なわれるなら、そこにはほとんど自然に力強さは宿るはずである。
そして、この1年半のあいだで彼らが得たものは、
"繊細なアンサンブル"と"力強い演奏"を同時に可能にする音のマネジメントの方法だっただろう。
先ほど、バンビはGROUPの今回の変化を、自分たちの音に自信をもったゆえの変化だと書いたが、
実際にはそんな単純な精神論だけで音が変化するわけではないはずだ。
精神論は必要だが、それだけでは決して変化は起こせない。
変化にはやはり明確な方法の取得が必須だと思う。
そして、外に成果をあげる方法とは、マネジメント以外にありえない。
力強さを携えたGROUPのステージは、バンビにそんなことを考えさせてくれた
素晴らしいステージだった。





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最終更新日  2002年11月18日 12時08分33秒
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