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少年は12歳にして「永遠の命」に閉じ込められた!?僕はなぜ大人にならないのだろう。心も躰も成長を止め、純粋な子供のまま生きていくことは果たして幸せなのだろうか。出生の秘密を自ら探る呼人が辿り着いた驚くべき真実とは。感動のラスト、権力者の理想が引き起こす現代の恐怖をリアルに描いた傑作長編。
これも人とは違う孤独モノ、ですね。
“DZ”
にも通じるところのあるような。
最初、成長しないといっても体が成長しないだけで
心は経験や年数で成長するはずでしょ?
と思ったけれど、精神年齢は12歳のまま経験をつんでいく
あたり,割とうまく書かれていたと思います。
12歳っていうと 大人じゃないけれど結構大人
な
微妙な年齢。
これが20歳あたりで成長が止まったんだったら
ちょっとうらやましいな~なんて思ったり。![]()
でも20歳だと周りに取り残される孤独は12歳の心よりも深く
感じてしまうかも?
頭のいい潤という友達はアメリカ留学中に差別にあって
いつかアメリカに復讐してやると誓って
何ヶ国語か話せる敏腕ディーラーになったあと
“アメリカをカモって”
服役する。
気は優しくて力持ちな厚介は自衛隊に入って
エリートのコマンド訓練を受け北朝鮮で
地獄を味わう。
主人公の少年の周りの少年少女たちの物語も
テンポよく展開されていってサクサク読み進めました。
でもちょっとところどころ説得力に欠ける、かな?
差別にあったといったって 復讐を誓うほどじゃない
経験だし
第一よその国に住んでて同化できないと感じるのは
もしくは受け入れられないと思わせられることは
悔しいけれど ある程度仕方がない
ことじゃないかと。
コレが自国であったことなら怒り具合も違うだろうけれど
嫌なら日本に帰ればいいのに。
日本人には帰る国があるんだから。
あと、少年が死なない体になった元凶の母親との対決も。
母親が少年をそういう風にしたことの理由が
“若かったから”
??
“若くておろかだったから一緒にいられない子供に
いつまでも元気でいてほしかったから不老不死にした”
・・・・。
いくら 若くてバカ
でもそんな誰も使ったことのない新薬なんか
妊娠中に試そうと思うものでしょうか・・。
でもまぁ、全体的に設定が半分SFチックなわりに結構リアルで
楽しめました。
99年発行の作品ですが(ってことは執筆は97~98年?)
99年、2005年の社会描写があまりに
当たっててこわいくらい。
“アジア経済圏では中国の躍進が目覚しく
日本はめっきり存在感をなくしていた。
そうなるとアメリカは日本を飛び越え中国に色目を使うようになる“
とか。
だけど、小説内では 99年の11月にNYを訪れる
のだけれど
主人公はそこで ツイン・タワー
を見る。
“そびえたつツイン・タワー。緑豊かなバッテリーパークの後ろからのぞくウォール街の高層ビル。”
これが主人公の見たものだけれど実際にはこのときには
すでにツイン・タワーはなくて
NYはまだ混沌の中にあったと思うと
なんだかここではないほかの世界にはまだツイン・タワーは
あるんじゃないかと不思議な気持ちになってみたり。
実はこの本、ちょっと前に読んで感想を書きそびれていたのですが
やっと書けてよかったです。
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