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2006.11.09
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カテゴリ: 本のある暮らし
難儀でござる

『難儀でござる』 岩井三四二

この著者の本は2冊目くらい。これは評判どおり面白い。

歴史の中のほんの一場面を切り取って、こんな情景もあっただろう。こんな会話もしただろう。
と、共感を呼ぶ筋立て、楽しく読めてちょっとしみじみする8篇の物語。
1篇の終りには、元となる史実を短くまとめてある。

わがままで世間知らずの殿様の命により、敵方との交渉に苦心する家臣たち。

〈なにがあっても主は主、主もちは大変でござりまする〉

〈家を長らえようと思えば是非ないことじゃ・・・〉

〈・・・やさしいお屋形さまだからと言って、命を捧げるほどのことも〉

現代にもあてはまるようなつぶやき、特に男性には身につまされる思いだろう。

『一句、言うてみい』
山梨県・恵林寺の快川和尚の話で、
信長に寺を焼かれて死ぬときに残した言葉(心頭滅却すれば火もまた涼し)で知られるお坊さん。

弟子の一人を主人公にして、炎のなかに身じろぎもせず坐禅を組んでいた老師に対し
少しでも俗性を疑ったことを恥じながら、話は終わる。

恵林寺へは観光で行ったことがあり、古く立派な境内もおぼろげに思い出す。
久しぶりに印象に残る歴史小説を読んだ気になった。





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最終更新日  2006.11.09 21:51:25
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