「地獄は克服できる」
<1>
ヘルマン・ヘッセ /フォルカー・ミヒェルス 2001/01 草思社 単行本 262p 原書1995
No.832 ★★★☆☆
年寄りの介護で行った病院の、土曜日図書館で、思いもかけずヘッセの
「庭仕事の愉しみ」
を見つけた。 それ以来、
「人は成熟するにつれて若くなる」
、
「ヘッセの読書術」
、
「愛することができる人は幸せだ」
と
地獄を目がけて突進しなさい。地獄は克服できるのです。断章11(1933年頃)
P119
この本の原書は、危機と転換をテーマとして1995年にこのタイトルででているが、2001年には「人生を乗り切る」と改題されているようだ。
別の本では
「さらば 世界夫人」
として訳出されている詩は、この本では、ほとんど同じ訳だが、「さようなら この世さん」となって、ちょっとやわらかい感じになっている。この本はこの詩がエンディングだった。
ヘッセは
1921年
(44歳)2月と5月、C・G・ユングのもとで精神分析を受けたという。それに先立つこと1918年にヘッセは 「芸術家と精神分析」
p91を書いてフロイトやユングに触れている。あるいは、ちょうど同じ頃、スピノザについても触れている。
私ははじめてひとりの哲学者の本を読んで、その難解さにさんざん苦しんだのち、ようやく理解したときに、この上もなく甘美な錯覚に陥ったことをいまだによく覚えている。それはスピノザであった。
p185
何度か自殺も試みたと言われるヘッセのことである。作品が自分の体験と緊密に関わりあう典型的なゲーテ・タイプではあるが、決して文章にされることのなかった深淵も数々あったに違いない。私はこの本を読むのは、ちょっとしのびないところもあるのだが、このような精神の彷徨があったればこそ、
「シッダルタ」
や
「ガラス玉演戯」
のような作品が生まれてくるのだろう。
ヘッセの水彩画 2007.11.04
ヘルマン・ヘッセ 雲 2007.11.04
わが心の故郷 アルプス南麓の村 2007.11.04
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