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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2014.08.05
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 実に衝撃的な内容が記された一冊だった。
 私がこれまで読んできたものでも、 『うつ病治療常識が変わる』 は、
 薬剤にスポットを当て、その使用に疑問を呈したものだった。

 また、 『ヒーリー精神科治療薬ガイド』 は、
 精神科で使用される薬剤について、非常に細かく、専門的に説明がなされ、
 さらに、製薬会社の活動についても、言及したものであった。


『うつ病治療常識が変わる』が出版されたのは、2,009年9月。
『ヒーリー精神科治療薬ガイド』(原書第5版)が出版されたのは、2009年7月。
そして、本著が出版されたのは、2009年7月(新書版としては、2010年8月)。
どれも、ほぼ同じ時期に出版されている。(『ヒーリー……』の初版はもっと前になるだろう)。

本著で、著者が述べている内容は「おわりに」に集約されている。

  本著で伝えた内容を挙げると次のとおりである。
  1.先進国では、SSRI発売開始後、
    うつ病受診者が急増するというグローバルな現象が起きている。
  2.うつ病の啓発活動が盛んになるにつれ、うつ病受診者やメンタル休職者が急増している。
  3.軽症うつ病には抗うつ薬はそれ程効果がないし、自然に回復する患者も多い。
    軽症うつ病には、最初から抗うつ薬を使ってはいけないという方針の国もある。

  5.慢性うつ病の治療にとって必要なのは、自分は病気の影響下にあるという意識ではなく、
    むしろ自分は自分の行動や考え方を選択できるという
    感覚を取り戻すことである。(p.271)

そして、第6章には、本著を読むに当たっての留意点まで書き添えられている。

  まず本書の内容について、少し説明したい。

  「SSRI発売後、日本全体でうつ病患者が急増した」と説明されても、
  気分を害する方が多いのではないかと思う。
  うつ病で苦しんでいるのに、大局的な一般論を説明されると、不快に感じる人もいると思う。
  正直にいうと第一章から第三章までの内容に関しては、
  あえて家族から患者に積極的に伝える必要はないのではないかと思う。
  患者はこう言った事実を知らない方がよい、と言いたいわけではない。
  それはパターナリズムであり、インフォームドコンセントの精神に反する。
  もし患者が自ら日本でうつ病患者が増えている原因を知りたいと考え、
  本著のような書籍を自主的に望むのなら、それはそれでよいとは思う。
  しかし、本人が知りたがっていなければ、
  あえて家族から伝える必要はないのではないだろうか。
  私も診察中に患者にSSRI現象の話をしたことは一度もない。(p.262)

さらに、本著を読み進めながら、私が疑問に感じたことも、
ほぼ「新書版のおわりに」において、Q&A方式で述べ尽くされている。
私自身は、うつ病の患者が増えた要因の一つにDSM-3(現在は4)があると考えていたが、
著者は、そうではないと、ここで答えている。

うつ病患者で、現在、SSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を処方されている方は多いと思う。
というか、ほとんどの方が処方されているようなイメージを私は持っている。
そして、それが、うつ病患者が増えた原因だったとは……
衝撃の事実という言葉以外、私には思い浮かばなかった。





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Last updated  2014.08.05 11:35:11 コメントを書く


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