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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.07.09
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カテゴリ: 社会・政治・時事

 「進化論は自然や生き物の不思議を研究する学問で、知性を持つ人間は別だ」
 こんな人間中心主義(ヒューマニズム)が政治的に正しい態度とされてきたが、
 進化生物学・神化心理学が登場して、状況は変わった。

 が、現代の進化論は、良識を踏みにじり、感情を逆なでするものだと著者は言う。
 集団にとって不愉快なことを言うものは疎んじられ、排斥されていくとも。
 見たいものだけを見て、気分のいいことだけを聞きたい人たちで溢れる社会では、
 本著に書かれている内容は、残酷すぎる現実であり、気安く口外出来ないものなのだと。

  どれほど努力しても逆上がりのできない子どもはいるし、

  それと同じように、どんなに頑張っても勉強できない子どももいる。
  だが現在の学校教育はそのような子どもの存在を認めないから、
  不登校や学級崩壊などの現象が多発するのは当たり前なのだ。(p.21)

この文章に対して、良識を踏みにじられたとか、感情を逆なでするものだとか、
ものすごく不愉快だと感じる人がいるのなら、それは何が原因なのだろうか?

  多くの最貧困女子を取材した鈴木は、そこには「3つの障害」があるという。
  それは精神障害、発達障害、知的障害だ。
  これは現代社会の最大タブーのひとつで、
  それを真正面から指摘したことは高く評価されるべきだろう。(中略)
  私たちはこの「残酷すぎる真実」を直視するのを恐れ、
  知能と貧困との明白な関係にずっと気づかないふりをしてきた。

  教育に適性のない最貧困層の困窮にはなにひとつ改善しないだろう。(中略)
  教育関係者は「知能の遺伝率はきわめて高い」という行動遺伝学の知見を無視し、
  説明責任を放棄したまま、
  「教育にもっと税を投入すればみんな幸福になれる」と主張して
  巨額の公費を手にしている。(p.69)


先ほどに比べれば、心がざわつく人は多いと思う。

こんな感じで、頭の良しあし、反社会的人間、美貌格差、
男らしさ・女らしさ、夫婦制度について、生物学的に見た後で、
子育てや教育の有用性について述べる。
子育てについての記述は、特に衝撃的だ。

  こうしてハリスは、
  「子どもが親に似ているのは遺伝によるもので、
  子育てによって子どもに影響を及ぼすことはできない」と主張した。(中略)
  ヒトは社会的な生き物で、群れから排除されてしまえば生きていく術がない。
  古今東西、どんな社会でも「村八分」は死罪や流刑に次ぐ重罰とされた。
  これは子どもも同じで、「友だちの世界」から追放されることを極端に恐れる。
  勉強だけでなく、遊びでもファッションでも、
  子ども集団のルールが家庭でのしつけと衝突した場合、
  子どもが親の言うことをきくことはぜったいにない。
  どんな親もこのことは苦い経験として知っているのだろうが、
  ハリスによってはじめてその理由が明らかになった。
  子どもが親に反抗するのは、そうしなければ仲間はずれにされ、
  「死んで」しまうからなのだ。(p.226)

ハリスの『子育ての大誤解』は、機会があれば読んで見ようと思う。





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Last updated  2016.07.10 01:50:00 コメントを書く
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