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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.11.25
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カテゴリ: 文芸
『復讐の協奏曲』 を読んで、その主人公・御子柴礼司に衝撃を受け、
 彼のことをより詳しく知るため、シリーズ開始巻である本著を手にすることに。
 期待通り、そこには園部信一郎が佐原みどりを殺害した際に抱いていた感情や、
 事件後の逮捕、鑑別、審判、医療少年院送致に至る経緯が記されていました。

 少年院では、島津さゆりが弾くピアノにより眠っていた感情が覚醒したものの、
 将来は弁護士になりたいと語っていた、最も親しかった隣室の嘘崎雷也が自死、
 教官・稲見を半身不随にしてまでその脱走を幇助した夏本次郎も事故死してしまいます。
 その時、稲見が突きつけた言葉が、御子柴のその後の生き方を決定付けたのでした。


  謝罪もするな。いくら謝っても失われた命が戻る訳じゃない。
  その代わり、犯した罪の埋め合わせをしろ。
  いいか、理由はどうあれ、人一人殺めたらそいつはもう外道だ。
  法律が赦しても世間が忘れても、それは変わらない。
  その外道が人に戻るには償い続けるしかないんだ。
  死んだ人間の分まで懸命に生きろ。
  決して楽な道を選ぶな。
  傷だらけになって汚泥の中を這いずり回り、悩んで、迷って、苦しめ。
  自分の中にいる獣から目を背けずに絶えず闘え(中略)
  自分以外の弱い者のために闘え。
  奈落から手を伸ばしている者を救い上げろ。


そして今回、御子柴が国選弁護人として担当したのは、東條美津子の上告審。
彼女の夫で製材所を経営する彰一は、落下してきた積荷の木材が頭部に当たって入院後に死亡。
ところが、事故の10日前に彰一が多額の保険に入っていたことから、
美津子が人工呼吸器を意図的に遮断した疑いで逮捕され、一審・二審ともに敗訴していました。

そこに、先天性脳性麻痺を抱える息子・幹也や、この事件を追うフリーライターの加賀谷竜次、

二転三転する状況に、読者は事件の全貌について全く見当がつかぬまま振り回され続けます。
そして、最後の最後に安武里美による御子柴への一撃。

コラムニスト・加山二三郎さんによる巻末の「解説」も素晴らしく、
渡瀬や古手川らが 『連続殺人鬼カエル男』 にも登場していたことや、
御子柴誕生の背景に 「高校生首切り殺人事件」 があることも、それで知りました。
『心にナイフをしのばせて』はまだ読めていなかったので、そのうち読もうと思います。





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Last updated  2023.11.25 22:58:11 コメントを書く


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