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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2025.10.13
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カテゴリ: 文芸
合流篇 に続くシリーズ第11巻。
 今巻は、毎年開業日に訪れる夫婦連れの正体が明らかになることで大きな進展が。
 幸はその好機で妙手を重ね、浅草太物仲間と共に大躍進を遂げていきます。
 そして、巻末には、これまででも最大級の感動を呼ぶ展開が。

   ***

開店8年目を迎えた五鈴屋江戸本店は大いに賑わい、お梅と梅松の祝言も滞りなく行われる。
明けて宝暦10(1760)年、5年前の夏に縮緬を10反買って行った下野国の呉服商いの男が再訪、
下野国では何年も前から綿栽培が試されている様子を語り去って行った。


しかし、如月に入ると火事が相次ぎ、江戸の街の3分の1近くが焦土と化す。
幸は、所縁のひとたちの無事を確かめるが、日本橋音羽屋は全焼、結の安否は不明のまま。
そこで、井筒屋3代目保晴を訪ね、結は無事だが音羽屋の証文類は全て焼けたと聞かされる。
保晴は、店主不在の夜間に火が回って来た時、奉公人が誰も店や蔵を守らなかったことに触れ、

  「忠義に過ぎて命を落とされるんも難儀やが、
   大事の時、頼りになる奉公人が一人も居てへん、いうんは店にとって一番の不幸や」
   奉公人は店を支える柱やさかいにな、と惣次は話を結んだ。
   ああ、この人は変わった - 幸は前夫の背中をしげしげと眺める。(p.73)

大火から10日程後、五鈴屋の藍染浴衣地が八ツ小路で倍の値段で売られていると聞き、
幸が現地に出向くと、そこで5年ぶりに結に再会、しかし妹は捨て台詞を吐いて立ち去る。
日本橋音羽屋が店を広げ、太物商いにも乗り出すことを受け、幸は浅草太物仲間の寄合で、

賢輔の描いた「火の用心」の図案を見せながら、自らの商いに対する信念を語り協力を請う。

一方、音羽屋忠兵衛の横やりで二代目吉之丞の『娘道成寺』が差替、菊栄の簪の披露目は白紙に。
さらに、木綿の長雨による収穫量の減少に加え、繰綿が買占められ、白生地が入手困難になるも、
寄合では、河内屋が先陣を切って直買いしている店が3件、蔵の在庫を仲間に融通することに。
そして、五鈴屋の型染めの技が和泉屋出入りの染物師から漏れてしまうが、型紙は無事だった。


舞台装束は日本橋音羽屋が揃えると聞いた佐助は、今回の一連の出来事の裏側について皆に語る。
しかし、火伏守りの浴衣地は各店でよく売れたものの、白生地の入荷見込みが立たず品薄状態。
そんな時、5年ぶりに富五郎が江戸本店を訪れ、幸と菊栄は中村座の千穐楽に招待される。
その花道で、揃いの衣装の二人の女形、富五郎と吉之丞が両挿しの簪を揺らし美しく舞い踊った。

宝暦11(1761)年如月8日、夫婦連れで毎年創業日に訪れる男性客が巨漢の男児を伴い現れる。
男の正体は相撲年寄・砥川額之介で、藍染浴衣を30人程の力士全員に贈りたいと言う。
手形の柄と共に各力士のそれぞれのしこ名を柄にしようと、幸は書家・深川親和に会いに行く。
そして、店に訪れた砥川には、幕下力士には手形の柄、幕内力士には各々のしこ名柄を提案、
同じ反物を浅草太物仲間で扱う了承を得て、半纏用に手形柄を河内木綿に染めるよう依頼される。

葉月17日、中村座と市村座が三度火災に見舞われ、幸は菊次郎を訪ねるが面会は叶わなかった。
そして、しこ名と手形柄の反物が出来上がり、興行初日に浴衣地が各店で売り出されることに。
初日前日、触太鼓を打ち鳴らす男たちの纏う手形柄の半纏が大きな評判を呼ぶと、
神無月11日の勧進大相撲初日の取り組み終盤から、反物を求める人々が各店に押し掛けた。

神無月25日、浅草太物仲間の寄合では、和泉屋を始め各店店主が五鈴屋に礼を述べる。
そして月行事が、太物商に転身する駒形町丸屋が仲間に加わることを次回採決することを告げ、
さらに河内屋が、これを機に浅草呉服太物仲間へ看板を書き換えることを提案。
それは、五鈴屋が再び呉服を商えるようになる道筋を切り開くものだった。

   ***

浅草太物仲間では、下野国の綿栽培を支援することも決まります。
幸が江戸の地で信頼のおける仲間を増やし、その結束力を高めていったことが、
大店に対抗する土台となり、自らの道を切り開いていくことに繋がりました。
お話も完結まで残るところあと2冊、一気に読み進めていきます。





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Last updated  2025.10.13 15:40:27 コメントを書く


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