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自分の決定は自分でしている。 誰もが、そう思っているけれど、実は違う。 実は、その決定は、誰かに影響されてのものであって、 自分で決定したと、思いたがっているだけ。 人は幸せなことがあったとき、楽しいことがあったとき、 それを頭の中で何度も思い返し、快楽を味わう。 さらに、その快楽を、共有できる誰かに伝えると、よりカ・イ・カ・ン。 この「自慢」をするため、新たな情報・ものを手に入れようとする。新しいことに遭遇したときの驚き、この驚きによって、脳が刺激され、快楽を味わうことができる。そして、誰かに伝えることができる、新しい話題や、みんなの共通の話題になるものを求め、人気店やテーマパークの行列に並ぶ。並んでいる、その行為自体に、快感を感じているかのように。「あの子可愛いよね」と、誰かの一言。それがきっかけで、みんなが、我も我もと、好きになっていってしまったりする。そして、その子は一躍、時の人、話題の中心、スターの座へと上り詰める。でも、最近は持ち上げられるのも早いけれど、落とされるのもとっても早い……。芸術自体に絶対的な価値があるわけではなく、誰かが、その価値をそこに見いだすことで、それを周囲の人が理解していく。その価値に共感していく、あるいは共感したように思わされていく。これが、神経経済学から見るゴッホ現象。ゴッホの本物の絵を目の前にしたとき、自分の持っていたゴッホの絵に対するイメージとの違いに多くの人が、肩すかしを食ったような落胆をするという。しかし、多くの人は、ゴッホの絵が理解できない自分を恥ずかしいと感じ、「やはり、ゴッホは素晴らしい!」等と、心と裏腹のことを口走る……。ゴッホという偉大な画家の絵ですら、一般人は、誰かの価値判断を借りて、見ているだけに過ぎない噂やブランドに騙されない、自分なりの価値観を持つこと。これは、考える以上に難しいことなのかも知れない。
2007.11.24
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当たり前だと思っていることが、実は当たり前でなかった。 そんなふうに、いとも簡単に、常識というものは覆ってしまう。 思いこみや先入観が、人の「もの」を見る目を曇らせてしまう。 これは「科学」だけに限ったことではないでしょう。 「決定的な証明などということは永遠にできない」 何億回実験を行って理論に合うデータが出てきたとしても、 その次の一回で、理論に合わないものが出てくる可能性があるから。 もし、そうなったら、その理論はもうダメになってしまう。理論も実験も全く無視して、言い訳をするのは、疑似科学。宗教の場合は、別の解釈をすることで、生き残りを図る。絶対に反証できないことを言うのは、その時点で科学ではない。また、科学そのものも、一番新しい「仮説」の集まりに過ぎない。ホーキングの話は難しいけれど、分かる気もします。私たちのこの世界が、実は誰かの夢に過ぎないとか、誰かのコンピュータの中の仮想世界なのかも知れないとか、子供の頃、私もそういった印象を、ぼやっとながら持っていました。この世の中は、仮説だらけ。何が真理なのか……いや、真理を求めることすら間違っているのか……。まさに、科学は哲学。
2007.11.04
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古本屋さんで、一冊315円で購入し、読んでみました。著者は、TVにもよく登場している、医学博士で大学教授の小田晋さん。背表紙のタイトルの横には、「人格障害・性障害ハンドブック」とあります。『まえがき』の部分で、小田氏は、「精神病質についてわかりやすく正確に説かれた本」として2冊を紹介したうえで、この本が「現代社会で浮上する人格の障害を対象」にしており、「現代社会に存在する『困った人たち』についての考え方、見分け方、接し方、そして、社会としての対処法について、分かりやすく述べている」としています。 ***突発的にキレてしまう人、平気でウソをつく人、心に敵意を隠しもつ人、周囲を一人でかき乱す人、感情の一部が通じない人、何かにとりつかれた人、自分の性格に苦しむ人等々、世の中にはいろんな人たちがいます。そして、そんな人たちの中には、反社会性人格障害、演技性人格障害、妄想性人格障害、境界性人格障害、分裂病質人格障害、強迫性人格障害等、様々な診断がくだされる人たちもいるらしい。こういった事柄について、これほどまで詳細に書かれた本に、私は、これまで出会ったことがなかったので、その内容は、かなり衝撃的に感じました。でも、そんな人たちの性行を知り、それにうまくリアクションできるようになれるのならば、人間関係を、よりスムーズなものに出来るのかも知れません。そんな一助に、この本はなりうると思いました。しかし、「第9章 何かにとりつかれた人」で取り上げられている被告人Gの行動などは、読んでいて身の毛もよだつもので、こんな人が、もし身近なところにいるとしたら恐ろしいと思うと共に、これを、被害者の身近な人が読んだら、耐えきれないだろうなと思いました。 ***ところで、いつものように、表紙のイメージを記事に添えるため、楽天でアフィリエイトリンクをしようとしたら、「ご指定の検索条件に該当する商品はありませんでした」と出てきました。この本は、2002年の3月に初版発行されたものですから、普通に考えれば、まだ販売されていてもいいのでは?そこで、インターネットの検索エンジンで調べてみると、他のウェブページで、次のように表示されました。「この本は、現在、品切れ(重版未定)のため、お取り扱いができません」う~ん……、やっぱり何か訳ありということなのか?
2007.07.15
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タイトルからして、脳の機能について書かれた本です。 ですから、こちらもそういう類(いわゆる医学系)の記述を覚悟して、 気合いを入れて読み始めましたが、 読み進めていくうちに、ちょっと違うな、と感じました。 どちらかというと、心理学系で扱われるようなお話が中心で、 脳のこの部分の働きがどうのとか、伝達物質がどうのとか、 そういう、私にとって、ややこしく感じるお話は、あまり出てきませんでしたから、 結構スイスイ読んでしまうことができました。でも、やっぱり、脳の働きについて書かれた本であることに間違いありません。私たちが、普段、心の問題としてとらえてきたことが、実は、脳の持つ機能に由来するものであったことに、この本の様々なエピソードは、気付かせてくれます。 ***成功は自分の力だと信じ、失敗は人のせいにしてしまう。自分にとって都合のいい記憶の方を、優先して選び、信じてしまう。これらは、脳が、脳自身とそれが支配している肉体を、良好な状態に保持し続けるため、ダメージをできるだけ軽減しようと、厳しい現実を和らげるべく機能するから。これらのうぬぼれ機能によって、不快な真実は覆い隠され、倫理観は、自分の都合のいいよう改ざんされる。さらに、間違いや錯覚に目をくらまされることは、しばしばであり、そこに偏見まで入り込むので、事態が、ますます悪化することになる。 ***「あなたの脳は、どれほど歪め欺いているか」これが、原著の副題であり、この本の内容を一言で言い表している言葉。自分の脳が、どれほど当てにならないものかを知ったうえで、その本質的機能に騙されず、うまく使いこなしていきましょう。
2007.07.15
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「論文の書き方」とは言っても、 「序論」「本論」「結論」をどのように構成し、 どんな風に書き進めていけばよいのかを、 普通に説明しただけの本じゃありません。 本著は、「書く」以前の部分について、 鹿島教授が、懇切丁寧に教えてくれているところが、 最も大きな特徴であり、 読む側にとって、本当に有り難いところなのです。まずは、「問題を立てる」ということ。「良い問い」を見つけることができるかどうかで、「良い論文」を書くことができるかどうかが決まってくる。比較のフィールドを広げ、類似性や差異性を把握する。時間の広がりの中で、そして空間の広がりの中で比べてみる。さらに、さまざまな分野・観点から比べてみる。そのために、どんな資料を集められるかが、とても重要。こうして、「考え方」や「情報の集め方」を教えてもらった上で、実際の「書き方」も、しっかり教えてくれている。読んでいて、実際に大学で授業を受けているような感覚になってしまう。それぐらい、そこら辺の「論文の書き方」の解説書とは、まるで違う一冊。だからこそ、「勝つための」という言葉が付いているのです。本著に示された「考え方」や「情報の集め方」は、間違いなく、様々なビジネス・シーンに応用できるものです。
2007.02.03
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「くどい」 自分で書いた文章を読んでいて、 そう感じることはありませんか? 本書は、そんなあなたを 「伝わる」文章の書き手へと導きます。 (句読点を含めて64文字)
2006.12.02
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