自己中心的恋愛模様

2007.06.14
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カテゴリ: 突発的な作品
※死にネタです・・・












嗚呼 すいません十代目
誰よりも貴方を優先すべきなのに
誰よりも貴方に忠誠を誓ったのに

(こんな所で死ぬ事を許して下さい)

俺は 貴方の知らない場所で
貴方の未来を開かせるために

貴方に内緒で
秘密裏な任務をやってきました

この手で

この身体で
裏組織と交渉したりもしました

貴方と会う前から
俺は穢れていたのです

(けど 最期まで貴方の役に立てたなら 幸いです)

嗚呼 けど許して下さい
貴方の元に帰れない俺を

そして・・・
俺の最期の我が侭を・・・・・

(『ボンゴレボス右腕』よりも『ただの中学生』を優先させた俺は)
(地獄に逝ったって 償えないですけど・・・・・)















- 最期に聞きたいと願うのは 愛しい彼の優しい声音 - ~Side Y~















「はい、もしもし。」


『・・・よぉ。』





いつもなら 親父が取っている電話だけど
今回は 気まぐれに取ってみたら
なんと あの獄寺からの電話だった

(何気に 初めての電話だったりして)

受話器の向こうからは
微かに雨音と車の行き来する音がする



「獄寺って 今、どっかに出かけてる?」


『・・・あぁ、今 用事で出かけた帰りだ。』


「へぇー 用事ってツナ関係で?」


『・・・まぁな。』


・・・あれ?なんか今日 機嫌いい?
いつもだったら『てめぇには関係ねぇ』とか
意地でも悪態吐くはずなのに
今日は やけに素直だ

(なんだか 獄寺が素直だと調子狂うなぁ)

カーテンを開けて 外を見た
夕方から降り続いている雨は
時間が経ってくにつれて
より勢いを増しているような気がする

・・・こんな雨の中 出かけて
明日の学校 獄寺休まないといいなぁ・・・
獄寺って 何気に風邪とか引きやすそうだし

(獄寺 頭いいから、尚更心配になるのって俺だけ?)


「あっ ところで なんか用?」


『・・・用なんてねぇよ。』


「へ?」


『・・・用がなきゃ、かけちゃダメなのかよ。』


「ぜ、全然!!むしろ 嬉しいし!!」


えっ ちょ、これって・・・
獄寺が用もないのに
俺に電話を掛けてくれたって事?

こんな・・・夢みたいな事起こっていいのかな?
獄寺、俺 期待しちゃっていいのかな?

・・・俺さ ずっと黙ってたけどさ
お前の事が好きなんだ

だから 今日だって
お前から電話あった瞬間
すっげぇビックリしたし
すっげぇ嬉しくって
思わず 受話器を落としそうになった

思わず 顔が綻んだ
嬉しくって しかたがない
獄寺は 俺を嬉しくさせる天才だ

(こんなに嬉しいのって 久しぶりかも)

そこから 俺たちは他愛無い話をした

今度の期末テストの事とか
先週あった 野球の練習試合の事とか
この前見たテレビの話とか
好きな漫画や雑誌に映画
獄寺の吸っている煙草の銘柄
俺の好きな野球選手

思えば ツナ関係の話以外の事を
獄寺とは あまりしゃべった事がなかったから
俺は嬉しくって いつも以上にしゃべり続けた

獄寺は 時折相槌を打ちながら
俺の話に耳を傾けてくれて
受話器の向こうや部屋から聞こえる雨音が
段々 小さくなる感じがした

(けど 実際は強くなっていったんだ)

ふと 会話の途中で
獄寺の声がしなくなった

しばらく続く沈黙が 疑問に思った
けど すぐに獄寺の声が聞こえて
なんだか ほっとした

すると 獄寺が頭を掻きながら言った


『あー・・・今って何時か分かるか?』


「今?今は・・・もう2~3分で1時だけど。」


かれこれ 獄寺とは1時間近くしゃべってしまった
けど 1時間しゃべっても足りなかった
もっともっと獄寺としゃべりたい、そう思った

けど 明日は朝練がある日で
そろそろ寝ないと 6時に起きれなくなるので
名残惜しいが そろそろ電話を切らないと考えた時だった


『・・・ねみぃ・・・。』


受話器の向こうから聞こえてきた声
その声には 疲労感や眠たさが込められてて
けど なんだか気だるそうな感じで
なんだか その声が
すごく愛おしく感じてしまった


「クス そろそろ寝るか?」


『ん・・・そーだな・・・。』


受話器の向こうのお前は
きっとベットの上で寝転がりながら
眠たそうに瞳をしながら
一生懸命起きようとしているのだと思うと
なんだか 微笑ましくなった


「んじゃ そろそろ寝るか。」


『あぁ・・・じゃあな。』


そう言い 電話を切ろうとする獄寺
けど 俺は言っておきたい事があった


「あっ 獄寺。」


『・・・なんだよ。』


「おやすみ。また明日な。」


獄寺が いい夢を見られますように
獄寺が 明日学校に来ますように

そんな願いを込めながら
俺は 言った

すると しばらく声が聞こえてこなかったから
もしかして 電話したまま寝ちゃったって考えた時だった

気だるそうに けど どこか穏やかに


『・・・おう、おやすみ・・・。』


そう、獄寺は言った
そして 俺は電話を切った























翌日 学校へ行ってみると
獄寺の席は空いていた

俺の心配してた事が当たったみたいだ

家に帰って 履歴から電話してみたけど
獄寺が出る気配は 一向になくて

次の日も そのまた次の日も
獄寺は学校を無断で欠席した

ツナに聞いてみても
ツナも何も聞いていないと言った

風邪で休むとはいえ
ツナに連絡しないってのは 気がかりだった

そんな不安な気持ちを抱えながら
獄寺が学校を休んでから 5日経った頃
放課後に 俺とツナは小僧に呼ばれ
ある廃墟と化した 町外れに建っているビルに行った

中に入った瞬間
そこには ある独特の匂いがあって
思わず吐き気がした

そう、血の臭い
生臭い香りが 鉄を含んだ香りが
あたり一面に充満していた

そこに 屍はなかったが
おそらく多くの人が死んだのだろう

すると 小僧が淡々としゃべり始めた


「獄寺は 風邪で学校を休んでいるんじゃない」


「獄寺は 6日前の秘密裏の任務で」
「ここで とあるマフィアと交渉を約束していた」

「けど結局 それは獄寺を誘き寄せる罠だった」
「獄寺はダイナマイトの他にも 銃やナイフを常備していたおかげで」
「傷を負いながらも なんとか生き延びていた」

「けど 死にぞこないの奴がいたらしく」
「獄寺は そいつに打たれ」
「出血多量で 此処で息絶えた」

小僧の言った事が理解できなくて
小僧の言った事が信じられなくて

けど 頬を伝う涙が止まらなくて
俺は ただその場に立ち尽くす事しか出来なかった・・・



『・・・おう、おやすみ。』



嗚呼 だからお前は
あの時 『またな』と言わなかったんだな・・・・・


(『おやすみ』)
(それは 愛する者に送る『さよなら』の意を込めた言葉)

(『またな』)
(それは 死する者に対する『束縛』の意を込めた言葉)

(叶わぬ願いと約束するのは 優しさではなく)
(ただの その人のエゴである)

(だから彼は 言わなかったのだろう・・・)



□□□□□□□□□□

~管理人の戯言~

○この頃睡眠時間が夜の8時~12時で そこからオールナイト☆の六条です。笑

今回は久々の死にネタ【山本視点】ですね。今度は【獄寺視点】で続きを書きたいと思いますww

ってか 大会近いのにー、期末近いのにー、県模試近いのにー、

この頃ずっと山獄ばっかり考えてしまっている・・・。しかも すれ違い系多し!!笑

六条は悲恋主義者です、現実では。叶わない恋の方が 好きなんです。

だから小説とかでも 結ばれるという内容より、恋人と生き別れる話が好きですww(最低)

それでは これで。感想していただけるのなら 死ぬ気でお返事したいと思いますww





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Last updated  2007.06.15 03:52:46
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