自己中心的恋愛模様

2007.06.19
XML
カテゴリ: 突発的な作品
※獄視点です











俺は 雨が嫌いだった
何故なら 湿気で
ダイナマイトは使い物にならないし
きちんとセットした髪は乱れるからだ

(けど アイツと出逢ってから変わった)

“雨が降れば お前と一緒に帰れる”
そんな小さな事が すごく嬉しく感じてしまって
雨が降るのを どこか心待ちしている自分がいた

けど 今日は一緒に帰れない


尊敬する十代目には 内緒の任務
・・・あの方には 光のある世界を見ていただきたいのだ
せめて 高校卒業まで・・・普通の高校生として過ごして欲しい
そして・・・その笑顔を絶やさないで欲しい

(あの方はまだ知らなくていいのです、こんな暗い世界)

だから 俺は
あの方の変わりに働くのです

生死と隣り合わせの任務も
交渉で見知らぬ男に抱かれるのも
あの方が いずれこの世界に入ってきた時のために

そう・・・全ては あの方のために・・・・・

(あの方の手を穢れさせるなんて 許さない)
(だって 俺は あの方の右腕ですから・・・)















- 最期に聞きたいと願うのは 愛しい彼の優しい声音 -~Side G・1~




















鼻を刺す 生臭い血の匂い
そして 宙を舞うほこりの匂い

火薬独特の匂いと
雨の匂いがブレンドしている

胸焼けがする・・・


今では ダイナマイトで
その肉体は原型を留めているものは少なかった

・・・おかしいとは 思っていた
今回の交渉は いつものホテルではなく
町外れの廃墟と化したビル

けど 今回の交渉は裏ルートから取り寄せた武器
それなら 一目のつかない所で取引するのかもしれない、
なんて考えた あの時の俺は
アイツよりも馬鹿だったのかもしれない

(・・・いや、アイツよりは馬鹿じゃねぇぞ 俺は!!)


「っ、リボーンさん・・・ですかっ・・・?」


ポケットから取り出した携帯電話から
リボーンさんに連絡をした

この時間だと きっとまだ起きていらっしゃるはず・・・
案の定 5回目のコールで電話は繋がった

状況を報告しようとするが
銃弾を腹や腕に掠めたせいか
少しでも体を動かすと
声にならない激痛が襲った


「獄寺か・・・その様子だと どうやら今回の交渉は罠だったみてぇだな。」


「っ、ここにいる奴等、全員殺しました・・・っ、これを気にあのファミリーを・・・」


「・・・分かった。今から 暗殺部隊を送らせる。」


よかった・・・

ホッとしたせいか
段々体中に激痛が走った

視界が少し霞んだ
俺の着ている服も
そこらへんに落ちている屍のように
血で紅く そして黒く染まっていた

その血は 俺が殺した奴の血でもあるが
今・・・今この瞬間 俺の中から出て行っている血でもある

けど こんな所で休んでいる暇なんかねぇんだ、俺には


「、俺も・・・俺も行かせてくださ 「獄寺 その体で行く気か。ただの足手まといになるだけだぞ。」


「っ、しかし・・・。」


リボーンさんの言い分は もっともだ
今の俺では ただの足手まといになってしまう

けど 俺はボンゴレファミリー次期ボスの右腕
こんな傷で 休んでいる暇なんかねぇんだ

すると リボーンさんは小さくため息を吐くと
どこかニタニタと・・・決して1歳児がしなさそうな
卑猥な笑みを浮かべて言った

(実際見えているわけじゃねぇが なんとなく、分かるんだ)


「それに・・・明日は 山本の勉強を手伝うんだろ?あの野球馬鹿のために 対策プリントでも作ってやれ。」


その発言を聞いた瞬間
血が足りねぇってのに 一気に顔に血が上った

顔が熱くってたまらない
訂正したいのに 口からはパクパクとした音しかでない・・・

今のリボーンさんの顔は
さぞかし 俺をからかって楽しそうな顔をしているのだろう


「なっ、・・・り、リボーンさん!!山本は十代目のついでっすからっ!!」


「ふっ・・・獄寺。一つお前にアドバイスをしておく。」


「は、はぁ・・・。」


「時には 素直に言うってのも大切だぞ。お前は・・・感情を素直に言葉にしないからな。」


なぜか その言葉が
頭の中から 離れなかった

“素直”

嗚呼 本当に素直になれるのなら
俺は アイツに言えるのだろうか?

って・・・俺が素直になるなんて日
絶対 こねぇような気がする・・・

そして 俺はリボーンさんのお言葉に甘え
ひとまず 今日は家に帰って傷を治療しようと思った

電話を切ると
時刻は0時を過ぎていて

急いで帰らなければ
睡眠時間が短くなってしまう
そして 遅刻なんかして
十代目の護衛を怠ったりなんかしたら
俺は・・・






























パンッ

















軽快な音が
俺しかいないはずの廃墟に響いた・・・

途端 胸に感じる違和感
そこには・・・なかったはずの穴

触れてはいけないと分かっているのに
触れてみた その穴からは
最初は赤黒い色の液体
しかし 溢れ出る量につれて
段々 その色は鮮やかな真紅に変わっていった・・・


「はは・・・ははははは、死ねっ!!ボンゴレボス次期右腕えぇぇぇぇっ!!!」


屍に埋もれた中で 唯一生きていた男
馬鹿な奴め・・・さっさと逃げればよかったものの

そいつめがけて ダイナマイトをお見舞いしてやった
豪快な爆発音と断雑魔の悲鳴をあげて
男は紅蓮の焔に焼かれた


「っ、・・・・・。」


止まらない血
途端 嘔吐感が生まれ
俺の口からも 血が溢れた・・・

もう立っているのも 精一杯で
俺は その場に寝転んだ

・・・さっきの爆発で
廃墟の一部に穴が開いてしまった

ぽつぽつと・・・俺の顔にも雨がかかった
けど それを拭う気力すら起きない

頭の中がクリアーになる感覚
何も感じない 何も考えられない

あー・・・そろそろやばいかも・・・

最期に十代目に電話をして逝った方がいいか・・・?
・・・そうだ、十代目に謝罪の電話をかけて死ねるなら少しは・・・










『獄寺、一緒に帰ろうぜ』








「・・・・・・。」


嗚呼 何故あの野球馬鹿の顔が思い浮かぶのでしょう?
最期の最期には あの方を思って死にたかったのに・・・

なんで あの野球馬鹿の顔なんか・・・


『時には 素直に言うってのも大切だぞ。』


・・・嗚呼 なんとなく分かった
リボーンさんの意味

たったさっきまで 素直になんかなれないって思ってたのに
こんなに早くから素直になれるなんてな・・・

嗚呼 すいません十代目
俺の最初で最期の我が侭です

・・・最期に 素直に生きてもいいですか・・・?



(『ただの中学生』なんて なれなかった)
(だって俺は『ボンゴレファミリー次期ボスの右腕』だから・・・・・)

(嗚呼 けど 最期だけでいいのです)
(『ただの中学生』として 生きてもいいですか・・・?)



 続く・・・


□□□□□□□

~管理人の戯言~

○六条的に 獄寺は十代目の右腕にもなりたいし、普通の中学生にもなりたいって思っていると思うんです。

 だって まだ13~14歳の中学生ですよ!?そんな将来のことだけじゃなくて 今を楽しみたいと願っているんだと思うんです。

 けど 自分は次期右腕だから、普通の中学生になんてなれないって思っていると思うんです。

 だから・・・彼が素直に思っていることをできるのは 死ぬ時だけで、しかもそれを我が侭だと思うんですよ!!

 そんなの全然我が侭じゃないのにね、獄の人生なんだし、自分の好きなように生きればいいのに、

 なかなか生きられない獄が大好きだったりします。(最低)

まだ続きますー。次は山本と電話しているとき?

 感想とかいただけたら 死ぬ気でお返事したいと思いますww





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.06.20 01:00:01
コメント(1) | コメントを書く
[突発的な作品] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: