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2007年11月13日
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枕元のお菓子に囲まれて幸せな一夜を過ごします。

隙間風が吹き込んで、音威子府よりも寒い夜でした。

それでも、しっかりと熟睡できる強固な肉体を持つ一行です。



          昭和56年4月5日

百人浜沿いの道道

(岐阜県なら“県道”ですが、北海道なので“道道”)

を北へ、ぶらぶらと歩きながら「黄金道路」方面を目指します。

国道まで出れば、何とかなるだろうと思いましたが、

実は、国道まで15kmほど有るのです。

その時は、そんな事もつゆ知らず、

海を横目に見ながら

歩いても、歩いても景色が変わりません。



歩きながらのヒッチハイクは、ワザが必要です。



立ち止まって待機しながらの時は、

進行方向(左側車線)の脇で、行き先を書いた段ボールの紙を

目立つように掲げます。

ドライバーの視線を考慮して、逆光を避けたり

背景の色と重ならないように気を使ったりします。

勿論、段ボールに書く文字も進化してきました。

まず、例えば「襟裳岬」はNGです。

「えりもみさき」もNG。「えりも岬」がGOOD

一瞬の勝負ですから、判別し易い文字使いが要求されます。



「札幌」とか限定するのも確率が低い。

「札幌 方面」とすると、選択肢が広がって

止まってくれる確率がアップします。

一度使った段ボールは、使い回しはしない。

(理由は有りませんが、同じ段ボールで2回成功した事がない)

ぼ~っと持ったまま突っ立っていてはダメです。

「あんたやで!あんたに頼んでんねんで!」

という感じで、ターゲットが通り過ぎても、

その車の方に文字が見えるようにする。

(ミラー越しに見ても、まだしつこくお願いしている)

などなど、なかなか奥深いのです。


・・・立ち止まっての「勝負」ですら、大変なのに

これが、歩きながらだと更に上級篇になります。

立ち止まったまま、3時間も反応なし!

などという時は、

「これぐらいなら歩けば15km進めたのに・・・」

という後悔をします。

そこで、ゆっくりと歩きながら、(カニ歩き状態)

行き先を書いた段ボールをターゲットに突き付けるのです。

車が来ない時は、ひたすら前を見て歩く。

・・・と言っても、気配を感じた頃には

車は通り過ぎてしまう。


ややカニ歩き気味に前進しながら

視界に動くものが入れば、すかさず

「北へ!」のような段ボールを

“サッ”と掲げるのです。

原付バイクだろうが、自転車の女子高生だろうが、

ゴルゴ13のごとく、

背後から忍び寄る者には容赦なく

“サッ”と「北へ!」の文字を浴びせかけます。



一度だけ、女子中学生が、

「ごめんなさい。二人乗りは学校で禁止されてます。」

と言って、わざわざ降りて謝ってきた事があります。

「いえいえ、こちらこそご無理を言いまして・・・」

田舎の道道で、女子中学生と無精ひげの二人組みが

お互いに深々と頭を下げあう奇妙な光景でした。





さて、この日は車がほとんど通らないので

「上級者篇」のゴルゴ13クラスのワザが要求されます。

行き先も「北へ!」にしました。

襟裳岬からは、北以外に行く所はありません。



ぜ~んぜん車が通りません。

かれこれ1時間ほど歩いた頃でしょうか・・・

ようやく背後に車の気配がしました。

すれ違う寸前ぐらいに、

まるでバットでボールを叩くようなタイミングで

「北へ!」がドライバーの視線を横切ります。







これまでにも、何台かいろんな車に乗せていただきましたが、

おそらく函館の「アニキ」の金ピカデコトラ並の高級車・・・

(デコトラは、結構がかかってます)



めるせですべんつ  っていうヤツです。

通り過ぎた“めるせですべんつ”は、

300mほど行き過ぎてから、



きききききき


っと止まりました。

「げげ~っ やばいんちゃうかぁ?」

逃げるまもなく“めるせですべんつ”は

ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっ  っていう感じでバックして来ます。

左ハンドルですので、右ハンドルのドライバーより

目のすぐ近くで段ボールを振り回されたわけです。














「おまえら、何やっとんじゃぁ?」


あ~ しかも、とってつけたような関西弁です。


「どういうこっちゃ、それは?」

しかも、サングラスです。

「すいません。ごめんなさい。」頭を下げるのは素早い私たちです。

「どういうこっちゃ?と聞いてるんや」

「すいません。悪気はありませんです。」

「意味を聞いてるんやて!その紙に書いたる事の!」

「は?」

「北へ! て何のこっちゃ?」





その「や○ざ」さんのような人は、

  「北へ!」は具体的にどこなんや?

  おまえらは、どこへ行きたいんや?

という事を聞きたかったのです。



「何してんの~?」

助手席には、奥様(のハズ)が乗っています。




ヒッチハイクをしてここまで来た事。

アテはないが、金もない事。

そろそろ、帰るルートを決めねばならない事。

などを告げると、

“や”の人「話には聞いたが、いてるんやなぁ。こんなんが」

“や”の妻「可愛そうやから、乗せたりぃな」

“や”の人「じゃ、乗ってけ!」

クマの次に恐ろしかった瞬間です。


私たち「汚い格好ですけど・・・」

“や”の妻「かまへんかまへん」

私たち「アシ臭いですけど・・・」

“や”の妻「かまへんかまへん」

私たち「お金持ってないですけど・・・」

“や”の人「あ、おまえら俺を“や○ざ”か、何かと思ってるな?」

“や”の妻「大丈夫やて。こう見えてもこの人カタギやから」



昼間から“べんつ”に乗って派手な服着て

こんなとこ走ってるし、

そもそも、カタギの人が「カタギやから」なんて言うか?


しかし、これ以上逆らえません。






かくして、“めるせですべんつ”での旅が始まりました。

(お兄さん、声も顔つきも、こわいよ~









  つづく ⇒ 「若頭と“めるせですべんつ”」


2007/11/13 06:47:21



















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最終更新日  2009年07月02日 01時06分47秒
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