音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2015年05月09日
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テーマ: 洋楽(3395)
“コステロらしさ”に溢れた推奨盤


 1977年にデビューしたエルヴィス・コステロ(Elvis Costello)は、その当初の“怒れる若者”のイメージで知られる一方、その後、“大人になっていった”80年代以降のコステロを面白くないと評する人もいる。けれども、この人の作品の音楽性は、良くも悪くも結構ころころ変わる。地味なアルバムや渋い作品を出したかと思えば、派手なヒットを狙ったようなものを出したりと、かなり気まぐれにすら見えることもある。

 80年代作の中で、一般に“コステロらしい”として受けそうな作品の一つが、この『ブラッド&チョコレート(Blood & Chocolate)』という盤である。コステロ・ショウ名義の 『キング・オブ・アメリカ』 で渋い落ち着きを見せたものの、続く11作目となる本盤はアトラクションズとの名義でプロデューサーもニック・ロウに戻り、コステロ初期を連想させる作風の楽曲が目立つ。実際のところは、アトラクションズ(特にベースのブルース・トーマス)との関係が悪化し、その後何年も袂を分かつことになったというタイミングでの録音。しかもインディーズ・レーベルでの制作で、練って作られたというよりは低予算でさっさと作った感じだったように見受けられる。

 しかし、その分、ストレートなサウンドがコステロ自身の出発点を彷彿とさせ、表題に挙げたように“コステロらしさ”に溢れた盤となった。1.「アンコンプリケイテッド」は、冒頭から聴き手をコステロ・ワールドに引き込んでしまいそうな好曲。本盤の少し前に来日した時の記憶が詞に反映されているのか、3.「トーキョー・ストーム・ウォーニング」なんて曲もあるが、この演奏もなかなかいい。7.「ブルー・チェアー」のメロディは、いかにもコステロっぽくて(クレジットは本名のデクラン・マクマナスになっている)個人的に好み。そのほか、2.や5.といった、その後ライヴでよく取り上げられるようになったナンバーも収められている。

 初期のコステロ( 『マイ・エイム・イズ・トゥルー』 『ディス・イヤーズ・モデル』 )を気に入った方には、本盤もきっと“当たる”はず。また、後の時代の作品から入って遡って聴きたい向きにも、この盤を経由して遡っていくのがいいかもしれない。




[収録曲]


2. I Hope You're Happy Now
3. Tokyo Storm Warning
4. Home Is Anywhere You Hang Your Head
5. I Want You
6. Honey, Are You Straight or Are You Blind?
7. Blue Chair
8. Battered Old Bird
9. Crimes of Paris
10. Poor Napoleon
11. Next Time Round

1986年リリース。





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