音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2018年02月19日
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テーマ: 洋楽(3405)
ドンピシャな組み合わせではないのに、なぜかクセになる共演盤


 エルヴィス・コステロ(Elvis Costello)は70年代後半にデビュー( 参考過去記事 )した英国のミュージシャン。2003年にロックの殿堂入りを果たした一方で、ここ10数年はロックの括りに限定されない幅広い音楽活動を展開している。

 他方、アラン・トゥーサン(Alllen Toussaint)は、米国ルイジアナ出身で、1950年代からセッション・ピアニストとして活躍。60~70年代には様々なアーティストのプロデュースなどにも関わった。

 本盤が生まれたきっかけは2005年のハリケーン“カトリーナ”によるニューオーリンズの被害。アラン・トゥーサン自身の自宅・スタジオも全壊してしまった。そんな中、ベネフィット・コンサートで出会った両者が意気投合し、同年中に録音されて翌06年に発表された。コンセプトとしては、“古い曲ヒット曲の再演と新曲も入り混ぜた、昔ならよくあったようなレコードの形で‘アラン・トゥーサン・ソングブック’みたいなものを”という発想で始まったとのこと。

 そのようなわけで、収録曲の大半はアラン・トゥーサンのナンバーの再演である。その中に新曲として、コステロ作の表題曲(6.)、コステロとトゥーサンの共作曲(4.,8.,9.,13.)が配されている。よくよく聴きながら考えてみると、アラン・トゥーサンの楽曲とエルヴィス・コステロは本来的にはあまり合わないのだろうと思う。にもかかわらず、作品としてのまとまりが見られるのは、これらの楽曲がうまく配されているせいもあるのだろう。コステロのヴォーカルは完成度が高い。トゥーサンは控えめに演奏するところは巧く控えめに、自らが主役の部分では堂々と主役になっている。このトゥーサンの巧さが2人を組み合わせている要めになっていると言えるのかもしれない。そして、何よりも繰り返し聴いていると、不思議なことにこれがフツーであるような気がしてくるという、言ってみれば、ある種の“中毒性”があると言うことなのだろう。

 そんなトゥーサンは2015年にスペインで急死した。コンサート後に倒れ、77歳であった。ニューオーリンズの音楽シーンを下支えしてきたアラン・トゥーサンと、パンク寄りのロックからスタートして音楽の幅を広げていったエルヴィス・コステロの共演は、今となっては貴重な邂逅の記録でもあったと言えるのかもしれない。


[収録曲]

1. On Your Way Down

3. Tears, Tears and More Tears
4. The Sharpest Thorn
5. Who's Gonna Help Brother Get Further?
6. The River in Reverse
7. Freedom for the Stallion
8. Broken Promise Land
9. Ascension Day
10. International Echo
11. All These Things
12. Wonder Woman
13. Six-Fingered Man


2006年リリース。




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Last updated  2018年02月19日 07時25分08秒
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