音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2020年01月14日
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18年ぶりの新作は貫禄の1枚


 リトル・スティーヴン(Little Steven, Steve Van Zandt)は、2017年になってようやく21世紀最初のアルバムをリリースした。1999年の『ボーン・アゲイン・サヴェージ』以来なので、18年ぶりのアルバム発表であった(無論、その間にブルース・スプリングスティーンのバンドや個人では俳優業など様々な活動はしていたのだけれど)。それが本盤『ソウルファイアー(Soulfire)』であり、提供曲など自分で自分をカバーした、いわゆるセルフ・カバー曲を中心としたカバー・アルバムであるが、他人のカバーやアウトテイクなどのナンバーも含む。

 収録曲をざっと見渡してみたい。1.「ソウルファイアー」は、デンマークのバンド、ザ・ブレイカーズ(The Breakers)への提供曲(2011年の同バンドのセルフ・タイトル作に収録)。それから、提供曲という点では、盟友のサウスサイド・ジョニーへの提供曲が複数含まれている。2.「アイム・カミング・バック」は 『ベター・デイズ』 (1991年)、5.「サム・シングス・ジャスト・ドント・チェンジ」と6.「ラヴ・オン・ザ・ロング・サイド・オブ・タウン」は『ディス・タイム・イッツ・フォー・リアル』(1977年)、11.「アイ・ドント・ウォント・トゥ・ゴー・ホーム」は 同名のアルバム (1976年)に収録されたものといった具合である。リトル・スティーヴンによる提供曲と言っても、共作も含まれる。例えば、上記の6.はブルース・スプリングスティーンの共作だし、9.「スタンディング・イン・ザ・ライン・オブ・ファイアー」は、ゲイリー・US・ボンズとの共作で、彼らの同名アルバム(1984年)に収録されたナンバーである。

 セルフ・カバーではなく、先達のカバー曲もいくつか収録されている。3.「ブルース・イズ・マイ・ビジネス」はエタ・ジェイムズ、8.「ダウン・アンド・アウト・イン・ニュー・ヨーク・シティ」はジェームズ・ブラウンの曲をカバーしたものである。さらに、それ以外には、7.「ザ・シティ・ウィープス・トゥナイト」のような過去作のアウトテイク、4.「アイ・ソー・ザ・ライト」のように未完成だった曲(リッチー・サンボラとの共作)を完成させて今回のアルバムに収録したものも含まれている。

 全体を通して納得なのは、どの曲も見事なまでに“リトル・スティーヴン節”に仕上がっている点である。若い頃の奇抜さは少し引っ込んだように見えるけれども、独特の粘っこいヴォーカル、堂々としたアメリカン・ロック調をベースにいろいろと工夫を凝らすアレンジ力はやっぱりこの人のマルチ・タレントさなしには成り立たない。決して多作なアーティストではないけれど、その才能と年月を重ねた貫禄がどちらも発揮された好盤だと思う。


[収録曲]

1. Soulfire

3. Blues Is My Business
4. I Saw the Light
5. Some Things Just Don't Change
6. Love on the Wrong Side of Town
7. The City Weeps Tonight
8. Down and Out in New York City
9. Standing in the Line of Fire
10. Saint Valentine's Day
11. I Don't Want to Go Home
12. Ride the Night Away

2017年リリース。





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Last updated  2020年01月15日 20時04分13秒
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