ギターの神童と言われたエリック・クラプトン(Eric Clapton)は、1970年にソロ・デビュー盤をリリースして以降、長い目で見ると、徐々にシンガーとしての立ち位置を強めていった。かつての前のめりなギター演奏のイメージとは大きく異なり、“レイド・バック”や、レゲエを取り込んだ点などは、それが表面化した現象だったと言えるように思う。1976年発表の本盤『ノー・リーズン・トゥ・クライ(No Reason to Cry)』は、後世から見れば、そうした形でクラプトンがシンガーとしての存在感を強めていった流れの中で理解できる盤なのではないかというふうに思ったりする。
1. Beautiful Thing 2. Carnival 3. Sign Language 4. County Jail Blues 5. All Our Past Times 6. Hello Old Friend 7. Double Trouble 8. Innocent Times 9. Hungry 10. Black Summer Rain 11. Last Night(CD追加曲)